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かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1885
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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21.  マレフィセント2 《ネタバレ》 
もはや元ネタの「眠れる森の美女」とは何の関係もなくなってしまったディズニー名作アニメ実写化シリーズ最新作。その映像のクオリティは抜群の安定感で、妖精たちのカラフルな造形は見ているだけでワクワクしちゃいますね。まあ肝心の内容の方は恐ろしくつまんなかったですけど。だいたいオーロラ姫もマレフィセントも最後まで何がしたかったのかいまいちよく分からない。明確な目的をもって動いていたのは、新悪役のあのミシェル・ファイファー演じる女王様だけなんじゃないでしょうか。オーロラ姫をかばって死んだマレフィセントがそのすぐ後には復活し、その理由も実は不死鳥の末裔だからと言う超テキトーなものだったのには思わず失笑しちゃいましたわ。映像のクオリティとオーロラ姫を演じたエル・ファニングちゃんの可愛さに5点!
[DVD(字幕)] 5点(2020-09-02 00:16:18)(良:1票)
22.  マスターズ・オブ・ホラー(2018) 《ネタバレ》 
街の片隅に佇むその古ぼけた映画館では、夜な夜な誰も知らないような無名の作品が上映される。観客は常にたった一人。しかもどうしてこの映画館にやってきたのかすらぼんやりとして思い出せない。やがて独りぼっちの観客は驚きの真実を知ることになる。なんと映画の主人公は、自分自身だったのだ。今夜も血と恐怖にまみれた「悪夢の映画」の幕が上がる――。第一話『森の中の物体X』。広い森の中を逃げ惑う血だらけの若い女性。追ってくるのは溶接用の仮面を被り、ガスバーナーを手にした謎の男。森の中でボーイフレンドと再会した彼女は一軒の小さな山小屋の中へと逃げ込むのだが、そこで驚愕の真実を知ることに。監督はキューバの新鋭、アレハンドロ・フルゲス。ベタベタなスプラッター・ホラーと見せかけて、後半に驚異のどんでん返しを見せるアイデアはなかなかグッド。演出もキレがいいし、特にモンスター視点で画面を見せるとこは面白かった。ただ良くも悪くもチープすぎるのが難点か。6点。第二話『ミラリ』。優しい彼氏との結婚を控えた若い女性。だが、彼女には唯一の悩みの種が。顔の目立つところに大きな傷跡があるのだ。彼の両親に会う前に、彼女は言われるまま整形手術を受けることに。だが、手術室から帰ってきた彼女は自らの身体に加えられた〝改造〟に気づいてしまう。監督はハリウッドのベテラン、ジョー・ダンテ。ワンアイデアながら長年の経験が活かされた、小気味のいいショートショートに仕上がっていたんじゃないでしょうか。主人公以外の人間が皆怪しさ爆発なのがナイスですね~。ただ、肝心の改造された主人公の造形がもひとつでした。6点。第三話『マシット』。森の中に佇む古い教会。そこでは悪魔に取り憑かれた少女によって惨劇が繰り返されていた。修道女とともにそんな悪魔を撃退しようとする神父だったが。監督は唯一の日本人、北村龍平。同じ日本人として擁護したくもなりますが、どうにもこうにも出来の悪い作品でした。狙ってやってる悪ふざけ感が、どれもかなり寒いのが痛々しさマックス。4点。第四話『出口はこちら』。幼い二人の息子とともにカウンセリングへとやって来た若い母親。彼女は時間とともに周りの景色が醜く歪んでゆくという謎の幻覚に悩まされていたのだ。だが、予約していた精神科医はなかなかやってこない。そうしてる間にも周りはどんどんと汚れてゆく。監督はB級ホラーの俊英、デビッド・スレイド。全編白黒で撮られた映像がかなりセンスがあって凄く良かった!周りの景色がどんどんぐちょぐちょになってゆくのだけど、白黒と言うのがいい緩和剤になっててむしろスタイリッシュでさえありました。不穏なストーリーもぐいぐい惹き込ませる魅力が感じられて、短いながらも面白かった。7点。第五話『死』。暴漢に襲われ両親を殺された少年。自らも瀕死の重傷を負い、生死の淵を彷徨った彼は、目覚めてみると死者が見えるようになっていた。そこに両親を殺した殺人鬼が再び現れて。監督はミック・ギャリス。怖がらせ演出やお話はセオリー通りで好感が持てるものの、映像面がけっこうダサい。特に死の世界から呼びかける両親の映像は失笑レベル。5点。と、全体の平均点は5.6点なので、四捨五入してぎり6点ってとこですね。暇潰しで観る分にはまあいいんじゃないでしょうか。ちなみに、ストーリーテラーにあたる映写技師をミッキー・ロークが演じております。
[DVD(字幕)] 6点(2020-07-18 01:27:27)
23.  マッドタウン 《ネタバレ》 
地球温暖化の影響で砂漠化が進み、極度なまでに荒廃した未来社会。政府の力は限りなく弱体化し、砂漠はもはや無法地帯と化していた。そこは人間を狩ってその肉を喰らう食人集団や、麻薬に溺れる無法者どもが住まう狂気の地。犯罪者や社会不適合者と政府から判断された者は、〝バッド・バッチ〟と呼ばれ、そんな砂漠地帯へと追放されるのだった――。罪を犯し、街から追放された若い女性アーレンもまた、そんな何処までも続く荒れ果てた世界を前に途方に暮れていた。そんな彼女を、待ってましたとばかりに襲ってくる食人族集団。すぐに彼らに捕まったアーレンは、そのまま右手と右足を切断され、その日のディナーにされてしまう。残りの肉は明日のお楽しみとして、鎖で繋がれ監禁されるアーレン。「このまま、こいつらに喰われてたまるものか!」。隙を突いて何とか逃げ出した彼女はスケートボードに乗って、行く当てもなく砂塵の中を彷徨うことに。そんな彼女を救ってくれたのは、同じく砂漠で暮らす麻薬中毒者たちのコミュニティだった……。荒廃した未来社会を舞台に、片手片足を失いながらもたくましく生きる女性を描いたバイオレンス・アクション。ジェイソン・モモア(アクアマン!笑)やキアヌ・リーブスと言った新旧ハリウッド・スター共演ということで今回鑑賞してみました。まあやってることは完全に『マッド・マックス』の二番煎じなんですけど、冒頭から主人公が右手右足を鉈でぶった切られて食べられるというぶっ飛び展開に一気に惹き込まれました。食人族集団のボスを演じたジェイソン・モモアも、そのイカつい見た目とは裏腹に溺愛する一人娘の絵を描くことを唯一の楽しみにしてるというのもギャップあり過ぎで大変グッド。さらわれた娘の情報を得るために、謎の浮浪者に言われるまま、彼がそいつの絵を描くところも乾いたユーモアがあってけっこうクスリとさせられました。ただ、本作が面白かったのはここまで。そこからものの見事に失速しちゃいます。いやー、完全に出オチ映画でしたね、これ。全く中身がないうえに、さして面白くもないお話が最後までダラダラダラダラ。とにかくこの主人公がいったい何がしたいのか最後まで全く意味不明なので、全然盛り上がらないんですよ。キアヌ・リーブス演じる麻薬王の存在なんて、何のために出てきたのかさっぱり分かりません。挙句、最後はこの主人公が食人野郎と何故か良い感じになってハッピー・エンド。え、何それ?てか、あんたの右手右足をぶった切って食べたのはこいつですからーー!4点!!
[インターネット(字幕)] 4点(2020-07-02 14:40:57)
24.  マッドバウンド 哀しき友情 《ネタバレ》 
アメリカ南部の広大な田舎町で綿花農場を営む白人の地主と、彼らに仕える貧しい黒人の使用人一家。第二次世界大戦と言う激動の時代に運命を翻弄された、彼らの三世代にわたって繰り広げられる壮大な愛と憎しみの物語。たくさん登場するキャラクターたちの相関関係はかなり複雑で、しかも何年にも時代を跨って紡がれる壮大なお話なのに、監督の類稀なるストーリーテリングの巧みさによって非常に完成度の高い作品に仕上がっておりました。それぞれの登場人物の極めて個人的なモノローグを全編に散りばめ、舞台もアメリカ南部の閉鎖的な田舎町からヨーロッパの激戦地にまで大きく拡げながらも最後まで物語を破綻させることなく魅せたこの監督の手腕は特筆に値すると思います。取り上げられるテーマも、人種差別、不倫の恋、親子の確執、戦場のトラウマ、そして人種の壁を乗り越えて育まれる友情と多岐にわたり、しかもそのどれもちゃんと過不足なく描くという離れ業を見事にやってのけている。アカデミー脚色賞ノミネートも納得です。役者たちのナチュラルな演技も見応え充分で、特にこの時代に多くいたであろう抑圧された人妻を可憐に演じたキャリー・マリガンはとても魅力的でした。ただ、さすがに後半、幾分か冗長に感じられるシーンがちらほらあったのが残念。余計なシーンを何か所か削れば、もう少しスリムに出来たのでは。とはいえ、全体的な満足度はかなり高い。最後、人種の壁を乗り越えて強い友情を育んでいた息子たちが辿る悲劇には、大きく心揺さぶられました。あの公然と黒人を奴隷扱いするクソ親父に裁きが下った時、思わずカタルシスを感じてしまった自分もまた、憎しみの連鎖の中に居るのでしょうか。現代にまで連なる人種差別という問題の根深さに、改めて戦慄せざるを得ません。監督は本作が実質的なデビュー作となる俊英、ディー・リース。なのに、この新人離れした堂々たる風格。今から将来が楽しみな、新たな才能との出会いに喜びを隠せません。
[インターネット(字幕)] 7点(2020-06-10 20:52:22)
25.  マーシャル 法廷を変えた男 《ネタバレ》 
1941年、アメリカ南部の保守的な田舎町で起こった、貧しい黒人男性による裕福な白人女性レイプ事件。社会に衝撃を与えたこの事件に弁護士として関わることになるのは、「全米黒人地位向上委員会」で当時唯一の弁護士だったサーグッド・マーシャルだった。まだまだ根強く残る黒人への差別感情と戦うために、マーシャルは身重の妻を残して現地へと旅立つ。だが、事件を担当することになった判事は、彼が他州で弁護士登録をしていたため被告の主任弁護士となることを認めなかった。仕方なく彼が取った方法、それは現地で手伝いだけをする予定だった民事専門の弁護士フリードマンを担当弁護士として祭り上げること――。波風立てず順調に出世コースに乗ることだけを心掛けていたフリードマンは、降ってわいた事態に混乱するばかり。だが、裁判が始まり、黒人たちが置かれたこの国の現状を知ってゆくと、彼の心情にも変化が訪れ……。のちに黒人初の最高裁判事にまで昇りつめた弁護士サーグッド・マーシャルの文字通り法廷を変えた事件を描いた法廷サスペンス。実話を基にしたという本作、綿密な取材と時代考証、役者たちのナチュラルな演技、そして何より黒人たちが受けてきた不当な差別にスポットライトを当てる社会性等によって、なかなか見応えのあるドラマに仕上がっていたと思います。重いテーマを扱いながらも、一貫して変わらない軽妙洒脱な演出やお洒落でブルージーな音楽とによって非常に観やすく創っているのにも好感持てました。黒人と白人、方や正義感に燃える敏腕弁護士、方や平凡に生きていたいだけの小市民弁護士と、まったく正反対の二人にいつしか芽生える友情という弁護士版バディものとも言うべきストーリーも分かりやすくてグッド。ただ、良くも悪くも本作は実話を基にした作品。肝心の法廷劇の方は、正直微妙と言うほかありません。黒人が犯した白人女性レイプ殺人未遂と言う凶悪事件の真相がドラマの最大の焦点となるのですが、最終的に明かされることの真相が「え、結局それだけのことやったんかい!」と言わざるを得ない凡庸なものでした。まあそれが事実だと言われればそれまでかも知れませんが、もう少しドラマティックな見せ方をとっても良かったのでは。法廷劇としてはちょっぴり物足りなさの残る作品でありました。
[DVD(字幕)] 6点(2020-01-10 00:23:55)
26.  マイル22 《ネタバレ》 
アメリカで秘密裡に暗躍する特殊工作員たちの活躍を臨場感たっぷりに描いたハード・アクション。監督はこの手の分野を得意とするピーター・バーグ、主演を務めるのは彼の作品のもはや常連とも言えるマーク・ウォールバーグ。他にハリウッドの名バイプレーヤー、ジョン・マルコヴィッチが名を連ねております。まあこの監督らしいと言えばそれまでなんですけど、なんだか演出が全体的に大味な作品でありましたね、これ。冒頭の一軒家におけるテロリストたちとの銃撃戦こそかなりの迫力だったのですが、その後の主人公たちのドラマの描き方が正直かなり大雑把。彼らがそれぞれいったいどんな背景を抱えているかがいまいちよく分からないまま、強引にお話だけが進行していくので観客はだいぶ置いてけぼりを食らっちゃいます。そもそも主人公たちの属する組織がいったいどんなものなのかもよく分かりません。そこに東南アジア政府やロシアのKGBなどが絡んでくるうえに、主人公の現代の尋問シーンなども差し挟んでくるのでお話が無駄にややこしい。物語も中盤を過ぎたあたりで、ようやく「大量破壊兵器の秘密を知る亡命者を22マイル先の空港まで護送する」という本筋が見えてくるのですが、「え、そんな単純なお話やったんかい!!」と思わずずっこけそうになっちゃいました。ウォールバーグ演じる主人公がやたらイライラして悪態つきまくるうえに、腕のゴムをひたすらパッチンパッチンやるのも見ていて不愉快。瀕死の重傷を負った仲間のおばちゃんには手榴弾を渡し自爆を強要するという非情さを見せながら、違う仲間のええおねーちゃんが危機に陥ったら全てを危険にさらしてまで助けに駆けつけるという彼の一貫性の無さには、もはや呆れを通り越して失笑してしまいましたわ。あんた、えこ贔屓しすぎやろ(笑)。うーん、正直、観る価値はなかったかな。
[DVD(字幕)] 4点(2019-11-04 21:17:03)
27.  マンディ 地獄のロード・ウォリアー 《ネタバレ》 
イカれたヒッピーカルト教団に、目の前で妻を惨殺された男の血に塗れた復讐劇を独創的な映像で魅せるバイオレンス・リベンジ・スリラー。毎度おなじみニコラス・ケイジが、血走った目で次々と悪のヒッピー野郎どもを血祭りにあげる狂気の復讐者をのびのびと演じております(笑)。なんだか定期的にこの手の作品って制作されてますよね~。60年代、70年代のハード・ロックやヘヴィメタル、幾多のカルト映画などに多大な影響を受けたであろうサブカル系のB級作品。最近で言えば、賛否は別にしてロブ・ゾンビなどがその手の作品を幾つか作っておりますが、本作もその系譜に連なる作品であります。毒々しい原色を多用した映像にノイジーでエキセントリックな音楽、そして荒唐無稽なバカバカしい内容…。確かに唯一無二の独自の世界観を構築した中毒性の強いトリップ・ムービーであることは僕も認めるところなのですが、いかんせん前半の展開が死ぬほど退屈なのが本作の弱点。やたらとスローモーションを多用し、意味のよく分からないモノローグが延々と繰り返されるので、もう眠たくって仕方ありません。「とっとと本題に移行しろや!!」と何度もキレそうになっちゃいました。ただ、嫁が惨殺されてニコケイが復讐を開始する中盤あたりからようやく面白くなります。常人にはもはや考えつけないであろうぶっ飛び展開が次から次へと繰り出されてくるので、なんだか軽くラリっちゃったような気分に。白ブリーフ姿のニコラス・ケイジが雄叫びをあげながら、変な形の武器を一から創り始めるとこなんてもはや何が何だか分かりません(笑)。悪役たちも負けずと変な笛を吹いて、全身とげとげの謎のバイクライダーを助っ人として呼び出してくるという謎展開。こいつらがチェーンソーでひたすらチャンバラするシーンなんて何処まで真面目に創ってるんでしょうね。途中に流れるチェダー・ゴブリンのCMなんて頭おかしいとしか言いようがありませんわ。んで最後はラスボスのカルト教祖様の頭を素手でぶっ潰した血みどろニコケイが、土星をバックに車で立ち去って終わり……。なんやねん(笑)。と、この後半のぶっ飛びまくりのカルト・ムービーっぷりがすこぶる良かっただけに、前半のかったるい展開がなんとも惜しい。いらんシーンをバッサリ削って90分くらいの映画にしてくれたら、もしかしたら伝説のカルト映画になれたかも知れないのにね。
[DVD(字幕)] 6点(2019-10-31 22:58:23)
28.  まともな男 《ネタバレ》 
平凡な中年サラリーマン、トーマス。彼は15歳になる一人娘と最愛の妻とともにささやかながらも幸せな日々を過ごしている。ただ少し酒癖が悪く、過去に起こしたトラブルから現在は禁酒し、週に何度かカウンセリングに通っている。不安と言えばそれぐらいで、仕事もぼちぼち順調、思春期の娘と情緒不安定気味の妻とは多少ギクシャクしているもののそれなりにいい関係を築いているつもり。そう、彼は何処にでもいるような“まともな男”だ。あなたと同じように――。ことの発端は、家族水入らずで出かける予定だったスキー場へのバカンスだった。ところが直前で上司の娘である同じく15歳の女の子、ザラも連れていくことに。この何かと背伸びしたい年頃のザラが、キャンプ場へと着いた初日の夜に酒場のパーティーに出かけたいと無理を言い出す。上司との兼ね合いもあり、トーマスは渋々自分の娘と一緒に酒場へと送り届ける。だが、数時間後に迎えに行くとザラは泣きながら衝撃の告白をするのだった。自分は地元の若い男にレイプされた――。上司に何と説明すればいいのか。トーマスは事態を取り繕うため、咄嗟に小さな嘘をついてしまう。その些細な嘘が予想もしない事態を招き、やがて自らをますます窮地へと追い込んでゆくことも知らずに…。平凡なサラリーマンが落ちてしまった、そんな日常に潜む危険な落とし穴をシニカルに描いたクライム・ドラマ。特筆すべきなのは、このトーマスという男の絶妙なキャラクター設定でしょう。「こういう人、実際によくいるよね」と思わせるほどリアルで、ところどころ身につまされるほどでした。みんなの顔を立てるあまり、その場その場で適当な嘘を繰り返し、自分は優しいふりをしながら結局は自分のことしか考えていない、そして大きな事件があるとおどおどしてうろたえるだけ、どうしようもなくなると最後は酒に逃げる……。もう典型的な小心者のダメ男。彼が自業自得の窮地へと追い込まれる様はなかなかリアルで最後まで引き込まれました。ただ、正直それだけという印象もなきにしもあらず。この手の作品を得意とするコーエン兄弟ほど突き抜けたものもなく、かといってブラックな笑いに溢れているわけでもなく、最近流行りのイヤミスのように何日も引きづりそうな後味の悪さもない。そこそこよく出来た“まともなクライム・ドラマ”、ただそれだけですね。
[DVD(字幕)] 6点(2019-10-11 19:10:51)
29.  マイ・サンシャイン 《ネタバレ》 
1991年、ロサンゼルスで起きた黒人たちによる大規模な暴動事件。いわゆるロサンゼルス暴動。発端は、無抵抗の黒人が白人の警官たちによって執拗に暴行を受ける様子が公開されたこと。のちに起訴されたその白人警官たちは、裁判の結果、なんと無罪放免となり溜まり溜まった黒人たちの怒りが頂点に達したのだ。本作は、多くの死傷者を出したその実際の事件を背景に描いた群像劇だ。監督は、トルコの保守的なイスラム社会で精いっぱい自分らしく生きようとする姉妹たちの姿を描いた『裸足の季節』で鮮烈なデビューを飾ったデニズ・ガムゼ・エルギュベン。主演を務めるのは、名実ともにハリウッドのトップクラスの実力を誇る、ハル・ベリーとダニエル・クレイグというベテランコンビ。ということで、かなり期待して今回鑑賞してみました。先に結論を述べさせてもらうと、正直かなり残念な出来の作品であったと言わざるを得ません。とにかく演出も脚本も編集ももう素人レベルの稚拙さ。ストーリーは最後まで何を描きたかったのか全く意味不明で、後半にいたってはもはや破綻していると言っても過言ではありません。沢山出てくるキャラクターの背景となる基本的な情報も一切スルーされているので、もう誰が誰でいったい何をしたいのかさっぱり分かりません。取り敢えず、ハル・ベリー演じる主人公が血の繋がらない子供たちを何人も引き受けているらしいのですが、この設定も意味不明。そしてこの子供たちが最後までワーキャーうるさいうえに、嬉々として万引きを働いたりするもんだから観ていてかなり不愉快にさせられます。編集も終始ぶつ切りで、素人がテキトーに繋ぎ合わせたかのような酷い代物。ときおりさっぱり意味が分からないシーンが挿入されるのも混乱に拍車を掛けています。あのハル・ベリーの夢の中でダニエル・クレイグが裸になって舞い降りてくるという変なシーンはいったい何の意味があったのでしょう。最後のオチも投げっ放しの酷いものでもう見られたもんじゃありません。街灯のポールに繋がれた、パンツいっちょのダニエル・クレイグが必死に木登りして終わりって何それ?って感じです。ここまで酷いとこの監督の前作ももしかしたら奇跡の一品だったのではないかと疑いたくもなります。監督、この次が正念場でしょうね。『裸足の季節』を超えるような傑作をものして、本作がそのための残念な習作だったと語られる日が来ることを期待して待っております。
[DVD(字幕)] 3点(2019-10-02 22:57:57)
30.  マッド・ダディ 《ネタバレ》 
ある日突然、何の脈絡もなく親たちが狂い始めた!愛しているはずの息子、かけがえのない存在であるはずの娘たちに狂気の刃を向け始める!金属バットやナイフ、ハンマーや電気ノコギリを手にしたパパやママが、学校やマイホームで自分の子供たちを躊躇なく殺し始めたのだった!理由なんてどうでもいい!!追い詰められた子供たちは無事にこの地獄のような世界を生き延びることが出来るのか?というだけのお話(笑)。毎度おなじみニコラス・ケイジ主演のもう明らかにB級感バリバリのそんな本作、さして期待せずに観始めたのですが、これが意外や意外、なかなか面白いじゃないですか!もう完全にアウトなお話なのですが、この最後までイッちゃってるところがもはや完全に振り切れてて逆に笑けてきちゃうところがナイス。学校に押し寄せた親たちが次々に自分の子供を襲撃する冒頭のシーンから摑みはばっちりで、妙に能天気な音楽やブレブレの軽妙なカメラワークもこの物語のとち狂った感じに拍車を掛けています。妊婦が赤ん坊を産み落とした瞬間、急に豹変するとこなんかめっちゃ怖かったですし。そして何と言ってもニコラス・ケイジ!!彼が演じる父親のもうお家芸とも言えるキレキレ演技が凄いです。彼が自分の家で妻とともに二人の子供を追いかけまわすとこなんてもはや完全にイカレてるとしか思えません。そしてやってくる爺ちゃん婆ちゃんとの三世代にわたる血みどろの家族殺し合い……。いやー、あまりにもぶっ飛びすぎててもう笑うしかなかったですわ。何気に一番いい人だった娘の彼氏が一番悲惨だったかも。なにせワイヤーを頬に貫通させられるんですから。最後の何もかも放り投げっぱなしの酷いオチなんて、あまりにもテキトー過ぎて逆に清々しくさえありました(笑)。いやー、かなりの怪作ですけどけっこう面白かったです!7点!
[DVD(字幕)] 7点(2019-05-04 21:52:01)(良:1票)
31.  マン・オブ・スティール 《ネタバレ》 
スーパーマン――。ポマードで塗り固められた髪型、世界最高峰クラスなまでにソリッドに割れたアゴケツ、戦いの邪魔としか思えない赤いマント、何よりアイアムスーパーマン!と恥ずかしげもなく徹底的に自己主張するかのごときあの胸の赤い〝S〟マーク…。僕のなかでは、アメリカ的マッチョイズムのダサさの象徴のようなキャラクターなのですが、あのクリストファー・ノーランが製作を務め、そしてギレルモ・デル・トロと並び現代ハリウッドを代表するオタク監督であるザック・スナイダーがメガホンを取り満を持して再映画化ということでかなり期待に胸を高鳴らせながら、同時期に公開されたデルトロの「パシフィック・リム」がアメリカの一般的観客などはなから度外視、ひたすらハードなロボットSFオタクと潔いまでに日本市場を狙ったその作風とは真逆をいく、アメコミヒーローの原点なのだけど日本ではいまいち人気の乏しいキャラクターのいかにもアメリカ人好みなスーパーヒーローモノという対照的な内容に、ちょっぴり比較しつつ鑑賞してみました。いやー、スーパーマンってこんな話やったっけ?と思わせる、前々作「ウォッチメン」の小難しい哲学的要素を良い意味で薄めた感じのスナイダーらしい怒涛のエンタメ作品でありました。確かに「パシフィック・リム」と比べても負けず劣らず圧倒的に拘り抜いたその映像美は出色の出来です。その時間軸を行ったり来たりするまだるっこしいストーリー展開に、正直中盤までは「う~ん、これはどうなんだろう?」と疑問を感じながら観ていたのだけど、後半30分の「これ、もう地球を守ってるというより壊してるよね(笑)」ってくらいの怒涛のアクションシーンは圧巻!はは、スナイダーに見事にやられちゃったよ~、これ。全体的な完成度&お馬鹿なユーモアさえ漂う唯一無二の世界観は「パシフィック・リム」、完成度より後半の沸点を越えちゃった感のある振り切れた展開&911のメタファーなのかとも思える深い内容は「マン・オブ・スティール」といった感じで甲乙付け難しでした!両者のひたすら我が道を行く孤高のオタク的スタンスに、今から2人の次回作が楽しみっす!!
[DVD(字幕)] 7点(2019-03-10 01:02:09)
32.  マンチェスター・バイ・ザ・シー 《ネタバレ》 
過去に起きた悲しい出来事から誰に対しても心を閉ざしてしまった孤独な男。そして、病気で父を失ってしまったショックから鬱屈した毎日を送る青年。さまざまな巡り合わせにより、静かな港町マンチェスターでともに過ごすことになったそんな二人の葛藤と悲しみの日々を淡々と綴ったヒューマン・ドラマ。物凄く淡々としていますが、非常に見応えのある質の高い良品でした。幾つものアカデミー賞ノミネートも納得の出来です。特に主演男優賞を受賞したケイシー・アフレックの抑えた演技にはとても惹き込まれました。彼が後半、別れた奥さんから伝えられる言葉には涙が止まりません。〝哀しみは人生の親戚〟。そんな何処かの老作家の言葉を思い起こさせる、悲哀に満ちた人間ドラマの秀作。ぜひ多くの方に観てもらいたいですね。
[DVD(字幕)] 8点(2018-07-22 23:31:35)
33.  マン・ダウン 戦士の約束 《ネタバレ》 
アフガニスタンでの過酷な任務を終え、故郷へと帰還したアメリカ兵ドラマー。ところが愛する妻と子供が待つはずの地は荒廃し無人の荒野となっていた。ともに帰還した友人と家族を捜しはじめる彼。そんな彼の脳裏に戦場での過酷な記憶が交錯するのだった…。まあやりたいことは分かるし、そのメッセージ性も充分理解できるのですが、正直微妙な出来でしたね、これ。ぶっちゃけて激しくネタバレすると、まあ妄想オチなんですが、この作品の最大の欠点は早々にそのオチに気付いてしまうこと。ミスリードの仕方が恐ろしく下手です。あと、主人公の妄想世界のディテールも低すぎます!主人公の目に実際に生きてる人の姿が見えることもあったり見えないこともあったり、いくら妄想だからってここらへんをあやふやにしちゃったらあかんです。まあ最後まで退屈せずに観れたので5点で。
[DVD(字幕)] 5点(2018-06-22 10:33:52)
34.  マグニフィセント・セブン 《ネタバレ》 
『荒野の七人』を豪華キャストでリメイクしたエンタメ西部劇。監督はこの分野の御大アントワン・フークワ。まあぼちぼち面白かったってところかな。やぱ主要登場人物が七人もいると大変ですね。各々のドラマが薄くなりがちで、誰に対しても感情移入しにくいのが本作の弱点。とはいえラストのアクションシーンは抜群の安定感。まあ暇つぶしで観る分には普通に楽しめると思います。若干長いけど。
[DVD(字幕)] 6点(2017-12-04 20:49:42)
35.  マネーモンスター 《ネタバレ》 
人気財テク番組『マネーモンスター』が銃を持った男にジャックされた!!爆弾を身に着けされられた人気司会者、突然の事態にあくまで冷静に対処しようとするプロデューサー、そして番組のせいで全財産を失ったと主張する犯人、それぞれの思惑が交錯し暴走する一部始終をテレビはずっと生放送し続ける。やがて、炙りだされる一企業の不正取引…。監督は名女優ジョディ・フォスター、主演はジョージ・クルーニー&ジュリア・ロバーツというインテリ組。まあやりたいことも言いたいことも分かるのですが、なんかこじんまりと纏まっちゃった感が強いですね、これ。まあぼちぼち面白かったかなって感じです。もうちょっと心に残る何かがあれば良かったんですが…。例えば、あの人質になる司会者がもっと胡散臭い個性的なキャラクターだったりとかね。同じようなワンシュチュエーションのサスペンス劇の佳品『フォーンブース』などと比べると今一つ物足りなかったです。
[DVD(字幕)] 6点(2017-07-05 23:38:26)
36.  マネー・ショート 華麗なる大逆転 《ネタバレ》 
言いたいことは分かるが、映画として面白いかと問われれば「否」というしかない。
[DVD(字幕)] 4点(2016-10-18 02:32:03)
37.  マッド・ガンズ 《ネタバレ》 
僕は緑の大地を見たことがない――。世界的な環境破壊と異常気象により、大干魃に見舞われた近未来。何処までも拡がる砂漠の真ん中で、いつか緑の大地が戻ってくることを信じて暮らしているホルム一家。家族の長である寡黙な父親アーネストは、僅かに湧き上がる井戸水を頼りに少量の農作物を育てて生きていた。美しく成長した長女のメアリーは、そんな頑固な父親に反発しながらも家事全般を担当している。まだ思春期を迎えたばかりの末っ子ジェロームは、過酷な世界に絶望を感じながらそれでも必死に生きていこうと父親の手伝いをしている。彼らの母親は、過去のとある出来事が原因で家から離れた病院で長い入院生活を余儀なくされている。滅びゆく世界で希望を捨てずに生きてゆこうとするそんなホルム一家だったが、メアリーの彼氏である荒くれ者のフレムという男がやって来たことで深い亀裂が入っていくのだった…。荒れ果てた近未来を舞台に、親子二代に渡るとある家族の物語を乾いたタッチで綴るバイオレンス・ドラマ。正直言って、舞台設定は凡庸という他ない。『マッドマックス』が製作されて以来、これまで幾百も創られてきた終末世界を舞台にしたアクション映画を踏襲しただけで、新しい部分は一切ないと言っていい。そこで繰り広げられる物語も、よくある親子の葛藤&復讐劇で大して面白いものではない。見所は、そんな凡庸な家族のドラマを終末世界というミスマッチな舞台で非常に丁寧に創り込んでいるところだろうか。ストーリーの重要な鍵となる荷物運搬用ロボットの造形も見ているうちに愛着が湧いてくるから不思議なものだ。家族を演じたそれぞれの役者陣のナチュラルな演技も見応えがあり、特に絶望的な世界でそれでも愛する男の子供を産もうとする長女メアリーを演じたエル・ファニングの可憐さはとても印象深いものがあった。と、そこらへんは素直に面白かったと言っていいだろう。問題は、先に述べたように舞台設定に一切新しい部分がなく、ずっと砂漠の映像ばかりが続くために途中で飽きてしまうところだ。もう少し新しい部分で勝負してほしかった。時折、はっと目を見張るほどいいシーンがあっただけに残念というほかない。
[DVD(字幕)] 5点(2016-08-30 16:59:57)
38.  マリーゴールド・ホテルで会いましょう 《ネタバレ》 
マリーゴールドホテルにようこそ。英国式の伝統建築で建てられたここでは、インドでの優雅で洗練されたバカンスを約束します――。亡くなった夫の借金を返すため家を売ったイヴリン、子供のころの親友に会って謝罪したいグレアム、長年の夫婦生活の末に酷い倦怠期を迎えているダグラスとジーン、足を骨折し手術を受けようとしている酷い人種差別主義者ミュリエル、生涯現役を自任しパートナー探しに余念がないノーマン、息子夫婦と上手くいかず家を飛び出してきたマッジ…、人生の終盤を迎えインドの郊外に佇むうらぶれたホテルへと偶然やって来た彼ら。「広告と全然違う。こんなの、詐欺だわ!」当然のようにそう抗議するものの、支配人である若いインド人に強引に説得され仕方なくチェックインすることに。そんな寂れたホテルでいろいろと不満を覚えながらも、みんなで共同生活を送るうちに彼らは次第に第二の人生を謳歌していくのだった。初老の域に差し掛かり、自分のこれまでの人生を見つめ直すことになる彼らのインドでの生活を、洗練された美しい映像と音楽の数々で描き出すハートウォーミングなコメディ作品。ここ最近、ハリウッドでは静かなインドブームが続いてますね。「恋におちたシィクスピア」で有名なジョン・マッデン監督が新たに挑んだのも、そんな若いエネルギーに満ち溢れたインド社会に触れて再び生きる活力を得ていく初老の男女を軽妙なタッチで描いたヒューマンドラマでありました。ただ、ちょっと軽すぎますかね、これ。あくまで個人的な傾向なのだけど、こういう登場人物誰もがみんなちゃんと幸せになって終わる薄味作品ってあまり好きではありません。確かに、映画としてよく出来ているとは思うのですが、「やっぱり人生って幾つになっても素晴らしい!」というこの作品のテーマはちょっと凡庸に過ぎると思います。理不尽で残酷な現実社会に翻弄され人間として壊れてしまった人(インドのスラム街にはそんな人がたくさん居るはずです)なんかを、その片鱗でもいいのでもう少し直視する視線が欲しかったですね。それにこの全編に漂う、いかにも英国風のお上品な雰囲気にもいまいち馴染めませんでした。これはもう好みの問題なのだろうけどさ。
[DVD(字幕)] 5点(2015-06-13 01:03:19)
39.  マジック・マイク 《ネタバレ》 
新米大工として働く青年マイクは、毎日夜になると別の顔へと変貌を遂げるのだった。そう、彼は女性たちが酒と一夜の享楽を求めて殺到する男性ストリップ劇場で働く人気ストリッパー〝マジック・マイク〟だったのだ――。ある日、偶然知り合った若者アダムのその引き締まった身体を見て何か光るものを感じたマイクは、職にあぶれていた彼をそんな男性ストリップのきらびやかな世界へとスカウトする。持って生まれたセックスアピールを武器に次第に女性たちの人気を獲得してゆくアダム。だが、それと反比例するように彼の私生活はどんどんと荒んでいくのだった…。退廃と喧騒、酒とドラッグ、騙し騙され合う男と女のセックスと愛情とが猥雑に交錯する夜の街で、若さを持て余したそんな彼らの栄光と挫折をスタイリッシュに描き出す、いかにもソダーバーグ監督らしい青春サクセスストーリー。普通、こういう題材をテーマにした映画ってもっと下品で猥雑になるものだけど、これがソダーバーグの手にかかれば何故かどこまでもお上品で小奇麗でお洒落~な作品に仕上げてしまうとこが彼の持ち味なんだろうね(良い悪いは別にしてさ)。おかげで、ちょっぴり欲求不満気味の有閑マダムの奥様方が、最後までうっとり見惚れるだろうこと請け合いの若い男前たちの筋肉ムキムキの裸裸裸を充分堪能できる作品でありました。まあ、男の僕からしたらさすがに暑苦しかったですけどね。若い女の子のTバックなら何時間だって見ていられる(たぶん笑)僕ですが、こうやって男のTバックをひたすら見させられるとさすがに「う、うおぇぇ…」ってなっちゃいました。と、いうわけで、まあ面白いとは思うんですけど、さすがに狙っている層が狭すぎますね、これ。もう少し男の観客のことも考えて欲しかったところです。6点!
[DVD(字幕)] 6点(2015-06-13 00:53:09)
40.  マラヴィータ 《ネタバレ》 
あたしの名前はベル・ブレイク。今日はみんなにあたしの家族のことを紹介するわね。まず、顔のほくろがトレードマークのお父さん。今じゃ単なるウザい偏屈頑固親父だけどさ、昔はとある組織でけっこうな“やんちゃ”をしてたらしくて怒らせると何をするか分からないんだよ。そしてお母さん。この人は更年期真っ只中の超ヒステリーおばさんで、スーパーで陰口言われただけでそこを爆破しちゃうくらい危ない人だから気を付けてね。そして弟のウォレン。彼は頭脳派で下手にからかうと色んな方法で復讐されちゃうんだから。なので、童貞ってことは言っちゃダ・メ・よ。そして、あたし、ベル。まだ乙女盛りの17歳で恋に勉強にとっても充実した青春を過ごしてるんだから!でもね、そんなあたしのことを勘違いして擦り寄ってくる“害虫”が多くてほんと困っちゃう。今日もそんなクソ野郎をテニスラケットでボコボコにしてやったんだから。あ、あと忘れちゃいけないのがタイトルにもなってるのに何だか影が薄い飼い犬のマラヴィータ。彼もその外見に似合わずキュートなんだよね。さて、そんなあたしたち家族がいろいろと訳ありで、この度、フランスの田舎町に越して来たんだけど、そこでもあたしたちはやっぱりトラブルを巻き起こしちゃうの。あたしたち、普通にしているつもりなんだけど、なんでだろう?でもね、そんなあたしたちのちょっぴり変わった生活も客観的に観ればきっと面白いと思うんだ。え!?そんなことない?肝心のあたしたち家族のキャラが誰一人立ってない?いくらでも面白くなりそうなのに、ストーリー展開が恐ろしく退屈?自分とクリソツの人が主役の古い映画をお父さんが観るっていう楽屋オチがスベってる?無意味に人が死に過ぎて観ていて不愉快?でもね、それはあたしたち家族のせいじゃないと思うんだ。多分これを作った人が『レオン』っていう素晴らしい作品でその溢れんばかりの才能を物の見事に使い果たしてしまったせいなの、きっとね。だから、もっと暖かい目で観てあげてね。それじゃ、あたしは本編では描かれてなくて超不満爆発(プンプン!)の、あのあたしの処女を奪ってすぐフッたやり逃げクソ男を半殺しにしてやるために今から出かけてくるわ。バイバイ☆
[DVD(字幕)] 4点(2015-04-27 01:30:15)
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