1. エターナル・サンシャイン
もう少し評価があってもいいと思うんだけど、 この手の映画は少し不利なのかな。 入り組んだ人間関係とかちょっとした魔の悪さから感情が高ぶったりして、 いろんなことが起こるけれど、人間ってすばらしいよね。というお話。 手法が独特で複雑だったり、わからなさをあえて放置していたりもするので、 そのあたりが嫌われることもあるのかも。 純粋な人間賛歌として可愛らしい。技巧に優れた映画ではないかと思う。 実際、その年の個人的なナンバー1映画でもある。 良い映画だと思うんだけど、好みが分かれるのかな~。 [映画館(字幕)] 9点(2015-11-05 15:53:03) |
2. カンフーハッスル
お見事でした。カンフー映画と最新映像技術は根本的に相容れないもの と思っておりましたが、とうとうここまでの親和性をもたせるところまで来てました。 ずっとこのテーマに挑んで来られた結果がやっと身を結んだという事でしょうか。 お得意のコメディ路線は一時期の下品さがなりを潜めて、 古典的でありながら表現力の高さから良い温度で提供され、 確かな技術に裏打ちされたアクションは格調高くすらある画面構成で描ききられる。 アニメ的な演出をここまで堂々と取り入れなお使いこなす。 意欲作で冒険作でありながらきっちりとまとめきられている。 (後半やや荒いのは香港系の映画の流れへのオマージュとして) 極意というか極致というか、 まさしく達人チャウ・シンチー。 [DVD(吹替)] 8点(2015-12-15 14:54:06) |
3. フィッシュストーリー
無関係な出来事の連なりが実は一部で少しず連なり、 人類を救うほどのきっかけを産む。 人の意思が少しだけなにかを変えてそれがどこかで別の花を咲かせる 嘘みたいだけどあったらいいな。というお話。 まずシークエンスの長さ連なりの示唆。 そうした構成がとんでもなく上手。出来上がりがしっかりと頭の中にあるのでしょう。 音楽や演出も秀逸でまさにどこに出しても恥ずかしくない そんな映画です。 きっちりとまとまりすぎている事が逆に広がりを産まなかったのが 残念でしたが十分な余韻を楽しめる美しさのある映画でした。 [DVD(邦画)] 7点(2015-11-05 14:58:58)(良:2票) |
4. ぼくんち
原作は貧困ファンタジー漫画。実写になればこのようにいろいろと差異を取り沙汰されてもしかたないでしょうね。私は原作とは完全に切り離して鑑賞しましたので、逆に原作の雰囲気を実写にしては十分に出せているという印象でした。特にキャラクターの出し方描き方が上手であの原作からよくエピソードを抽出し、また演出したものだと感心しました。描写のリアリティについてはもとがダークファンタジーだと捉えているので気にはならず、この現実との微妙な乖離性こそを楽しいんでほしい作品です。どですかでんにはちょっと及びませんが6点献上。 [映画館(邦画)] 6点(2016-06-29 15:50:57) |
5. 図鑑に載ってない虫
好みによると言えばそれまでだが、 いくら何でも評価が分かれ過ぎですね。 ふざけまくった映画でこれまでの手法を無視するような 作品ですが、これが何パーセントかの人々の心をがっちりつかんだのも事実。 それだけ突き抜けた作品であるということに敬意を表します。 映画としてはなかなか風変わりで奇天烈な雰囲気が面白いですが、 一方でいくらなんでもというシーンも多くあり、 総合すれば6点が妥当かと [インターネット(字幕)] 6点(2016-03-23 16:58:04) |
6. バットマン ビギンズ
《ネタバレ》 リブート作品として非常によく出来ている。 現代的な解釈と最新の技術で過去の作品を再構築することは簡単なようで、 案外出来ていない作品が多いことからするとけっこう凄い作品なのではないかと・・・ 実際、彼がバットマンになっていくさまはかなりワクワクしたし、解釈の違いも楽しめた。 知ってはいるけれどわくわくできるというのはファンとしてうれしい。 リブートとしてあるべき工夫がなされた作品といえるだろう。 とはいえやはり敵役の魅力など、バットマンシリーズの肝の部分が弱く、 そこはもう少しがんばれる余地を残したという点は減点。 6点で。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2016-03-18 13:23:53) |
7. Vフォー・ヴェンデッタ
《ネタバレ》 ヴィジュアルが非常にかっこういい映画。 本来であれば描きにくい、反社会的なブラックなヒーロー像を成立させるために、 あれやこれややった結果。そこまで政治的な意図のある映画ではないのに、 なぜか政治的に神格化されたがっているかのように扱われてしまっている。 SWで主人公が帝国と戦うことについて 共和制と独裁の闘争が~と言い出す人と比べると、 圧倒的にこちらのファンとアンチの数のやばさがわかるだろう。 もちろんメッセージとしてそうしたものはあるんだけど、 魅せたいものは別にあったのだろうと考えると、 やはりこのご時世、興味の無いものには触れないほうがいいのだろうね。 本来はヒーローの造詣のみを追及したそのかっこよさに6点。 [映画館(字幕)] 6点(2015-12-25 18:11:49) |
8. マーシャル博士の恐竜ランド
ユニバーサルの重役のクビをとばし、ラズベリー賞に輝いた作品。 とくればさぞかしと思いきや、案外面白い作品だった。 全編にコメディが散りばめられており、ありがちなラストだけはまともなことを言って、 感動させようという事も無く、とにかくぬるい雰囲気が心地よく感じる。 カニが走ってきて急に茹でられたり、トカゲ人間が急に脱いだり、 不条理さが面白かったけれども怒る人もいるだろうな。コレ。お勧めできるかといわれれば、よほど心を許した友人でないとムリ。 70年代を意識しつつ技術は最新で、すき放題やっていて楽しいのですが、 このゆるさは人を選ぶというか世代を選ぶというか、やたらと低評価なのは致し方なし。 同世代の日本人には受けるのではと思います。 [インターネット(字幕)] 6点(2015-12-21 11:48:14) |
9. コーチ・カーター
コーチ、ケン・カーターさんの生き様に6点。 映画としてはこの立派な人物をできるだけ過度にならないように、 描ききるだけ、職人に徹してつくりあげるだけ。 映画の題材を殺さずにきっちりとした出来栄えであることに好印象ではあるが、 それ以上、映画としての何か、というポイントが欲しかった。 [DVD(字幕)] 6点(2015-12-15 17:37:46) |
10. ミスト
極端な状況を前に人は極端になりがち。 この映画の登場人物にいえるし、この映画への評価についてもいえる。 特に嫌悪感をむき出しにされている方が多いことにびっくりした。 その嫌悪の対象こそ監督が嫌悪すべきだと言っている事なので、 むしろ賛同者なのではないかと思うのですが、 それがある事が許せないという方が多いのですね。 映画で描かれなくてもそれがある事には変らないのですが・・ 映画自体はそこそこのモンスターパニック。 けしてB級以下の作品ではないし、素晴らしい傑作ともいいにくいくらい。 全体に良くできている。少し脚本がめんどくさいので6点くらいかな。 [DVD(字幕)] 6点(2015-11-08 13:11:44) |
11. バーン・アフター・リーディング
コーエン兄弟の映画つくりの腕の確かさは間違いない。 あとは作りたいもの、その欲求と願望がどこに向うのかだけではないかと思う。 評価がわかれ内容をけなされても、彼らは今回こんな映画をつくろうと思い、 大体、思い通りの結果だったのではないか。 個人的にはかなり面白いと感じたのだけど、 一方で多くの人に伝える努力は放棄されている。 そこがどうにもひっかかってしまい6点。 アーティスト気取りというわけでもないのだろうが、 この映画をそこまで賞賛するのは考え物な気がする。 [映画館(字幕)] 6点(2015-11-07 15:30:54) |
12. 着信アリ
ネタを聞いたときには怪談のツールとして新しいものが 出来たと新鮮なアイデアに思えましたが、 いかんせんそこを出発とせずそこを終点としてしまったという映画。 いいアイデアを活かすのはさらなるいいアイデア。 一つのアイデアだけで作るには長い。 敵役が無敵すぎるという事がイコール恐怖の度合いにはならない事。 製作当時の新味を評価。監督も評価。 下駄はかせて6点です。 [映画館(邦画)] 6点(2015-10-31 19:06:37) |
13. 1408号室
《ネタバレ》 ホラー映画の常套手段として、人が死ぬことは非常に大切。 ほらこんなにやばいんだよ。ということが一目瞭然になるからだ。 でもってこの映画は一人芝居なのでそれが出来ない、 ホラーの巨匠キング先生の偉大なる挑戦というわけだろう。 つまり一人しか死ぬ人がいないので、まさか開始1時間持たず死ぬわけではないだろう。(『サイコ』の例はおいときます。) と高を括ってみることができるわけで、この時点で構造上の不利益は免れない。 この挑戦に対して、この映画はとにかく不合理、理不尽の、いやらしいで攻め続けてくる。 いやはや、怖かった。一人である分感情移入がしやすく、 キャラ説明が要らない分、ホラーの割には心理描写ができており、 キャストが要らない分それなりの役者を準備できる。 構造上の不利を見事に利点に変えたこの作品。 安易なホラーが増え続ける昨今においては一見の価値アリ。 しかし、5点。 [DVD(字幕)] 5点(2016-05-20 19:11:40) |
14. ゼロ時間の謎
《ネタバレ》 アガサ・クリスティーの原作としらずにアガサっぽいなと思って観賞。 それだけに雰囲気はよくできている。まあフランス版犬神家といったところでしょうか。 内容は違うけど、いわゆるお約束ものミステリー。 評価としては原作者が想像できるくらいに雰囲気が出せている点。 マイナス点はこれがとても21世紀の作品に見えないという点。 映画というよりも二時間ドラマのような趣であること。 知っている人が豊かな時間を使って愉しむ分には良作で、 知らずにみてしまうとちょっと辛いのではという作品。 というわけで5点献上。 [インターネット(字幕)] 5点(2016-03-18 13:33:25) |
15. シティ・オブ・メン
いわゆる日常系映画。 日本のゆるさとは違ってブラジルのどうしようもない層のどうしようもない日々を描いた作品。 これが日常の中にある世界が地球の裏側とはいえあるということは確かで、 そこからいろんな物事を読み解くことも一つの狙いなのでしょうが、 まあそんなだいそれた映画でもないような。 映画としては随分荒削りな『シティ・オブ・ゴッド』のほうがそうした訴求力が高く、 映画としての作りがけっこうしっかりしているこちらのほうは、 ドラマがしっかり出来ているだけにパワーをもたない。 ああー大変だー。以上の感想を持ちにくい持ちにくいのはなぜなんだろう。 青春映画としてそこそこのクオリティというだけ。 『シティ・オブ・ゴッド』の正当シリーズですが、全くの別物。 [インターネット(字幕)] 5点(2016-03-15 13:10:11) |
16. 7つの贈り物
《ネタバレ》 なんか考えさせられる映画。ではなく考えさせたかったのだけれども、そこまで行き着かなかった映画。 自己犠牲。を描いたようで全く自己犠牲とはいえず、現実逃避の自殺になんとなく良いような意味を引っ付けただけ。 これは文化の違いなのでしょうか。なぜ良いことのように描かれているのか不思議です。 キリスト教では自殺は絶対にダメ。なわけですから、 それに対する考え方がなにかしら潮流にあってこうした作品が一つの例として提示されたのか。 与えられる人々のエピソードがそれだけで泣けて、 できることなら違う解決方法があったのならもっと点数は高くできるのだけれど、 問題の提示としては稚拙すぎるやり方で評価できない。 作り方の安定。演技。エピソードは悪くないので5点。 [DVD(字幕)] 5点(2015-12-28 11:13:54) |
17. PLANET OF THE APES/猿の惑星
そもそも差別意識から産まれたとも言われるオリジナルをもつ題材を 差別はいけないよ、という事をとっぴな視点で描き続けたティムバートンが監督。 これはエライことになるぞ、と思いきや全然なりませんでした。 どうやらけっこう彼のアイデアがカットされてしまったようで、 もしかしたら本当にとんでもない映画が出来ていたのかもしれませんが、 彼に期待されたことはあくまでも客寄せのネームバリューだったようです。 どうしようもなく陳腐で平凡な作品になりさがってしまい、 非常に残念ですが、世界観の作り方だけは十分に評価できるとして 甘甘の点数で5点献上。 [映画館(字幕)] 5点(2015-12-26 19:05:13) |
18. メルシィ!人生
かなり面白い設定から、微妙な着地という印象。 下品なお笑いは私も得意ではないのだけれども、 題材的にはっもうちょっと下品なお笑いをいれないと不足なのでは? 演技は素晴らしいけれどもお話がちょっとパンチ力に欠けていると思います。 軽妙洒脱なハイテンポで幾人モノ人物の悲喜こもごもを描いている技術は高い。 しかしその分主人公の成長や周囲の変化に説得力がないような。 ちょっと全体的に薄味な気が・・・ あと差別のお話ですが、やはりここ10年で大分改善されたのでしょうね。 少し、みんなの感覚がフランスにしては古いように思いました。 こういう映画が一歩一歩差別を打ち破って言ったのかもなどと言い出すと、 高い点数をつけざる得なくなってしまうので目を瞑ります。 体調の良いときに見直したらもうちょっと評価上がりそうですが、今のところはこの点数。 [DVD(字幕)] 5点(2015-12-25 19:57:56) |
19. デス・リベンジ(2007)
とにかくこの映画が6000万ドルの制作費ってことに驚いた。 これだけ豪華なキャストであればギャラだけで半分以上は無いだろうに、 そういった意味では凄くがんばった映画だと思う。 全然面白くないけれど、凄い。ウーヴェボルすごい。興行収入すごいマイナスだけど、 ウーヴェボルすごい。2まで作ってる。ウーヴェンボルスゴイ。 世界観やら大規模な雰囲気はそれなりに見られる作品でした。 何かが少し変ればもっと良い映画なのかと思います。 [DVD(字幕)] 5点(2015-12-25 15:45:33) |
20. コンフィデンス
よくある詐欺映画のアルアルネタのような映画。 これはもうパクリ・オマージュの類ではないでしょう。 映画オタクからすると『親父、いつもの。』で出されてきたかのような作品で、 新鮮味や驚きはないですけれでも不思議な安定感がありました。 豪華俳優陣による演技も魅力ですが、演出が非常に軽めでそこだけが残念。 しかし意図としては重過ぎる演出にするとパクリ映画になる。 ゆえにスナック感覚を維持するという点でこのライン。 という線引きがなされていたのではないかと思います。 スナック感覚でいける映画ですのでそのつもりで観る分には十分な見応え。 [DVD(字幕)] 5点(2015-12-25 12:17:04) |