1. 猟奇的な彼女
《ネタバレ》 ちょっと時代が進んだせいでしょうか。猟奇的というより‶乱暴で突拍子もない”彼女の無茶ぶりはあまり笑えませんでした。むしろ引きました。韓国のコメディはそもそもアクが強いですしね。 単なる暴力コメディで進んでいたのが、終盤になってすれ違い悲恋物語へと舵を切った力技には驚きました。相当な無理矢理脚本にも感じますが、伏線回収につなげるとは巧いことやるもんです。 でもさあ、‶会えない”と言ってて悲恋ぽい雰囲気だけど、彼女の家知ってるよね? [CS・衛星(字幕)] 5点(2022-02-11 23:25:27) |
2. リード・マイ・リップス
仏版トゥルー・ロマンスの感もちょっぴりあるけれど、でも男女の造型がクリスチャン&アラバマとだいぶ違う。カルラとポールは互いにツンデレを繰り返し、自分のために相手をうまいこと利用しようとする打算もあったりでカップルというにはとても危うい二人。こんな微妙な男女関係をサスペンスとミックスさせたラブストーリーに仕上げるとは、さすがにフランス映画だなあと感嘆。 特にカルラ演じたエマニュエル・ドゥヴォスが巧い。見た目は地味な事務員で職場の中でも軽んじられる立場に甘んじています。でもそれは外見だけで、理不尽なことにキレると反社会的行為スレスレ技で反撃をかますぐらい肝の据わったキャラなのでした。地味で非モテな女に案件をリードされて気圧されるヴァン・サン・カッセル、という痛快な構図が二度三度と繰り返され、まあポールもたいがい粗野で横暴なんだけどこの二人なかなか絶妙なバランスをキープしていて目が離せません。 現金略奪のストーリーもシンプルながらサスペンスフルなこと、冷や冷やの山盛りです。全般にわたって演出も構成も無駄が無くすっきりと観られる・・、と言いたかったところですが皆さんご指摘の通り「保護司のエピソードの唐突さ」がいかんとも。説明が極端に少ない分、びっくりの大きさも半端ないのではありますが。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2021-06-10 23:42:41) |
3. リボルバー(2005)
ガイ・リッチー 大好きだけど、これはダメじゃないかな。何を考えすぎたのか彼は。意味不明映画は数あれど、評価されてるのは仕掛けの上手いD・リンチとかクローネンバーグとかアート度数の高いヤツでして、あなたとは住むジャンルが違いすぎる。 特にJ・ステイサムの訳わかんない独り台詞の長いのには泣かされた。自分探しの真っ最中ということ? この当時のヨメと離婚したのちの「シャーロック・ホームズ」とかは実にストレートなエンターテイメントに仕上がっているので、やはりこの頃の彼は若干神経症を患っていたのではと思われる。 相変わらず卑屈演技やらせたら超一流のレイ・リオッタに免じての点数です。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2016-12-28 19:08:40) |
4. リトル・ミス・サンシャイン
《ネタバレ》 いやこの家族クセありすぎ。各人つっこみ所ありすぎて呆気にとられてるうちにあれよれよと数々のトラブル踏み越えて怒涛のラスト。じーちゃんやってくれたなあ。家族の誰もチェックしなかったの?振り付けを。出入り禁止になっちゃったけど、別にいいもんねミスコンなんて。じいちゃん死んじゃったし、兄貴はまずパイロット無理だし父ちゃんの本は出ないしゲイの叔父さんも展望は開けていないけど、各々がラストで発散し切ってなんとなくタフさを感じるこのお話。みんながんばれ。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-01-13 00:06:05) |
5. リトル・ダンサー
《ネタバレ》 舞台となっている炭鉱街が坂の多い街で、これが情緒あって良いんです。坂の上から見渡す先には水平線、道の両側には赤いレンガ壁の家並みが段々と並び、そこをビリーの父が「受かった!」と初めて見せる満面の笑みで駆けてくる。泣く。ビリーへ残したお母さんの手紙、クリスマスのほのかな彩り、頑固一徹かと思われた親父の豹変にも近い愛情の発露、二人して心細そうなロンドンへの旅。ああ~泣く。ビリーの思春期を迎えた拗ねた表情や、辛さに耐えかねてバレエ教師に悪態をついては泣く、ひとつひとつのエピソードも良いのだけど、なんたって親友に恋心を寄せられるとは驚いちゃうよねビリーも。引くかと思いきやチュチュまでプレゼントだ。なんて麗しい友情だ。通知が届いた時は身内の如くどきどきして見守りました。ビリーの帰りを待って、誰からともなくすっと食卓に集まる家族の描写が素敵。 [DVD(字幕)] 9点(2012-10-12 00:25:06) |