Menu
 > レビュワー
 > ドラえもん さんの口コミ一覧。17ページ目
ドラえもんさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 903
性別
自己紹介

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
414243444546
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
414243444546
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
414243444546
>> カレンダー表示
>> 通常表示
321.  ごめん
終盤、大阪から京都の彼女のもとへ自転車で激走するシーンが延々と続く。主人公の少年は部活の途中で、しかも剣道着姿のまんま。いつの時代でも若者というのは思いつめたら、なりふり構わず走り出すものだという象徴的なシーンである。“ごめん”と素直に言える純真さ・もどかしさ・不器用さなど、思春期のイタイ想いが詰まった初々しい気分が十分に伝わってくる、近年では出色の青春ドラマとなっている。ぎこちなさがいじらしくなってくる主人公セイを演じる、天才子役の名を欲しいままにしている久野雅弘。この年頃の男の子に常に一歩先を行っているイメージの、マドンナ役の櫻谷由貴花。共に好演で、この作品に生命を吹き込んで、より魅力あるものにしている。
8点(2003-03-06 18:01:21)(良:1票)
322.  砂の器
日本映画史に燦然と輝く傑作「飢餓海峡」に通ずる、まさに日本の戦後史の一段面を描いた力作。邦画としてはまだ珍しいイベント大作として製作され、公開当時大ヒットを記録した。松本清張の原作とは違い、映画はいわゆる推理ドラマとしてではなく、人間ドラマに焦点をあてた事で我々の感動を呼んだ。これは、橋本忍・山田洋次の脚本と脚色の功績であり、さらに当時、脂の乗り切った野村芳太郎監督の力技ともいえる演出が冴えわっていた事も、大きく貢献したようだ。特筆すべきは、幼いときの犯人と父親との二人が辿る遍路の道行きを、四季の変化の中で捉えたシーン。主人公の心情とその哀切感を鮮やかに描き切った、日本映画屈指の名場面となっている。ただ、俳優たちの何故か過剰な演技がやたら気になったものだった。
8点(2003-02-12 01:04:41)
323.  刑務所の中
花輪和一の獄中体験をもとに映画化されたものだが、原作がコミックということもあって、なるほど、それはそれは面白おかしく作られている。来る日も来る日も変わる事のない受刑者たちの規則正しい日常生活を、実に事細かくそして淡々と綴られていく。それはまるで耳心地のいい小噺を聞いているようである。「こんな所なら一度入ってみたい」と観客に思わせれば、それだけでこの映画は成功したと言ってもいい。が、刑務所もいろいろで、この映画でのそれは軽犯罪での受刑者たちがほとんどのようだし、現実はやはり厳しい環境である事に変わりはない。  
8点(2003-02-12 00:09:14)
324.  オールド・ルーキー
現実にあったことでも、描き方によっては嘘っぽくなってしまうという点が、実話の映画化の難しいところ。映画なのだから多少の誇張はあって然るべきなのだが、余りにも事がトントン拍子に運んでしまうと、つい眉に唾をつけたくもなるというもの。そういう意味で言うと、本作の虚実ぎりぎりのところは、J・リー・ハンコック監督のツボを心得た演出(再現と言い換えてもいい)で巧くクリアして、実に好感の持てる快作に仕上がっている。球速を測るのに車の計測器を利用するエピソードなどは、実に憎い演出だと思う。現実のJ・モリスは夢と家庭に悩むという優柔不断な男だが、そこがまた人間臭く魅力的なキャラとして受け入れられたのだろう。そしてその彼を演じるD・クエイド(=万年青年)の屈託のない明るい表情と嫌味のない演技が、この作品をより爽やかなものにしている。だから、ラストは多分こうなるだろうと分かってはいても、やはり泣けてしまうのだ。
8点(2003-02-11 18:11:03)
325.  酔っぱらった馬の時間
えっ!もぅ終わったの?上映時間1時間20分という、昨今の映画の中にあってこれはむしろ短編といってもいいほどの作品だが、いたずらにダラダラ長いばかりでさっぱり印象が残らない映画が多い中、これほど濃密な内容の作品は稀有だといえる。映画はイランとイラクの国境山岳地帯の寒村を舞台に、そこに住むクルド人たちの悲哀と、両親と死別し懸命に生きていこうとする幼い姉弟たちの姿を克明に描いていく。難病の兄を救おうと、大のおとなでも危険な密輸仕事を手伝う次男や、見知らぬ土地へ嫁がされる長女の姿に、貧しさゆえ互いに気遣い力を合わせて生きていこうとする子供たちのけなげさに胸打たれると同時に、地球の向こう側に厳しい現実が紛れも無く存在することを改めて思い知らされる。終盤、密輸のタイヤを運搬させるロバに、(おそらく寒さの気付けの為だろうか)酒を飲ませるシーンがあって、そのあと警備兵の待ち構える国境近くで本当に酔っぱらってしまった事から、次男らが死と直面する事となる。常に危険と隣り合わせで生き抜いていかなければならない彼らの長く苦しい闘いと、子供たちの行く末を暗示するかのように映画は終わる。テオ・アンゲロプロス作品を彷彿とさせる雪山の美しいシーンなど、セミ・ドキュメンタリーのような肌ざわりだが、あくまでもこれは劇映画なのだと理解するには、多少の時間を要するかも知れない。
8点(2003-02-07 00:19:06)
326.  ゴスフォード・パーク
30年代のイギリス貴族の屋敷を舞台に繰り広げる、R・アルトマン監督お得意の群像劇。複雑に入り組んだ登場人物を手馴れた演出でひと通り紹介した後、ある殺人が生じる。しかし本作は犯人当てのミステリーと言うよりも、むしろ階上の貴族たちと階下の召使たちそれぞれが織り成す人間模様に、より重点が置かれている。とりわけ表向きは平静を装っているものの、台所事情の苦しい名ばかりの貴族や、様々な思惑が交差する中での退屈極まりない浮世離れした宴といった描写など、彼らのエゴむき出しの俗物ぶりが炙り出されていく。貴族と召使との対比の構図ながら、建前と本音とを使い分けて世の中を生きていくことは、人間すべてに通ずる事。結果的には復讐劇のようでもあるが、これは人間の宿命と情愛の物語と捉えるべきだろう。それにしても、登場人物それぞれに見せ場をもたらすこのアルトマンの新作には、ある種の爽やかさと品格を感じずにはいられない。
8点(2003-02-01 00:01:35)
327.  MON-ZEN[もんぜん]
用意周到であるべきはずの旅が、飛行機とホテルの予約以外は意外に・・・いやまったくの行き当たりばったり。本場(日本)にまで行きたいと禅にハマっている割に、カタ言の日本語すら知らず、ガイドブックも利用しているやらいないやら。あたかもドイツ人気質を垣間見るようだが、本作はそんなドイツ人兄弟のおかしなおかしな日本珍道中記。そのまま、田舎から出てきた日本のオノボリさんの話に変更しても、なんら違和感がない。決して大袈裟ではなく、いかにもありそうなエピソードをコミカルさで程よくブレンドされ、一種ドキュメント風に綴られていく。彼らの遊び呆けたマヌケぶりは、そのうち愛らしくなってくるから不思議だが、それは二人の豊かな表情と演技を超えた演技からくるものだろう。それにしても所期の目的を達した彼らだが、果たしてこの“禅ゴッコ”で“悟り”が開けたのだろうか。そして本国へ無事に帰れたのだろうか。その後の展開が気になってしようがない。
8点(2002-12-29 01:30:25)
328.  モンスーン・ウェディング
冠婚葬祭にまつわる様々な人間模様といったテーマは、古今東西を問わず普遍であることを、この作品で改めて知らしめてくれる。ありきたりと言えばそれまでだが、ここに登場する人々それぞれに当然ながら、悩みや問題をかかえている。しかし彼らの決して後ろ向きでない生き方に、やはり共感せずにはいられない。上流階級のこれ以上ないと思えるほどの、煌びやかで華々しい結婚式の陰で、ぎこちない愛の表現ながらやっと見つけた幸せを、ひっそりと二人だけで永遠の愛を誓うシーンには、胸が熱くなる。国民性とはいえ、すべてをのみ込むように踊り狂う大団円に、爽やかな後味を残す。
8点(2002-12-29 00:43:34)
329.  チェンジング・レーン
まず、いかにも訴訟の国アメリカらしく主人公二人の、それぞれ置かれた立場こそ違え、こぞって裁判絡みというのも鋭く現代を語っていて面白い設定だと思う。先を急いでいると言う理由で、なんとも誠意のない対応からエスカレートして、互いの首の絞め合う行為が延々と続く中、それまでの二人の男の苦悩や生きざまが炙り出されていき、いつしか己の人生を賭けた闘いに変貌していくプロセスは、単に運命の悪戯という事以上に、何気ない日常に潜んでいる危うさというものを鋭く突いている。まさに“今”はそんな時代なのだと思い知らされる。決して他人事だと笑ってなどいられないのだ。今や超売れっ子で作品数も多いB・アフレックとS・L・ジャクソンだが、共に彼らの代表作の一本に数えられるだろう。
8点(2002-12-26 00:23:59)
330.  OUT(2002)
俳優の演技力が作品の出来を左右するものだと、つくづく痛感させられる。「OUT」とはまさにそんな作品だ。その見事なまでのキャラクターの創造性と四者四様のキャスティングの妙。そして監督の要求に的確に応える女優陣たちの凄いこと。映画は殺人を犯してしまった、コトの重大ささや悲壮感などよりも、むしろ一線を超えた事が決して特別なことではなく、極めて日常的な事として描かれていく点が面白い。彼女らが、まるで弁当を作る手際のよさで、流れ作業的に死体の処理をしてしまうシーンが、何ともユーモラスに描かれていく。金に細かく、個々に悩みを抱えて、今、まさに生きている女たちが、ひとたび連帯感(実に奇妙な)を持つと、かくも強くなれるのかという感覚を巧みに演出した平山秀幸監督の手腕は、さすがにソツが無い。とりわけ、密談の際の無菌室の使い方や、ドアスコープから見える室井滋の様々な表情などは原作では語りきれない、まさに映画ならではのもの。
8点(2002-12-25 16:33:03)(良:1票)
331.  スパイダー パニック!
鉱山のある小さな田舎町が巨大化した蜘蛛の集団に襲われるというもので、ストーリーは至って単純明快そのもの。その定石通りの展開とエンディングは“生物パニックもの”のお手本のようでもある。出演者の顔ぶれからして、作りはいかにもB級然とした作品だが、製作者がR・エメリッヒ&D・デブリンだと知り大いに納得。CGの利点を巧みに取り入れたそのVFXの完成度の高さは、ひたすら映像技術というものに拘りつづける彼らの期待を、今回も裏切る事はなかったようだ。様々な種類の蜘蛛たちが何故人間を襲うのか・・・と聞くのも野暮だが、それはもともと我々人間の蜘蛛に対する一種の先入観があるからかも知れない。それにしても“彼ら”の動きの見事さ、特にショッピング・モールの天井をゾロゾロ這いまわるシーンや、ジャンピング・スパイダーたちとの砂漠でのバイク・チェイス・シーンは一見の価値あり。正月映画としては、やたらダラダラ長いばっかりで、結局どこが面白かったのかさっぱり印象に残らない、世界的超ベストセラーの某ファンタジー映画より、よっぽど面白くできている痛快作だ。
8点(2002-12-24 18:15:01)(良:1票)
332.  この素晴らしき世界
ナチ支配からチェコが解放されるまでの厳しい歳月を、人々が如何に生き抜いていったかを、ユーモアとペーソスを交えて描いた秀作。戦時下の特殊な状況を描くことで、戦争の虚しさや愚かしさを批判した作品は数多くあるが、本作は人々の普遍的な日常のドラマを通して、人間の愚かさ・哀しさ、そして尊厳というものを、柔らかな眼差しで格調高く描いてゆく。戦争の行方しだいでは立場も逆転してしまうという皮肉な運命に翻弄される人々。そういった切羽詰った状況でみせる、人が他人を思い遣る心が大切なのだと、きっと作者は言いたいのだろう。やがて生まれてきた、まだ争い事など知らない無垢な赤ん坊。それは、すべての人々の魂を救済するような、あたかも神の啓示としての存在だと言える。映画は、まさしくファンタジックで感動的なエンディングを迎える。
8点(2002-12-13 00:06:43)
333.  
出産と育児のためとは言え、今や闘病を余儀なくされている別れた男との共同生活は、なんとも奇妙に映る。昨今、なぜか男がやけに優しい作品が多い中でも、これはかなり特異な作品ではなかろうか。彼らの生き様に共感を得るかどうかは別として、その微妙な男女の心の機微に説得力を持たせているのも、主役の二人の達者な演技に他ならない。とりわけ豊川悦司にはプロ根性を見せつけられた思いだ。映画は原作では表現できない、ある生々しさと詩的な部分を十分に表現し得たように思う。
8点(2002-12-12 18:00:41)
334.  ドニー・ダーコ
不思議な感覚の作品だ。それは、まるで自分自身が体験しているかのようでもある。一種のタイムスリップものか、或いは「シックスセンス」の流れをくむものか。観る人によって様々な解釈の出来る作品といってよいだろう。ただ、ひとつ言えるとすれば、誰しもが幼い頃に抱いた、“この世は自分を中心に動いている!”“この世は自分の為だけに存在する”といった感覚だろうか。それは“自分が死ねば同時にこの世も終わる”という意味でもある。ある事故がきっかけで、銀色のウサギの仮面を被った不気味な人物(あたかもあの世からの使者のような存在)から世界の終わりを告げられたドニー・ダーコの、夢とも現実ともつかない不思議な体験は、彼の願望そのものなのだろう。個人的な解釈だが、人間が死ぬ時に見る一瞬の夢というものを作者は描きたかったのではないだろうか。「ドニー・ダーコ?そう言えば、そんな子いたね。よく知らないけど・・・。」と言った意味のセリフを吐くのは、彼が憧れた近所の女の子。人死しても尚この世は依然として存在しているという現実を強烈に印象づけられるた幕切れだ。主人公の“その瞬間”がひたひたと迫りくるような帯状の雲の流れが奇妙にリアルで、VFX効果もいたって斬新だ。
8点(2002-10-15 00:17:24)(良:3票)
335.  トンネル(2001)
物語は東西のベルリンの壁ができる直前から始まり、やがてその壁を挟んでの脱出する側と阻止する側の攻防を克明に追っていく。残された家族を救出するためにトンネルを掘るという、共通の目的を持った人々の様々な思いが交差し、その人間模様が過不足なく描かれていく。その小気味よさ。そして多くの犠牲と障害に遭いながら、それでも生きていく希望を子供に託すラストは感動的ですらある。現代史の一断面を真正面から捉え、長尺で重苦しい内容でありながらも、ハリウッド製とはひと味違う、力の入った娯楽作に仕上げたローランド・ズゾ・リヒター監督の手腕は、高く評価されていい。
8点(2002-10-12 14:52:45)
336.  バイオハザード(2001)
結論から言うと、予想以上に出来が良く、実に見応えのある作品となっている。単に日本が生んだ世界的人気ゲームの映画化という以上に、アイデアと技巧を凝らした、まさに力の入ったアクション映画となっていて、こういった作品にありがちな企画の安直さなど微塵も感じさせない。見せ場のひとつ、逃げ場のない通路でのレーザー攻撃で人体がスライスされるシーンは、見事な特殊効果で唖然としてしまうほど強烈なインパクトがあるし、ゾンビ化した人間たち以上にドーベルマンの襲撃シーンはさらに恐怖心を煽って、少々呆気ないものの新機軸としては面白く出来ている。さらなる展開が予想される終末観溢れるラストの視覚映像もなかなかのものだが、ただ前段の研究施設から地下鉄道での脱出のタイム・リミットのスリリングさが出ていないのが惜しい。
8点(2002-09-16 16:07:54)(良:1票)
337.  続・激突!/カージャック
映画の後半のワンシーンに、夕陽に向かって驀進するパトカーといった美しいショットがある。これと良く似たシーンに、後年のスピルバーグ作品「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」のエンディングに描かれる、やはり夕陽に向かって疾走する馬群を連想してしまう。あたかもパトカーが主役であるかのような、そしてそれを馬に見立て西部劇を現代に置き換えたようなこのスピルバーグ劇場映画デビュー作は、家庭という秩序崩壊を扱ったハシリともなった異色のロード・ムービーだといえる。実話の映画化だったと記憶しているが、その賑々しさとブラックさはいかにも若き日のスピルバーグらしい才気を感じるし、まさにこれぞアメリカ映画だという印象をうける。ラスト、きらきら光る河原での逆光で捉えたシルエットの美しいシーンなど、名手ビルモス・ジグモンドのカメラが冴え渡る秀作。
8点(2002-09-16 15:21:40)
338.  RETURNER リターナー
ベースは「ターミネーター」を逆手にとったもので、後はご存知「マトリックス」「E.T.」「MI:2」等々(「異人たちとの夏」を彷彿とさせるシーンも・・・)、引用作品を挙げるとキリがないほど。“節操がない。”“オリジナリティがない。”と言われればそれまでだが、しかし、それらのヒット作のテイストが決して模倣ではなく、巧みなアレンジでドラマ及びアクションにしっかり生かされ、立派に自己主張している点で、実にしたたかな作品となっている。テンポの良い演出もさることながら、シャープでスピード感溢れるアクションと、VFXの完成度の高さには脱帽せざるを得ない。さらに、主役二人を喰ってしまいそうな岸谷五郎のキレっぷりが、作品をより魅力的なものにしている。作り手の頭の良さを痛切に感じさせる作品だと言える。
8点(2002-09-12 23:41:41)
339.  マジェスティック(2001)
「ルークが還ってきた」と信じて疑わなかったローソンタウンの人々。いや、無理からでも信じたかったほど、若者たちを戦争にとられた町は失意の底にあったのだと言える。町の希望の星となったピートを、ルークだと信じて静かに息を引きとる父親を、本当の息子のように涙ながらに見取る彼。使用人ですらその正体に気づいていたのに、父親が気づいていなかった筈もない。彼は幸せに死んでいったのだろうか・・・。それはラストに映るふたりの写真がすべてを物語っているような気がする。そして映画がまさに娯楽の王様であったこの時代、悲しい歴史の側面がありながらも、夢や希望を失わなかった人々の思いに胸が熱くなる。主人公を演じるJ・キャリーの屈託のない明るい表情が、この作品に生命を吹き込んでいる。それほど本作での彼は素晴らしい。
8点(2002-08-25 17:34:44)
340.  スパイダー
ある少女誘拐事件でたまたま捜査のパートナーとなった女刑事。人形のように整った美貌の持ち主だが、無表情でどこか影のある存在。その彼女に人生や仕事の悩みなどを打ち明けられたとき、かつて囮捜査が裏目に出て事故死させてしまい、救えなかった同僚とをついついダブラせてしまう主人公。目まぐるしく展開される作劇と、なんとも思わせ振りで巧妙なトリックについつい騙されそうになるが、冷静に考えれば大方の予想はつくというもの。したがって急転直下のクライマックスも決して唐突ではなく、十分に納得できるだけの説得力をもっている。細かい点を挙げればご都合主義的な部分もあるが、M・フリーマンの圧倒的な存在感がそれを補って余りある。
8点(2002-08-25 15:35:13)
000.00%
100.00%
240.44%
320.22%
4131.44%
5283.10%
610511.63%
719521.59%
832636.10%
916017.72%
10707.75%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS