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飛鳥さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1679
性別
自己紹介 今まで観た映画の記録を整理したくなり、レビュー開始。
物忘れが良いのでメモを残しておかないと、印象薄めのものは内容をすっかり忘れていたり、前に観た映画も初見かと思って後半にようやく気づくなんてことも。
備忘録を兼ねているので、ほとんどのレビューはネタバレで書いてます。

10 至高の殿堂入り
9 心に残る傑作 
8 もう一度観たい佳作
7 面白い
6 そこそこ面白い
5 普通
4 それほど面白くはない
3 面白くはないが見どころがなくはない
2 全然面白くない
1 酷い駄作
0 呆れ果ててもはやネタレベル

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【製作年 : 1990年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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281.  イングリッシュ・ペイシェント 《ネタバレ》 
面白くないわけではないが、アカデミー賞作品賞に値するかはちょっと疑問。 規模の大きさと映像美は感じるが、まるでハーレクインロマンスのようなストーリー。 大火傷を負ったイギリス人患者が、失われた記憶を辿っていく過程で、不明だった人間関係やスパイ活動などの真相が明らかになっていく。 そこにサスペンス性はあるのだが、テンポが悪くて緊張感がなかなか高まらず、冗長で散漫な印象を受けてしまう。 妻の不倫に勘付いたジェフリーが、飛行機でアルマシーに心中覚悟で突っ込んだあたりからやっと面白くなった。 アルマシーがドイツに地図を売ったのはやむをえないことで、砂漠の洞窟でひとり死んでいったキャサリンとの悲恋が切ない。 だからこそ親指を失ったカラヴァッジョもアルマシーへの復讐する気が失せたのだろう。 ただ、その命がけの愛が不倫で、どうしてそこまで深く愛し合ったのかの描写が不足しているので、その分共感しにくいのが難点。 また、全体にテンポアップしてハナの恋愛エピソードもカットすれば、160分の長尺をもっと短くできたはず。 ハナがアルマシーの意図を汲んでモルヒネの量を増やし安楽死させてあげたのは、結末としては良かったと思う。
[ビデオ(吹替)] 5点(2013-06-09 01:59:10)(良:1票)
282.  アンカーウーマン 《ネタバレ》 
使えない女性レポーターがプロデューサーに育てられて人気キャスターに成長する。 よくあるサクセスストーリーで、目新しさは何もない。 ウォーレンのプライドの高さが邪魔をしてなかなか仕事にありつけないことが、ラストへの伏線になっている。 刑務所の暴動のライブ放送は、ウォーレンとの緊急共同作業がうまくいき、夢だったメジャーへの飛躍へとつながった。 夫のパナマでの死に打ちのめされながらも、タリーの内にウォーレンは生き続けるのだろう、バッドエンドにはなっていない。 展開に起伏がしっかりとあり、物語としてまとまってはいるのでそれなりに楽しめる。
[ビデオ(吹替)] 5点(2013-06-08 00:23:31)
283.  地雷を踏んだらサヨウナラ 《ネタバレ》 
実在の人物がモデルだが、主人公の戦場カメラマンに共感できない。 動機がよくわからないからだ。 子供の遺体撮影を激怒するおばさんがいたが、そちらの気持ちならよくわかる。 正義感や使命感、ジャーナリズム精神などといえば聞こえはいいが、どうしても空々しく聞こえる。 戦争に対する怒りよりも、いいショットが撮れたとの興奮が優先して見える。 金や功名心を臭わせるシーンもあったが、人が命を落としている場面をカメラに収めて回る姿に腹立たしさを覚える。  共感できない主人公の行動を淡々と追われても、見ていておもしろくない。 なぜアンコールワットを目指したのかが伝わってこないので、それを目の前にした姿を見ても感動も何もない。 戦争の巻き添えになったとしても、リスクは承知の上だろうから自己責任としか思えない。  下手に反戦やヒロイズムに脚色して主人公を美化したりはしていないので、リアルさだけはある。 地雷で吹き飛ばされる子供や簡単に人が殺されていく様子に、戦争の実態、狂気を感じる。 それだけになお、そこへ自ら好んで身を置くことがわからなくなる。 「自分探し」をするにはあまりに危険な場所なのに、自分は大丈夫という思いがどこかにあったのだろうか。 「地雷を踏んだらサヨウナラ」という言葉とは裏腹に、死を自らに降りかかる現実として受け止めていないようにも見えてしまう。
[ビデオ(邦画)] 3点(2013-06-08 00:16:42)
284.  ホーム・アローン
わかりやすくてファミリーで楽しめるコメディ。 予想を裏切らない展開なので、刺激と毒気が欲しい人には物足りないかも。
[地上波(吹替)] 5点(2013-06-08 00:15:25)
285.  Lie lie Lie 《ネタバレ》 
豊川悦司の抑揚のない饒舌が、詐欺師の胡散臭さをうまく醸し出している。 息を吐くようにウソをつくキャラがピッタリ。 その友人に振りまわされる佐藤浩市も適役。 ペイシェンス・ワースの自動書記の再来とのデタラメ話で幽霊が書いた本として売り出そうとするが、鈴木保奈美扮する編集者には通用しない。 そこから編集者も詐欺に加担する展開になるのはいいが、大ヒットの結果となるまでに説得力のあるエピソードが欲しかった。 三人のキャラには惹かれるが、ストーリーにやられた感じがせず、少し盛り上がりに欠ける。 詐欺師の話なんだから観る人も気持ちよく騙してくれるのかなと思ったが、そういう物語ではなかった。 ラストはペイシェンス・ワースがおりてこなくなったという波多野が、自分の言葉をキーボードで打って美咲に愛の告白。 ちょっとオシャレなラブコメに仕上がっている。 原作は中島らもの小説、監督は中原俊というのは、なかなか意外性のある面白い組み合わせだった。
[ビデオ(邦画)] 5点(2013-06-08 00:14:06)
286.  スワロウテイル
混沌とした無国籍状態の世界観が、当時の邦画では新鮮でおもしろかった。 警察の遺体置き場で勝手に葬儀を始める移民たち。 社会の底辺でドブネズミのようにうごめきながら生きている姿が逞しい。 闇社会の抗争で、江口と渡部のアウトローぶりがクールだった。
[ビデオ(邦画)] 8点(2013-06-07 00:52:01)
287.  うなぎ 《ネタバレ》 
妻が自宅で不倫中に踏み込んで殺害した男だが、その後は人間不信でうなぎが話し相手。 なんとベタな心の閉ざし方の表現だろう。 その男の前に、妻子ある男との恋愛が原因で自殺未遂をした女が現われる。 よくあるパターンで二人は惹かれていくが、うなぎと重ねて描いているのが切り口として変わっている。 赤道まで旅をしたウナギは、そこで誰の子かわからない子を産み落とす。 そんなうなぎの話をする男には、女の腹の中にいる他人の子を育てる覚悟が見える。 しつこく付きまとうムショ仲間の柄本明が、思わず主人公に肩入れしてしまうほどのウザさ。
[ビデオ(邦画)] 5点(2013-06-07 00:11:18)
288.  KYOKO 《ネタバレ》 
エイズへの理解がまだ一般にまで広まっておらず偏見や差別が強かった頃の物語。 当時はタイムリーな話題だったかもしれないが、今となっては少し古くなってしまった印象を与える。  両親を失って孤独だったキョウコの心を、ホセに教えられたダンスが埋めてくれた。 大人になってニューヨークを訪ねて再会したホセは、エイズ末期の痴呆症のためスターダンサーだったという幻想の中で生きていて、キョウコとの記憶がない。 キョウコは末期患者のホセをマ家族のいるマイアミにわざわざ連れて行ってやるが、そこまでしてあげるのは、キョウコがホセにそれだけ救われていたということ。 ところが、少女の時の交流が映画ではあっさりと流されていて、救われたことがあまり伝わらない。 なので、キョウコの献身的な行為に説得力を感じないのだ。 キョウコとの記憶が幼なじみのエレーナとの楽しい思い出にすり替わっていて、キョウコをエレーナと呼び始めるホセが切なくてよかったけれど。 ぼったくろうとしていた協力者の黒人が、キョウコの純粋さに打たれて別れ際に余分にもらったお金を返すのは、ハートウォーミングなお伽噺のようだった。  高岡早紀は魅力的だが、ダンサーではないのでそのダンスに魅了されるほどではない。 それに、主人公の設定に無理がある。 英語が堪能で、長距離トラックの運転手で、穏やかで優しく献身的で、若くて美人で踊りが上手。 そんなストーリーに都合のいい人物はリアリティがなさすぎる。 この作品ではお嬢様風の高岡早紀がダンプの運転手にはどうやっても見えないし。 原作の小説は未読だが、村上龍は流行を追いかけるのがただのファッションになっているような印象がある。
[ビデオ(邦画)] 4点(2013-06-06 05:02:09)
289.  ショーガール 《ネタバレ》 
ショーガールの裸がいっぱい出てくるのに、少しもエロさを感じないのが残念。 淑女なら胸の谷間だけでもエロスを感じるのに、揃いも揃って品がなくてケバいからか。 不名誉なラジー賞をもらうほどではないと思うが、確かに面白くなかった。 主人公を含めて登場人物のほとんどに嫌な面が目について好感が持てない。 そんな映画を好きになれるわけがない。 ノエミが目の上のタンコブだったクリスタルを突き落として重傷を負わせたのに、最後でとってつけたように和解したところで、醜いいがみ合いの不快感は解消されない。
[ビデオ(吹替)] 3点(2013-06-06 00:27:26)
290.  愛を乞うひと 《ネタバレ》 
原田美枝子が両極端な二役を好演、まるで別人に見えた。 豊子は虐待するなら孤児院から引き取らなければよかったのに、去っていった男に対する執着が歪んだ形で表れたのか。 強姦されてできた子だから産みたくなかったと言い放つが、それも事実とは異なることで、照恵を徹底的に傷つける意図が見える。 その理由がはっきりとは描かれていないが、豊子も虐待された経験があったのかもしれない。  虐待を受けながらもひたすらに母の愛を求め続けたいたいけな姿が胸を打つ。 髪をすくのが上手だとたった一度ほめてもらったことが、鬼畜のような母を憎みきれなかった要因か。 老いた母との美容院での再会シーンは緊張感が漂う。 額の傷に受けた傷が伏線となっていたが、結局老母から娘に向けた言葉はなく、親子としての会話は交わされなかった。 照恵は虐待の理由をそれまで何度何度も考えてきただろうが、理由なんて今さら意味をなさないし理解する必要もない。 母への執着にピリオドを打ち、娘の深草の愛で癒されることで、愛に彷徨していた自身の思いは完了できたのだろう。  照恵が父の遺骨探しに奔走するのは、母が捨てたものを全部拾っていくことを決意したから。 つらい時や困った時にはいつもそれを誤魔化すように笑みを浮かべてしまう照恵は、なかなか正直に自分の気持ちを表現できない。 小さい頃から抑圧されてきたために本当の自分を見失っている照恵にとって、遺骨探しは自分探しの旅でもあった。 最後に拾ったのは自分自身ともいえる。  あれほど虐待した親を許せるものなのかどうかは想像がつかない。 再会しても恨み言の一つもぶつけずにはいられないのではと思ってしまうので、そうしなかった照恵が不思議にも思える。 ただ、娘の存在なくしては、母への思いがいつまでも決着のつかなかったことは想像に難くない。 当時は邦画も捨てたものじゃないと思わせた映画で、長らく不振だった邦画の復活を感じさせた。
[ビデオ(邦画)] 7点(2013-06-06 00:12:18)
291.  スピーシーズ/種の起源
B級テイストのモンスターもの。 ナターシャ・ヘンストリッジのエロい肢体だけが印象に残る。
[地上波(吹替)] 4点(2013-06-06 00:09:39)
292.  ナビィの恋 《ネタバレ》 
沖縄の風情たっぷりに素朴でのどか、音楽も効果的に使われ南国らしく陽気で楽しい。 方言が柔らかく人を包み込みようで耳に優しい。 サイレント映画のような回想も味のある演出だ。 ユタの占いで結婚できずに引き裂かれるという前近代的な風習がそもそもの原因とはいえ、ナビィが50年連れ添った夫を捨てるとは…。 これが標準語で都会だともっと非情な印象を与えるだろうが、あの方言とナビィのキャラクターでずいぶん緩和される。 愛する人のために黙って送り出してやるおじいはこれぞ日本男児で立派だけど、なんとも切ない。
[ビデオ(邦画)] 7点(2013-06-06 00:08:37)(良:1票)
293.  顔(1999) 《ネタバレ》 
なんといっても藤山直美がすばらしい。 天才役者寛美の娘であることを再認識させてくれる。 母の死後、以前から犬猿の仲だった美人の妹を諍いの末に殺しての逃亡生活。 阪神大震災も重なり、そうなると暗い基調になるのが従来の日本映画だが、主人公のキャラのせいか一生懸命だけどどこかユーモラスなので暗くならない。 引きこもりで表情もなかった正子が犯行後は皮肉にも次第に表情も出てきて、最後は浮き袋で必死で泳いで逃亡する姿がたくましい。 ただ、展開が単調になって中盤からダレてくるのが残念。
[ビデオ(邦画)] 6点(2013-06-06 00:07:03)
294.  どこまでもいこう 《ネタバレ》 
いつも一緒に悪さをしていた仲良し二人が、クラス変えで別れてから次第にズレが生じてくる。 転校生による新たな刺激と変化、微妙に変化する友人との関係、同級生の死、異性への意識と距離感。 悪ガキでなくても、ここに出てくるようなものと似たような経験は誰もが何かあるはずで、それがノスタルジーとなって同年代の頃を思い出させる。 ストーリーに大きな柱はないので盛り上がりがなく淡々としているが、小学校高学年の日常がとてもリアルで、少年の変化と成長が巧みに描かれている。  塩田明彦監督はこの作品でしばしば沈黙の時間を用いて間をたっぷりとっている。 それがリアルで効果的に働いている場面もあるが、逆にリアルさを損なっている場面もある。 例えば、この年代同士ならほとんど沈黙の時間は生まれないはずで、そこでの沈黙はリアルさを欠きテンポも悪くなって余計な演出だった。
[ビデオ(邦画)] 6点(2013-06-05 01:40:43)(良:1票)
295.  マトリックス 《ネタバレ》 
CGのアクションしか印象に残っていなかったが、久しぶりに見直してみるとストーリーもおもしろい。 人間とAIとの戦いに救世主が現われるのはよくあるSFだが、そこに仮想空間の概念が加わる。 ストーリーに哲学性、映像に最新CGを用いて、独特の世界観を作り出している。 ただ、設定が難解でなかなか把握できず、わかったようなわからないような感覚のまま押し切られるので煙にまかれた感はある。 その一方で、ネオが女のキスで蘇生して救世主の活躍を見せるといった童話レベルのところもあって戸惑う。
[DVD(字幕)] 6点(2013-06-05 01:38:44)
296.  ユージュアル・サスペクツ 《ネタバレ》 
ラストのどんでん返しにしびれた。 思わずもう一度見直してみたくなる。 カイザー・ソゼへの想像力が脚本のうまさでどんどん膨らんでいく。 細かく振り返ればツッコミどころもあるだろうが、サスペンス性が高く勢いもあるので作品世界にどっぷりハマってしまう。
[ビデオ(吹替)] 8点(2013-06-04 01:17:14)
297.  ジャンヌと素敵な男の子 《ネタバレ》 
主演がヴィルジニー・ルドワイヤンなので観たが、苦手のミュージカルの上に、ストーリーもなかなか酷い。 タイトルからラブコメディかと思っていたら全然違った。 主人公のジャンヌは複数のボーイフレンドと並行して付き合う軽い女。 地下鉄の電車の中で出会ったオリヴィエとエピソードらしきものもなくすぐに恋に落ちて車中でキスしているので、盛り上がりも何もない。 オリヴィエと出会った後も、男遊びは続いている。 そのオリヴィエがエイズだったことを知っても、ジャンヌからそれほど大きな葛藤は伝わってこない。 死期を悟ってジャンヌの前から姿を消すオリヴィエだが、二人の悲恋も間の抜けたミュージカルで失笑に終わる。 エイズという重い素材とミュージカルがまったく噛み合っていないのだ。  ジャンヌがオリヴィエと一緒に地下鉄に乗っていた友人と遭遇し、ようやくオリヴィエの消息を知るが、なんと前日にオリヴィエは亡くなっていた。 ご都合主義もここまでくれば開き直って見える。 ラストは葬儀場に駆けつけるジャンヌが直前でつまづいて倒れているままエンディング。 古いメロドラマかコントのようで、なんじゃそりゃ?と唖然となる。 見る価値があるのはルドワイヤンのヌードのみで、3分にも満たないくらい。
[ビデオ(邦画)] 2点(2013-06-04 01:15:26)
298.  シザーハンズ 《ネタバレ》 
人に慣れていないエドワードが挙動不審になるところが子供のようでかわいい。 キムに悲鳴を上げられウォーターベッドを穴だらけにしてしまう場面はニヤけてしまう。 善悪よりも好きな人のために行動しようとするエドワードの気持ちは純粋だ。 異質のものとして排除されたエドワードが、やけになって手当たり次第に辺りの物を切り刻む様子は切ない。 街の住民たちが、最初は異質のものに対して好意的だったのに、ちょっとしたことで一転して排斥に走る様子は、人間社会の危うさを表している。 傷つけるつもりはないのに誤解されてしまうエドワードは、結局人間たちとは共存できなかった。 そんなエドワードを最後まで庇うキムの愛情が悲しくも美しい。 愛の雪を降らせるおとぎ話のような、素敵なファンタジー・ラブストーリーに仕上がっている。
[DVD(吹替)] 7点(2013-06-04 01:07:59)
299.  カンゾー先生 《ネタバレ》 
まだあどけなささえ残る麻生久美子が収容所の所長との変態プレイをしていたのにはちょっとビックリ。 出征兵士の妻なのに淫売で純粋でひたむきな女というユニークな役柄で存在感がある。 日焼けした健康的な肢体をさらしてカンゾー先生に迫るのも印象的。 出征する童貞息子のためにソノコに淫売を頼み、さらには息子のお守りにソノコの陰毛を抜いてやる母。 戦時下での悲喜劇がペーソスをもって描かれるが、少し散漫な印象を受ける。 ラストは肝臓ときのこ雲を重ねて、肝臓病を戦争の隠喩としたかったのだろうが、物語としてのまとまりや盛り上がりに欠けるようで、ストーリーよりも麻生久美子の存在感が残る。 今村監督には昭和の邦画を象徴するものを感じるが、あまり好きにはなれない作品だ。
[ビデオ(邦画)] 4点(2013-06-04 01:05:55)
300.  17歳のカルテ 《ネタバレ》 
主人公スザンナの現実と幻覚を行き来する不安定な精神を表すように、フラッシュバックで時折り過去のシーンが挿入される。 心を病んだ少女たちに共通するのは、真面目で繊細すぎて痛みに耐えるのに必要な「強さ」あるいは「鈍さ」を持っていなかったことか。 たとえ外の世界が異常であっても、折り合いがつけられなければその世界にはいられない。 実父と近親相姦を続けているらしきテイジーを精神的に追い込んで自殺させ、それでも平然と遺体からお金を抜き取るリサの異常さが際立つ。 それを演じるアンジェリーナ・ジョリーの存在感はすごい。 デイジーの死に涙したスザンナは成長・変化することで外の世界に戻れたが、ベッドに拘束されたリサとの別れのシーンに和解と友情を感じる。 明暗くっきり分かれた形の二人だけれど、「私は死んでない」とつぶやくリサの言葉が望みを感じさせ、救いになっている。 『クワイエットルームにようこそ』と切り口は違うが精神病棟での実態が垣間見える作品だった。
[ビデオ(邦画)] 6点(2013-06-04 01:04:31)
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