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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2251
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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181.  女子高生暴力教室〈OV〉
シリーズコンセプトは『死霊の盆踊り』に同じ。とりあえずおっぱい出しときましょう。だから本作登場の成熟型JKの皆さんはノーブラがデフォルトです。往年の芸能人水泳大会以上にポロリ乱発祭りが堪能いただけます。ただし、その有難みや満足度も『死霊の盆踊り』レベルであることも申し添えます。 タイトルに『暴力』が付いていますが物語のベースは、バイオレンスでもなければアクションでもなく、明確にコメディだったと思います。さもなくば、いくら10年前の作品とはいえ、あんな北斗の拳みたいな無茶な設定がまかり通るとは思えません。そういう意味でコメディというジャンルはつくづく最強だなと思うわけです。このような作品の主演に所謂セクシー女優の皆さんが選ばれたのは当然の成り行きと言えましょう。それではまず1作目の感想から。といっても言及したいのはストーリーではなく女優さんであります。本作の主演は、星美りかさん。私はAVを観ないので(嘘ですが)彼女を存じ上げませんが、大変チャーミングな方でした。舌足らずな感じがまた良く、ヒロイン適正にプラスが付きます。一般映画やドラマ等の演技畑で活躍できる方だとお見受けしました。(以下続編の『牝蜂の復讐』につづく)
[インターネット(邦画)] 5点(2022-03-12 23:40:51)
182.  モースト・デンジャラス・ゲーム 《ネタバレ》 
(ネタバレしています。未見の方はご注意ください) 24時間の生き残りを賭けた都市型人狩りゲーム。基本ルールは5つです。①警察他部外者に情報を漏らしてはならない。②ハンティングフィールド(デトロイト)から出てはいけない。③支給スマホを携帯しなければならない(位置情報取得のため)。④ゲームスタート時、スマホ以外の所持品は認めない。⑤銃は全員使用禁止。以上です。なお、獲物は一人(主人公のみ)で、ハンターは5人。ハンターの顔や人種性別等は不明。獲物はゲーム開始時に無条件で5万ドルを手にし、1時間逃げ切るごとに賞金が加算されると共にハンターに位置情報が開示されます。24時間逃げ切った場合の賞金総額は、なんと2450万ドル(約27億円)だそう。途中で殺されてもそれまでに獲得した賞金は没収されません。どうです?この条件。もし本当にこのルール通りであるならば、破格の好条件ではありませんか。1000万円で命を懸けていたカイジが可哀想なくらい。余命いくばくもない主人公が、妻と子の為にゲームに参加したのも頷けます。ポイントは、銃の使用が禁止されていること。ハンターは5人と少人数であること。ハンターからの不意打ちさえ避けられれば、獲物側にも勝機は十分にあります。というより逃げ切れる公算の方が大きいのでは。このあたり運営側のミスリードが巧みで、獲物は当初『反撃してはいけない』『原則走って逃げる』を選択させられている気がしました。しかも『人混みに紛れろ』と。人混みは確かに獲物にとって『盾』ですが、ハンターにとっても『隠れ蓑』です。人混みに紛れながら、走って逃げてくれれば、いずれハンターが捕まえることでしょう。全てのゲームに共通する勝率アップの秘訣は『ルールの正しい理解』であります。本ゲームの場合は『禁止事項以外は何をしてもよい』のでした。例えば1時間ごとに服を変え、バイクにでも乗って逃げ回れば勝ち確でした。もっとも、ここまでえげつない戦法を選択すると、運営もルールを変更してくるかもしれません。そう、このゲームが真に破格の好条件だったのは、賞金額ではなくルールが公平であった事と言えます。カイジだったら運営はルールを破って常時ハンターに位置情報を漏らしたでしょうし、仮に逃げ切ったとしても刺客を放って賞金を回収したでしょう。たとえゲームでも不平等が当たり前。それがこの世の理です。その点、本作のハンターは反撃を受けても文句を言いませんでしたし、約束通りの賞金が支払われた模様です。悪趣味だけど義理堅い、由緒正しき殺人ゲームでありました。それにしても参加者は一体いくら参加料を払ったのでしょうか。
[インターネット(吹替)] 5点(2022-03-03 00:15:51)
183.  グリーンランド -地球最後の2日間- 《ネタバレ》 
本作は地球滅亡の危機を描いたディザスタームービー。大人気カテゴリーの作品であり、その多くがハリウッド製ブロックバスターです。大迫力の地球破壊映像がウリ。その点、本作の映像面はかなり控え目というか“小ぶり”でありました。ただし、サスペンスの魅力は脚本にあり。物語で観客を満足させられれば何の問題もありません。しかし、残念なことに脚本が仕事をしていませんでした。部分的にどうこうではなく、そこはかとなく全部低調。推敲した脚本とは思えません。途中で観るのを止めたくなる程つまらなくはありませんが、観終えて充足感が得られることもありません。
[CS・衛星(吹替)] 5点(2022-02-26 00:58:58)
184.  ザ・ファブル 殺さない殺し屋 《ネタバレ》 
前作も『まるでカリオストロの城のようだ』と思いましたが、本作のアクションは更にスケールアップしており、初期宮崎駿アニメと同様の爽快感を得ることが出来ました。リアリティという縛りが無くなると、こんなにも心地良いものなのですね。実写で、しかも邦画で、こんなにワクワクするアクションに出会えるなんて幸せなこと。かつて隆盛を誇ったワイヤーアクションや、現在主流のアメコミ系CGアクションとはまた違った味わい。現実と非現実の狭間をゆく正に寓話世界の活劇でした。これぞ“金がとれる”アクションです。ただ、これだけエンタメに特化した非現実系アクションがウリの作品ですから、物語のテイストもそれに併せてはどうでしょう。もちろん『殺し屋』が主人公なので、殺伐とした部分があっても、グロテスクな描写があっても問題ないと思いますが、胸糞はいけません。胸糞は苦みではなくアク。物語の旨味に繋がらないと思います。原作を蔑ろにしろとは言いませんが、大衆映画として胸糞要素をオブラートに包む“工夫”はあっても良い気がします。アクション大好きな私が8点を付けるのを躊躇う理由はこの点にあります。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2022-02-24 20:28:04)(良:1票)
185.  ロスト・ボディ(2012) 《ネタバレ》 
デヴィッド・フィンチャー監督の某作品(現時点で本サイトの登録作品上から3番目のやつ)と併せて観ると約1.2倍楽しめます。
[インターネット(吹替)] 7点(2022-02-22 18:43:23)
186.  JUNK HEAD 《ネタバレ》 
輪廻転生を描きながら、生きる意味を問う物語。と見せかけて、実は全然違うのかもしれません。監督の狙いは別にあるのかも。説明不足を自分勝手に脳内補完している可能性も否定できません。そういう意味では、映画の完成度は決して高くないと思います。無駄な描写が多いですし、ストーリーテーリングも上手くありません。必要以上にグロテスクですし、結末も尻切れトンボ。しかしながら、本作の訴えかける力はズバ抜けていました。画面の端々から謎の迫力が溢れていました。全ての芸術作品の使命は観客に何かを感じさせる事。その観点で本作は(私にとって)満点に違いなく、もう諸手を挙げて賞賛したいです。映画の出来の良し悪し等とは、また別次元の話。こういう映画こそ傑作と呼びたい。こんな気持ちになったのは、湯浅政明監督の『MIND GAME』、内田けんじ監督の『運命じゃない人』を観た時以来であります。
[インターネット(邦画)] 10点(2022-02-21 19:16:10)(良:1票)
187.  テロ,ライブ 《ネタバレ》 
典型的なソリッドシチュエーションスリラーの様式ですが、主人公は事件現場には居ません。デンマーク映画『ギルティ』(2018年)と同様のスタイルです。まさに踊るの青島の名台詞『事件は会議室で起きてるんじゃない。現場で起きてるんだ!』状態です。ところが、物語が進むに連れて様相は一変します。此処が事件現場に変わる。どんなにハラハラしても我が身(主人公)の安全だけは確保されていると思っていたのに。この大転換は、サスペンスギミックとして優秀であります。ただ、形式的にはご指摘のレビュワー様もおられるように『ドリフのコントのオチ』以外の何者でもありません。一定年齢以上の日本人観客の脳内には『♪チャチャラチャンチャラチャンチャンチャンチャラチャンチャンチャンチャンチャン・チャチャラチャンチャラチャンチャンチャンチャラチャンチャンチャンチャンチャン・テーテテテテー♪』の曲が響き渡った事でしょう。ドリフって偉大ですな。
[インターネット(字幕)] 7点(2022-02-16 19:04:18)
188.  ルームロンダリング 《ネタバレ》 
資金洗浄=マネーロンダリングならぬ、事故物件洗浄=ルームロンダリング。殺人事件や自殺等が起きた賃貸物件の心理的瑕疵は、契約交渉時に告知義務があるも明確なルールはない。そこで一度誰かに貸して告知義務を果たすことで、2人目以降の賃借人に対する告知義務を消滅させるというもの。そこで主人公はルームロンダリング請負人として事故物件に住むワケです。ビジネスとして事故物件に住むという意味では、『事故物件 恐い間取り』と同じですが、本作はホラーではなくハートウォーミング・ファンタジーでした。主人公は「見える人」であり、その能力を使って成仏できない霊の呪縛を解いていくと同時に、彼女自身も成長していきます。エピソードは総じて大人しい印象で淡々と進行します。面白いとは言いませんが、悪くもありません。主人公が池田エライザさんである事は、エンドクレジットまで気づきませんでした。ぼんくらですみません。 (以下余談)心理的瑕疵の告知義務については2021年に国土交通省からガイドラインが示され「概ね3年程度」と取り決められたようです。もう今だとルームロンダリングビジネスは出来ないですね。
[インターネット(邦画)] 5点(2022-02-11 12:27:49)
189.  ウィッチ 《ネタバレ》 
コミュニティから弾かれ孤立する家族。唯一の拠り所は信仰心。しかし柔軟性なく凝り固まった心は、最も大切にしなければならない家族の絆を断ち切っていく。行き着く先が悲劇なのは必然でした。王道のオカルト様式でありながら、スーパーナチュラル確定でなく、精神疾患(追い詰められた主人公が脳内で作り出した架空のお話)の可能性を感じさせるあたり作品の奥行きを感じさせます。派手さはないものの、ホラーとしては一級品です。恐ろしいのは魔女か、悪魔か、はたまた人の心か。
[インターネット(吹替)] 8点(2022-02-11 02:17:21)
190.  一度も撃ってません 《ネタバレ》 
「ハードボイルド」というジャンルそのものをダシに使った大人向け激渋喜劇。ブラック&ビターな人生ドラマに心地よく酔いしれました。とくに印象的だったのは妻の言葉です。『私はきちんと生きてきた。これからもちゃんと生きていきたい。だから汚さないでよ!』これは痛い。痛過ぎます。ぐうの音も出ません。主人公は確かに一度も銃を撃っていないかもしれませんが、妻を後ろから撃ち続けていたも同然なワケで。この手の裏切りは、火遊びやギャンブルの比ではない重罪と言えましょう。何人も、自分の人生が自分だけのものだと思ったらイカンのであります。また玉淀の台詞にも痺れました。『ずっと騙し続けられればそれは詐欺とは言えない』確かにそうかも。しかしそうは問屋が卸さないのが人生であります。ゴール目前にして、市川はすっ転びました。もう昨日までの平凡で幸せな日常はありません。全く別ものの明日が始まる事でしょう。でも男は黙ってやせ我慢。それがハードボイルドの流儀ってもの。タバコをふかす市川がラストカット。かつて当たり前だった路上喫煙が許されぬ世の中になりました。ハードボイルド同様、時代に取り残された男の行く末や如何に。
[インターネット(邦画)] 8点(2022-02-07 19:07:31)(良:1票)
191.  はらはらなのか。 《ネタバレ》 
以下私なりの解釈です。こんな見方もあるのか程度でお読みいただければ幸いです。  『ハラハラさせるなのか』と『はらなのか+はらなのか』。2つの意味を持つタイトルと捉えました。前者は思春期少女の危うい日常を指し、後者は主人公だけに見えるもう一人の『私』を指します。透明な私の正体は、劇中劇の設定に沿うなら『生まれてこられなかった子』であり、主人公は元々双子で生まれるはずだったのかもしれません。ベッドで膝を折り眠る2人は子宮内の再現。透明なのか最期の言葉は「せっかく生まれてきたんだからさ」でした。本作は、生まれてきた主人公と生まれてこられなかった姉妹、2人による自分探し=アイデンティティ確立までの道のりを描いた物語と解します。 自我同一性取得に必要な作業。それは親の人格を取り込み咀嚼し、自分オリジナルに作り変えること。母親を知らない主人公は、どうしても母親に会う必要がありました。それが母の立った舞台に拘った理由。公演初日、父親が観覧に来ていないだけで過呼吸になるほど取り乱したのも、自我獲得に父親の立ち合いが必須だったから。ついに出会えた母親(マリカ)が、かつての子役(リナ)に変わる点も興味深いです。自我を求め旅する子もやがて親となり我が子を導く。私たちはみな共に助けあい、己が存在理由を確認しあいながら自己を確立してゆくのだと思います。 物語は夢中夢や劇中劇の体裁を有しており、空想と現実の区別が判然としません。透明なのかは勿論のこと、常時ピエロ風メイクの俳優、演出家とリナの年の差恋愛など、不可思議な事象だらけです。中でも気になるのは、母親の舞台記録映像のリナが少女ではなく大人であること。これは主人公が13年後のリナに出会った後、彼女の中で記憶の書き換えが行われた可能性を匂わせます。つまり本作の出来事は、一般的な時系列に沿った客観カメラ(神様視点)ではなく、全て主人公の内部記憶の編集映像だったのではないかと。自我同一性を描く作品ならば、このようなアプローチも納得です。 キャスティングについて。主人公なのかを演じたのは女優・原菜乃華さん。女優名のよみがな=役名のパターン。物語序盤の彼女は幼く拙い印象で、生徒会長役の吉田凜音さんの方が輝いて見えました。しかし物語が進むにつれ、なのかの表情がぐっと良くなり魅力が増したように思います。一本の映画の中で女優が成長する様を見られて得した気分です。
[インターネット(邦画)] 8点(2022-01-29 16:53:49)
192.  真・鮫島事件
劇中の時代設定がコロナ禍の映画を初めて見ました。2年もマスク生活が続けばこれがニューノーマル。登場人物がマスクをしていない新作映画の方に違和感を覚えるようになるのでしょうか。いやな世の中ですな。マスク着用が当たり前になると俳優さんも大変です。例えば本作のヒロイン武田玲奈さんのように大きな瞳で鼻筋の通った女優さんならマスク着用でも画面に映えますが、そうでないと厳しそう。微妙な感情の起伏をマスク越しに伝えるのも大変でしょうし。全体的にオーバーアクトが流行するのかもしれませんね。 タイトルに『真』が付くのは、『真・ゲッターロボ』か『シン・ゴジラ』にあやかっての事でしょうか。どちらにしても無印の『鮫島事件』映画が無いとおかしいワケで、このあたりの事情はかっぱ堰さんが補足していただいています(いつも丁寧な背景考察ありがとうございます)。物語について言及したい点は特にありません。所詮は与太話。コロナ禍でさぞ撮影大変でしたでしょうねと思うくらいです。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2022-01-24 18:48:40)(良:2票)
193.  ゴーン・ガール 《ネタバレ》 
ネタバレしています。ご注意ください。  幼少期から成人に至る今日まで“アメージングエイミー”としてキャラクター化され続けてきた女性。おそらくビジネスとプライベートの区別はなく、彼女はずっと何かを演じ欲しいものを手にしてきたのだと思います。歪な成長過程で、大人になっても心は幼い子供のまま。社会性や倫理観が備わっていない彼女は、今なお少女でした。だからタイトルは『ウーマン』ではなく『ガール』。子どもは非力だから我儘が許される訳で、力を持った大きな子どもの利己主義は恐怖でしかありません。これが本作で描かれる一つ目の恐怖、個人に由来する『ミクロな恐怖』です。 二つ目の恐怖、それは『マクロな恐怖』、世論であります。恣意的に世論を形成するのが容易となった現代。その世論に司法が左右されるのが常識となった国。何なら司法の手を借りずとも、気に食わぬ者への制裁が可能なシステムが構築されています。力のある人、頭の良い人が得をするのは世の道理ですが、その勝ち幅がえげつない。マスメディア、SNS。私たちは、社会は、確かに恩恵を受けていますが、その一方些細な過ちも許されない厳しい社会にもなりました。下手なオカルトよりも遥かにホラーな社会派サスペンスでありました。出来の良い映画だと思いますが、観終えてどっと疲れるタイプの映画ですので、元気ハツラツなタイミングでの鑑賞をお勧めします。
[インターネット(吹替)] 8点(2022-01-22 12:35:13)(良:3票)
194.  哀愁しんでれら 《ネタバレ》 
ネタバレしています。ご注意ください。  「母親になることと母親であることは違う」子育て失敗を自認する義母らしい、子連れ再婚の難しさと覚悟を再婚新妻に問い質す厳しい言葉です。始めは嫁いびりの一環かと思いましたが、どうやら本気で心配していたよう。それほど母親、とくに「良い母親」になるのは難しいこと。「無理なら逃げてもいいのよ」の意味だった気がします。しかし主人公にその選択肢はありませんでした。母親に捨てられた彼女は自分自身に呪いをかけていたから。「親は子どもを守らなければならない」。この強迫観念は彼女を狂わし「証拠隠滅」という究極の手段で子を守ることを選びました。証拠が消えれば事実も消える。既に筆箱や弁当事件で学習済みの解決法です。勿論そんな都合の良い魔法あるはずないのに。しかし、両親にとってあの結末はハッピーエンドに違いありません。 さて、娘は殺人を犯していたのでしょうか。全体印象や状況証拠はクロ。映画の方程式上は、最後に提供される情報が優位のためシロと判断しても良さそうですが、真相は藪の中です。おそらく父の方は盲目的にシロ、主人公は経験則からクロと認識していたのではないかと思われます。いずれにしても子はサイコパスの可能性大なので、主人公の立場であれば逃げるのが正解でしたが判断を誤りました。真実から目を背け、見たいものだけを観る。黒目のない肖像画は、あの家族の有様そのものを表しています。 多分「誰かを幸せにする」「誰かに幸せにしてもらいない」という考えが傲慢なのだと思います。ちっぽけな私たちにできるのは、自分が幸せになるために全力を尽くす事のみ。たとえ親子でもその法則は変わりません。人生は甘くない。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2022-01-17 20:28:46)(良:1票)
195.  笛を吹く男 《ネタバレ》 
『ハーメルンの笛吹き男』の韓国アレンジ版。原作の笛吹き男は犯罪者(人さらい)でしたが、本作の笛吹き男は息子を殺された被害者であり、その復讐劇の体裁となっています。そこで『復讐もの』について考えてみました。 本復讐劇の発端は、原作と同じ『契約不履行』です。笛吹き男(主人公)は鼠駆除の委託業務を履行したのに、依頼主(村長)から約束の報酬が貰えませんでした。理不尽ですが、そう珍しい話でもありません。現実的には泣き寝入りするパターンが多いでしょうか。だからこそ『ハーメルンの笛吹き男』の報復は常軌を逸しており『恐ろしい寓話』なのです。このホラーを『復讐劇』に転換するために、金銭被害以上の実害が必要だったと考えます。復讐の基本は『目には目を、歯には歯を』。被害と報復には均衡が求められます。笛吹き男の凶行(殺人及び子ども誘拐)に妥当性を与えるには、それ相当の痛みが必要でした。そこで一工夫。『戦時下』や『時代劇』という特殊カードを用いて、理不尽・蛮行がまかり通る『閉鎖された村社会』を作り上げました。これは上手いやり方です。社会秩序が保たれていない世界なら「何でもアリ」ですから。ただ個人的な好みを言えば、それでも希望なり救いなりを残して欲しかったと思います。昨今、限度を超えた激辛やデカ盛が流行っていますが、過ぎたるは及ばざるが如しとも言います。刺激過多で観客の心が麻痺していたら、ドラマの旨味(心の機微)が感じ取れず大味な印象になってしまう気がするからです。もっともこれが韓国映画の流儀であり、また魅力であることも否定しません。また同様の苦情(?)は、日本の某有名監督(〇子〇様)に常々抱いていることも申し添えます。 それにしても村長があの有名ミュージシャンに見えて仕方がなく。「青田、お前が旦那を止めろ」と何度も叫んだことは恥ずかしいので秘密にしておいてください。
[インターネット(字幕)] 6点(2022-01-17 20:25:44)
196.  クワイエット・プレイス 破られた沈黙 《ネタバレ》 
前作終了直後から始まる続編。しれっと数年後から始めることも出来たでしょうが、それだと前作で提示された難題「どうやって赤ちゃんを育てるの?」を誤魔化すことになるので、このアプローチには説明責任が感じられます。もっとも、そのアンサーは「赤ちゃんを育てる画期的なアイデア」ではなく「怪物のいない土地を探そう」でありました。うーん、やっぱりはぐらかされていますかね。果たして怪物不在の楽園は存在しましたが、とても安住の地とは言えない場所でした。来る者拒まずの姿勢は人道的ですが、社会秩序が失われた状況下では通用しない甘い考えです。怪物に見つかるより先に悪人に見つかってしまえば、今いる地獄より更に酷い地獄に変わるのは火を見るより明らかですから。真に恐れるべきは怪物よりも人間。この事実は数々のゾンビ映画(終末世界映画)で語られ尽くされてきた大原則であり、いくら本シリーズがリアリティ軽視の作風だとしても無視出来ない重要課題と考えます。したがって、もしさらなる続編があったとしても局地的なvs怪物より、大局的にはvs人間に比重を置かざるを得ず『ウォーキングデッド』と代わり映えしないホラーになってしまうことでしょう。それが駄目とは言いませんが、モチーフにはゾンビという絶対王者がいる以上、相当優秀な仕掛けがないとシリーズ化は厳しそうです。本作の微妙な出来がその事実を物語っている気がします。
[DVD(吹替)] 6点(2022-01-03 10:57:50)
197.  魔女見習いをさがして 《ネタバレ》 
『おジャ魔女どれみ』は一般教養(?)としてタイトルは知っていた程度。そんな50目前のおっさんが何故本作を観たかといえば、声優を努めた百田夏菜子さん目当て以外の何者でもありません。ももクロファンとして夏菜子さんのスイートボイスが拝聴できればそれで満足でしたが、何というか、思いの外、心の芯にヒットしてしまい、弱りました。 聞けば本作は『おジャ魔女どれみ』20周年記念作品とのこと。子どものころTVアニメ『おジャ魔女どれみ』に心奪われた若者たちが主人公のお話。彼女らは『聖地巡礼』から『ファンの絆』をきっかけに人生を切り開いていきます。この展開は、オタク全開の私にとって胸アツでした。そう、オタクが興味の対象に費やしてきた時間やお金、心の熱量は膨大なもの。然るに、そのほとんどはただの自己満足に過ぎません。生産性などありゃしない。でもそんな無駄な時間こそが、現在の自分を形づくってきた、かけがえの無いピースに違いないのです。本作のエピソードは、過去の自分を肯定してもらえたようで嬉しくて。私が今まで(そして今なお)のめり込んできた趣味たち(囲碁、深夜ラジオ、プロレス、映画鑑賞、ももクロちゃん)。何ひとつ人に誇れるような勲章や技能を身に付けたワケではないけれど、その時折に、自分の心を豊かにしてくれたのは間違いありません。それに本作の主人公たちのように、普通なら関わるはずのない方たちとの交流もありました。回り道や寄り道、道草の中にこそ『人生の宝』があるのでは。本作は『おジャ魔女』ファンだけでなく、全てのオタクに向けられた応援歌であります。
[地上波(邦画)] 8点(2022-01-02 00:56:23)
198.  すばらしき世界 《ネタバレ》 
ネタバレあります。未見の方はご注意ください。  自然災害、不慮の事故など、本人に責任が及ばぬ原因で終わる人生もあれば、己が生き様の帰結として迎える必然の最期もあります。後者を選択できた者は、その結果が好ましかどうかに関わらず「幸運」に違いありません。三上の最期は唐突かつ遣り切れぬものでしたが、明らかに後者と考えます。それに見方を変えれば、これほど幸せな結末もありません。生活苦もなく、辛い闘病生活も経験せず、悲しんでくれる人がいる、泣いてくれる人がいる。これ以上何を望みましょう。彼は周りの人々に恵まれました。もしかしたら人生の前半で使わなかった運を、ここで一気に使ったのかと思うほど。もちろん、身寄りのない三上が短期間で濃密な人間関係を築けたのは、彼の人間性に魅力があったからに外なりません。広い空の下で死ねたこと。彼が迎えた人生の結末は、最善でなくとも、最良のものだった気がします。 生い立ち、セーフティネット、犯罪者の社会復帰。シリアスな周辺要素を孕みながらも、物語は一人の男の日常生活を淡々と描くスタイルです。どこで終わっても成立したでしょう。それこそ後味よく希望を抱かせるエンディングを用意することも容易でした。しかし西川監督は「けじめ」に拘った気がします。それが「人生」を描く責任。西川監督の過去作を見てもわかるように、その真摯な姿勢は一貫しています。良いところも悪いところも、好都合も不都合も、全て描く。でもその視線には人間に対する絶対的な肯定感が見てとれます。それを「愛」と呼ぶのかもしれません。だから私たちは西川監督に魅了されるのだと思います。タイトル『すばらしき世界』は幾ばくかの苦みを含みつつも、皮肉ではありません。
[DVD(邦画)] 9点(2022-01-01 07:30:26)(良:1票)
199.  えんとつ町のプペル 《ネタバレ》 
賛否両論とは聞いていましたが、観て納得しました。 スタジオ4℃制作ですからアニメーションは一級品。映像面で文句を言う人はいないでしょう。問題は中身の方です。主人公は孤独な少年。彼を取り巻く環境は、決して好ましいものではありません。そこで提示されたのは「希望」という名の体制批判でした。異端を認めぬ社会が悪い。これは「世間」や「常識」と同義であり、多数派を架空の敵に見立てて戦いを挑みます。そもそも日本人は判官びいき。少数派=弱者の味方をしたくなるのが人情ですが、これは宗教勧誘映画の典型例でもあります。このような作品ですから、アンチには格好の餌食となるでしょうし、新派にしてみれば叩かれれば叩かれるほど、より結束を強める効果を生むはずです。商売は人々の耳目を集めてナンボ。映像面の「賛」は確定ですから、むしろ内容は「否」が多いくらいの方が話題となりオイシイのかもしれません。 物語の基本構造は『スモールフット』(2018)と酷似するもので、着想自体は珍しくありませんが、ブレイクスルーしたその先を示した『スモールフット』に対して、批判のみで帰結している本作は一段劣ると感じます。
[インターネット(邦画)] 5点(2021-12-30 00:07:35)(良:2票)
200.  地獄の警備員 《ネタバレ》 
いわゆる『不条理ホラー』。とはいえ、殺人鬼の思考など普通は理解できなくて当たり前。そういう意味では不条理である事が道理であるとも言えます。富士丸の狂気は不条理そのものでしたが、彼の最期は道理に適っており、不条理行動に一貫性がありません。逆に言えばそれがむしろ不条理とも言えなくもなく。何を言っているか分かりますか?自分でも何が何だか分からなくなりました。そう、この難解ぶりこそ、まさに黒澤清映画の証。ただし、私が愛する黒澤ホラーの奥行は本作からは感じ取れず、凡作との評価になります。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2021-12-20 23:10:51)
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