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なんのかんのさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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2261.  音楽大進軍
戦争中の馬鹿に陽気な映画というのに目がないもので、オルガン演奏による軍艦マーチで始まり、フルオーケストラに合唱付きの愛国行進曲で終わる、こういった典型的な国策映画がたまらない。ニュースで北朝鮮のテレビ番組が映るとつい見入ってしまうときの気分に近い(もちろんあの時代なり北朝鮮なりで暮らしたいわけでは全然ない)。おそらく当時の演奏家の記録(辻久子のヴァイオリンなど)として価値を持つフィルムだろうが、この映画自体だって立派な時代の記録だ。いちおう緑波と渡辺篤が慰問団を組織するために有名音楽家を説得して回る、という筋はあり、当時の放送局や撮影所風景が見られるし、また彼らの演奏が聴ける。でも東宝だからモダンなの。国粋風を吹かしていない(監督が戦後に撮った『明治天皇と日露大戦争』のほうがよっぽど国粋的)。日本的なものと言えば長谷川一夫が元禄花見踊りを踊るくらいで、あれだって国粋的とは言えずいたってノンキ。西欧風にシャレた藤原義江邸では女中さんたちがアリアを歌いながら花壇に水をやり、放牧場ではトスカ(盟友国イタリアのオペラ)を夫婦で歌う。何かの本で“全体主義は「黙れ」と言うのではなく「歌え」と命じる”と出ていたのが記憶に残っている。これなんか戦争下で明るさやノンキさを実際に「歌わされて」はいるけど、国策映画としての効果はあったんだろうかな、元禄花見踊りで。
[映画館(邦画)] 5点(2009-04-19 12:12:10)
2262.  重慶から来た男 《ネタバレ》 
防諜宣伝の国策映画。でも、スパイに注意しよう、ってことよりも、工員に頑張らせるための尻叩きとして作られた映画だろう。工場のものを持ち出したらスパイと疑われます、残業に不満を持つとスパイと疑われます、という精神的拘束の脅しとして製作されたように思われた。だって何年も潜んでいたスパイが、工場生産を低下させるために工員にビールを飲ませる、ってのは情けなさすぎる。露骨に在日華僑にスパイ組織を重ねていて、これじゃアメリカの日系人迫害をあんまり非難できない。でもこういう映画が、かえってその時代の空気を後世まで如実に伝えてくれているんだ。スパイにひきずられそうになる純朴青年を小林桂樹が演じていた。スパイは何やらひそかに暗号をつぶやき路上で情報を交換する、オルゴールの音符に秘められている指令を解読する、工員の勤勉さよりスパイの怪しさのほうがどうしたって魅力的に見えてしまうのが、映画というものの皮肉。この山本弘之という監督では、もうひとつ轟夕起子がスパイをやった『第五列の恐怖』ってのも見てるんだけど、そこでは指輪に仕込んだ隠しカメラで設計図を撮影したり、暗号を音符にしたピアノ演奏で通信したりしてた。調べるとこの監督、戦後も昭和33年になって一本だけ、藤田進の明智小五郎(!)で『蜘蛛男』を撮っている。
[映画館(邦画)] 5点(2009-04-15 12:04:18)
2263.  ヘラクレス(1997) 《ネタバレ》 
とにかくディズニーチームは、自分たちの決められた様式から一歩もはみ出さないと決めているらしく、これで創造の喜びがあるのかなあ、と心配になる。同じギリシャ的なものなら、『ファンタジア』の「田園」がすでにあるわけで、あれも『ファンタジア』の中ではちょっとイメージの自由さが制限されててレベルが落ちるものだったが、それでも何かを創り上げてやろうという緊張が、これに比べればあった。夜のとばりが下りるシーンを比べただけでも、雲泥の差。こっちはつまらないクスグリを入れるんだ。ラストの、火・岩・風などが出てきたところは、ゼウスはあっちだ、なんて滑稽を入れる場所ではあるまい。ミロのビーナス誕生秘話は、かつて『アラジン』でスフィンクス誕生秘話をやったのの二番煎じ。でも、改心する悪女ってのは好きだから、そこは許せる。悪玉ハデスの青い火もちょっといい。音楽はゴスペル調。
[映画館(字幕)] 5点(2009-03-31 11:59:23)
2264.  ピーター・グリーナウェイの枕草子
珍作だったなあ。『プロスペローの本』のあたりでこの人、怪しくなって、コンピューターによる画面いじりを楽しんでいるオタクっぽくなった。前作のそのヤバイ感じは悪いほうへますます進み、とうとう“お笑い”になってしまった。本へのこだわりという点では同じなんだけど。書物の永遠と腐敗する人体(『ZOO』)の対比。人間書物、人間書簡、本になる夢、皮膚をなめして作られた恋人の本、と材料は揃っているのに、調理してくれない。最後の死の書はおすもうさんでまた大笑い。「敵は幾万」が流れ出したとき、すでに危ないなと思ったもんな。もちろん作家が日本的なイメージを勝手に捏造するのはかまわなく、どんどんやって結構ですが、その中で自由に動けなくなるのでは考えもの。
[映画館(字幕)] 5点(2009-02-18 12:13:55)
2265.  舞姫(1951)
多くの登場人物に奥行きが感じられず、とくに肝心のヒロインが戦前松竹メロドラマの延長線上の演技で、まあ失敗作の部類に入るだろうが、ただひとりウジウジした山村聡の旦那のみ印象的である。この人はテレビではホームドラマのしっかり父さんという印象が強かったけど、映画ではけっこう暗いの専門。『宗方姉妹』はこの前年か。監督した映画も暗い。被害者意識が強くて鬱陶しさを周囲に振りまいてしまうという人、戦中は神がかったことを言ってて、今はぼんやり腑抜けという設定。家父長が身の置きどころを失ってしまった時代のお父さんを代表した俳優なのだろう。木村功がタイツ姿になるが、踊ってはくれない。岡田茉莉子は棒読み状態。チラチラと銀座が映るけど、時代を味わえるというほどではなかった。
[映画館(邦画)] 5点(2009-01-23 12:11:47)
2266.  真剣勝負 《ネタバレ》 
内田吐夢の遺作、主演中村錦之助の宮本武蔵、しかし間違ってはいけない、これは東宝映画なのだ。東映時代劇の時代が終わったその燃え残りを見つめているような作品。低予算だったのだろう、安っぽさをあえてあげつらう気にはなれない、その中での工夫を味わいたいと言いたいところだけど、それにしても実にチープに武蔵の戦歴が冒頭で描かれ、そこから西部劇的な野中の一軒家にたどり着く。セット費用も安上がり。一幕ものである。見どころは敵が忍び寄ってくるとこで、虫の声がふと途絶え、柱に刺した風車が回り出す(そっと戸が開いたのだ)、そういった緊張感。で、まあ、三国連太郎が鬼となって野火をつけてまわり、ケモノ用の罠がパンパンと弾け、何か武蔵は悟ったらしく「活人剣は殺人剣」とか「剣はひっきょう暴力」とか、赤い活字が立ち上がってくるの。低予算で頑張っている、って褒めたいが、偉大な監督にこういうチープな遺作を撮らせてしまう日本映画界への不満の方が大きいわな。
[映画館(邦画)] 5点(2008-12-31 12:14:01)
2267.  エレキの若大将 《ネタバレ》 
これ子どものとき、『怪獣大戦争』の併映でたぶん見てるはずなんだけど、寺内タケシの出前が塀を乗り越えてきたところで、かすかなうずきを感じたくらいで、あとはまったく記憶になかった。怪獣にしか興味のない子どもにとって、併映作品は初めて出会う普通の映画で、怪獣も出ない・ビルも破壊されず街も炎上しない、そういった“普段”を見ていて何が面白いのだろう、とはなはだ不思議に思ったものだ(一番古い記憶は『ゴジラ対モスラ』のときに見た舟木一夫の学園もので、蛙の顔のアップがあったことだけを覚えている)。で今現在この若大将を見ると、やっぱり懐かしいですね。一作目ではかなりワルだった青大将が、滑稽な卑怯者の三枚目役に落ち着いている。一番の収穫は、加山らがエレキ合戦に出たときの司会者、その軽薄ぶりから最初は長沢純かと思っていたら、よく見たら内田裕也だった。彼も昔からツッパッていられたわけではなく、興行界と妥協して生きてきた辛い時代があったのだ。そこで加山が「夜空の星」を歌うと会場が盛り上がるんだけど、でもワーとかキャーにはならず、手拍子になる。それも強拍部で打つ旅館の宴会場のノリで、ここらへん時代を感じた。女性エレキバンドのちょい役で、のちの加山夫人松本めぐみが出ていた。髪を乱してゴーゴーを踊る飯田蝶子がかわいい。
[DVD(邦画)] 5点(2008-12-18 12:17:41)
2268.  39 刑法第三十九条
この監督は、トーンを前もって頭で作りすぎているのではないか。その分、映画が萎縮してしまっているような気がする。鑑定医がことさらおどおどしているのが、演出上の“発明”なのかもしれないけど、意味ありげな小細工という印象を持たされてしまい、ここらへんが萎縮感。たしかに精神障害だからすぐに責任能力がないというのは、裏返された差別であり、そこらへんを突くのはいいんだけれども、今度は一方的に被害者の側からのみ眺めるってのでは進歩がない。無垢でもバケモンでもない精神障害者像を描き出すのが芸術の仕事であろう。樹木希林が意外とよくない。
[映画館(邦画)] 5点(2008-12-08 09:33:50)
2269.  大学の若大将
そうか、このシリーズも最初のころは加山雄三オリジナル曲を歌ってなかったんだ。まだ東宝は彼にそういう才能があるのに気づいてなかった。タイトルのときに、なんかマヌケな感じのコーラスが流れて驚いた。中で加山が歌ってるのはドドンパだったし。60年安保の翌年の学生像と見ると、かなり落差を感じるが、案外大多数の学生はこんなもんだったんだろう、またサイレント時代の鈴木伝明などの大学生ものからつながっている伝統のジャンルの型だからしょうがない。もっとも戦前は学生ってのは尊敬される特殊な階級だったから微笑んでヤンチャぶりを見られたんだけど、時代が近づいてくるとちょっと微妙にはなる。レジャー産業が学生に標的を定めだしたころ。上原謙に「いまどき珍しい好青年だ」なんて言わせる楽屋落ちもあった。団令子が「MMK」と言うのは「もてて・もてて・困っちゃう」のことだそうだ。時代を懐かしむ材料として以外にはつらい作品で、唯一見せ場になりそうだったのは水泳大会リレー会場へ駆けつけるシーン、あそこは走りながら脱いでいって、そのままタッチと同時に止まらずに飛び込む、ってのが映画としては正解であろう。へんにリアリズムにこだわってはいけない。
[地上波(邦画)] 5点(2008-12-06 12:15:16)
2270.  THEM ゼム(2006) 《ネタバレ》 
最初の車のエピソード、ボンネットが上がってて前方が見えないってのが、けっこう怖い。でも邸宅での話になると、なんかどこかで見た場面の連続で、しだいに気持ちが冷めていく。ホラー映画の記憶のパッチワーク、ちょっとブニュエルの『エル』が入ったり、ワイダの『地下水道』が入ったりもするけど、一番気配が似てるのは、意外と『学校の怪談』で、広すぎる邸宅に住むってのは、学校の守衛やってるようなもんなんだ。消したはずのテレビの娯楽番組の笑い声が、かすかに寝室にまで届いてくるなんてのは、学校の音楽室から真夜中になると音楽が聞こえてくる、ってのに近い。この広い邸宅から安全地帯がしだいに狭められて一室に立て籠もっていく、ってサスペンスだと好みだったんだが、後半外に出ちゃって、せっかく圧縮した緊迫が拡散してしまった。自国民が外国で襲われる話ってのも、後味を悪くしている。
[DVD(字幕)] 5点(2008-11-26 12:10:05)
2271.  ヴィーナス(2006) 《ネタバレ》 
じいさんが悪女に振り回され溺れていくっていう『嘆きの天使』型の話ではないの。じいさんはかなり意識的に戯れていて、人間の「愚かという徳」を味わい尽くそうとしているよう。娘をモデルに斡旋してそのデッサンの場を盗み見ようとし、見つかってしまうと美術館に連れていって「ね、女性の裸体というものは美の極致ということに昔からなっているんだよ」なんてスマして言ってる。前立腺の手術して「不可能」と決定されると、さらに積極的になるってのも人間の「愚か」の味わいで、「老いの生への執着の凄み」よりも、どこか「ちゃっかりしている」という余裕が感じられた。そこらへんがいいけど、でもまあそれだけ。とうとう娘に介護もさせちゃって、天晴れな老後を全うする。有名老優を柱にした映画って時々あるが、どうも役柄を越えた「あの人は今こうなった」的なドキュメントとしての面白味が先だってしまい、作品としてはあんまり…、ということが多いですな。
[DVD(字幕)] 5点(2008-10-17 12:12:32)
2272.  パーフェクト ストーム 《ネタバレ》 
実話に基づいてって言っていながら、生き残りがいなかった船の話が描かれてる。ヘンなの。あんまり感情移入ができないから、ただデキゴトとして眺めるしかなく、でも嵐だもんだから映像も吹き降りでよく見えない。現代のエイハブたらんとして人を死に誘い込むというほどの皮肉な視点もなく、なんとなくゴクローサンという映画だった。自然災害映画ってのは、このころ竜巻とか噴火とか流行ったけど、まず面白くなかったな。人為的な事故だとビル火事でさえ面白いのに。ドラマというものは、原因に人間がいないといけないのだろうか。ところどころ、広い海における心細さを感じさせるあたりは、ちょっと良かった。
[映画館(字幕)] 5点(2008-09-22 12:09:11)
2273.  富江 最終章~禁断の果実~ 《ネタバレ》 
前作は青春ドラマだったが、とうとうホームドラマにまで作品の世界は縮まった。その分密度が増したかというと、そうはいかなくて、なんかパサパサ。富江に俗世を超越したものが感じられないのが致命的だ。キャビア食べたがってるただの性格の悪い女。父親の初恋の女性を娘が飼育するって三角関係の趣向が、神話を組み立てそうでいて、でもよく考えてもあんまり意味を見出せない。今までの富江は男を迷妄に導いて自分を殺させるのだったが、今回は、バケモノめ、と罵られて殺される。正体を見破られて殺される。新機軸というより、凡庸化であろう。それにしても副題の「禁断の果実」は恥ずかしいなあ。
[ビデオ(邦画)] 5点(2008-08-07 12:14:05)
2274.  富江 replay
SFにホラー味が加わったのは『エイリアン』からだろうか。昨今はホラーにもSF味が必要になる。富江がのりうつるのに、臓器移植が必要になる。科学的背景で説得力を増させようとしているのか、逆に、ホラー話の不合理を際立たせようとしているのか、とにかく病院の陰気さはホラーに似合う。私たちがもともと持っている死生観と医学との噛み合わないところに、恐怖が入り込みやすいからだろう。前半の病院シーンはけっこう悪くなかったと思う。シンメトリーの多用も冷たさを生んでいた。でも肝心の宝生舞がただの性格の悪い女って感じなんだよなあ。この世ならぬものの気配に欠けて、ナマすぎる。まあ彼女の問題というよりシナリオの罪だと思うけど。ヒロインとの絡みぐあいが前作より弱いので、たたる必然性も弱くなっちゃう。窪塚君が弱いからかなあ。富江から呼び出し受けてヒロインが車椅子で廃病院へ乗り込み、血の足跡がついている階にどんどん進んでいくのを納得させるほどには、窪塚君に魅力がなかったからなあ。
[ビデオ(邦画)] 5点(2008-07-30 11:09:15)
2275.  YAMAKASI ヤマカシ
ビルからビルへっていう場面の楽しさは、領界の無視からくるようで。社会の規約によって遠く隔てられているはずの「隣家」が、ただの物理的な距離でしかなくなる。プライバシーを侵犯される不快感に気づかないふりが出来るなら、プライバシーを侵犯する楽しみを徹底して味わえるわけだ。どこもかしこも公共の場になってしまう社会は、遊び場としてならこんなに楽しいぞ、という映画だが、そこで暮らしたいとは思わない。すべての免罪符になってしまう「病床に横たわる子ども」ってのも、なんか恐ろしい。
[映画館(字幕)] 5点(2008-07-23 10:47:51)
2276.  ドラキュリア
「おい、様子を見てこい」って言われると、みんなで一緒に行けばいいのに、一人ずつ順番に行って一人ずつ順番に血をツーッと吸い上げられてしまう。みんなで行けば怖くない、ってのは真実だなと思った。処女の生き血は現代では入手困難なので、吸血鬼も大変なのだった。アメリカを舞台にすると南部のカトリック地帯でなければならないのだった。
[映画館(字幕)] 5点(2008-07-20 12:07:54)(笑:1票)
2277.  デス・プルーフ in グラインドハウス
テレビつけたら物マネやってて、そのマネされてるのが知らない人で、観客席が沸くほど楽しめずボーッと見てた、って感じ。ま、こんなチープな感じのB級映画って漠然と類推は出来るんだけど、パロディから本家類推してもしょうがない。見世物としての面白ささえ、懐かしさを共有できないと不発気味。こんなところにしか次の手が打てないまで、いま映画は行き詰まってるんだろうか、と暗くなってしまった。『キル・ビル』のときもちょっと思ったけど、この監督、自家中毒を起こしてるんじゃないか。遊び心を忘れぬ子どもというより、骨董趣味に閉じ籠もった老人のように見える。
[DVD(字幕)] 5点(2008-06-09 12:14:54)(良:2票)
2278.  私が愛したグリンゴ
メキシコ革命が舞台。独裁者になっていく革命家って話はいいんだけど、料理の仕方が下手っていうか、ジェーン・フォンダのキョトンとした表情が鼻につくというか。興味深かったのは、アンブローズ・ビアス(「悪魔の辞典」書いた人ね)をグレゴリー・ペックが演じたってことか。世をすね、斜に構え続ける老人を、どちらかというと新聞記者やら弁護士やらマッスグな役が似合っていたペックが好演した。でも考えてみればこの人、エイハブ船長も自分からすすんでやったりしてて(あれ興行的には失敗だったらしいけど)、役者ってひねくれ屈折した役にこそやりがいを見い出す種族なんだな。本作のひねくれペックは悪くなかった。
[映画館(字幕)] 5点(2008-05-01 12:10:42)
2279.  流転の海
森繁が若いときだったら似合いの配役だったんだろうけど、遅すぎました。本人がやりたがったらしいが、もう脂っけが抜けちゃってて、この役無理。これ、第一部ってことで、登場人物羅列の紹介篇で、これがあとでこう絡んでくのかな、と伏線を勝手に想像する楽しみはありましたが、でも映画の楽しみの本道ではないわな。けっきょく続きは作られずじまい。共産主義の人っていつも机の上に「資本論」を置いておくものなのでしょうか。焼け跡にはいつも「リンゴの歌」しか流れてなかったのでしょうか。なんか、これならこう、という安直な記号みたいな場面が多くて。
[映画館(邦画)] 5点(2008-04-25 12:12:47)
2280.  ゲゲゲの鬼太郎(2007)
そう熱心なファンだったわけでもないが、ねずみ男は好きだった。卑怯と愛嬌が混ざった独特のキャラクター。と言ってそれが釣り合って安定してるわけでもなく、ときに大きく傾き、鬼太郎へのねたみが噴出したりして事件を引き起こす。一番人間臭い妖怪だ。この映画の大泉洋は好演だったんだろうが、でも三次元の俳優が実写で動くと、二次元のマンガより薄っぺらになってしまうのはなぜなんだろう。どうしても愛嬌のほうが出てしまい、裁判で鬼太郎を告発するとこなんか、周囲をもっと唖然とさせるほどのドス黒さが欲しい。まあそう真剣に見る映画じゃないんだけどね。キャスティングに払った労力の何パーセントかをシナリオづくりに回してもらいたかった。大したことやってないんだけど西田敏行のボヤキ系の語りがおかしく、踊る猫娘・田中麗奈がかわいい。
[DVD(邦画)] 5点(2008-04-14 09:18:08)
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