1. ロゼッタ
《ネタバレ》 ダルデンヌ兄弟の作品らしく、音楽も無く淡々としています。「ある子供」「息子のまなざし」より更に説明が少なく、ロゼッタという少女を近い位置から観察しているけど、決して手を差し伸べないような冷たい空気で進行する映画です。彼女が求めているものは特別な幸せの形ではなく、押しつぶされそうな絶望感に対して、自らを鼓舞する様がとても痛いです。横流しで仕事をしていた少年を密告する部分に関しても、生きていく上での彼女なりの正義。腹痛の原因や、山に鉄柵を張り、靴を隠している等の理解不明な部分もある意味ではリアルで(人間は時に理解不能な事をするし)、1人の少女のめいっぱいの苦悩と頑張りをカメラを通して知る事により、我々は生に対する価値観や苦しみを痛感せざるを得ません。ベッドの中で、心の中に隠している本当は弱いもう1人の自分に語りかけるシーンや、最後の最後で涙を見せる弱さ。等身大のロゼッタが求める希望への哀願がひしひしと伝わってきました。 [DVD(字幕)] 7点(2007-01-06 16:34:36) |
2. ロッタちゃんと赤いじてんしゃ
「はじめてのおつかい」を観た衝撃には敵いませんが、それでもロッタちゃんのワガママが許せると思った(むしろ兄姉が意地悪とか思ったり)私にはほのぼのとした楽しい作品でした。背伸びしたい年頃の反抗には共感できるし、大人用の自転車を運び出し、乗る作業はガチンコに見えたのでハラハラしました。スウェーデンならではの美しいオブジェも映画の演出に一役買っていると思います。こちらが一作目という事ですが、観る順番よりもロッタちゃんを子供のワガママと割り切って見れるかどうかが大きいかなと思いました。 [DVD(字幕)] 6点(2006-12-31 16:03:23) |
3. ロッタちゃん はじめてのおつかい
ロッタちゃんが素直に可愛いと思えてくるのは、私が三十路になったからであろうか?初めて親に反抗したくなる年頃の心情、スウェーデンならではの文化に加え、ロッタちゃんが起こす数々の奇跡を実に微笑ましく観る事ができました。気合の入った顔のロッタちゃんはキルトシューほどオマセでもなく、許せる範囲です!そしてこういうドラマは両親が優しいのも本当にステキで、今日本の家族に最も足りていない部分ではないかな?と考えさせられました。 [DVD(吹替)] 7点(2006-12-30 00:27:47) |
4. ロスト・ハイウェイ
そもそもディヴィッド・リンチという人はずっとこういう作風でやってきた方なので、映画の大半が解釈に苦しむ展開であっても、私は理解出来る部分に酔うという楽しみ方をしています。意味不明なのについつい引き込まれてしまう辺りがリンチの鬼才たる由縁です。ミステリーマンとか出てきたり、夫婦が一人二役と二人一役で絡んでみたり、はなから判らせようなんて気がありせんからね(笑)でもこのダークな世界につい足を踏み入れたくなってしまう(「ブルーベルベット」「ツイン・ピークス」「マルホランド・ドライブ」も同様)のが不思議な感覚です。あとこの作品がリンチの盟友ジャック・ナンスを観られる最後の作品になりましたね、非常に残念です。 [ビデオ(字幕)] 6点(2006-07-11 14:35:05) |
5. ロング・キス・グッドナイト
レニー・ハーリンの「作ったら壊す」的なやり方バンザイな方なら思わずニヤリなアクション映画。ジーナ・デイビスもムチャクチャやってくれるし、デヴィッド・モースは悪い顔してるし、女性が強い映画、復讐系の映画でここまでお金かけてくれてると「スッゲー!」と叫びたくなります。しかも最後の、アレを錘にしてみたいな発想がアメリカ的なので、割り切って楽しめました。少なくとも「カットスロートアイランド」より全然面白いです。 [ビデオ(字幕)] 7点(2006-06-22 14:49:23) |
6. ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク
1作目は「え?子供の頃に絵本で見た恐竜が、遂に動いて観られるのか!」的な恐竜そのものへの感動もあり、途中から「恐竜は動物園みたくは管理できませんよ」という警鐘も兼ねたパニック部分も含めて1本のエンターテイメントでしたが、この2作目はやはりCGがパワーアップしていたり、暴れまくる恐竜の恐怖とパニック部分が増大しているものの、1作目を観た時のあの斬新さには遠く及ばずという感じでした。ただ、この作品だけをとって観れば、ストーリーはさほどムチャクチャでも無いし、恐竜好きとしてはイケる映画です(少なくとも3作目みたいな飽和感はまだ無い)。スピルバーグが時折見せる残酷な描写も健在で、個人的にはアリです。でもサム・ニールいないから少し哀しい・・・。 [DVD(字幕)] 6点(2006-06-22 14:37:21) |
7. ロリータ(1997)
キューブリック版より「エロい」。原作のイメージに近づいたんでは?とは思う。エイドリアンライン監督ってだけで、この位やるだろなとは思ったけど。あとさすがにジェレミーアイアンズは上手いですねぇ。ドミニクスウェインも、小悪魔っぷりが表情にも仕草にも表れてて、人選は良かったと思う。なのにキューブリック版のような「恥じらい」が消えてしまい、何か物足りなさを感じた。あと3年製作が早ければ、アリシアシルバーストーンあたりがロリータだったのでは?と思う。それはそれで観たかった(笑) 5点(2004-09-23 02:18:20) |
8. RONIN
ジョンフランケンハイマーという監督さんは、この作品が遺作となりましたが6,70年代に大活躍された名匠との事です。この映画の公開は98年ですからCGも全盛(同年公開作品にアルマゲドンなどもある通り)でしたが、全編CGを使っていない映像は圧巻の大迫力です(@@;CGも絡んでるアクションに見慣れた我々にとって、新鮮な驚きがありました!そう思って見返すからこそ余計に楽しく感じるのでしょうね!? 「西部警察」ってドラマを小さい時に見てた世代なのですが、やはり炎や爆発やカーアクションが「リアル」なモノはCGモノとは違うなぁと再認識しながら拝見してしまいました(^^) 6点(2004-09-22 17:29:36) |