241. まあだだよ
黒澤監督が、自分の遺作になると自覚して作っていたことは明らかでしょうね。 何だか、監督が「先生」に自分を重ね合わせている気がします。 作品としては、少し大袈裟過ぎる台詞がどうも馴染めませんでした。 黒澤映画は、映像だけで充分過ぎるほどの力がある(本作では個人的に、掘っ立て小屋で四季が巡るシーン、猫が怒りを表すシーンが印象的でした)ので、教訓じみた過剰に美しい台詞が多くて、感情移入を妨げられた気がします。 所ジョージ、井川比佐志などは凄く良かったと思います。 しかし、先生の酒豪っぷりは圧巻ですね(笑) [DVD(邦画)] 4点(2010-03-14 06:33:56) |
242. 素晴らしき日曜日
無意味に長いシーンが多いように思えた。 良い場面もそこそこあったのだが、ここまで長尺な作品にすることはないかと。 昌子の嗚咽があまりに凄すぎて笑ってしまいました・・ [DVD(字幕)] 4点(2010-02-23 00:53:42) |
243. 一番美しく
ストーリーは当たり障り無く、キレイ事で埋め尽くされているが、戦争高揚映画ということで敢えていちいち突っ込んではいけない。敗戦後に監督は「わが青春に悔いなし」という痛烈な反戦映画を撮っているので比較して見るのも面白いかもしれない。 寮母先生の美しさが印象に残りました。 [DVD(字幕)] 4点(2010-01-29 21:51:30) |
244. ダーティハリー3
《ネタバレ》 前2作と比べると、作品を覆う重いトーンは失われて、あまりダーティさの無い普通の刑事アクションになってしまっている。 女刑事とのやりとりが大きな見所なのだろうが、これに関しても予想を覆すようなストーリー展開は無く、少しガッカリ。 まぁ一番の失敗は、これでもかというくらい薄い犯人像。 ありがちだし、最後は無理矢理アルカトラズに持っていったが、あまりに悪としての華が無すぎて、映画全体の緊張感が削がれてしまっている。 前2作が面白すぎたか。。 [DVD(字幕)] 4点(2010-01-14 19:24:30) |
245. バッファロー'66
映像、音楽など、雰囲気がとても素敵。センスに溢れています。 ただあまりに雰囲気押しで、テンポは良いのですが物語に感情移入出来ませんでした。 良い具合にロックな雰囲気が散りばめられているので、若い人向けかな・・ [DVD(字幕)] 4点(2009-12-28 00:28:46) |
246. 萌の朱雀
オープニング(景色から台所の流れ)の美しさに、久しぶりに最高の邦画に出会えるか と期待を膨らませたのだが・・・ 初回観賞では、恋愛シーンぐらいにしか感情移入出来なかった。 敢えて抑揚を廃し、台詞も少ない、そんな映画はむしろ個人的には好みなのだが、 この映画は重要な台詞でさえ聞き取りづらく、しかもそれを聞き逃すと後の展開の理解に苦しむ。 リアリティの徹底から、まさに日常会話のような演出をしたかったのだろうが、何を言っているのか解らないのではリアリティも映画の中、監督の中だけで完結、観る側は蚊帳の外のような気分にさせられてしまう。 そして、家族構成や父親の内に秘めていた思いは、最低限丁寧に描くべき部分であるはず。 観る側の感性が試されるとかそういった解りづらさではなく、単純に最低限の説明すらしなかったための悪い意味での解りづらさ。 実際観賞後、この映画の情報を調べ把握してから2回目を観賞してみると、素直に美しさや空しさ、切なさを感じ取る事が出来た。 キャストは本当に素晴らしかったため、何とももったいないというか。 若い監督が作る映画の未完成な「荒さ」は僕は大好きなのだが、この映画の「荒さ」は完全な手落ち。残念。 前情報ありきで、人物像を把握して観れば、深く感情移入出来る良い作品だと思います。 [DVD(邦画)] 4点(2009-07-31 16:57:24) |
247. バリー・リンドン
どうしてこんなに感情移入出来ないんだろう 全く感情が排除されているようなこの違和感は何だろう・・・・ラストで「ああなるほど。」と納得。 しかし、僕にとっては「ああなるほど。」 それ以上でも以下でもなかった。 3時間もの長尺作品にする必要はあったのか? 思いのほかここのレビュー平均が高い事に正直驚いた。 過去に強烈な作品を作り続けてきたキューブリックの作品という事で、「キューブリックが作った」ということが頭に前提としてあり、その前提があると、感覚を研ぎ澄まし、メッセージを理解しようと自然と「身構え」のようなものが出来る。 その「身構え」があるからこそ、比較的解りやすいラストが準備されている本作で、映画への感動云々とは別の、達成感のような感覚から、高評価・・・・となる経緯があるのは否定できないのではないか。 キューブリック作品じゃなかったら、こんなに高評価されているだろうか? 僕は結局「面白かったかどうか」それが一番映画において重要だと思っているので、 「あまり面白くなかった」。 [DVD(字幕)] 4点(2009-07-25 09:30:30)(良:1票) |
248. アイム・ノット・ゼア
《ネタバレ》 う~ん何だか凄く惜しい・・ 演者は全員が素晴らしかった。特にケイトとヒース、良かったです。 この映画独特の手法は好き嫌い分かれるでしょう。 僕は少し感情移入しづらく感じました。 ただ前の方コメントにもあるように、最期に本人の映像を映す演出は必要だったのか。 あれをやられると、観終わった後あの映像だけがあまりに強く頭に残る。 音楽はもちろんのこと映像が美しいので雰囲気モノとして楽しむのがいいかも。 [DVD(字幕)] 4点(2009-06-24 23:30:17) |
249. 12人の優しい日本人
オリジナルとどうしても比べてしまう・・。 この映画とリアルな陪審員制度を比べるのは無意味。 これはあくまでコメディ映画だと思う。 どうせ笑わせるんならもっとバカやってほしかったかも。 ちょっと中途半端感が否めませんでした。 [DVD(邦画)] 4点(2009-05-22 13:56:09) |
250. めがね
普段ハリウッド映画などを中心に観ている人には、この映画の展開の無さ、意味の無さにつまらなさを覚えてしまうのも分かる。 主人公達は、バタバタした日常から離れるために、携帯の通じない、この場所にやってくる。 この映画にメッセージ性を求めたり、真剣にじっくり観たり、そういうのじゃない。 主人公達がカキ氷を食べながらぼ~っと海を眺めるように、観るべき映画だと思う。 監督は、この映画で何か深い想いを伝えたかったのではなく、主人公達と同じように、この映画を観ている間だけでも、のんびり日常を忘れようよ って言っている気がした。 映像が綺麗で(この監督は和食を本当においしそうに撮りますね)、マンドリンの音や自然の音。途中心地よさに眠ってしまった。 で、続き観てまた眠くなったりして。 でもそれでいいんじゃないかなぁ。心地よい映画でした。 [DVD(邦画)] 4点(2009-04-06 02:02:26) |
251. サクリファイス
正直、タルコフスキーの映画ではあまり好みでない作品。 理由は、これまでのタルコフスキー映画は長い静寂の中でポツリポツリと台詞が語られることで、ひとつひとつの台詞が印象的だったのだが、本作では語らせすぎに感じた。 それと、哲学的な表現が多くて、少し押し付けがましく感じてしまった。 後半の展開は見応え充分だったが・・。 どうもあまり感情移入できなかった・・。 [ビデオ(字幕)] 4点(2009-03-31 07:07:52) |
252. ナイロビの蜂
《ネタバレ》 シティ・オブ・ゴッドの監督、大好きなレイフ・ファインズ主演ということで、期待しすぎたかもしれない。 いや、この映像や音楽が醸し出す雰囲気はこの監督ならでは。本当に素晴らしい。 俳優陣の演技も文句なし。 ただ、途中まで話に付いていくのに精一杯だったことと、どうもジャスティン、テッサに感情移入出来ない部分があった。 最後、あれだけ壮大な陰謀が、手紙で読まれて意外とアッサリしているところ、あと何よりジャスティンが死ぬことにどうも納得出来なかった。 もう少しあがいて欲しかったなぁ。 ただ、アフリカの貧困な状況をドキュメントタッチでリアルに映すことには成功していると思ったので、悲しい場面、恐ろしい場面は上手く描けていたと思う。 何だか惜しい作品でした。 [DVD(字幕)] 4点(2009-03-11 05:21:43) |
253. ROCK YOU! ロック・ユー!
まぁ、何だか全てがトントン拍子で進んでいく展開やこういうテンションが好きな人はハマるのかもしれません。僕にはあまりグッとくるものがありませんでした。 身勝手な要求をしてくるヒロインや、悪役の伯爵をそこまでワルに描かなくても・・と思ってしまった。 キャスティング、俳優陣の演技はとても良かったと思います。 ヒースはブロークバックマウンテン、ダークナイトともに全く違った役柄の演技。 この若きヒースは単純に爽やかでカッコイイです。 この人がジョーカーを演じることになろうとは・・・ 凄い才能を持った俳優さんですね。 [DVD(字幕)] 4点(2009-03-11 05:11:14) |
254. 交渉人 真下正義
ムダに詰め込み過ぎ、リアリティ無すぎで、とにかく緊迫感に欠けた。國村隼と寺島進のキャラは好きです。 [地上波(邦画)] 4点(2009-02-26 06:07:42) |
255. 座頭市(2003)
この作品は北野監督も大衆ウケを狙って作ったのだろう。 ポップで非常に観やすい出来で、今までの北野作品には無い、ストレートなエンターテインメント。 タップダンスなど、随所随所に斬新な演出が見られるものの、ちょっと全体的に狙いすぎていて単純に肌に合わなかった。 残念ながら面白みを見出すことは出来なかったが、激シブな勝新座頭市とどうしても比べられてしまうプレッシャーの中、中途半端でなくきちんとオリジナリティを吹き込んだ監督の潔さに4点献上。 [地上波(邦画)] 4点(2009-01-24 07:11:27) |
256. 告白(2010)
叩かれるリスクを踏まえて敢えて。 評判が高いので見てみましたが、ミーハーな若者を喜ばせるだけの薄っぺらい映画だと思いました。 こんな作品に、「命の重さ」なんかわざとらしく語ってほしくない。 命も殺しも全てが記号的にそれっぽく並べられているだけで、好演している木村佳乃意外誰にも感情移入できませんでした。 映画を観てこんなにムカムカしたのは久しぶりです。 [DVD(邦画)] 3点(2011-06-23 02:14:41)(良:1票) |
257. ジャンパー
スピード感ある映像は引き込まれるものがあるが、何とも中身の無いストーリー。結局主人公には最後まで何も精神的成長が見られない。母親、ヒロイン、そして肝心の敵との関係性の描き方もとにかく薄っぺらい。まさにアイディア一発、それだけの映画。 [地上波(吹替)] 3点(2011-03-28 00:00:02) |
258. まごころを君に
原作既読。主演俳優の好演と原作とは違った形のエンディングは良いが、映画全体の出来で見ると、特に心に残るものの無い平凡なものであると感じた。心情描写がとにかく深みに欠けており、強引な展開と感じてしまう場面も多かった。 本作を観てからでも、原作を読む価値は充分にある。原作は、周囲の人間関係、チャーリイの生い立ち、心の動きが驚くほど緻密に書かれており、本作よりずっとずっと切ない気持ちにさせられる素晴らしい作品だ。 原作が大好きなだけに、期待はずれな本作だった。 邦題がなぜ「まごころを君に」なのか分からないが、それにならって別モノとして観た方が良いかもしれない。 [DVD(字幕)] 3点(2010-08-23 18:31:28) |
259. 殯の森
言いたい事はとてもシンプルで全く難解な作品ではない。だが「生きる、死ぬ」というシンプルなはずのテーマを、やたらと小賢しく、芸術的に見せようとこねくり回しているのが見え見えで、観る側の感情移入を妨げている気がしてならない。それと台詞にいちいち深い意味を持たせようとしているせいで、会話中の言葉選びが非常に不自然に聞こえた。 主演2人の演技は素晴らしいし、河瀬監督の映像は相変わらずため息が出るほど素晴らしいので、海外受けするのも頷ける。言葉の壁のお陰で、映像と芸術的な雰囲気だけで作品を評価するだろうから。 「萌の朱雀」から観て、この監督の映像美には本当に感動させられるが、物語が何だか薄っぺらい。深みの無い純文学のような、そんな感じを受ける。いっそ完全に映像のみの作品(サイレント)を撮って欲しい。 [DVD(邦画)] 3点(2010-08-13 20:34:33) |
260. 崖の上のポニョ
あくまで子供向け映画と割り切って鑑賞したが、さすがに本作のエンディングの強引さ、雑さ加減には閉口・・。 ストーリー全体を見ても、環境破壊などのメッセージがやたら押し付けがましく感じられた。押し付けがましいといっても、子供に伝わるぐらいの強烈さや親切な分かりやすさも無く、何だか消化不良な感じは否めない。 「ナウシカ」や「もののけ姫」は、メッセージが散漫としておらず力強いものであったから、子供にも充分理解できるし大人にも楽しめる深みを持った作品だった。 それといちいち盛大に音楽を流しすぎ。 とにかく全体を通して、過去のジブリ映画中一番感情移入出来ない作品だった。 色んな意味で、もっとピュアなものを期待していたのだけれど・・。 手書きのみのアニメーションは今見ると逆に新鮮味を感じられ、迫力もあって良かったことと、宗介とポニョと赤ちゃんポニョの可愛さに3点。 [DVD(邦画)] 3点(2010-08-13 16:17:19) |