221. 郡上一揆
日本史上最大の農民一揆といえば…痩せて干からびた農民、鋤や鍬を持ち暴発する群衆、引きずり回される城主、炎上する城…という一大スペクタクルを想像していましたが…全然違いました。暴力的なシーンといえば直訴反対派との小競り合いくらい。でもこれが実際だったんでしょうね。「虐げられた悲惨な江戸時代の農民」というイメージがいかに想像の産物であるかがわかります。考えてみれば、訴えた側だけでなく訴えられた側(役人)も吟味の上同等に処罰されると言うのは、同時代の他国の封建制と比べても驚異的に公平な制度なんですね。 ただ映画としてはやや地味すぎという感じは否めず残念。映像はとても美しい。知り合いの郡上出身のおばあさんが「風景といい人情といいあの辺の感じがよく描けている」と絶賛してました。 7点(2004-09-05 01:48:43)(良:1票) |
222. スクリーム2
犯人が意外性といい演技といい(三白眼ならぬ四白眼…)1より良かった気がする。ただ1のようにパーティの最中に人が減っていく…というようなワクワクする感じが無く、やたら陰鬱というのが難。続編って難しいですね。 6点(2004-09-04 22:13:22) |
223. スクリーム(1996)
いかにもホラーの王道って感じで面白かった。ただ犯人の正体は「クリムゾンリバー」の「あれ」にも匹敵する反則技では… 6点(2004-09-04 22:00:24) |
224. 彗星に乗って
《ネタバレ》 実写のSFファンタジーながら、特撮というより人形アニーメーションといった感じの独特のアーティスティックな感覚が良かったです。 彗星によって地球の一部がアルジェリアごと引き剥がされて宇宙を漂い、再び地球に戻ってくるまでの物語。地球に近づくに従って人々が再び諍いを始めるラストは、シンプルながら風刺が効いていて良です。 7点(2004-09-04 21:51:13) |
225. 女の都
《ネタバレ》 フェミニズムのパロディ映画。筋肉モリモリ女が奇声を上げてキンタマ蹴る練習をしてるのがコワかった・・・ 夢オチ映画ですが、脈絡無く変幻する話の展開とか、溢れんばかりのイメージ群とか、いかにも「夢」という感覚が心地良く素晴しいです。「81/2」冒頭シーンのノリで最後まで行ったという感じ。 実を言うと「夢」に安直な意味付けをするのはあまり好きではないんですが、この作品についてはあまり抵抗感は無かったです。この監督ならいかにも実際にこういう夢を見ていそうな感じ。 8点(2004-09-04 21:38:09) |
226. 座頭市(1989)
緒方拳が好演。こんなイイ感じの敵役になるとは思いませんでした。殺陣も痛快。ただ主人公の友達がいちいち殺されり不幸な目に遭ったりするのは、ちょっと無理矢理な感じがして残念。悲惨さは煽ればいいものでなく、砂糖と塩の塩梅をもう少し練っていたらもっと評価されていたと思う。 7点(2004-08-15 23:39:28)(良:1票) |
227. ターミネーター3
小松左京じゃあるまいし今さらあのラストはちょっと… 加速器ネタは上手いと思ったけど、最後のやられ方も説明不足。液体金属なはずなのに。「エイリアン」シリーズも3作目で失速したのを思い出しました。ただ前半のアクションが物凄いので点数やや高め。 7点(2004-08-15 23:18:00) |
228. イギリスから来た男
アクション映画なのに静謐な感じが新鮮。映像もセンス良く楽しめました。 6点(2004-08-15 22:54:24) |
229. 第三の男
ストーリーは取り立ててどうという事はないけど映像がとても良い。夜の石畳の街角、広大な地下水道、郊外の大観覧車…全編ECMのジャケットという感じ。 7点(2004-08-15 22:50:53) |
230. 豚と天国
《ネタバレ》 金持ち、普通、貧乏人…平行して語られる三者三様の生き様が、最後にお墓で結びつく。 「お墓に入ればみんな一緒」ではなく、「お墓の形状」から「死に対する考え方」もが階級によって違うのだ…というラストは面白い。 安直な人道主義を振りまく男が試練に立たされてあっけなく崩れ去っていったり、普段粗暴な少年より理性的な少年の方がいざとなると残虐であったり、色々人間観察が巧みだなぁ…と感心させられました。 リアルな描写ながら、唐突に「えっ?!」というようなシュールなシーンが登場する感覚は、流石、南米文学に共通するものがあります。 7点(2004-07-20 23:17:06) |
231. レリック
博物館や図書館というのは一種の広大な迷路。着眼は良し。もっと閉ざされた空間にしてその中を逃げ回る…という話であればかなり面白かったと思います。狙撃隊が出動したりして、やたら大騒ぎなパニックものになってしまった事が残念。 6点(2004-07-20 23:01:25) |
232. ELEVATED(エレヴェイテッド)
《ネタバレ》 ラストのスプラッタな展開や安っぽいショートショートのような落ちは微妙ですが、そこに至るまでの緊迫感はかなり見応えがありました。只者ではない片鱗を覗かせる「CUBE」監督の好短編。 6点(2004-07-20 22:24:20) |
233. トラック野郎 望郷一番星
子供の頃見た記憶がおぼろげにあるんですが、今見ても充分面白いのにビックリ。流石かって「寅さん」と並んだ人気シリーズだけはあります。本作と「度胸」が特に出来が良かった感じ。考えてみたら一種のロードムービーですね、これ。 7点(2004-07-20 22:05:27) |
234. カナディアン・エクスプレス
堂々たる風格のサスペンス映画。新味はないけど安心して楽しめる感じ。大峡谷を縫うように走る列車の情景が美しいです。 7点(2004-05-30 20:56:37) |
235. フロム・ダスク・ティル・ドーン
オモロイ。内容を知らずに見たかった… エンディングに現れる巨大な遺跡(?)、あの広大な空間を逃げ回ってくれたらもっと良かったです。 7点(2004-05-30 20:54:51) |
236. ミッドナイト・ラン
この映画見てロードムービーが好きになりました。渓谷のシーンは大画面ならではの迫力。ラストのアッサリとしたほろ苦い味わいもなんとも言えないです。 8点(2004-05-30 20:52:31) |
237. ダンス・ウィズ・ウルブズ
インディアンの立場からアメリカ史を描いたエポックメイキングな映画。 ただ「モヒカン」にも「サムライ」にも感動したけど本作はあまり感動できなかった。親族友人の仇や強盗の仲間であっても、自分達に理解を示す者がいれば藁をもすがる思いで受け入れざるを得ない…圧倒的不利の状況で、インディアン達が味わっているであろう苦汁についてあまり考慮されてない事に違和感を感じました。 また、やはり上から見下ろしているという視点は否めない。主人公がくっ付くのも白人娘。下で「インディアンを動物に置き換えても違和感ない」と仰る方が見えましたが、言い得て妙だと思います。 6点(2004-05-30 20:49:45) |
238. ボウリング・フォー・コロンバイン
イラクの大量兵器じゃないけど、敗戦に乗じて日本にでっち上げられた罪をそのまま信じ込んでいる所が、彼もヘストンと同じアメリカ人なんだなぁ…と感じました。(そういえば原爆に関する言及無かったですね。) それはともかく「何故だろう」を積み重ねていく展開の手法には、観る者を引き付ける力があると思います。分析がそれで正しいのか否かは判断できませんが、とりあえず「文句の言い易い政府」を批判してそれで事足れりとする今の日本のマスコミには見習って欲しい姿勢です。 7点(2004-05-30 00:36:58) |
239. WATARIDORI
「ナショナルジオグラフィック・ザ・ムービー」って感じ? 普通では見ることの出来ない爽快な映像を大画面で観れる、これだけで良です。 ストーリー性が不要であるのは言うまでもありませんが、「どの鳥がどこまで行って戻ってきたか」がもう少し解り易い編集であったらなぁ…と思いました。 9点(2004-05-29 21:44:17) |
240. アザー・ファイナル
「世界最下位決定戦」なんて悪趣味か偽善の極みかと思ってましたが、全然違いました。製作者、選手達、関係者等の姿勢も素晴しく真摯。普段ほとんど見ることのないヒマラヤの仏教国とカリブの小国の文化・風習も大変興味深く見れました。こういう平和的な文化交流もサッカーの醍醐味の一つですね。(…そう思うとあの世界の祭典をエゴと贈賄で汚してしまった某国は改めて許せない。) 何気ない街角をサッカーボールが転がっていく等のスタイリッシュな映像も良。 滅多に見ることの無い映像・内容のため1点プラスです。 9点(2004-05-29 21:39:36)(良:1票) |