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コメント数 1395
性別 男性
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261.  ラスト・ショー
 映画評論家から転身した変わり種、ピーター・ボグダノビッチ監督による何ともホロ苦い青春映画の秀作。さびれた場末の映画館オーナー・サムを演じたベン・ジョンスンが味わい深い名演でオスカー助演男優賞を、主人公ソニー(ティモシー・ボトムズ)と肉体関係に陥る、体育教師の妻役のクロリス・リーチマンがオスカー助演女優賞を各々獲得。特にベン・ジョンスンはジョン・フォード西部劇での派手な乗馬アクションしか取り柄のない大根、という先入観を覆す見事な演技で男の渋さを体現し痛快。取り壊しが決まった映画館での最後の上映作品は「赤い河」(1948年・監督:ハワード・ホークス)。ジェフ・ブリッジスと旧交を温めつつソニーの観るラストショーは余りに切ない。個人的には結局結ばれることなく終わったサムとの若き日の恋を、イタズラっぽい表情でソニーに告白するエレン・バースティンも鮮烈な印象を残す。
8点(2003-01-29 12:44:30)(良:1票)
262.  にっぽん昆虫記
 今村昌平監督が戦後史を描いた奇妙な味わいの”重喜劇”。左幸子の熱演により、正しく昆虫の如きヴァイタリティ溢れるしたたかな女の生き様が活写されている。後年、カンヌ映画祭で何かエラクもてはやされてたみたいだが、作品のパワーもクオリティも明らかにコレや前作「豚と軍艦」の方が遙かに上。日活がロマンポルノへと凋落する前の最後の輝き…って感じかな。今村作品では他に1958年の「果てしなき欲望」も傑作。
8点(2003-01-29 03:39:27)
263.  007/ゴールドフィンガー
 「ロシアより愛をこめて」には僅かに及ばないものの、こちらも秀作。最高殊勲選手は何と言っても、タイトルにもなったゴールドフィンガー役のドイツ人俳優ゲルト・フレーベ…ではなくて、その用心棒オッドジョブを演じた元プロレスラー、ハロルド坂田に尽きる!!ターミネーターばりの圧倒的強さは前作のグラントやローザ以上であり、しぶとさ・タフさ・不敵さは流石のコネリー・ボンドもタジタジとなる程のインパクトだった。刃を仕込んだシルクハットってのもカッコイイ。惜しくも第2作に届かなかった原因については「危機一発」を参照して頂きたいが、他にも飛行機内での格闘の末に割れた窓の穴から吸い出されるゴールドフィンガーの間抜けな最期とかツッコミ所には事欠かない。シャーリー・バッシーの主題歌も、前作のバラード調とは打って変わった如何にも黒人ソウル!って感じが新鮮で良かった。本作以降、段々と荒唐無稽な「お馬鹿スパイ映画」に成り下がっていったのは何とも残念。
8点(2003-01-28 12:36:23)
264.  ジキル博士とハイド氏(1941)
余りにも有名なロバート・ルイス・スティーブンソンの原作3度目の映画化。個人的には1920年に「狂へる悪魔」のタイトルで映画化された第1作(監督:ジョン・ロバートソン、主演:ジョン・バリモア)がインパクトの点で最も優秀だと思うが、1932年の第2作(監督:ルーベン・マムーリアン、主演:フレドリック・マーチ)及び本作も可成りの秀作だと思う。確かにジキル→ハイドの変身プロセスなど昨今の派手で煌びやかな特殊メイクやCG合成に比べると、何とも素朴で微笑ましい限りだが、俳優の力量で押し切る力強さが近作には無い魅力。婚約者にラナ・ターナー、娼婦にイングリッド・バーグマンという確信犯的ミスキャストも又魅力。尚、96年の「ジキル&ハイド」は正確にはスティーブンソン原作の映画化とは言い難いアレンジ・バージョン(原作:ヴァレリー・マーティン)。よって論外!
8点(2003-01-28 04:35:26)
265.  海と毒薬
 遠藤周作の曰く付きの同名原作を社会派・熊井啓監督が映画化。確かに手術(ってか人体実験)シーンの生々しさは原作には無いリアルさ且つ気色悪さ!!勝呂と戸田を演じた奥田瑛二と渡辺謙は力演。二人を尋問する岡田真澄は…何か変。外人っぽい喋り方はワザとなのか?あと、個人的に太鼓持ち風の医局員を演じた西田健の怪演も特筆しておきたい。よくいるんだよナァ、世の中にゃあんなヤツが!!と思わしめるイヤらしさが何とも絶品だった。ベルリン映画祭銀熊賞を受賞。80年代邦画では最高レベルの作品の一つ。
8点(2003-01-28 03:21:57)
266.  太平洋の地獄
 おお~!三船敏郎とリー・マーヴィンのたった二人しか出ないジョン・ブアマンの異色戦争映画じゃあーりませんか!!確かに二人の火花散る演技合戦はド迫力!!仮にコレをリメイクしようったって、今時のアクター二人だけで104分持たせられないって!!名手コンラッド・ホールのキャメラも素晴らしい色彩感覚!!酒を酌み交わして別れる二人の友情溢れるイキなラストに…8点!!
8点(2003-01-27 03:13:25)
267.  黄昏(1981)
 いやぁ、この時期の邦題にしちゃナカナカ良いね。よく「オン・ゴールデン・ポンド」にしなかったよナァ。ただ、「黄昏」ってタイトルは既に1951年の同名作品(監督:ウィリアム・ワイラー、主演:ローレンス・オリヴィエ)があるから一捻りして欲しかったけど。ところで本作だが、原作はアーネスト・トンプソンの舞台劇で、脚色も本人自身(オスカー脚色賞)。じっくり静かに地方色を描出するのが上手いマーク・ライデルが監督。アベックでオスカー受賞となった老夫婦役の二人は抜群の演技で、正に圧倒的と言えよう。特に4度目のオスカーとなるキャサリン・ヘプバーンの抑制の利いた静かな受けの芝居はメリル・ストリープ辺りの出しゃばり”名演技”とは明らかに一線を画している。ヘンリーの方は、明らかに”功労賞”を匂わせるが、矢張り有終の美を飾ったと思いたい。個人的には40~50年代の名演(「怒りの葡萄」「荒野の決闘」「十二人の怒れる男」等)に一つくらい受賞させとけよ!と言いたいが…。70年代のイメージ(「テンタクルズ」や「スウォーム」や「メテオ」)が悪過ぎるからなぁ。まあ、仕方ないか…。
8点(2003-01-26 23:25:59)(良:3票)
268.  タワーリング・インフェルノ
 制作者:アーウィン・アレン、監督:ジョン・ギラーミン…コイツらには後々何度となく煮え湯を飲まされたが、コレは…まぁ、パニック・ムービーとしては上出来の一編。第一の勝因は二つの原作を巧みに折衷させて見事な脚本に仕上げたスターリング・シリファントの「ポセイドン・アドベンチャー」に次ぐ大活躍!!個人的に「ミスター・パニックムービー」の称号を与えたいくらいコノ手の映画への貢献度は偉大だ。お次はお約束のオールスター・キャスト!スティーブ・マックィーン、ポール・ニューマン、フェイ・ダナウェイ、ウィリアム・ホールデン、フレッド・アステア、ジェニファー・ジョーンズ、ロバート・ボーン、ロバート・ワグナー、リチャード・チェンバレン、O・J・シンプソン…!!結構豪華なのは勿論、各人に見せ場がキチンと用意されているのが凡百の顔見せ駄作パニック映画群と決定的に違う点。中でも出色なのは皆さんも仰ってる通り、マックィーン演じる消防隊長オハラハン!実際ニューマンが中盤まで引っ張るが、彼、オハラハンの登場で一気に影が薄くなったからねぇ…。この存在感は流石の一語!上記のスター中死亡するのは…《ネタバレ》人知れず不倫してて人知れず焼死するロバート・ワグナー、(どなたかが実に上手く評してたけど)芥川龍之介の「蜘蛛の糸」を彷彿させるロープ椅子脱出シーンでロバート・ボーンとリチャード・チェンバレンが墜落死、ジェニファー・ジョーンズお婆ちゃんが展望エレベーターから墜落死…とそれほど意外性はない。個人的にはフェイ・ダナウェイには派手に焼死して欲しかったんだが…残念!因みに当時スタントマンだったジョン・ランディスが飛び降り役を派手にやってたそうだ。うーーーーん、何処に出てるんだろ?当時のNY市長だったリンゼイも特別出演…って誰よ、そのオッサン!?難を言えば、出火の原因がショボ過ぎるってコトかな。あと、ラストはあの程度では鎮火しないと思うけど…「それを言っちゃあオシマイよぉ!」ってか?
8点(2003-01-26 02:35:42)(良:1票)
269.  パピヨン(1973)
 仏領ギアナの刑務所に投獄、1945年脱獄に成功し、ベネズエラに市民権を得たアンリ・シャリエールの大ベストセラーが原作。迂闊なことに原作を読んでしまったため、映画の展開を楽しめずマックィーンとホフマンの演技を確認する結果となったのが何とも悔やまれる秀作。ラストの感動が半減してしまった…嗚呼オレって馬鹿!それでもマックィーンの演技は渋かったし、ホフマンの上手さは絶品!二人の好演にもまして印象的なのはジェリー・ゴールドスミスの哀愁に満ちた主題曲。「事実は小説より奇なり」映画としてオススメ。ただ、相当ヘヴィなので呉々も覚悟して観るが吉。面白くも楽しくもナイからね~。
8点(2003-01-26 01:24:24)(良:2票)
270.  ビルマの竪琴(1956)
 昭和60年に作られたセルフ・リメイクのカラー版よりも感銘はこちらの方が遙かに深い。ストーリーや主要なカッティングに大差が無い以上、その差は明らかに役者の差と言えよう。水島を演じた安井昌二の善意溢れる好演は中でも光っており、リメイク版(中井貴一)との最大の相違点でもある。また、ヒューマンな井上中隊長を演じた三國連太郎の名演も特筆すべき素晴らしさ。何故なら、三國は「善魔」でデビューして以来「アブナイ」変質的な役柄を振られることが多く、類稀な演技力が裏目に出た感じだったのが、本作での見事な中隊長ぶりで一気に新境地を開拓し、役柄に幅が出る契機となったからだ。リメイク版の石坂兵ちゃんは…熱演は認めてもタイプとして異色の役を演じた訳ではないので矢張り劣ると言わざるをえまい。個人的に最も感動的且つ印象的な場面は、あのラスト…ではなくって、包囲された井上中隊が合唱する「埴生の宿」に唱和するイギリス軍の英語ヴァージョン「埴生の宿」!!音楽が国境を越えて相互理解を示した屈指の名場面だと思うんだが…。
8点(2003-01-24 12:54:34)
271.  ダイヤルMを廻せ!
 グレース・ケリーはこの年、本作に加え「喝采」(オスカー主演女優賞!)「裏窓」「トコリの橋」と正に大車輪の活躍ぶり!!クール・ビューティの大輪が狂い咲きって感じで何かもう圧倒されるナァ。本作では不倫の若妻を演じているが、下品さ・下世話さは勿論欠片もナシ。うーーーーむ、或る意味ミスキャストの極致かも。一方レイ・ミランドの方は憎々しげに妻の殺害を企てる夫役を好演。彼無くして本作の成功はなかったのでは。鍵や鋏、ステッキなど小道具を伏線に活かしきっているフレデリック・ノット(ブロードウェイで大ヒットした同名舞台劇の原作者)の脚本も見事。ま、それもこれも当然ヒッチコックのサスペンス演出は前提ていうか必須条件とした上での話だけどネ。リメイク版は…グレース・ケリーとグウィネス・パルトロウじゃあ雲泥の差、ヒッチコックとアンドリュー・デイヴィスじゃあ月とスッポン!!比較するのも愚か、「頭が高い!控えおろう!!」というものだ。
8点(2003-01-24 02:08:39)
272.  アフリカの女王
 セシル・スコット・フォレスターの原作は未読だが、コレは名作。勝因はオスカー主演男優賞に輝いたボガート扮する船長とキャサリン・ヘプバーン扮する宣教師ローズの圧倒的な存在感による二人芝居。今時の俳優ではとても最後まで持たせられないだろう。個人的には勝ち気で安易に引くことをしないが、それでいてイヤらしさを感じさせないヘプバーンの絶妙の演技の方が僅かに上回っているようにも感じるが、この辺は観た人それぞれかな。第2の勝因は勿論ヒューストンの骨太な力強い演出。この裏エピソードを描いたのがイーストウッドの90年作品「ホワイトハンターブラックハート」である。こちらによれば、撮影そっちのけで象狩りに夢中になっていたらしいんだが…。あ、ジャック・カーディフのカメラも特筆すべき美しさで大いに貢献していたと思うな。
8点(2003-01-23 14:54:00)
273.  旅情(1955)
 イタリア旅行中のオールドミスが旅先のヴェニスでふと知り合った中年男性と恋に落ちるストーリーは言ってしまえば「ありきたり」かもしれない。しかし、デビッド・リーンの格調高くもキメ細かい演出&脚本、ジャック・ヒルドヤードの見事なカメラワーク、「サマータイム・イン・ヴェニス」の切なく甘いメロディ、名女優キャサリン・ヘプバーンの抑制の利いた演技が一つに融け合った結果、そこに唯一無二の愛すべき佳品が誕生する。キャサリンにとっては観光も兼ねたごく軽い一編だったかもしれないが(別にオスカー受賞って訳でもないし)、個人的にはリーン監督の本領発揮で彼女のチャーミングさが(「男顔負けの強さ」といった誇張された類型的描写ナシに)無理なくフィルムに掬い取られており抜群の出来だと思う。今、本領発揮と言ったが正にデビッド・リーンの真価は女性心理を巧みに描く小品(「逢びき」や「ホブスンの婿選び」)にこそ発揮されるのであって、本作以降「戦場にかける橋」「アラビアのロレンス」「ドクトル・ジバゴ」等の70mm超大作御用達監督は言わば仮の姿。
8点(2003-01-21 10:51:35)(良:2票)
274.  フォロー・ミー
 後に傑作「アマデウス」を発表することになる劇作家ピーター・シェーファーの一幕物の戯曲を彼自身が脚色、名匠キャロル・リードが監督し、遺作となった愛すべき小品。最大の功労者は浮気調査の私立探偵クリストフォールに扮したイスラエル人俳優ハイアム・トポル。彼の無国籍な魅力と清潔なユーモアがこの映画を何とも微笑ましいモノへ転化させている。リードの演出は流石にツボを心得ておりウマイのだが、往年の冴え(「邪魔者は殺せ」や「落ちた偶像」や「文化果つるところ」や「第三の男」)までには至らず、衰えが隠せなかったのは矢張り淋しくはある。70年代作品では後味爽やかな点でもオススメの逸品ではあるけれど。
8点(2003-01-20 02:47:10)
275.  無法松の一生(1958)
 このセルフ・リメイク版も名作なんだけど…矢張り1943年のオリジナル版には残念ながら遠く及ばない。阪東妻三郎の豪快で奔放な松五郎を観た後では如何に三船が熱演しようと所詮二番煎じの域に止まる。ただ、オリジナル版は戦時中の検閲カットに加え、GHQからのカットも加わってズタボロにされたものなので、コレ(58年版)なくしてはカットされた箇所も分からない有様なのも又事実。どちらも名匠・稲垣浩が同じカット割りで監督しているのが大きかった。監督も二度の検閲カットが余程無念だったのだろう。小津安二郎監督の悪口を言うつもりはないが、彼の戦前・戦中の監督作が殆ど無事だったのは、ぶっちゃけた話フィルムが擦り切れるまでロングランされる程の人気作ではなかったため、松竹大船の倉庫に保管されて埃を被っていたお陰。これも又皮肉な事実。「名作」って何だろう?
8点(2003-01-19 22:52:44)(良:1票)
276.  ライトスタッフ
 いやぁフィリップ・カウフマンお見事!「ミネソタ大強盗団」とか「ワンダラーズ」作ってたヒトとは思えない重厚かつ繊細な作風。堂々たる大家って感じが漂ってるよ。「愛と追憶の日々」なんかに敗れ去るとは…皮肉だねぇ。でも、この後「存在の耐えられない軽さ」に「ライジング・サン」だしなぁ…。アカデミー選出委員は慧眼だったと言うべきなのか??
8点(2003-01-19 03:05:41)(良:1票)
277.  二十四の瞳(1954)
 原作は余りにも有名な壺井栄の同名小説。木下恵介監督の「泣かせる」反戦映画の代表作であるが、小豆島へのロケが楠田浩之のカメラワークも相俟って抜群の効果。加えて生徒役12人に年齢差を出すために各々の兄弟姉妹を振り分ける芸の細かさは昨今の邦画には到底及びもつかぬ素晴らしさ!全編に鏤められた文部省唱歌も木下忠司の木目細かな配慮でグッと活きている。しかし、何と言っても本作最大の功労者は20~40代の大石先生を生き生きと演じた高峰秀子であろう。余談だが、大石先生の若き夫に扮するは”死神博士”天本英世。個人的には木下監督のベストは戦時中に反戦を訴えた「陸軍」(田中絹代、魂の名演技!)だと思っているので、原作付きの此方に最高点を与える訳にも行かず…8点!
8点(2003-01-19 02:38:42)
278.  ガープの世界
 何と言っても「When I'm sixty four」のメロディに乗ってフワフワ浮いてる赤ん坊!の粋なオープニングで先ずやられた。エキセントリックな登場人物ばっかりなのに殺伐とせず、何とも「まったり」したムードなのはロビン・ウィリアムスのキャラクターが活きていたからかな。「ポパイ」の失敗を糧にして見事に主人公になりきっている。尚、アーヴィングの原作は村上春樹のダサイ邦訳が持ち味を可成りスポイルしているので要注意!
8点(2003-01-16 17:37:48)(良:1票)
279.  鳥(1963)
 その後乱作される事になる「動物パニック物」の嚆矢となったのが本作。ヒッチコック先生の常に一歩先を行く(観客の予想を上回る)ショック演出への拘りってヤツをもっと感じ取って欲しいね。原作はダフネ・デュ=モーリアの別にどうということもナイ短編小説だが、例によってヒッチ先生(と脚本のエヴァン・ハンターことエド・マクベイン)は”鳥が何故か突如ヒトに襲いかかってくる”という一点のみに絞ってほぼ完全オリジナルストーリーに昇華させている。その最たるものが何とも救いの無いラスト。原作の御都合主義的ハッピーエンドを排し、敢えて観る者の判断に委ねたのは正解だと個人的には思うけどな。あれで余韻嫋々たる独特の不気味なムードを醸し出しているし。鳥の襲撃シーンも今日の視点ではチト苦しい箇所も無いではないが、当時としては度肝を抜く映像だったハズ。パクリやリメイクばっかりの昨今のハリウッド映画人にはヒッチ先生の”チャレンジ・スピリット”を是非とも見習って貰いたいモンだ!
8点(2003-01-16 02:53:36)(良:2票)
280.  デルス・ウザーラ 《ネタバレ》 
 黒澤が「どですかでん」以来、久々に監督した日ソ合作の名作。デルス役には当初、三船敏郎を予定していたが、長過ぎる撮影期間に断念。現地の俳優マキシム・マクシモヴィチ・ムンズクが選ばれた。適役であった。三船には大自然の使者デルスを演じるのは恐らく無理だったろう。都会の垢にまみれ過ぎている。1年に亘る現地ロケ、ソ連の威信を賭けての全面協力は奇跡のような美しい映像を生み出す事に成功。雄壮なシベリア・ウスリー地方の大自然をここまで見事に捉えた映画は他に知らない。ただ、原作であるウラジミル・アルセニエフの探検手記に描かれた実際のデルス・ウザーラの人間像は映画の数倍魅力的であり、充分に描き切れていない部分も目立つため、やや減点。友情の証しとして視力の衰えたデルスを慮ってアルセニエフのプレゼントした最新式の銃が仇となり、行きずりの強盗に銃を奪われ他殺死体で発見されるデルス。余りにアイロニカルな結末は、自然を人間の価値観のみで手を加えた事への痛烈な返礼にも思えて象徴的である。75年アカデミー外国語映画賞・受賞。
8点(2003-01-14 02:04:55)
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