261. ブラザーズ・グリム
《ネタバレ》 微妙。つまらないってほどでもないんだけど、面白くもない。 なんて言うか、権利の切れた有名小説を少年誌が翻案してみたよ、っていうのと方向性の違いはそんなにない。それ自体は全然悪くないはずで、これは素直に面白いはずなんだが、なんでちゃんとやらないのだろう。娯楽映画に価値を感じず、カルトチックで気持ちの悪い映画を撮ってマニアに神とか言われて担がれたいのだろうか?とかそんな無意味で当てずっぽうな邪推をしてしまうほど、がっかりした。 制作者の楽しんでもらおうって言う意図と、監督の性格がかみ合っていない感じがする。つまらなくならなかったのは、監督以外がよく踏ん張ったと思う。 [DVD(吹替)] 5点(2010-04-20 23:07:27)(笑:1票) |
262. パパにさよならできるまで
《ネタバレ》 可も不可もなく。とはいえ、言葉が完全に一単語も分からない世界で、文字に頼りながらの鑑賞なので、無味乾燥というか味わいのなさを強いられたからなのかもしれないとは思う。 ここに出てくる人間が、苦しい生活の中、問題を抱え、諍いを日常としてそれでも生きていかなければならないつらさというのが下敷きになっているのは理解できるのに、そこから先の、そういう人たちの誰か一人に感情移入するということができない。 あのなぜかセクシーに感じてしまったお母さんが、迫真に迫るシーンでさえ空疎な日本語の表示を読んで場の空気を読んでいると、その作業のつまらなさに映画までつまらなくなってきてしまった。 ただ、子供が歪み本能的自己保身に走ると他人に不快感を与える嘘をつき始める。大人が現実に耐えきれなくなるとものを片付けなくなる。それを観て病んだ大人同士で世話のし合いをはじめるとお互いの弱さが増幅される。などと言った現実の法則をいろいろ映像に落とし込んであり、現実のアイコンとしての存在感は発揮していた。面白いかどうかは別として。 物語然とした、月面着陸というタイムリミットをもうけたトリガーは、非常に秀逸でそこでやっと現実を受け入れ、少しずつ人間としての普通さを取り戻していくかもしれないという含みで表現されたラストはなかなかの出来だった。 ただし、(心情としての)物語背景がわかりにくいのは異国過ぎてどういう家庭環境がどういう風に普通で異常なのかという情報が元々少ない上に、家電製品の説明書のような空っぽの日本語の単文から感情表現を読み取ることは不可能で、それを読んでる間一切役者の表現をみている暇がないからだろう。 ギリシャ語(なんだと思うけど)が分かるほんの一握りの人のためじゃなくて、日本語で生活する人のための翻訳や吹き替えをするべきだったんじゃないだろうか。あの字幕から物語を補完したって、受け手それぞれ(つまらない話として)全然違う話になってしまうだけだと思う。 [DVD(字幕)] 5点(2009-11-23 14:59:52) |
263. トランスポーター
《ネタバレ》 ダラダラみるにはちょうど良い感じ。 基本的に、アクションで主人公がどう生き残るのかと言う部分だけ良くできていれば、映画ってそれだけでそれなりに面白い。それなりに楽しめる。だけど、体術系のアクションだとどうしても問題が出てくる。 それは、初期セガールのようにポカーンとするほど生々しいものや、ボーンシリーズや一昔前のジャッキーのようにスタントが楽しいもの。トランスフォーマーのように普通の人が想像できないせいで、無茶苦茶リアルに作られているのに現実に見たこと無いせいで逆に嘘見えてしまうほど作り込まれた人形もの。そういう斜め上を行くものを過去に観ていると、どうしても普通かなって思ってしまう所。 本作もかなり良くできたアクションだったけど、激しい映画が多い今年あたりに観てしまうとアクションだけでは物足りなくなってしまう。そこでやっぱり設定に緻密さが欲しくなってくるわけだけど、残念ながら運び屋というおいしい設定を作り込み切れていなかったのが残念。後半は強引に設定をキャンセルしてしまって、違う話と合体してしまったような雰囲気になっちゃっていた。 でも、やっぱりアクションが最初から最後まで筋が通っていたのでつまらなくはない。こういう映画は突っ込まないで観るのが正しい。 時々テレビでやってたら儲けもの。リュックベッソンの良さはそこにある。 [DVD(字幕なし「原語」)] 5点(2009-08-14 01:31:24) |
264. リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い
《ネタバレ》 意外と面白くない。 発想は面白い。原作があって、これがそう言うちゃんとしたおもしろさを狙ってヒットしているんじゃないかと思う。 で、そうだとしてもなんでちゃんと作られなかったんだろうか。 ぱっと見それなりに金が掛かっているのに、ちゃんとしていない。 別に映画なんだから大人が子供っぽい話を観るのも全然楽しいことだと思う。 それがうまく良い方向に行くこともあるから話をうまく練りきっていないのは仕方ないとしても、アクションやキャラ設定も含めた登場人物の見せ方が変。 そう言う変さが決定的にCGの悪さで隠されている。CGの質感がもの凄く駄目。お金を掛けたモーションが手書きアニメのような雰囲気で浮きっぱなし。同じ労力でわざわざ不自然な映像を作ってしまったという感じ。 なんでだろう、アメコミのようなカット割りをCGで実現、というのを直球ど真ん中でやろうとしたんだろうか。 現実にない大げさな動きを独特の様式で表現するという手法を、勘違いしちゃったっぽい。 実際の所は分からないけど、何か映像がいろいろな事情が折り重なって駄目なモノになってしまったんじゃないかと邪推してみた。 しかし、この映画の出来があまり良くないことより、こういうCGが悪い方向に作られているモノが大げさにプロモーションされることによって、ハリウッドのCGは・・・とかCG臭いとかそう言う言われようで語られる事の方が問題ではないかと思う。 そうじゃなく、いろんな悪い不自然な部分があると最終的に絵が嘘くさい事になるけど、最終的な絵的嘘くささのために、悪さの素となる部分が隠れてしまうことが一番良くないと思う。 悪い部分も好意的に楽しんで観よう、と言うスイッチが絵の変さが気になりすぎてオフになってしまうからだ。 [DVD(吹替)] 5点(2009-04-26 07:23:52) |
265. エクソシスト ビギニング
《ネタバレ》 面白くなかったですね・・・ 目の付け所自体はたぶん悪くないと思うんですが、特殊効果が本当の意味で効果的でなければ成り立たないジャンルにもかかわらず、覚悟の足らないCGIを使ったのがいけない。 CGは一時低予算で速くそれなりの視覚効果が得られる魔法の大道具と思われていましたが、実際はお金以上に、要求される技術水準のハードルがただごとではなく高いものであるから、生半可な覚悟では使ってはいけないものになっているように感じます。 そう言う意味で、大流行したエピソードゼロモノが生半可に粗製濫造されたCGIを使ってしまうようでは失敗しないわけがないかと。 エクソシストのフリークが、グッズコンプリートのために見るような映画でした。 [DVD(字幕なし「原語」)] 5点(2009-01-01 17:23:21) |
266. ゲド戦記
《ネタバレ》 ふとした思いつきでもう一度見てみた。 ものすごい駄作だったように感じていた記憶をたどるが、アレレそうでもないかな? と、ほんの少しだけ思った。 でも働くというテーマ、生きるというテーマ、死ぬまでの間の時間を大事にするテーマ。 これをあからさまに、言葉で表現するあたりに技量的な限界を感じるが、 この手の話でまるで織り込まない作品よりは良いではないかとおもったりもした。 でもなぁ、ゲド戦記っていう話なんでしょ?ゲドさんの戦いの記録なんですよね? ゲドさん馬車止めたり変装したり、屋敷に来て捕まっただけですよね? 全然戦って無いじゃないですか。誰が主役なんだかやっぱり2度見てもふわふわしてて中途半端。 2度目だから、そういう演出なんだと分かってあげながら見たんだけどなぁ。 それからテルーって怪物なの?ねぇ怪物なの?なんで?そういう物なの?公式設定なの? 怪物になるトリガーの設定が無くない? やっぱり理解を示しながら見てもダメでした。 いろんな設定、アレンの件、ゲドの捜し物の件、クモの件、テルーの件、おばさんの件 そういうのが全部置き去りで、最後に悪い物だけやっつけた的な支離滅裂さって原作で解消してるのかな。 ちゃんと自分の頭で考えて作らないと、ちゃんとお話にならないんだよなぁ。日本のアニメの悪い癖だ。 そんな有様なのにここまで見られる映画にしてしまうスタッフの技量が凄い。 ジブリの様々な資産を無尽蔵に使っての結果がこれなんでしょう、駿氏が亡くなったらジブリは潰れる。 [DVD(邦画)] 5点(2008-10-26 19:50:31) |
267. ブレイブストーリー
《ネタバレ》 絵に金がかかっていて、声優も頑張ってる。 予告編は何かを予感させる作りで、テーマ性も強そうで、なんかおもしろそうな映画だ。 と思ってみたら大間違い。映画フォーマットでアニメ化しただけ。 これだったら同名の漫画化版の方がおもしろかったです。 邦画で原作モノって、どうしてこうただ全シーンを動画にしただけみたいなことしちゃうんだろうか。 せっかく監督も脚本家も演出家もいるのに、たんなる挿絵動画になっちゃう。 本作に至っては作画も高レベルなのにどうしてこうなっちゃったんでしょうか。 これって本質的に、日本の客層も遠因では。 おもしろさとか完成度そっちのけで原作とここが違うとか、原作から削られているとかに夢中になる原作モノフリーク。 こういう人たちの意見聞いてたらとてもじゃないですけど製品にならないでしょう。 複数冊が2時間に収まるわけがないってこととか、多くの人は文字をそのまま絵に置き換えても全然おもしろくならないシーンがあることを想像できないってことが理解できてない。 そういう所からの意見をプロが聞いちゃダメでしょう。 良いハードを使ってそれに見合わないソフトが作られる典型的な日本映画になっちゃいましたね。 原作モノだからすでにテーマがあるのに、脚本に落とし込めていないから小説版の販促動画みたいになっちゃいました。 [DVD(邦画)] 5点(2008-10-05 07:52:37) |
268. オープン・ウォーター
ただひたすら怖いだけ。 得るものが何もなかった。こういう映画の生活での使い方が分からない。 [DVD(字幕)] 5点(2008-08-24 13:01:16) |
269. バイオハザード(2001)
ゲームキッズが気軽に楽しむっていう類の映画でしょうか。映画単体で面白いかどうかというと微妙。映画が観たいと思って見ると特につまらなくはないけど・・・っていう感じですね。 ゲームの方のファン向けかもしれません。既存映画からの拝借で手堅くまとまってます。 もう少し短くても良いくらいか。 [地上波(字幕)] 5点(2008-08-15 00:38:17) |
270. スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー
《ネタバレ》 好みが合わ無いとかなりキツイ。 [地上波(吹替)] 4点(2013-01-07 00:23:48) |
271. 機動戦士ZガンダムII 恋人たち
《ネタバレ》 Zガンダムが弱すぎるのと、女好きすぎるのと、女の人がみんな痛すぎること。 この三点でこのマンガがダメになっている。ストーリーがメチャクチャだ。 [DVD(邦画)] 4点(2012-12-01 18:32:26) |
272. ぼくのエリ 200歳の少女
《ネタバレ》 うげぇ。これしか出てこない。 意図的にハーフスピードで区切られているとおぼしき間は、この映画の映像と様式を人間の世界にない美しさに昇華させて、そこに置き去りにしてしまった。 いや、違うな。置き去りにされたのはむしろ私の方で、この映画が一人で高い遠いところに行ってしまったんだと、見終わってから気づく。美しい情景に、凄惨な殺害が重なっているその場面に視線を保っていられなかったのは私。酷い有様になった死体が引きずられていく時だって、対比もせずに美しい世界は美しい世界のまま死体が引きずられていく。 この世界に嫌悪感と恐怖感を覚え、そこに近づくことが出来なかった。 美しい少年と少女の愛情は、何世代にもわたって何人にも引き継がれ続けていくのだろうか。それとも社会の高度化とともに彼女と彼女が愛した人間の居場所は消滅してしまうのだろうか。その寂しさをかみ砕けないまま、エンドロールが始まり私は黙りこくってお茶を口にすることしかしなかった。 だからホラー耐性、スプラッター耐性が低いとこう言う映画は全く楽しめなくて損をする。うわぁ気持ち悪い。 [DVD(吹替)] 4点(2012-05-01 02:28:13)(良:1票) |
273. 0:34 レイジ 34 フン
《ネタバレ》 クソだなぁ。 すがすがしいほど半製品。日常とか生活の裏側にある怖さをねらってんのかな。もうちょっと現実に即さないとそういう怖さが出てこないと思う。 で、作ってる人たち自身が途中でそれに気づいてしまったのか、怖さの対象を変な怪人にしちゃったような別の主題になっちゃってる。 結局いらない謎とか、現実世界に戻ったラストの、普通の人たちが主人公に一瞥も投げかけないとか、よその話がやりすぎな手法とかもうなんかこうやったら怖いリストをみんなで持ち寄りました的な作りが無念きわまりない。 スプラッターに頼るとかそういうところも良くない。 迷い無くつまらなかったといえる普通のC級映画だった。そういう意味では外してはいない。 [DVD(字幕なし「原語」)] 4点(2011-12-30 03:07:25) |
274. トロイ(2004)
《ネタバレ》 おもしろくない。 話とか別に驚くようなところがないのはむしろ良いんだけど、神話ものでCGの金けちるとかとういうことだ。 見た目で何とかしないといけない話のはずだが、なんだかすごく節約間が漂う。 [地上波(吹替)] 4点(2011-08-28 07:37:16) |
275. ダンサー・イン・ザ・ダーク
《ネタバレ》 思ったより面白くなかった。 悲しさとかやるせなさとかを感じさせる意図が、プロットのおかしさで不自然さを生んでいないだろうか? 主人公の失明と貧困は切り離せない設定だと思うが、そこに嘘つきを加える必要はあったのだろうかこの話で。このアクロバティックかつ豪快な飛び道具を使ったせいでいらいらする。 彼女の正義は彼女の中のルールを守ることだけ。息子の手術代を守る母という「立場」を守ることに一貫して執着する。しかし台詞で息子のためとしゃべらせているだけなので、受け手が本当にそう思うかとかは後回しだ。前評判補正なしで客観視すると、意図もそうすることによる意味も感じ取れない行為を本当の良心であるかのごとく、しつこく受け手に思考的強制をしてくる。 これが非常に煩わしく、イラッとくる。 泣かせようとするときのセオリーなのだろうが、ルーチンが強すぎる。見ている途中に現実世界の良心が頭にあると絶対に感情移入できないだろう。 間違った誠実さにへのかたくなさと努力、人を欺すことを息子のためと押しつける妙な信心的頑強さ、これらを一人ではなく数人に向ければきっと綺麗な話になったのだろう。だけど賞はおろか注目されることも無かっただろう。 このような脚本や演出上の工夫だけでなく、監督と主演に世界的に世界的な有名人を使ってくるあたり。周到に、何重にも安全装置が掛かった作りになっている。受賞納得である。 [DVD(字幕なし「原語」)] 4点(2011-06-05 17:09:32) |
276. バブルへGO!! タイムマシンはドラム式
意外と面白くない。 なんというか、ホイチョイッぽい雰囲気。どや顔でバブル時代の細かい記憶を披露されるとなぜかイライラする。中身ががほぼ空っぽに近いのに、意外とバラバラにならずに2時間引っ張れるというのはこういう話にも確立した技法でもあるのか?、とか思ってしまうくらい何となく良くできてるのかも。 でも面白くない上に鑑賞後に何も残らないのはいかん。肉弾シリーズでさえ見終わった後にはなんか残ってる。受け手が娯楽や意味を求めて映画を見る、という当たり前の行為をすっぱり無視しているし、2時間という塊をひたすらなんの題材でも映画になる方法で作られた技術の結果にしてしまったのか。とにかく作ってる側の雇用創出的な、内輪の都合が滲んでるのが痛々しかった。 これだったら役所の、地域の映像会社を食わせるための道徳啓蒙映画だの交通安全映画の方が確実に意味があるといえる。なんにも用途が思い浮かばない映画はカラオケに流れてるオリジナル動画よりも不確かな存在だと思う。 [DVD(邦画)] 4点(2011-06-03 00:15:54) |
277. 舞妓Haaaan!!!
《ネタバレ》 序盤はグッと引き込まれるのだが、可笑しく見せるその高度な技法を物語に活かす方法論がすぽっと抜けている。そういうところが無念極まりない。 一つ一つの小ネタは宮藤官九郎然として、いちいち笑わせられ痛快ですらあるけれど、2時間をそれだけで過ごすんであればお笑いのライブの方が優れているのはいうまでもなく、物語も多少は楽しみたいから映画を見ようと思うという受け手のことを意図的になかったことにしてる感じが不愉快だった。 何となく、新しい形態の映画を作ろうとしている感じがする。でも、新しいものを作ることをなぜか第一義にしているようで、それ以外の概念が置き去りか。しかし、笑いで新しいものを作ろうとするには手垢が付き過ぎなやり方ではないかと思った。 この映画としては、共感する人間もそれなりに多いのではないかということを見越して、わざわざ宮藤官九郎ファン以外のお客を無視しているようだ。私は宮藤官九郎大好き人間だが、彼がそういう製品の脚本だけを書くようになってきているような、なんだかおかしな方向性に向かっているんじゃないかみたいな印象をもった。あまりよくはないような気がする。 [地上波(邦画)] 4点(2010-03-22 23:31:31) |
278. ハイド・アンド・シーク/暗闇のかくれんぼ
映画を見るようになってから間もない人が見るような類の映画か。そういう意味でもしかしたら面白いと感じる人もいると思う。 が、さすがにこの手の映画をいくつも見てると、開始後すぐにオチのパターンがすべて類推できてしまうのはいただけなかった。どのパターンに行くかハラハラするような作りならまるで問題ないが、一直線であのオチだったからガッカリ。 高額な俳優を使ってこれはもったいなさ過ぎるというか、予算が出たから使い切りました的な至極アメリカ的(日本的とも)な作った人の都合が見え隠れするのがよくない。とはいえ、それら捨て鉢の上にいくつかの名品が生まれるとするんであれば全く気にはならない。 やっぱり本作は、キングでもないのにキングネタを扱い、さらにはキングオチまでやってしまうと言う乱暴さがいただけなかった。キング映画と比較すると、ちょっと格調があるのもまずいし、俳優選びがまじめすぎるし、想像の余地もありすぎた。そういう意味で、どっしり構えて「どうせクソ映だろ?」と見ることができない。それが落胆を生む。 [DVD(字幕)] 4点(2010-03-06 12:46:34) |
279. 東京タワー
《ネタバレ》 もしかしたらはまってしまう人がいるであろう映画。でも、これは受け入れがたいな・・・ 確かに年の差を超えて愛(もしくは恋)を成就する話、それ自体はなんの拒絶も感じないが、これの場合は不倫が絡んでくるからなぁ。確かにただの年の差ドラマであったらつまんないからしょうがないんだろうけどさ。 主人公のキャラクター設定には、なんて言うかどうしても引け目というか敗北感を禁じ得なく、ここで感情移入が出来なかったのが痛い。勝てる要素が一つもないようなキャラをこうやって平気で据えてみたりするあたり、凄い腕力だと思う。 完全無欠な主人公君とその完全無欠な親、彼らをひとまとめに翻弄する完全無欠の40歳の女性も、何となく抗しがたい嫌悪感を覚えてしまう。何でだろう。確かに存在する可能性はあるんだろうけどさ、なんていうか僻みとか劣等感を客に与えてくれるな。イラッとするだろ。 美男二人の結末を対比構造みたいにしたかったんだかよく分かんないけど、ほとんど少女マンガのような結末を実写映画でやってしまうあたり、豪腕だ。理系の学生がなぜ?みたいな部分はお話だから良い。全然気にしない。でも、離婚してそこまで追いかけてくる40歳の女性っていうのは正直無理。受け入れられない。どれだけ好きだったとしても、それは年上の方にやらせちゃったらバランスとか観た後の印象が悪くなるに決まってるような気がするけどなぁ。 でも、何となく、自分にもそういう可能性が残されているんだよ的な、応援歌のような作りでも、それに感化されたり素直に感動する人って必ず居ると思う。はじめから数が出せる作家だからだろうな、こういうマーケティングで構築された巧妙なドラマっていうのはそういう部分があって、そこを不可視にするための手段としての作り込みが意外としっかりしているから、綺麗に見えたり幻想的だったりする。 ハマってしまった人にはその綺麗な、幻想的な部分ていうのはさらにリアリティを持った想像になって楽しめてしまうと思う。かなりの数の人が観て、そういった層がひとかたまりになれば結構な質量を持つに至るんじゃないかと。そういう意味では意外と需要があるのかもしれない。 であるが、私にとっては何から何まで蚊帳の外だった。 [DVD(邦画)] 4点(2009-11-23 19:49:25) |
280. ゼブラーマン
《ネタバレ》 着想は良いし、設定のバカバカしさや、時々挟まれる主人公のコミカルななりきりシーンなどもの凄い映画なんじゃないだろうかと思わせる。 が、序盤の良さをダラダラとした雰囲気がを台無しにしている。一つ一つのシーンが異常に説明的で、かつ何の効果もないのでもの凄く長く感じた。そもそも、生活に破れた大人が、ゼブラーマンとしての復活を果たすだけじゃ映画としては面白くないぞ。 ワタシも幼稚園児のころ大好きだった当時すでに再放送だった特撮があった。それを学生の時偶然観て懐かしく楽しんだ記憶がある。意外と誰も知らない懐かしの特撮にあこがれてしまう属性を持つ人はいるんじゃないだろうか?そういう人のあこがれをシンボルとして映画的昇華させるチャンスになり得たのに、本当にもったいない。 この映画を作った人たちは、物語を映画フォーマットで見せる技能に問題があるように思う。どんなに高性能な機材を使っても、高度な脚本があっても、良い役者がそろっていたとしても、こういうダラダラとしたギリギリ商業として成り立つか成り立たないかの映画になってしまうような気がする。 [地上波(邦画)] 4点(2009-11-02 18:40:17) |