221. アダプテーション
現実とか虚構とかいうのがバカバカしくなる脚本、ニコラス・ケイジの超自虐演技、メリル・ストリープの怪演、クリス・クーパーの壊れっぷり、全部まとめて1本の映画にしちゃうスパイク・ジョーンズの演出。アメリカの映画館で見たんですが、日曜の午後、平均年齢50歳オーバーしてるであろう観客がゲラゲラ笑ってました。映画の国の懐の深さを見せつけられた1本。そんな観客にのせられて、僕もすっかり楽しんでしまいました。一人でDVDで見てたら印象は違ったかな? 8点(2004-03-09 03:05:14) |
222. キューティ・ブロンド
アメリカ西海岸と東海岸アイビーリーグのコントラストが楽しい。エルが作ったPRビデオ、iBook(それもクラムシェル型)、そして、いつもグラスを傾けるエル父・・・こういう細かいネタをちゃんと積み重ねてるからこそ、ありえないような話でもスカッとさせるサクセス・ストーリーになっちゃうんですよね。 8点(2004-03-09 02:40:00) |
223. マイノリティ・リポート
未来世界のディテールに引っ張られすぎて、サスペンスが中途半端になっちゃいましたね。個人的には誰よりもサマンサ・モートン! 特に前半は、全身タイツ(!)で浮かんでるだけなのに、その表情がものすごく印象に残りました。今後注目したい女優さんです。 5点(2004-03-08 11:26:27) |
224. A.I.
キューブリック+スピルバーグゆえの破綻ぶりを楽しむにはいい作品なのかもしれません。序盤から中盤への流れはよかったんですが・・・。スピルバーグ映画好きなんですが、この映画からは手を引いてほしかったなあというのが正直なところ。 4点(2004-03-08 11:18:14) |
225. ムーラン・ルージュ(2001)
オープニングからバズ・ラーマンの作り込まれた世界にどっぷり。私には選曲が絶妙でした。特に、Your Songの使い方が効果的。ニコール・キッドマンの吹っ切れぶりも楽しかった。最初は、「キワモノ映画か?」と思わせておいて、ラストには、登場人物みんなが愛おしく感じてしまうから不思議なものです。 9点(2004-03-08 11:06:56) |
226. ライフ・オブ・デビッド・ゲイル
ノーマークだったんですが、面白かった。アラン・パーカーらしく、サスペンスと見せかけて直球の社会派ドラマ。ラストの展開も、単なる「どんでん返し」ではなく、そこにメッセージを持たせるあたり、その内容への賛否はあるでしょうが、こういう映画もアリなのでしょう。まあ、難をいえば、ケビン・スペイシーが出てる時点で観客はみんな「怪しい」と思ってしまうことでしょうか。 7点(2004-03-08 01:44:32) |
227. めぐりあう時間たち
3人の女優の演技(+エド・ハリスもすばらしい)も、ダルドリー監督の演出も、脚本も、たぶんパーフェクトに近いと思うのですが、「技術」を見せられるようであって、「物語」にいまひとつ入っていけませんでした。なぜだろう・・・。「アタマ」で理解できた気がするのですが、「ココロ」にひびいてこないというか、いい映画のはずなのに・・・という不思議な感情を抱えて映画館を出たのを覚えています。 6点(2004-03-08 01:32:27) |
228. A2
これぞドキュメンタリー映画の醍醐味! 特に、群馬での地域住民とオウム信者の交流を映像として見る事ができたことはすばらしいことだと思います。また、「答え」を提示するのではなく、矛盾しまくりなオウム信者や地域住民の行動や発言をそのまま見せることで、わかりやすい解答に安心するんじゃなくて、考え続けること、試行錯誤することの大事さ、そして想像力を鍛えることの大事さが伝わってきます。その一方で、「A」の主役だった荒木さんが、どこか虚ろなイメージだったのが気がかりです。小さな希望の光のようなものが見える反面、どんどん彼らを追いつめている大状況が恐ろしく感じました。 9点(2004-03-07 13:59:00)(良:1票) |
229. エデンより彼方に
《ネタバレ》 50年代風メロドラマを徹底してリメイクした映画なのかなあと思って見ていたんですが、その上に、同性愛に人種差別という現代的なテーマをしっかりと絡めてくるところに、監督と役者の力量を感じました。クラシックで模範的な「奥様」だったキャシーが、レイモンドと出会って、少しずつ、深みのある「人間」へと変わっていく様がお見事。その変化を許容できない50年代の白人中産階級社会の閉塞感もしっかりと描かれてました。「めぐりあう時間たち」と正反対の役柄も見事に演じきったジュリアン・ムーアに拍手。 8点(2004-03-07 13:42:51) |
230. ミスティック・リバー
俳優の演技はパーフェクトだと思いますが、後味は最悪に近いですし、評価しにくい作品ですね。ボストンの決して裕福ではない労働者の小さなコミュニティの閉塞感と、そのなかで生きる家族の信頼と不信を描いた映画として見れば、完成度の高い作品。好みの問題なのかもしれませんが、僕はけっこう好きでした。 8点(2004-03-04 11:27:21) |
231. ラスト サムライ
《ネタバレ》 アクションは迫力があって、エンターテインメントとして楽しめました。ただ、「大村」が(特に後半)ただの薄っぺらい「悪役」になっちゃったのは減点。あの時代に「近代化」という夢にとりつかれた日本人としてちゃんと描ければ、「サムライ」との対比も単なる「善玉・悪玉」じゃなくて、一つの時代の価値観の対立として、もっと深みがでてきたと思うのですが・・・。「大村」をちゃんと描けない点に(彼には、アメリカ人はエキゾチックな魅力を感じないんでしょう)、ハリウッド映画の限界が見えちゃった気がしました。 5点(2004-03-04 10:58:39)(笑:1票) (良:2票) |