21. 放射能X
イイねぇ、「放射能X」。何と言っても脚本が上手い!”蟻酸”や”女王蟻の存在”等々蟻の生態って奴をキチンと踏まえて安直な嘘や誤魔化しが無いから、サスペンスに満ちたストーリー展開にも抜群の説得力が有る。コノ手の映画だと目撃者の証言を一笑に付してみすみす後手に回る無能ぶりを曝すことの多い警察や軍隊が本作では機敏な対応を見せるのもテンションを高めて実に小気味良い。最高殊勲賞はテッド・シャードマンのシナリオにあるのは間違いない。次いでお手柄なのは勿論、ミニチュアではなく本当にでっかく作られた巨大蟻のギミック!!動きはやや大味ながらもハリーハウゼン的な人形アニメと一味違った巨大感は何ともド迫力で画面を盛り上げていた。最後にキャストについても触れておきたい。保安官ピーターソン役を演じたJ・ホイットモアは本作や「アスファルト・ジャングル」「猿の惑星」といった古典から「ショーシャンクの空に」「レリック」といった近作まで渋い脇役を務め続けている大ベテランである。本作では珍しい主演を見事に果たした。科学者メドフォード役のエドマンド・グウェンは「三十四丁目の奇蹟」(1947年・監督:ジョージ・シートン)でオスカー(助演男優賞)を獲得した名優だが、所詮お子様向けと馬鹿にしたりせず、本作のようなB級SFにもマメに顔を出してくれているのが嬉しい。FBIのグラハム捜査官を演じたジム・アーネスは1951年のSF映画「遊星よりの物体X」(監督:クリスチャン・ナイビー)で長身を買われモンスター役を演じたことでも有名。「X」つながりでマニア垂涎の両作に出演した幸運な男優として永遠に記憶され続けるだろうw。ロサンゼルス地下下水道が蟻塚と化したシークエンスの強烈なインパクトがキャメロンの「エイリアン2」にまで及ぼした歴史的事実は(実際に見比べて頂ければ一目瞭然だが)矢張り偉大であると個人的には思うので…古典的名作に敬意を込めて8点!! 8点(2003-10-08 03:39:02)(良:1票) |
22. ぼくの伯父さん
【STING大好き】さん、私もジャック・タチは大のお気に入りですよ。あのユロ氏の何ともトボけた飄逸な人物造形は彼ならでは。クレールやチャップリン、キートンといったサイレントの巨匠へのリスペクトが隅々に感じられるので、工場シーンやパントマイム演技にも思わず微笑んでしまいます。けど、本作でとりわけ秀逸なのはオープニングとエンディングを飾る犬たちだと思います。イヤ可愛いの何のって。現代文明への痛烈な風刺が主題なんでしょうが、露骨になり過ぎず実に抑制の利いた演出です。こんな一風変わった個性的な監督&俳優にはお目に掛かるコトも無いでしょう。寡作(5本!)だったのが惜しまれてなりません。ストーリーが若干行き当たりばったりな点と最後にユロ氏が喋るのが”画竜点睛を欠く”気がしないでもないので…9点。 9点(2003-04-21 00:51:08)(良:1票) |
23. ポパイ
ディズニーもアニメの実写版を制作するのに、ロバート・アルトマンを起用するセンスは…理解不能。現在のCG等を駆使したSFXなら兎も角、チャチい特殊メイクの、あのブッとい腕は…何というか、その、ロビン・ウィリアムズ哀れ。因みにヒロインのオリーブを演じた女優はシェリー・デュバル。他にはキューブリックの「シャイニング」でのニコルスンの妻役なんかで有名かな。群像劇が大好きなアルトマンにとって、主要キャストがポパイ・オリーブ・ブルートの三人に限定された本作では如何ともし難かったか…。ま、少なくとも私ゃコレ観るくらいならアニメの方を観るね。ロビンの意外な過去をどうしても知りたい!!という奇特な方には必見の迷作中の迷作。申し訳ないけど5点ッス。 5点(2003-03-12 00:22:48) |
24. 暴走機関車
(60年代の)黒澤が撮ってりゃナァ…と思っただけ。あと、ジョン・ボイトはJon Voightなんであって「ボイド」じゃないよ。ご参考までに。 6点(2003-03-08 02:09:10)(良:1票) |
25. 僕らはみんな生きている
原作者の山本直樹がエロ漫画家なだけにピンク映画を撮っていた滝田洋二郎が監督ってのは思わず納得!!ラストで真田広之がゲリラに大見得切る場面は原作そのまんまだが、アジア内でアジア・バッシングてのは如何なモノだろう?ゲスな優越感をお笑いで誤魔化そうとしていて不快なんで5点。 5点(2003-02-23 11:29:06)(良:1票) |
26. ホット・ショット2
個人的にはロイド・ブリッジスがサダム・○セイン風の悪玉とフェンシング対決する辺りが一番かな。実際○ッシュも自分がイラクへ単身乗り込んであれくらいやりゃあイイのに。お馬鹿映画第2弾ランボー編にトラウトマン(リチャード・クレンナ)まで担ぎ出すサービス精神は買いましょう。6点。 6点(2003-02-22 03:52:23) |
27. ポルノスター
主人公の「お前もいらん」は何か陳腐な感じで、「タクシー・ドライバー」のトラヴィスをパクろうとしてる積もり…なのか?個人的には杉本哲太の下品なギャグ「金銀パールプレゼント~!!」が寒くて…直後に主人公から物凄い数のナイフを突き立てられまくるのも止むナシと思った(^^)。 4点(2003-02-12 02:26:41) |
28. ボーイハント(1960)
ヒャー、何とも素朴な当時の若者たち!余りにレトロな青春に思わず微苦笑してしまう。コニー・フランシスは主題歌も熱唱し出演も確かにしているが、主演は飽くまでドロレス・ハート。まぁ、昨今の毒々しい過激な青春物に比べりゃ罪がない分、許せるカモ。ただ…コニーには後日談があって、この後実際にレ○プされる悲劇に見舞われる。何だか「事実は小説より奇なり」どころじゃ済まされない下世話さ・悲惨さにイヤーーーな気分に。 6点(2003-02-01 11:28:57) |
29. ポルターガイスト(1982)
だーーかーーらーー逃げろよ、引っ越せよ!!!こんな気色悪い住宅地なんか!!ナニ考えてんの?? 6点(2003-01-31 16:41:53) |
30. ボディガード(1992)
期待しなけりゃ、そこそこ楽しめるんじゃ?とは思いますが、アッサリ薄味関西風なストーリー展開は個人的にはどうも乗れない。コスナーもホイットニーも特に好きでもないし(嫌いって程でもないが)。ローレンス・キャスダンも自分で監督すりゃイイのに。 6点(2003-01-31 02:48:32)(良:1票) |
31. ホワイト・バッファロー
いやいやいや、バッファローは拍子抜けに小さくて全然迫力ナシ!しかも、ハリボテ丸出しの造形で可成ーーり興醒めですゾ。今ならCGでリメイクすりゃ「ジュマンジ」くらいには迫力出るかも。 4点(2003-01-29 02:30:18) |
32. ぼくの美しい人だから
ベストセラーというグレン・サヴァンの原作は未読。なので、映画の印象だけで言わせて貰うと、妻を亡くした悲しみのあまり酔い潰れたのに付け込んで、その若い男を逆レイプする年増のオバハンってのが何ともお下劣で、悪いけど全然感情移入できなかった。目玉のギョロついたスーザン・サランドンにも魅力を感じないし。そんなにイイかねぇ? 5点(2003-01-28 04:50:14) |
33. BODY/ボディ
法廷サスペンスにエロまで欲張った怪作。超C級な内容だがキャストはマドンナは兎も角、デフォーにユルゲン・プロホノフ、アン・アーチャー、ジュリアン・ムーアと意外に豪華。恐れ多くも偉大なるワイルダー先生の名作「情婦」をパクろうとした恥知らずぶりとマドンナの大したこともないヌードに…4点。 4点(2003-01-22 02:01:03) |
34. ホワイトナイツ/白夜
バリシニコフのバレエシーンは確かに圧巻なんだが、グレゴリー・ハインズのタップは…悪いけどアステアの洗練されたステップと比較すると月とスッポン!なので今イチドラマも盛り上がらず。イザベラ・ロッセリーニは「カサブランカ」の母バーグマンを意識したかの如き役作りが何とも微笑ましい。 6点(2003-01-19 01:28:43) |
35. ホット・ショット
ま、下らないと言えば下らないですが、作り手もそれは百も承知みたいなんでイイんじゃないかナ?個人的にはチャーリー・シーンは「プラトーン」とか「ウォール街」とかでイキがってるよりゃ遙かに適役でマシに思えたけど。ご贔屓のヴァレリア・ゴリノも出てたんで…6点ッス! 6点(2003-01-19 01:13:04) |
36. ポセイドン・アドベンチャー(1972)
ポール・ギャリコの原作小説を巧みに脚本化したスターリング・シリファントが本作のMVP!上下逆さま(upside-down)の発想のユニークさをCG無しに見せる美術スタッフの努力に感服!ロナルド・ニームも監督として一世一代の大仕事を見事にやってのけた。制作者のアーウィン・アレンは…商売気を出して超つまらん続編を作った(しかも監督まで…)ので無視。個人的に物凄く印象的なのは豪華客船ポセイドン号が転覆する寸前まで船内で行われていた新年カウントダウンパーティ。「蛍の光」を大晦日に歌うのは日本人だけだと思っていた私は、乗客達が肩を組んで「Auld Lang Syne(蛍の光のオリジナルであるスコットランド民謡)」を合唱する姿に雷に打たれたような衝撃を受けた。欧米のヒトも日本と同じ様なコトやってんだなぁ、とパニック映画そのものと全く関係ない所で感動したのは世界広しと言えど私くらいのものカナ?…って全然威張れるコトじゃないか。ただ、新年を迎えた瞬間に横波を食らうってのはいくら何でもタイミング合い過ぎで興醒めなので2点マイナス!裸の銃を持つ男が何気にポセイドン号船長だったりして(^^)。ジーン・ハックマンの牧師は…ゴツ過ぎて似合わないにも程があるトコが御愛敬。 8点(2003-01-07 04:42:35)(良:1票) |
37. 慕情(1955)
シンプル・イズ・ザ・ベストな邦題と主題歌だけ…言い過ぎかもしれないが、そんな印象。朝鮮戦争が背景ってのも今イチだし、ストーリーが「泣かせまっせ」映画の典型なのも肌に合わない。ホールデンとジェニファー・ジョーンズが好きでたまらんヒト向け悲恋ラブロマンス。ヘンリー・キング監督の作品なら「頭上の敵機」の方が断然オススメ! 6点(2003-01-07 03:49:57) |
38. ホーム・アローン2
些か前作を踏襲し過ぎ。「マイ・レフトフット」のオスカー(助演女優賞)俳優ブレンダ・フリッカーに「鳩婆さん」はないだろ?無駄遣いも甚だしい!ギャグもエグ過ぎてあんまり笑えないな…。 5点(2003-01-07 03:33:41) |
39. ポケット一杯の幸福
キャプラの遺作なんだが…セルフ・リメイクてのが何とも泣かせる。残念ながら才気走った演出の33年版(「一日だけの淑女」)には遠く及ばない。それでも旧作を知らないヒトに充分面白いと思わしめるのは、デイモン・ラニアンの原作が素晴らしいからに他ならない。「ステラ・ダラス」にしろ、「一日だけの淑女」にしろ所謂「母モノ」って奴は洋の東西を問わず好んで描かれる題材だねぇ。しかし…確かにピーター・フォークは出てるけど、主演は本来グレン・フォードじゃあないのかな? 7点(2002-12-30 04:35:19) |
40. ポセイドン・アドベンチャー2
アーウィン・アレンのプロデュースの手腕はそれなりに評価できるが、監督としてはどーしよーもないヒドさ!ロナルド・ニームが凄い巨匠みたいに思えてくるから不思議(^^)。 3点(2002-12-22 12:29:06) |