201. 次郎長三国志 第九部 荒神山
小堀明男が一番クレジットじゃないし、実際ほとんど出てこないし、納得がいかない。 これじゃあ、『次郎長三国志』じゃなくて『大政三国志』だよ! やっぱり、小堀明男がトップをはってこその次郎長三国志。 しかも内容は変にややこしく分かりづらいので入り込みにくい。 終り方だが、全九部作という大掛かりなシリーズ作品としては、どうもお粗末。 今まで八本も観てきたのだから、大作に相応しい華々しい終り方を観たかった。 【追記】、、と思ったら、下の方々のレビューを拝読して事情が分かりました。 そういうことだったんですね・・・いくらなんでもあの終り方はないよ、と思いました(苦笑)。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2009-02-14 09:11:17) |
202. お國と五平
《ネタバレ》 木暮実千代の魅力は堪能できたものの、いくらなんでも、まだらっこし過ぎる。 お國と五平が互いの気持ちを打ち明け合うまでに1時間。 そして、登場人物たちの揺れ動き過ぎる心情も分かりにくい。 はずれの少ない成瀬巳喜男作品の中にあっても、どん尻に近い作品か。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2009-02-14 01:40:35) |
203. コタンの口笛
こういった真面目な社会派作品は苦手な部類ではある。 しかし、過酷な環境におかれても、すぐに立ち上がり、前向きな希望をもって将来にのぞむ。 そんな気概を感じ、とても勇気づけられた。 いったんはへこんでも、そこで更に強くなり、将来の苦難に向かって突き進む。 そして、いつかは夢を実現すべく頑張る。 そんな人間讃歌が口笛の様に聴こえてきたのだ。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2009-02-11 22:12:13) |
204. 本日休診
バランスのとれた喜劇ドラマ。 鶴田浩二、佐田啓二、三國連太郎、中村伸郎、淡島千景、岸恵子ら豪華な出演陣。 しかし、主役は柳永二郎なのだ。 柳永二郎といえば、溝口健二の晩年の傑作『雪夫人絵図』でいやらしい絶倫夫を演じていたが、本作ではいたって正常で真面目で気さくな医者を演じている。 この演技幅は凄い。 豪華出演陣の中で、鶴田浩二がトップクレジットだったが、内容的にみてトップなのは不自然だ。 商業的背景があっての序列であることは容易に想像できる。 さて、内容だが、人情味あふれる医者のもとに、数々の患者が訪れ、次々と珍事が巻き起こる。 とびきり面白いとか、感激で涙しきりとか、そういった突出した要素はないものの、無難な人情喜劇としてみれば、なかなかの佳作であろう。 特筆すべきは、後に名俳優、大女優といわれた方々の初々しい姿をみれること。 鶴田浩二や三國連太郎も若くて元気だし、中村伸郎も後年のインテリ風な役回りとは違った若さを感じる。 特に女優陣が、みんな若くて美しい。 角梨枝子、淡島千景、岸恵子、三者三様で美しいやら可愛らしいやら。 後に大活躍した俳優・女優たちの、まだ初々しかった若き姿を観られる貴重な作品でもある。 [DVD(邦画)] 7点(2009-02-07 21:02:10) |
205. 女であること
《ネタバレ》 何たる複雑にして重厚たる人間ドラマだろうか。 田園調布に住む大物弁護士である森雅之。 その豪邸に妻である原節子と二人暮らし。 そこにわけありの娘・香川京子をもらいうけ、養育している。 そこに、もう一人、これまたわけありの娘・久我美子がやってくる。 香川京子と久我美子の二人の娘は性格が正反対で、それまで静かだった豪邸に不穏な空気が流れ始め・・・ といった内容。 本作でとにかく見事なのが、各出演者たちのキャラがとてもよく表現されていること。 仕事に熱心だが、家庭のことに関しては適当な大物弁護士の森雅之。 二人の若い娘に嫉妬を感じつつも、愛情はもっており、夫に負けず劣らず頭がキレる妻の原節子。 お嬢さん肌でとにかく純情可憐だが、世間知らずの香川京子。 おてんばでいて意地悪、だけど森雅之と原節子を誰よりも慕う久我美子。 この4人の性格や立場が丁寧に描かれており、キャラ形成という部分の土台がしっかり表現されているので、物語への没頭度合いが一気に高まってくる。 それでいて、森雅之と久我美子のアブナイ関係や、表題通りの「女っぷり」をみせて、毒気のある痛烈な言葉を発し続ける原節子など、単なる真面目な家庭劇でもなく、ほんと楽しませてくれる。 あげくの果てには、純情可憐そのものの香川京子に淫らな行為をさせ、駆け落ちまでさせてしまう豪快さと淫靡さ。 ああいう純情そのものの女性をその気にさせる石浜朗がニクイ! 私も石浜朗のように、純情可憐な香川京子に淫らな行為をしてみたい! いい!実にいい!実に昭和的ないやらしさにあふれた作品だ。 そしてトップクレジットの森雅之が、特に素晴らしい。 優しい口調で家庭をとりしきりながらも、一方ではバリバリと弁護士業をこなし、はたまた久我美子に草むらでキスまでしてしまう。 これはこれは。 男たるものの理想ですな。 田園調布で豪邸に住み、美人妻がいるのに、若い娘二人と同居。 男たるもの、誰もが憧れる役回りを自然に演じ切り、とにかくお見事であった。 森雅之が演じた男性像の羨ましさ加減、今日でも決して色褪せず!! [映画館(邦画)] 8点(2009-02-01 20:49:55) |
206. 次郎長三国志 第八部 海道一の暴れん坊
なんか話が分かりづらいと感じたのは自分だけかな?! 全体的な流れは分かったが、細かい部分部分で分かりにくいシーンがあった。 マキノ監督の演出がマズイのでは?と思ってしまったほどに。 ここまでシリーズ8本も観てきて、今更言うのも何だけど、どうにも自分に合う作品だとは思えない。 というより、マキノ雅弘監督との相性の問題かもしれないが。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2009-01-25 00:38:46) |
207. 次郎長三国志 第七部 初祝い清水港
リアリティ無視で突っ走るお祭り騒ぎな疾走感。 でも私に合わなかった・・・ 「馬鹿は死ななきゃなおらな~いっ!」 ふうむ。。 次回作に期待! [CS・衛星(邦画)] 4点(2009-01-14 23:36:37) |
208. 奥様ご用心
ちょっと待った!ちょっと待った! アヌーク・エーメの出番がほとんどないじゃないか!! これは詐欺だ!! アヌーク・エーメを目当てで観たのに、こりゃひどいよ・・・トホホ。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-01-03 22:49:33)(良:1票) |
209. 次郎長三国志 第六部 旅がらす次郎長一家
このシリーズの第三部辺りまでは、能天気な者たちが次郎長の下に集まり、次郎長一家として大きくなっていく。 そんな前向きな勢いを感じたけど、第四部辺りから段々テンションが落ち、ついにはこの第六部でどん底にまで落ちる。 暗い、ひたすら暗い。 楽しくておかしい次郎長一家が好きな私としては、どうにも辛い100分であった。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2009-01-01 22:58:55) |
210. 次郎長三国志 第五部 殴込み甲州路
今まで第一部から順に観てきたけど、シリーズ中で一番乗れなかった。 前半はどこかミュージカル調で苦手ジャンル。 後半は、大人数を相手にしての剣劇。 これがもうリアリティがないっていうか、迫力に欠けるっていうか・・・ 後半の盛り上がるべきところで、テンションを上げられず、置いてきぼりをくった具合。 評判の自作、第六部に期待! [CS・衛星(邦画)] 4点(2008-12-31 20:52:22) |
211. 愛のレッスン
どうも軽すぎるし、ベルイマンの魅力が出ているとは言い難い。 そして、私はどうやら、ベルイマンには寓話めいた話を期待しているようだ。 『処女の泉』や『第七の封印』のような・・・ [ビデオ(字幕)] 4点(2008-12-24 23:05:12) |
212. 東京の休日(1958)
まあ、これは山口淑子の引退記念で作られた作品なので、あまり観る側を意識して作られた作品ではないのかもしれない。 それと、個人的にミュージカルは苦手。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2008-12-23 00:48:24) |
213. 生きものの記録
基本的に黒澤明監督とは相性が悪いのだが、これは面白かった。 最初は「何言ってんだ、この老人は?」だったが、段々、彼の熱意と気持ちが理解できてくると、俄然、複雑な気持ちになった。 危機意識を持たず安穏と暮している人々、それに対し、未来を予測し独り奮闘する家族思いの老人。 どちらが正しいのか? どちらが狂人なのか? この問いを、我々に投げかける余韻を残すラストは見事だった。 そして、モノクロの映像も美しい。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2008-12-21 19:53:30) |
214. 夏の夜は三たび微笑む
普通の喜劇ドラマだからして、ベルイマンの作風からすれば異色作と言えるのではなかろうか。 ベルイマンはもっと重厚な人間ドラマを得意とする監督なので、どうも本作のような作品の作り手としては不向きな気がする。 ベルイマン作品を観るならば、本作の様な軽い作品を観るより、ひたすら暗い人間ドラマを観ている方がマシかもしれない。 [ビデオ(字幕)] 3点(2008-12-17 00:40:38) |
215. 若い人(1952)
池部良と吹雪。 これはまさしく豊田四郎監督の『雪国』を想起させる雰囲気だ。 、、と思ったら、豊田四郎も同じタイトルの作品を1930年代に既に作っていたのかぁ。 女子校の教員で28歳の独身男と、17歳の女子生徒との恋愛を描いた文芸ドラマ。 骨太な感じではなく、どことなく軽く仕上がっている。 同僚の女教師の扱いがどうも中途半端で、その存在意義が理解できなかった。 教師と生徒との恋愛を描く上で、あの女教師を出す意味が分からない。 話の筋に女教師は要らない気がした。 杉村春子は相変わらず巧く、二重人格の様な母親役を貫禄十分に演じている。 酔いつぶれたろくでなしの母親、献身的に男を看病する女性。 その全く対照的な二役を、本作では見事演じきっていた。 さすがと言わざるを得ない。 そして市川崑監督。 初期の頃には本作のような文芸作品を作りながらも、戦争映画、ドキュメンタリー、そして後期には『犬神家の一族』の様な娯楽サスペンスまで作ってしまう辺り、底知れぬ幅の広さを感じた。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2008-12-15 22:08:15) |
216. 次郎長三国志 第四部 勢揃い清水港
第一部から第三部までと比べると、少し面白さが足りない。 第三部までは、それぞれが独立した話として楽しめたが、この第四部はどうも“九部作”全体を前提とした作りになってしまっている。 つまり、“つなぎ”的な作りに納まってしまっており、一話完結の面白さが感じられないのだ。 次に楽しみをつなぐシリーズものならではの面白さ、として理解することも可能だが、やはり、それぞれの部が独立した面白さを持っていて欲しいというのが、個人的感想だ。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2008-12-11 21:36:19) |
217. オルフェ
私にはかなり辛い作品であった。 リアリティどころか、ファンタジックにぶっ飛んだ作品。 これについていけるか否かで、極端に評価が別れるであろう内容。 私には苦笑しっぱなしの、何か時間を失ったかのような錯覚に陥るほどに、入り込めない作品だった。 [ビデオ(字幕)] 2点(2008-12-05 22:11:30) |
218. お遊さま
うーん、溝口作品としては物足りない内容。 後半の怒濤の盛り上がりもないし。 田中絹代が主演なのも、個人的に好みでない。 映像は素晴らしく、溝口作品の王道を往く雰囲気は出ていただけに残念。 [DVD(邦画)] 5点(2008-12-01 23:30:14) |
219. 流れる
オープニングにドーン!と登場する、田中絹代・山田五十鈴・高峰秀子の文字。 これは圧巻! 三人並びで名前がデカデカと出た時の迫力よ! 文字だけでこんなに迫力を感じるとは、いやはや、凄い三人衆だ。 邦画をそれなりに観てきた人なら、間違いなくこれだけで痺れてしまうに違いない。 しかし、内容の方はどうも面白くない。 淡々と進みすぎる。 成瀬作品にしては、凡作じゃなかろうか。 でも、各人の女優の持ち味がうまく出ていた気がする。 さすがは成瀬監督だ。 互いに存在感を殺し合うことなく、それぞれの登場人物が力を発揮していたのが見事だ。 それにしても、杉村春子の奮闘ぶりには、敢闘賞を与えたいくらいである。 上の大物3人衆を向こうに回しても、ひけをとらないどころか、食っていたようにさえ感じた。 [DVD(邦画)] 6点(2008-11-30 20:13:58) |
220. 独立愚連隊
うーん・・どうも話が出来すぎ! しかも佐藤允が強すぎ! まるで西部劇を思わせる展開。 主人公は最後まで生き残る。 爆発のない場所に主要人物がいる。 爆発のある場所にはザコ兵隊がいてあっさり死ぬ。 これは趣味に合わないご都合主義的映画。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2008-11-16 01:09:36) |