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タコ太(ぺいぺい)さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1395
性別 男性
自己紹介 投稿にあたっては
①製作者の映画愛を信じて基本的に0点は付けていません。
②レビュー作品の「あらすじ」は率先して書いています。

※「ぽこた」からニックネームを変えました。サブネームの「(ぺいぺい)」は継続です。(2024.2.28)

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【製作年 : 2020年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順12345678
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1.  ファーザー 《ネタバレ》 
認知症という疾病を身近に感じているか否かによって受け止め方が大きく異なる作品だとは思います。  確かに、認知症を発症していながら奇跡的に寛解した人でもない限り、本作に表現されている世界が認知症患者の見ている世界、感じている世界そのものであるとは確信も明言も出来ないでしょう。否、仮に寛解した人であっても罹患当時の記憶はないかも知れないですね。これは、あくまでも第三者が感じている認知症の世界を視覚化した作品だと思います。  しかし、その表現力が素晴らしいと思います。私自身、認知症患者が身近に居る経験をしていたし、現在進行形でもあります。患者と言っても一括りに出来ないことは言うまでもありませんが、まさに本作に表現されている世界が、主観的な推測に過ぎないにせよ現実にも感じ取れます。  また、アンソニーの一人称視点だけで構成せず絶妙に他の登場人物の一人称視点か絡み合うところも素晴らしい。原作の戯曲は未見なので、作品そのものの素晴らしさなのか、それを咀嚼し昇華させた本作のスタッフが素晴らしいのか判断できませんが、作品全体の構成に隙がなく、1時間半余りの作品にも関わらず重厚な大作を観終わった後のような充実感がありました。  自らの問題、家族の問題、友人の問題として観るのも良し、全く縁のない世界として観るもよし、優れた映像作品と思いました。とりわけアンソニー・ホプキンスさんのこの名演をもってすれば、満点献上は当然と思えた次第です。
[インターネット(字幕)] 10点(2023-08-23 13:40:23)(良:1票)
2.  コーダ あいのうた 《ネタバレ》 
(かなりネタバレです) この作品の中心となるのは聴覚障がいのある家族の在り方。父も母も兄も障がいがある中で唯一健聴者の長女ルビーは、幼い頃から一家の通訳として重要な役割を果たして来た。家族は仲睦まじく、貧しいながらも幸せに暮らしていた。しかし、高校生となった彼女は、漁業の手伝いで昼夜逆転のような生活をしながら学業や恋をすることの困難さを知ってしまう。障がいがあることで少なからず社会生活に困難を抱えているルビーの家族は、明るく前向きに生きる強い力を持っているが、彼女の存在なしではここぞという時に無力さを感じてしまう。歌う喜びを知り新しい人生の夢を胸に抱いたルビーは、進学への強い意欲を見せる。しかし、両親は彼女なしでは家業の維持が出来ず生活基盤を失ってしまうことを恐れる。妹思いの兄は何とかなると彼女を擁護しようとするものの、心の中は不安で満ち溢れている。誰も正解を得られないような状況。どうすれば誰もが幸せになれるのか?物語には客観的な判断をもって家族を導くような存在は登場しない。誰に導かれることもなく、家族が自らの力で正解を求めて行く姿が印象的です。 序盤の下ネタ満載のコメディ風味から、中盤から後半に描かれる障がい者が社会生活を送っていく上での深刻な問題、CODAの悩みと苦しみ、そして終盤の爽やかで希望に溢れた結末と続き、安心して観ていられる感動作です。彼女が学校のステージで歌う場面で訪れる突然の静寂によって現実に引き戻され、進学に一番反対していた母親が彼女に告白する出生時の感情に驚き、そして振動でリズムを感じることの出来る父親が彼女に触れながら歌声を感じる場面で感涙し、気付いた時にはすっかり作品世界に没入していました。 上手く行きすぎでしょ?といった見方もあるかも知れません。予定調和が過ぎるみたいな。でも、生きる力、家族を愛する力が明るい未来を約束してくれるという、希望が前面に押し出された作品があってもいいじゃないですか、との思いからひさびさに10点献上します。
[試写会(字幕)] 10点(2022-01-31 22:17:56)(良:2票)
3.  ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結 《ネタバレ》 
遅れ馳せながら鑑賞。前作と比べて少なめのレビューながら、良い点もそうじゃない点も概ね皆さんに語り尽くされた感がありますね。私は肯定派、支持派です。思いっきり楽しませていただきました。  いきなりでまさかの精鋭部隊?捨て駒作戦、キッチリ始末したと思ったら実は味方だったというブラックジョーク、サメやらネズミやらイタチやら動物たちの大活躍(サメはハイブリッドだしイタチは活躍の予感だけですがw)、レトロでサイケなラスボスの大暴れ、前作同様ハーレイ・クインの魅力爆発等々、やや長尺にも関わらず中だるみ皆無でラストまで惹き付けられっぱなしの上にエンドロールにはオマケが2個。良い意味でおなか一杯になりました。まさに「ゴチソウ」でした。  強いて言わせていただければ、トリ馬鹿のワタクシ的には冒頭の小鳥ちゃん受難(後で仇討ちしてもらえるけど)と少し後の鳥カゴ放火シーンがNGですが、人の命を思いっ切り軽視している本作では全く聞いてもらえない意見ですね。  次回作やスピンオフに期待せずにはいられない快作に9点献上します。
[インターネット(字幕)] 9点(2024-04-05 11:32:06)(良:2票)
4.  SISU/シス 不死身の男 《ネタバレ》 
最高です!ヒーローは死なない!ヒーローは諦めない!ヒーローは無敵!  銃弾の嵐の中、敵の死体を担いでいれば弾は貫通しない!頭隠して尻隠さず状態でも、弾は尻には飛んでこない!地雷が爆発しようが爆弾が爆発しようが、体に食い込んだ破片を除去すれば元気復活!窮地も体に火をつけて川に飛び込んでセーフ!水中の格闘では相手の肺の空気を吸って呼吸維持!縛り首にされても只管耐えて生還!ツルハシの一撃で飛行機に飛び乗り、墜落しても沼地なら大丈夫!そして重かろうが嵩張ろうが金塊は手放さない!  これぞヒーローです。そして、飛行機にも負けず風の如くヒーローの下に現れる一度も名前を呼んでもらえない愛犬ウッコ(この手の作品では希少なテリア)もまたヒーロー!(多分オス)ヒーローに救われ逞しく戦った女性たちもヒーロー!(ヒロイン?)  可哀そうだったのは地雷を踏んでしまいヒーローの命を自らの身体で救った愛馬(無名?)と、ヒーローの縛り首に際して帽子を脱いで敬意を表する心を持ちながら理不尽に上官に殺された若年兵。  北欧の作品は各ジャンルそれぞれに独特の雰囲気があって魅力溢れる作品が多いですね。ピンポイントで好みの作品に10点献上します。  (追記)満点はいくらなんでも甘過ぎでした。9点にします。(まだ甘過ぎかも知れませんが)
[インターネット(字幕)] 9点(2024-03-07 22:51:21)
5.  ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語 《ネタバレ》 
ネットフリックスのロアルド・ダール×ウェス・アンダーソン短編4部作のうちでは1作目にして最長の尺。他の三作以上に工夫が凝らされていますね。流石4部作のトップバッターに選ばれただけはあり、どの作品も魅力的ですが本作が最も技巧を凝らされた創りとなっていて、個人的には一番のお薦め作品です。  レイフ・ファインズ演じるところのロアルド・ダールが語り、語りの中のヘンリー・シュガーが語る。更にその中で物語の中心に誘う医師が語り、ついには話題の中心人物である修行の結果透視能力を得た人物が語る。この入れ子構造が観ている者を作品世界に大いに惹き込みます。  全編通じての登場人物の徹底したカメラ目線と語り掛け、そしてコミカルな動き。デフォルメしつつもリアルなテイストのセットはさながら絵本、いや巨大で贅沢な紙芝居の世界。空中浮遊の際の台座なんて思わず笑ってしまいました。兎に角どこを取ってもアーティスティックです。  対して、物語そのものは真っ直ぐで一本筋が通ったもの。要領良く、さして苦労もせずに身に付けた透視能力。それによって楽々稼げる資産。でも、それでは真の満足は得られない。結果主人公は人のために生きることの喜びを見出す。人生訓的物語を訥々と語り聴かせてくれます。  多少は観る者を選ぶ作品かも知れませんが、疲れ切った一日の終わりにサクっと鑑賞するのには最適な1本でした。
[インターネット(字幕)] 9点(2023-11-27 21:56:40)
6.  さがす 《ネタバレ》 
「岬の兄妹」は未見なので先入観ゼロでの片山慎三監督作品鑑賞でした。  父子の愛情と連続殺人の異常心理を巧みに組み合わせ、ミステリ―風味のサスペンスに仕上げた本作、見事です。  智の行動や言動は終始リアルで、佐藤二朗氏の不安定に揺れ動きつつも次第に確信的に行動するようになっていく演技は、恰もドキュメンタリーの如く感じさせられてしまう様な真に迫る名演ですね。  娘役の伊東蒼さんもまたしかり。父の姿を追う行動や言動は些か芝居じみた部分も感じられなくはないのですが、それは脚本や演出の問題であって、演じ切っている彼女自身は見事としか言いようがないところです。特にラストの卓球シーンは、一人の薄幸の中学生が地に足の着いた一人の人間に成長していく姿を感じさせてくれます。  山内役の清水尋也さんも存在感が強烈です。序盤のシーンで作業員のひとりが彼の眼から受ける危険なイメージについて話していますが、まさにその通りに感情の消え失せたガラス玉のような眼をした演技に、思わず本作のモチーフであろう座間市の事件の犯人を想起してしまいました。  脇を固める俳優さん一人ひとりの演技も含め、鬼気迫る優れた演技が本作のテーマを観る者に叩きつけて来るような緊迫した2時間でした。  ただ、父子の愛に関しては十分に語ってくれているものの、モチーフとなっているであろう事件と同様、主犯者の(非)人間性については特に深く掘り下げられることはなく、メインテーマではないのかも知れませんが、この狂気とは一体何であったのかをもう少し語って欲しかった、というのが正直なところです。  そのあたりに不完全燃焼感が残り、1点減点させていただきました。
[インターネット(邦画)] 9点(2023-08-27 22:30:41)(良:1票)
7.  シャドウ・イン・クラウド 《ネタバレ》 
グレムリン伝説をベースにしたホラーとして捉えるには、諸々の他の要素(サスペンス、アクション、ミリタリー、社会派、ヒューマン)が詰め込まれ過ぎていて評価が難しくなる作品。ただ、逆に言えば比較的短い尺の中に良くぞこれだけ詰め込んで大きな破綻もなく纏め上げたと湛えたい作品です。  怪物は途中から本来のグレムリン伝説から離れて悪役怪獣的になって行きますが、懐かしいTV版トワイライトゾーンとちょっと懐かしい劇場版トワイライトゾーンで描かれた登場シーンを想起させられ、あくまでもこの存在が本作にはなくてはならないのだと確信して観始めた次第です。(観終わってそれは間違いではなかったと思います)  前半の下部銃座内のヒロインの一人芝居的な展開は見応え十分。一見芯の強さを感じさせる彼女が垣間見せる何かをひた隠ししようとするが故の弱さ。機外の異音と未知の生物の姿という想定外の事態への戸惑い。更には機内に戻れなくなるアクシデントの最中に現れる日本軍の機影。息つく間もなく惹き込まれます。B17内部のセットも丁寧に作り込まれてますね。CGの合成もあるのでしょうか?  零戦との交戦が始まる後半は、皆さんのレビューにもあるように確かにヒロインは単に強い女性から超人と化します。爆風で機内に生還する場面には驚嘆。マジに考えたら全身打撲と火傷で重症間違いなし?いやいや強風と低温で大丈夫?んな訳ないです。でも、だからこそアクション映画は楽しい。マジにヒロインの身体を心配してたら見てられません。ここはアニメ的に割り切らないと。アニメのアクションだったら当たり前の不死身っぷりですから。ここはヒロインが無敵の母性に目覚めた表現なのだと受け入れます。  そして終盤。手強い怪物のラプトルばりの鉤爪を恐れることもなく素手で殴り殺す最強のお母さんの誕生。誰にも何も言わせない慈愛に満ちた授乳シーン。  エンドロールに差し込まれる女性の権利を勝ち取ろう的なカットは、脚本家のスキャンダルへの言い訳的に映らないこともないのですが、全編通して溢れんばかりに映し出されるクロエ・グレース・モレッツさんの魅力(単に変わらぬ可愛さというだけではなく、繊細な演技もキレのあるアクションも)が炸裂する本作は、優れたエンタメ作品として大いに気に入りました。クロエちゃん大好き!とばかりに+1点です。
[インターネット(字幕)] 9点(2023-07-09 10:49:56)
8.  バッドガイズ(2022)
アニメだからこそのキャスティング、アニメだからこその実写不可能なスーパーアクション。そしてアニメだからこその動物と人間が共存する世界。(と言ってもバッドガイズの5人以外の動物は動物のままというのはご愛敬?) いつもながらに思うのですが、洋画アニメ作品には邦画アニメとはひと味違った独特の味わいがあって実に楽しいです。  原作未読ですし殆ど予備知識なしに試写会に参加しましたが、冒頭から作品世界に没入して楽しめました。理屈は不要ですね。封切り前なので言いたいのは一言だけ。「楽しかった!」
[試写会(吹替)] 9点(2022-09-03 14:29:38)
9.  サバカン SABAKAN
完成披露舞台挨拶生中継付き上映会にて鑑賞しました。封切り前なのでネタバレなしで投稿します。  殆ど無名の小学生を主役にキャスティングし、金沢監督は長編作品はお初、そして個人的には脇を固める竹原ピストルさんの大ファンということもあり、期待度高めで鑑賞しました。そして、その期待は裏切られませんでした。子どもが主役の作品というと、どうしても「天才子役」的な演技を想像してしまうのですが、この作品の2人は所謂「天才子役」というよりも、瑞々しく等身大の小学生を演じ切ることで作品世界に自然に惹き込んでくれます。これも「天才子役」のひとつの形なのかなと。  脇を固める大人たちもそれぞれにいい味を出し切ってくれています。孝明の両親を演じる竹原ピストルさんと尾野真千子さんのコンビネーションが素晴らしい。喧嘩ばかりしているようでいてしっかりと結びついているという、ひとつの理想的な夫婦像で魅せてくれます。弟も兄に負けない存在感。この4人家族になくてはならない存在感です。健次の母親役の貫地谷しほりさんも、ひとり親世帯かつ多子世帯という厳しい状況の中、身を粉にして働きながらも疲れた顔一つ見せず只管優しく子どもたちに向き合う理想的な母親像で魅せてくれます。そして作品全体の要としての大人になった孝明役の草彅剛さん。静かな存在感で作品世界を底上げしてくれています。  他にも魅力的な役割を果たしてくれている大人たちが次々と登場。大人たちが、きちんと子どもたちを包み込み、そっと後押ししながら育て上げていく姿が眩しい。  強いて言うなら、作品の評価とは特に関係ないのですが、80年代が舞台であってそのことを表すエピソードは込められてはいるものの、作品全体を包み込む雰囲気は70年代もしくは60年代かな?と思えるぐらい昭和感に満ち溢れています。リアルタイムでその時代を歩いて来た身としては、「え?これ80年代?」みたいにちょっとだけ違和感を覚えました。  小学生が主役の青春物語。最近はサバ缶というと手軽で安上がりな酒の肴にしてしまうのですが、そんなことはないぞ思い出の味なんだぞと、幼い頃の思い出に浸りつつ素直に感動することが出来ました。  昔は東京湾で釣ったサバをシメサバにして食べたな~。お店で買うよりずっと旨かった。それもあって、あの頃はサバ缶よりシャケ缶かイカ缶が好きだったな(遠い目)
[映画館(邦画)] 9点(2022-08-13 14:45:06)
10.  リスタート 《ネタバレ》 
これは超が付くほどストレートな青春ドラマです。音楽で自らを表現して成功したい、という若者は文字通り星の数ほどいると思いますが、その中の一人であるヒロイン未央は、他の殆どの若者たちと同様、幸運な波に乗ることは叶わず、さりとて音楽の道を諦めることも出来ず、不本意ながらも地下アイドルとして細々と活動しています。人気ミュージシャンとの恋仲は、もしかしたら未来への希望の光でもあったのかもしれないけれど、結局は騙され捨てられ、事務所はクビに。コアなファンからは叩きのめされ、全てを失いながらも生きる力はかろうじて失わずにいた彼女は、自らを愛し励ましてくれる家族や本当の友人たちに力と希望を与えられ、改めて夢の実現に向かってチャレンジを始める、という決して目新しくはない、寧ろベタなストーリーと思えてしまうけれど、主演女優が、実際に長きにわたって苦労を重ねながら活動し続けているインディーズミュージシャンで、自らをヒロインに同期して自然体で演じ、かつ抜群の歌唱力をもって主題歌を熱く歌っている姿を観ると、ヒロインと彼女がオーバーラップして、まるでドキュメンタリーのような現実味を感じさせてくれます。尺の短さゆえに、背景やディテールは想像するしかないというところに少し物足りなさ、と言うかお約束感も感じますが、中心を成しているストーリーが明快なので、ひとつひとつの何故?どうして?は忘れさせてくれます。低予算で撮影期間も一週間程度だったとの話ですが、このシンプルなストーリーを短い尺に凝縮し、演技に不慣れな出演者も多い中、スムーズかつスピーディに展開させているのは、品川監督の技量に頼るところが相当大きいのではないかと思います。これから先、ヒロインが成功するのか再び挫折してしまうのか、それは全く分からないけれど、夢を追うことが一人の人間の人生にとっていかに重要なファクターなのか、更にはその情熱がそこに関わる他の人間にも多大な影響を与え得るということを教えてくれる、爽やかな中にもしっかりとした重みのある青春劇に9点献上です。
[映画館(邦画)] 9点(2021-08-07 14:56:45)
11.  Mr.ノーバディ 《ネタバレ》 
只管痛快!平凡なオヤジが実はとんでもない素性の持ち主で、そうとは知らずにかかって来る敵をバッタバッタとなぎ倒す、という設定はとりわけ珍しくもないのだけれど、涼しい顔して汗もかかず血も流さずに戦っていくという無敵のヒーロー像ではなく、殴られるは蹴られるは刺されるはで、満身創痍で戦っていく姿に妙に共感。 みじめに死んでいく敵に対して全く同情することなく、時として大笑いしながら鑑賞しました。よくよく考えてみると、いくら悪党と言えども偶々ヤバいオヤジに出くわしてしまったがために、一夜のうちに人生を終えてしまうという相当被害者的な巻き込まれ損な奴らなんだけどね。 そして、クリストファー・ロイド演じるお父さんがまたいい味出してます。息子の暴走に巻き込まれてしまう可哀そうな老人かと思いきや、嬉々として躊躇いなく至近距離からショットガンをぶっ放す。ある意味主役じゃん、みたいな存在感。 そして、全編通してスピーディーに展開していく物語は、この種の作品としてはちょうどいい尺。続編制作の噂があるみたいだけれど、こりゃあ続編に期待したくなります。 ところで、ロイド父さんはどこに行くのかな?老人ホームには戻れないですものね。もしかして、他の仲間も含めて実は皆ノーバディ?
[映画館(字幕)] 9点(2021-07-20 22:31:37)(良:1票)
12.  シティーハンター(2024) 《ネタバレ》 
少年ジャンプ連載時、TVアニメ放映時はいずれもリアタイで夢中になり、実写版はいかがなものかと鑑賞。ちなみに、ジャッキー版とフランス版、韓国TVM版は未見です。  何はともあれ鈴木亮平さんの冴羽リョウが最高です。アクションのキレ、変態仮面を彷彿とさせる下ネタのキレ、肉体改造ぶり、どこを取ってもハマリ役だと思います。観賞前は顔立ちがちょっと違うかな?とか思っていましたが、いやいやそんなことは全くありませんね。ものの見事に役になり切り、その結果として風貌まで付いて来てる感じです。良い役者さんだなぁと再認識。  香役の森田望智さんも良い感じ。こちらも観賞前はちょっとイメージ違うかなと思っていたのですが、彼女の演技力の幅を知りました。同じくハマり役ですね。脇を固める俳優陣も納得のキャスティングでした。  プロット的には邦画サスペンスあるある的な感じでもあり、人間を超人化する薬剤だなんて何だか最近の海外ドラマで既視感あるかもとか思えたりもしましたが、一話完結の作品としては十分見応えあり。ただ、もし続編があるのであればこの延長線上ではない方が良いかなとも思えたりして。  観終わって素直に「面白かった~♪」と晴れやかな気分にさせてくれる作品に8点献上します。
[インターネット(邦画)] 8点(2024-05-14 11:24:27)
13.  ゴジラ-1.0 《ネタバレ》 
劇場で観よう観ようと思いつつモノクロ版も含めて観る機会なく、遅れ馳せながらアマプラにて鑑賞。いの一番の感想は「劇場で観なきゃダメ!」です。別にアカデミー賞獲ったからどうのこうのということではなく、このビジュアルとサウンドは大画面と大音量じゃなきゃ50%も生きないと思うところです。  そして肝心の作品内容としては、ヒューマンドラマ寄りの物語的には、或いはゴジラの造形的には、元祖以外の殆どについてはリアタイ組のド昭和世代としては若干と言うか相当思うところはありますが、何にせよ圧倒的な視覚効果と音響効果への評価を優先しつつ、美波さんの美しさと可憐さ、アキコ役の子の素朴な演技、サクラさんの脇なのに強烈な存在、重巡洋艦「高雄」の雄姿、幼き頃ハセガワのプラモデルで愛でた幻の局地戦闘機「震電」の雄姿、等々には全ての不満点を忘れさせてくれるものがあり、結果満足した次第です。  この際納得行かないところは書くのを止めます。退屈など全くせずに楽しんだことは確かですから。8点献上します。  (追記)不満点は書くのを止めると言いつつも一点だけ。ラストの美波さんのうなじシーンは要らないだろうなぁ…。まさかのサンダとガイラ状態の続編なんぞは観たくないので、ってあるわけないか。
[インターネット(邦画)] 8点(2024-05-09 11:24:06)(良:2票)
14.  search #サーチ2
前作を観た時、確かに面白いけれど柳の下に二匹目は居ないだろうなと思ってしまった私。撤回します。甘かった。これは前作を凌ぐと言っても決して過言ではない面白さ。と言うか前作以上にスリリングで意外性に富んだ素晴らしい脚本ですね。数々の伏線も漏らさずキッチリ回収。脱帽ものでした。  前作を観た時、喋ってる分の字幕とPCのディスプレイに表示されている英語の訳文が横書き縦書き乱れ飛び、目が疲れて大変だったので今回は吹替え版で観てみたのですが、私のような英語不得手な方には吹替え版をお勧めします。それでも理解力が衰えつつあるお年頃の私、リプレイしないと追い付けない場面もあったりして。なので、個人的には毎回入れ替えの昨今の映画館では鑑賞不適な作品とも言えそうです。  次作があるかどうかの情報を知らないのですが、前作と今作ではスタッフが巧みにローテーションしてこの出来栄え。是非是非再度の チャレンジを望むところです。
[インターネット(字幕)] 8点(2024-04-06 19:24:51)
15.  パーフェクト・ドライバー 成功確率100%の女 《ネタバレ》 
凄腕のドライバーが活躍するカーアクションもの、ワケありの荷物を届ける運び屋もの、いずれも既に相当数の作品があり、超大作や超人気俳優出演作もある中、韓国ならではのヒロイン設定にオリジナリティは感じるものの、正直言って決して目新しさを感じるような作品ではないように思えます。  けれども惹き付けられる。主演のパク・ソダムさんがいいですね。童顔で小柄で決して華やかな雰囲気とも言えない彼女(誉め言葉です)が繰り広げるアクション。とっても魅力的です。彼女が連れて逃げる依頼人の愛息役のチョン・ヒョンジュン君は、ソダムさんと「パラサイト」で共演していた社長の息子役の子ですね。子役然とした演技の中にも何か飄々とした雰囲気があってこちらも魅力的。  まさかの、と言うかある程度予想はしていましたが、ハッピーエンド的な締め方も良かったと思います。あのまま終わったら如何にもクライム系韓国作品といった感じの悲壮感が残ってしまうところです。種明かしのないところもスッキリしていて好感。  という訳で総じて好感持って観終えることの出来た定番的運び屋作品に8点献上します。  ちなみに、邦題は少々仰々しいかな?特に副題にはクドさを感じました。原題直訳でも十分ではないかと。
[インターネット(字幕)] 8点(2024-03-29 11:24:16)
16.  ラストナイト・イン・ソーホー 《ネタバレ》 
端的に言えば「ちょっと風変わりでお洒落なファンタジー・サスペンス・ホラー」とでも言いましょうか、結論から言えば気に入りました。ダブルヒロイン2人の魅力は勿論のこと、脇を固める出演者たちの存在感も半端ない。そしてカラフルで見事な映像とそれを盛り上げる音楽。大いに満足です。  評価点や疑問点は既に皆さんに殆ど語り尽くされている感がありますので、極力重複する部分を除いた自分なりの感想を以下に少々書かせていただきます。  エロイーズの「力」とは霊が見えるということなのでしょうか?郷里に居た頃のエピソードは特に語られておらず、彼女には鏡に映る亡き母の姿が見えるだけです。特に亡き母と語り合うこともないようです。  一方、ロンドンに来てからは夜毎いろいろと見えて来ます。見え過ぎちゃってタイムリープものかと見紛うぐらいです。そして、徐々に登場する助平オヤジたちは亡霊ですが、そもそも彼女を惹き付けたサンディは結局生霊だったのか?生霊となれば話が違う。生霊が夢に現れる?じゃ、サンディこそ強力な「力」の持ち主?だからオヤジ霊たちもサンディを恐れて祟ることなど到底出来なかったのかも。あんなにおどろおどろしくてエロイーズに物理的に接触するぐらい強かったオヤジ霊が、一転して無様な臆病者面になってしまうあたりは笑ってしまいそうでした。  また、考え方を変えればエロイーズの「力」の強さ故、階下に眠るサンディの悪夢を察して過去の物語を再現していたのかも。サンディが犯した罪を悔い無意識下で常に悔やみ続けていたのであれば、そこにエロイーズが入って行って過去の悲しくも忌まわしい事実を感じてしまったのかも。  結局サンディは今度こそ亡霊となってエロイーズの前に現れる訳で、とり憑いて悪霊化して欲しくはないところです。  それと、ジョンの叔母さんも「力」があるのですね。だからこそ彼は、自身は「力」がないまでもエロイーズの「力」を感じ接近して来たのかも。そして彼女の本質を理解出来るからこそ、殺されかけても近くに居続けてくれるのかも。ちなみに、彼が叔母さんを連れて来てエロイーズのピンチを救う、なんて月並みなオカルト物語にならなくて良かった。  それから、テレンスさん演じる謎の老人がジャックだとミスリードされることはなかったですね。彼が亡霊として登場していれば別だけれど、登場の仕方や雰囲気が基本的に善玉感ありありでしたし。まさか、サンディを救おうと声掛けした男だとは思いませんでしたが、後になって考えてみればそれ以外なしですよね。  戯言で失礼しました。  改めて感想を。古いビルに自らの人生を封じ込めざるを得なくなってしまったサンディが、期せずして現れた彼女の過去を視ることが出来てしまうエロイーズを、一度は消し去って現在の平穏を維持しようとしたものの、土壇場になって過去を悔い改め自らの全てを消し去る道を選んだということでしょうか。いずれにしても、ひさびさに満足できるホラーに出逢えました。8点献上です。
[インターネット(字幕)] 8点(2024-03-13 14:29:37)(良:1票)
17.  M3GAN ミーガン 《ネタバレ》 
プロットそのものとしては少なからず既視感のある、ホラーと言うよりエンタメ色の強いSFサスペンスですね。  ミーガン誕生までの流れは、SF的には荒唐無稽と言いますかご都合主義が過ぎる気がします。いっそのことミーガンありきの設定でも良かったのかも。試作失敗だとか既製品の廉価版開発の遅れだとかのエピソード抜きで、会社に秘密で3人の技術者が極秘開発していた超高性能AI搭載ロボットがありまして、みたいに。それだと薄すぎるかなぁ?  でも、両親を失った幼女の悲しみ、救いを求める心、そして擬人化した「物」への依存というメンタル的な流れは丁寧に語られていると思いますし、何だかんだ言って(個人的には)「嫌な女」っぽく表現されていた叔母が、姪の心の移ろいによって本当に大切なものを見つけて行くあたりは、薄くはあるものの良質なヒューマンドラマであるとも思えます。  終盤までは「何だよ大人たちはどいつもこいつもクズじゃないか!悪ガキもざまーみろ。ミーガン頑張れ!」みたいに作品世界に入りつつ、終盤には「ミーガンはヤバイよ。頑張れブルース!」みたいになっている。結構感情移入してしまいました。  ネットワークを通じてスマートスピーカーに移り住んだミーガンの「心」は、既にケイディを守るというミッションを離れ完全に「人間憎し」へと変化しているのでしょうか?それとも更に進化し「感情」を手に入れているのでしょうか?続編が気になります。
[インターネット(字幕)] 8点(2024-02-01 12:43:12)(良:2票)
18.  コンティニュー 《ネタバレ》 
最近流行の(と言いたくなるぐらい散見されますね)タイムループもの。シチュエーション的にはタイムループの定番スタイルを採っていて、ゲーム仕立てに演出することで主人公が死にまくる(時として結構グロく)にも関わらず悲壮感は皆無。基本的にコメディと言って良いかも知れません。主人公が作品中で80年代アーケードゲームに興じるなんてのは結構好きな演出です。  物語の核となる秘密のマシンについては、その理論が科学的根拠に基づいているようで結構アバウト。なので、本格的なSFタイムループものとして受け止めてはいかんのだと思います。あくまでもエンタメ作品。ありえねー!と叫びたくなるような主人公の活躍ぶりも、これでいいのだ!と理解するべきかと。  テーマ性を前面に押し出した本格SF作品ではなく、あくまでも殆ど悪ふざけに近いノリのコミカルアクション作品として観る限り、非常に楽しい時間を過ごせました。  主人公の愛息役の子役が何とも可愛らしく良い表情でした。でも、個人的にはナオミ・ワッツ様の変わらぬ美しさに出逢えたことが一番の満足点。それもあって甘めの8点献上です。  ちなみに、ラストはあれで良いかと思います。ハッピーエンドもバッドエンドも説明的で野暮になっちゃうでしょう。説明が破綻してしまうでしょうし。(そこに至るまでに相当破綻してはいますが)
[インターネット(字幕)] 8点(2024-01-15 11:19:05)
19.  ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ 《ネタバレ》 
既に「1」のレビューアーさんが書いていらっしゃいますが、私も幾つかのヒッチコック作品のエッセンスを感じました。勿論、模倣ではなくオマージュとして。  ヒロインを広場恐怖症とすることで古びたアパートメントを極上の閉鎖空間に仕上げ、あたかも舞台劇の如く空間としては限定しながらも奥行と深さを感じさせてくれる演出。色彩感覚を混乱させるようなインテリアの数々と、より一層その効果を高めるカメラアングルや照明。そして何より、総ての出演者が確実に役を演じ切っていることによって惹き込まれる作品世界。ひさびさに上質なスリラーを楽しませていただけました。  強いて残念な点を挙げさせていただくとすれば、物語の展開としては非常にオーソドックスであること。必要以上に奇を衒うことのない展開は寧ろ好ましくもあるのですが、意外性という点では特筆すべきものはないかなと。伏線の数々もある程度想定可能なものが多かったのではないかと。そして、種明かしの核とも言える真犯人であった少年の犯行動機にしても、少々強引と言うか、連続殺人犯の卵とも言うべき人間の心理としては直球過ぎるような。  とは言え十分に見応えのあるスリラー作品であることは間違いなく、迷いつつも8点献上とします。
[インターネット(字幕)] 8点(2024-01-13 18:02:33)
20.  ハリガン氏の電話 《ネタバレ》 
いかにもスティーブン・キング原作と納得の作品。一人の少年の成長を描いたヒューマンドラマとして登場人物の人間模様を描きつつ、ファンタジー、或いはホラー風味もしっかりと効かせた展開、良いですね。  憎しみのあまりその対象の死を望むと実現してしまう。これは単なる偶然か?それとも今は亡きハリガン氏の超自然的な力によるものなのか?明確な種明かしのない結末は如何にもキング作品。そのことに焦点を当て過ぎるとオカルトホラーになりかねない。ギリギリのところで踏み留まって、ある意味曖昧にしておく。このあたりの匙加減が絶妙です。  原作未読ですが、おそらく読めば本作の魅力が増すことは間違いないかと。個人的には、キング作品は原作の方が優る場合が殆どと思っています。が、本作の場合は映画化しても作品の魅力は損なわれていないと感じます。8点献上。
[インターネット(字幕)] 8点(2024-01-12 18:40:29)
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