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1.  ボディ・アンド・ソウル
オープニングの、屋外練習用リングの俯瞰から 窓際のベッドで魘されるジョン・ガーフィールドへと移るショットの暗く不穏な情緒が 秀逸で、映画後半に時制が戻る際に反復される同一構図のショットでは そこに至るドラマの蓄積も相まって悪夢的イメージがさらに増幅されて印象深い。  リングサイド下からあおり気味に捉えられた実録風のファイトシーンの迫真と、 裏切りを知ったガーフィールドの狂気を帯びた表情が緊張に満ちた見事なモンタージュを象る。 負のスパイラルの中で主人公が葛藤するドラマのラスト、 観客を掻き分けながら駆け寄るヒロインの姿と、二人の後ろ姿のシルエットに 見る者も救われる。  助監督にはアルドリッチ。納得感がある。
[DVD(字幕)] 9点(2013-09-16 07:18:49)
2.  僕は戦争花嫁
戦禍の生々しく残るドイツの街並みを往くサイドカー。 その狭いシートに押し込められたケイリー・グラントとその横で颯爽と運転するアン・シェリダンの図が、このスクリューボール・コメディの女尊男卑を端的に物語る。  前半はドイツの農村の牧歌的なロケーションの中で繰り広げられる異性間闘争が軽妙で楽しいが、後半は結婚した二人と「男性社会的」組織との闘争となる。  狭いサイドカーや浴槽に押し込められ、ペンキ塗りたての柱に登らされ、さらには干し草の山に突っ込み、と散々な目に遭わされ続け、ベッドでゆっくり眠る事すらままならないケイリー・グラントの被虐の連続に、後半は笑いも少々弾けづらい。  その反面、結婚申請を邪魔した男性士官を派手に盆で殴り、グラントをリードしていくアン・シェリダンがひたすら痛快だ。 
[DVD(字幕)] 7点(2012-04-17 23:54:22)
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