1. ものすごくうるさくて、ありえないほど近い
《ネタバレ》 いかにもトム・ハンクスが出演しそうなザ・感動作。観客に涙を流させようという気満々というか、とにかく作為的で、見れば見るほどシラけてきます。しかも妙に変化球的なストーリーですが、判定は明らかな「ボール」という感じ。誰も振らねえよと。策士策に溺れるとはこのことでしょう。 だいたい悲劇を1人で背負い込んだような顔をして、それを免罪符に自己中に振る舞う少年には嫌悪感が募るばかり。こういうキャラを演じさせるために精神障害という設定を持ち込んだのだとしたら、それはそれでずいぶんアコギな気がします。 この監督の前作は大好きなんですけどねぇ。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2023-10-31 02:40:05) |
2. モリーズ・ゲーム
《ネタバレ》 これは傑作だと思います。膨大な会話量とナレーションだけで成り立っているような作品で、〝アクション〟はあまりありません。しかし事の顛末はよくわかるし、結末も爽快。 何よりすばらしいのは、最終盤の主人公と弁護士のやりとり。顧客が保身のために蜘蛛の子を散らすように消えていった中、主人公は何を守ろうとしたのか。それをひと言で語るシーンにグッと来てしまいました。人としての矜持というか、正義感というか、母性というか、その凛とした姿勢にシビれます。 しかも実在する人物の話なので、ただただ敬服するばかり。 [インターネット(字幕)] 9点(2019-12-07 02:06:30) |
3. モンスター上司2
前作も良かったですが、今作も傑作。とにかく序盤の疑似シャワーシーンで、すっかり心を射抜かれました。低俗も突き詰めれば美学になります。 前作同様にストーリーはどうでもいいのですが、前作を見ていないと豪華脇役の位置づけがよくわからないと思います。しかしケビン・スペイシーは、最後においしいところを全部持っていきますね。リアルでも早くシャバに復帰してもらいたいものです。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2019-10-26 02:00:25) |
4. モネ・ゲーム
サスペンスもラブストーリーもお笑いもオチも中途半端。1時間半の作品でありながら、全編に漂うまったり感のおかげで2時間以上あるように錯覚します。精巧な贋作を扱うあたり、面白くなりそうな要素はいろいろあったと思うのですが、いささか残念です。 ただしアラン・リックマンの存在感だけは抜群。個人的にはおそらく「ダイ・ハード」以来の再見で、あの強烈キャラが老成するとこうなるのかと、妙に感慨深いものがありました。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2018-01-31 20:44:13) |
5. モンスター上司
「出オチ」ならぬ「配役オチ」という感じ。他の方も指摘していますが、とにかく脇役がすごい。これだけ揃えて脇役ではなく主役に据えたら、ふつうなら超大作になるはずです。それもケビン・スペイシーは〝いかにも〟な役どころですが、他の3人、とりわけコリン・ファレルは壊れてます。気分転換でもしたかったのでしょうか。 こういう「ザ・B級映画」の場合、中身はグダグダなことが多いのですが、実はそうでもない。言葉のやりとりとか、伏線の張り方とか、けっこう洗練されている印象。個人的には、ジェイミー・フォックスや元リーマンの同級生のくだりが好き。夜中に1人で爆笑してしまいました。ストーリーはナンセンスですが。 ただこの作品、安っぽい邦題で損してますね。 [地上波(字幕)] 8点(2015-12-13 04:52:48) |