181. 素晴らしき哉、人生!(1946)
《ネタバレ》 皆に尽くしたジョージの窮地を皆が救う「蛍の光」の大合唱は人の温もりが沁みる珠玉の名シーン。ポッターのネコババ行為を誰一人見ていなくても神様は見ており、罰は神様が与えるのだと確信が持てました。【2016/1/8追記】大合唱シーンを眺め、映画のお伽噺であったとしても、生を授かってからここまで過ごしてきた私の身には起こり得ない事を確信させられ号泣。今後二度と観れない作品となりました。 [DVD(字幕)] 9点(2014-01-05 00:22:44) |
182. 断崖
《ネタバレ》 私の嫌いな舌先三寸男を見た目爽やかなケーリー・グラントが演じているものだから、「これでもかっ!」というくらい神経を逆なでさせられました。本性を剥き出しにしてリナを断崖から突き落とそうとするも間一髪のところでかわされ自身が転落死・・・私の確信はハズレ。なるほどそう来たかと呻らされるハズレでなく、なんじゃそりゃとずっこけるハズレだったのが残念でした。 [DVD(字幕)] 6点(2013-02-07 23:36:25) |
183. 夜までドライブ
キャラが際立っていた社長夫人。知性の無さと比例した物語の深みの無さが物足りませんが、彼女のお蔭で退屈せず鑑賞出来ました。 [映画館(字幕)] 6点(2013-01-13 20:22:38) |
184. わが青春に悔なし
「自由の裏には苦しい犠牲と責任がある事を忘れちゃいかん」「顧みて悔いのない生活を」父と野毛の教え通りに、陰惨な迫害の中で一心に働く原節子の姿は、お嬢様時代の高慢さとのギャップと相まって圧巻でした。大河内演ずる慈愛滲む父親も忘れ難い存在でした。 [DVD(邦画)] 7点(2012-12-19 22:36:39) |
185. 疑惑の影(1943)
叔父は何時本性を剥き出しにするのか、姪の命運は。そこそこハラハラさせられました。ヒッチコック作品であったと本サイトで知り、納得するやら物足りなさを感じるやら。 [DVD(字幕)] 5点(2012-03-20 14:21:22) |
186. わが谷は緑なりき
《ネタバレ》 「一家の頭である父と心臓である母」言葉通りの二人に敬服します。主人公のラストの台詞「我が谷は緑だった」に凝縮される成長記にいろいろな事を考えさせられました。 [DVD(字幕)] 7点(2012-03-12 22:51:09) |
187. 戦火のかなた
戦争の非情さ。遺言として迫ってきた「無防備都市」に対して、戦時下にある人の数だけ存在する事を淡々と示した本作。共に忘却の彼方になってはいけません。異端視する姿勢の行き着く果てが戦争なのではないかと思えた第5話が印象に残ります。 [DVD(字幕)] 4点(2011-12-26 23:48:08) |
188. 美女と野獣(1946)
有名な童話が、重厚絢爛に、おどろおどろしく、愛憎露わに、表現されています。終始ドキドキ、ハラハラし画面に目が釘付けとなりました。大変豪華な童話でありました。 [DVD(字幕)] 8点(2011-12-21 21:55:57) |
189. ドイツ零年
敗戦の廃墟の中での疲弊した暮らし。貧すれば鈍する様子をまざまざと見せつけられます。その状況で少年を炊きつけ、結果に逃げを打つナチ残党の卑劣さ。あまりの救いの無さに底冷えします。 [DVD(字幕)] 5点(2011-12-14 20:55:25) |
190. イワン雷帝
煌びやかな衣装、調度類に彩られた荘厳な画面は芸術性溢れるもの。その中で繰り広げられる人間ドラマは第一部は見応えがあったものの、第二部は尻すぼみ。謳いあげている庶民は置き去りのまま貴族との争いに終始。最後に至ってはプロパガンダ臭がプンプンし、長尺の疲れが一気に噴き出しました。 [DVD(字幕)] 4点(2011-09-11 19:47:43) |
191. 東京ジョー
日本の描写、物語の展開共にそこそこの出来栄えです。男として女々しいのに父親として母性的な愛情でもって勇猛に振舞うボギーもそこそこの味わいがありました。一点笑えたのが鎌倉源五郎景政。昭和の世にこの名前って一体・・・ [DVD(字幕)] 6点(2011-09-02 23:23:39) |
192. マン・ハント(1941)
《ネタバレ》 冒頭のシーンに仰天。以後、ラストまでナチスの陰湿な執念深さが作品を支配し、監督特有の光と影の映像がその恐ろしさを際立たせています。ラストの一騎打ちはヒリヒリした緊張感で手に汗握るものでした。サスペンスを堪能しました。 [DVD(字幕)] 8点(2011-08-14 01:04:50) |
193. 夜の女たち
家族を養うため止むに止まれずでなく、単に悲しみで捨て鉢になって躰を売る。ことは止めましょう。ごもっとも。田中絹代の演じる夜の女が単に言葉遣いが悪いだけという演出で、青臭い子供にしか見えなかったのでそれ以上の感慨が湧いてこない作品でした。 [DVD(邦画)] 3点(2011-08-09 21:41:48) |
194. 無防備都市
《ネタバレ》 暴力の連鎖。刻み込まれた遺恨。死を前にした神父の「死ぬことは難しいことではない、生きることのほうが難しい」は肩を落として立ち去る子供達並びに本作を観る者への懺悔と遺言に思えました。 [DVD(字幕)] 6点(2010-12-16 23:40:57) |
195. 白熱(1949)
従来の手のつけられない凶暴さにマザコンと病気持ちの要素が加わりギャグニーのオーラが全開。彼をも凌ぐ性悪な母親と嫁の存在が作品を引き立たせています。対する司直も潜入捜査官を始めとする理詰めな面々で、追い詰めてゆくまでのテンポと切れの良い展開には惹き込まれました。なので、そこからクライマックスまでの攻防で、足掻くギャグニーと嫁、捜査官との絡みでもうひと捻りが足りない点が何とも惜しいところです。 [DVD(字幕)] 7点(2010-08-12 14:16:40) |
196. チャップリンの独裁者
子供心に強烈なインパクトを受けた地球儀風船シーン。今、その狂気を孕んだ恍惚とした表情に、チャップリンの言葉「人生は自由で楽しいはずであるのに、貪欲が人類を毒し、憎悪をもたらし、悲劇と流血を招いた」が重なります。その当時にその思いを全編に亘り貫き通した勇気に脱帽します。それ故に、冗長さを感じた展開が惜しいです。 [DVD(字幕)] 8点(2010-08-11 18:36:35) |
197. 我が道を往く
物静かで飄々としたオマリー神父は一陣の涼風の様でした。道徳心、弱き者に対する思い遣り、年長者に対する敬意と優しさ。これらは世代を超えて普遍的なものであるべしと、しみじみとした気持ちにさせられます。フィッツギボン神父が実に味わい深く、オマリー神父の存在を引き立てておりました。 [DVD(字幕)] 7点(2010-08-02 18:50:46) |
198. 失われた週末
《ネタバレ》 重苦しくヤキモキ、イライラさせられる作品です。彼女の献身的なところは映画ならではですね。自身の痛い、苦しいは、誰にも分かってもらえないばかりか、鼻で笑われるものなのです。ハッピーエンドにうそ臭さを感じます。 [ビデオ(字幕)] 5点(2009-11-18 01:55:02) |
199. カサブランカ
身勝手なナルシストぶりがどうにもこうにも鼻持ちならない二股女イルザと、都合のいい男に甘んじるやせ我慢ぶりが痛々しいキザ男リック。これ見よがしなダラダラとした絡みのよろめきドラマは陳腐の極みで白け返ります。真に男らしいルノー署長に敬意を表してプラス3点。 [DVD(字幕)] 3点(2009-10-11 17:34:07) |
200. にがい米
過酷な労働であるにもかかわらず、ジメっとした悲惨さが漂っていない所に好感が持てました。一方で2組の男女の心模様から感じ入るものがなく、余韻の残らない作品でした。 [DVD(字幕)] 4点(2009-09-02 18:17:24) |