301. セブン・イヤーズ・イン・チベット
「ナチのホロコーストに匹敵する」と言われる中国のチベット侵略を、極めて控えめな表現で描写。仏教国チベットらしく淡々と、必要以上に被害者意識を強調しすぎない所に好感が持てました。これは「既に過ぎ去った出来事」ではなく今現在も「進行中」の侵略、こういった映画が作られる意義は極めて大きいでしょう。少年は実在のダライ・ラマによく似てるなと思いました。死んでから思いっきり美化される人物はいますが、この人はまだ現役、ゴマカしようが無いです。といっても中国の圧力で訪日すらできない現状だそうで、ダライ・ラマ知ってる方は少ないかもしれませんが…(誰に訪日を許可しようが日本の自由なはずなのにおかしな話です。) 映像の美しさが特筆もので、中央アジアの雄大な光景を舞台にした一種のロードムービー的な味わいが素晴しかったです。 9点(2004-01-17 01:56:59) |
302. 八つ墓村(1996)
豊川金田一は頑張っていて好感持てましたが、もちょっと落ち着いてほしかったです。それよりも「鍾乳洞の無い八つ墓」なんてメインディッシュの無いフルコース料理みたいです。予算が無いならこんな大作でなく、もっと地味目の物にすればよかったのに。 5点(2004-01-17 00:31:45) |
303. 八つ墓村(1977)
原作の好きなシーンを色々端折っている所があって残念。でも映像化された本作の中では一番いい出来では。炎上する田治見邸、それを見下ろす亡者たち…派手なラストでイイです。渥美金田一は意外と合ってると思いました。袴姿で見たかったです。 7点(2004-01-17 00:22:34) |
304. ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ
共産主義崩壊・衰退に伴って幾多の優れた民族音楽が世に知られるようになりましたが、「ソン」はその最右翼。今まではキューバ音楽というと騒がしいイメージしかなかったけど、こんなにまったりとした音楽だとは思いませんでした。 7点(2004-01-15 01:22:10) |
305. 犬神家の一族(1976)
原作世界を忠実に再現してるのが良かった。テレビ版と比べると色彩感覚やヒロインの美しさ等、映画ならではの「華」が感じられてイイです。どことなく旅情を感じさせる所も良。古谷金田一と石坂金田一は甲乙つけがたいですが、映画の警部はちょっと不満。テレビ版のように締めるべき所はきちっと締めてほしい感じです。 7点(2004-01-12 22:25:39) |
306. バトル・ロワイアル
戦闘時間が正味90分として1人当たり2分ちょっと…テンポが速すぎて訳わからない話になるんじゃないかと思ってました。2人が転校生である事や三村戦のセミファイナルへの格上げなどは、限られた時間枠の中、話を分り易くする手段として個人的に評価できます。ただ原作で感じられたアツさ、生命感がほとんど感じられないのが残念。 6点(2004-01-12 21:38:55) |
307. ザ・ビーチ(2000)
「伝説のビーチ」の美しさは素晴しかった。CG(かな?)にはこういう使い方もあるんだなって思った。ただそれ以外の共同体とかが魅力無いので、3日で飽きそう。わざわざ和を乱す言動を取るリーダーがよくわかりませんでした。 一世代前のヒッピーの理想郷という感じ。 5点(2004-01-11 22:57:07) |
308. M:I-2
1と違う発想で撮れば良いというものでは… 単なる平凡なアクション映画になってしまった感じ。監督の選出から間違いだったのかも。 5点(2004-01-11 22:53:04) |
309. ミッション:インポッシブル
スパイ映画が本来持つ二転三転の知的ゲーム感覚の復活。アクションは少なめながらその分強烈、独創的。007すらネタに困ってるのに今頃なぜ?という思いが払拭された納得の一本でした。 8点(2004-01-11 22:42:34) |
310. バンカー・パレス・ホテル
どうやってホテルに入るのかわからない所が個人的にツボでした。たまたま「アンダーグラウンド」と一緒に借りて、あまりの似てさ加減にビックリしました。欧州人の発想の基幹にこういう感覚があるのかなという感じ。 6点(2004-01-11 22:29:31) |
311. 白い刻印
《ネタバレ》 炎上する納屋を見ながらの一服のコーヒー…今までの努力を全て水泡に帰して得る暗い開放感、この感覚はどこかで…と思ったらマルケスの「百年の孤独」のラストでした。シュールな描写は全く無いけど、「不条理もの」としてマルケスや安部公房辺りと同列に認識してしまう不思議な映画。 6点(2004-01-11 22:17:28) |
312. クリムゾン・リバー
《ネタバレ》 犯人の女性の演技力は凄かった。血統を重視しながらその辺の村人の血を入れるって発想が変。プロットが破綻してるのでは? あと細かい所だけど、雪崩の際に雪が「キュキュキュ」と鳴りながら迫ってくるのは他の遭難物には無いリアルさだと思った。 5点(2004-01-11 20:13:19)(良:1票) |
313. ワイルド・アット・ハート
純愛映画なのにバイオレンスでグロテスク。この感覚、他にどこかで見た事あるな、と思ったら漫画「愛と誠」でした。デフォー…「処刑人」も凄かったけど、こちらでも結構きてます。 7点(2004-01-11 13:28:03) |
314. エイリアン4
シガニーウィーバー氏を外してくれたら、3も4ももちょっと面白くなったのでは?元々「グリード」みたいな話が「地球に持っていく持ってかない」のせいで散漫なお話になってしまった。乗務員の命そっちのけで「エイリアンが地球に着いてしまう…!」 とハラハラするお客さん、居るんでしょうか? 5点(2004-01-05 00:52:53) |
315. エイリアン2
前出ですが、1と全く違う発想で且つここまで完成度の高いものに仕立てた技は見事。面白かったです。ただ1と比べて何回か見てると何故か飽きがくる。昆虫の生態系と一緒なのはエイリアンの「得体の知れなさ」が後退したようでちょっと残念。 8点(2004-01-05 00:44:20) |
316. エイリアン
無機物だか有機物だかわからないエイリアンの質感が良い。いかにも地球には存在しない物質という感じ。密閉空間を逃げ回る話は好きですが、この手の最高峰だと思います。 9点(2004-01-05 00:30:34) |
317. 薔薇の名前
1300年代のイタリアという滅多に見ることのない舞台。豪壮で陰鬱なゴシック~ロマネスク美術が素晴らしく、迷路のような大図書館探索シーンなどは圧巻。個人的には夢幻美という点で「ブレードランナー」と双璧をなす映画です。邦画も「八つ墓村」辺り、こういうスケールで撮れないものかなぁ… 9点(2004-01-03 15:39:41) |
318. ターミネーター2
コンピュータを破壊した以降はサラ達が死んでも意味無いわけで、何のために追っかけっこやってるのかはっきりせず、1ほどの緊迫感が感じられず残念。ラストは子供の頃、飯森宏一の漫画でそっくりな設定とオチで泣いた事があるので今一つ。 新型Tのアイデアは素晴らしいと思いました。 7点(2003-12-23 20:24:09) |
319. ターミネーター
ひたすら逃げて逃げまくるという、アイデア一発もの的な所が好き。後半、トラックが爆発して「これで骨だけになって追いかけてきたら怖いよな~」と思っていたら、本当にそうだったので嬉しくなってしまいました。 8点(2003-12-23 19:48:22) |
320. ロスト・チルドレン
子供の頃、本場の「ピノキオ」の邦訳版を読んで、挿絵のあまりの陰鬱さグロテスクさにヘコんだ記憶があります。そういう童話本来が持つ悪夢性がよく出てる感じです。溢れんばかりのイメージ、アイデア群がスゴイ。まともな判断力を持つ人間が培養液漬けの脳味噌だけというのが、またなんとも… 8点(2003-12-20 07:12:45) |