Menu
 > レビュワー
 > 花守湖 さんの口コミ一覧。17ページ目
花守湖さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 644
性別
ホームページ http://hanakamiko.exblog.jp/

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順1234567891011121314151617181920
21222324252627282930313233
投稿日付順1234567891011121314151617181920
21222324252627282930313233
変更日付順1234567891011121314151617181920
21222324252627282930313233
>> カレンダー表示
>> 通常表示
321.  サニー 永遠の仲間たち 《ネタバレ》 
セイシュン、それは楽しみ100倍、苦しみ100倍。そして大人になって、ジェットコースターのようなセイシュン時代を思い出すと、苦しみですら良い思い出になってる。軍事政権下で、大人たちが殺し合いをしている。その横で、主人公たちが不良少女軍団と決闘している。抜群のセンスの武勇伝です。泣くほど笑いました。昔、似たような小説を読みました。みんなのボスだったジャイアンが大人になったら悪徳リフォーム会社の社員になってクビにされるのを怯えていた。みんなのマドンナの静香ちゃんは、DV夫と結婚し、昔の同級生だったのびたに、夫の愚痴をこぼしてばかり、という話でした。重松清の本でした。喧嘩が強かった子供や、美人だった子供ほど、大人になると、子ども時代とのギャップに驚くことがあります。この映画では、大人時代のみじめな自分たちには焦点が当てられていません。ひたすら輝かしい過去の栄光に焦点が当てられているのですが、現実から目を背けているわけではなく、しいて言えば、思い出という名の宝物を取り戻そうとする物語だと思いました。子供時代は傷ついた思い出しかない。しかしである。あるきっかけによって、自分の人生で一番輝いていたのは、あの瞬間だったと気が付かされる。人間って、失わないと、失ったものの価値に気が付かない。そしてセイシュンは失った後にその大切さに気が付く代表格のようなものだ。音楽って不思議です。10年前の音楽を聴くと10年前を思い出す。20年前の音楽を聴くと20年前を思い出す。私の時代は、今のモーニング娘じゃなくておニャン子クラブの時代でした。あのころの曲を聴くとやはり酸っぱい過去を思い出しますね。セイシュン時代は自殺したいほど苦しいこともあります。しかしなぜかそれが甘酸っぱい過去へと変わっている。つまり、死にたくても頑張って生きていれば何とかなる、ということです
[DVD(字幕)] 7点(2013-04-21 23:54:40)(良:1票)
322.  マネーボール 《ネタバレ》 
自分が応援しているチームを、TV観戦していると、負けるジンクスは私にもある。昔その確率を統計で調べてみたら7割を超えていた。だから私は大切な試合では、DVD録画して、結果で勝ったと判明したときだけ再生してみる。ちなみに日本シリーズで中日が巨人にまさかの3連敗を喫した理由は私のせいだ。我ながら厄病神だと思う。しかしビリービーンの厄病神ぶりもすごい?11点差を追いつかれたときは、呆れて笑ってしまったが、実話らしい。てゆうか、7点取られたあたりから、空気を察して、球場から去れよ。へんなところでビリーに共感してしまった。ところでアスレチック=松井を獲得したチーム。日本マスコミは好意を込めて、ケチケチ軍団と報道した。たしかにこの映画でアスレチックの吝嗇ぶりがよく分かる。松井:ヤンキース時代の打率・292。出塁率・370!松井の打率は、イチローより下だったが、出塁率はイチローより、はるかに上だった。イチローを買うのに数十億円、松井を買うのに3億程度、どっちを買うか?やはりビリーならば、松井を選ぶ。イチローよりも安くて、そのうえイチローよりも塁に出る回数が多いのだから必然だ。逆にビリーにとって一番嫌いな選手は、おそらくイチローのような選手だと思う。それは高額商品であるにもかかわらず、それがチームの勝利に結びつかないからだ。それはチーム事情という一言では片づけられない何かがあるのだと思う。また松井がワールドシリーズでMVPになったのも何か理由がある。その何かを見極める手法、選手個人の活躍ではなく、チームの勝利に貢献する選手の発掘こそが、マネーボール理論なのである!あーたいそうなことゆっちゃった、解説ぶっちゃってまあ。とにかく、私が言いたいことは、松井はまさにマネーボール理論の申し子だったとゆうことです。  
[DVD(字幕)] 7点(2012-10-27 13:03:06)(良:1票)
323.  黒く濁る村 《ネタバレ》 
私がすべての謎を解説します。けっこう核心をついた感想を書いている人もいて驚きました。レイプされ続けてきた幸薄の女性について。ヨンジは、村長一派に心から屈したわけではなかった。彼女が、毎夜、変態村の住民たちから、レイプされ続けていた理由は、岸谷五郎似のパパが、村長一派の、実質的な人質になっていたからです。村長一派が、ユンジの前で言う「俺はユ氏の味方だから」という言葉は脅迫です。もし、お前が逃げ出したりすれば、いつでもパパを殺すという意味なのです。そのため、彼女は村から脱出せずにレイプを受け入れていた。こういうクズ男たち、みているだけで吐き気がする。パパの死因は自殺です。パパは自殺することによって、ヨンジを解放し、村長一派と戦う決意したのです。パパは村長とズブズブな関係だったために、もはや離れたり、戦うことはできなかったのですね。息子を呼ぶように、彼女に指示を出したのもパパでしょう。サムドク祈祷院事件の犯人は、村長かもしれないし、パパかもしれないし、パパの信仰者であるヨンジかもしれない。村長ならば利己心から、パパならば狂気の善から、ヨンジならば揺るがない愛情から、殺す動機は三者三様。それだけの話で、だれが犯人でも、それを探すことが、本作品の目的ではないと考える。パパが長いあいだ、自殺を、ためらっていた理由は、やはり自殺は大罪だという思いがあったからでしょう。しかし、罪が人を救うこともある、という考えから、時間はかかったが、ようやくそれを実行した。問題のラストシーン。主人公は村を訪れる。村はまったく変わっていた。公園では子供が元気よく遊びまわり、村人たちからは笑顔が戻っている。そして歓喜にあふれる村の中心にいるヨンジを見上げて、主人公は、はじめて気が付くのだ。村を救ったのは彼女だった、と。主人公が、勝手に弱者で、村長の手先だと思い込んでいた彼女が助けてくれたんだ。最後の彼女の笑みは、「ようやくいまごろ気が付いたの?」という意味でしょう。レイプに耐えてきた女性の強さを表現しています。最後に主人公が、彼女に、ほんの少しだけ、頭を下げて、お礼したように見えました。
[DVD(字幕)] 7点(2012-10-08 15:56:53)
324.  東京島 《ネタバレ》 
十五少年漂流記のように、みんなで助け合って危機を乗り越えていくという涙ぐましい美談は1つもありません。エゴイズムの極致を追求したあらゆる描写が収斂されています。その象徴的な人間が清子とワタナベですね。ワタナベの変人ぶりは目に余るものがありますが、彼の他人に対する嘲笑や激しい復讐心の源泉は、他者との齟齬の自覚にあります。つまり過剰な自意識の裏返しなのです。だから彼は無人島で自意識が解放され、光り輝いたのです。清子は完全無敵のエゴイスト。生き抜くためにはどんな卑劣な手段を用いることも逡巡しない強さが秘められている。非力だがザバイバル能力はランボーすら凌駕する。清子とワタナベはまさにトウキョウ島の申し子であり、2人は水を得た魚のごとく一瀉千里の勢いで活き活きと島をかけめぐる。その描写はじつに素晴らしいものがある。人が秘める本能を「食欲」と「性欲」の描写を執拗に描くことによって炙り出すこと成功した。人間にとって「社会」とは摩擦相克の場だということも分かるかと思います。ちなみに東京島のオトコ連中は、この世の男尊女卑の思想を代表する愚か者たちなのである。現実問題としても、この世は男女平等を謳いながら男尊女卑がまかり通っている。罵るときは「バカ」だけでいいのに、わざわざ「バカ女」と言ったり、女性の弁護士にわざわざ「女弁護士」とつける。その根底には女性差別が含まれているのだ。「東京島」が痛快なのは男尊主義者たちが怒りで失神しそうな内容の物語だからだ。清子は女性軽視のバカな男たちを踏み台にして、ついに自分だけ無人島を脱出する。こんなに痛快な小説はあるだろうか?清子バンザイ!桐野の小説は、男をのこぎりで切ったことにより、男をばかにしていると批判されて直木賞を逃したこともあるが本当にばかな中年男たちは、人間の本質がわかっていないのだ。ハリウッドのリメイクではぜひ女優レニー・ゼルウィガーが清子役をしてもらいたい、第二候補は杉田かおるでよろしく頼む。
[DVD(字幕)] 7点(2012-02-25 21:25:21)(良:1票)
325.  [リミット] 《ネタバレ》 
ダイハードのマクレーン刑事を思い出した。警察は基本的に犯人の要求に従おうとする。特に日本はそうだ。なのにアメリカは違う。人命を尊重し、犯人の要求に従おうとすると、なぜかその行動はテロリストのいいなりだ、弱腰だ、というスタンスで描かれてしまう。そんな弱腰の組織に対しあのバカ者のマクレーン刑事は「テロに屈するな!」とほざいて孤軍奮闘する。そしてテロリストを叩きのめす。そのおかげで人質は殺されまくりだ。飛行機の大爆発なんて人質の乗客が何百人死んでいるんだよ。この映画、じつはその「人質」たちの声を代弁した物語になっている。正義の理不尽さを描いているだけなのだ。その人質の1人はこう言う。おまえらが正義を実行するのは構わないが、殺されるこっちの立場にもなってくれ、頼むから身代金を払ってくれと。あぁ・・でもそれじゃ正義はカタルシスを得ることができないし、観客も満足できないのだ。監督の言いたいことはよく分かる。名もなきトラックの運転手が殺されたという事実。そんな事実は正義のヒーローが悪を倒したあとでは、歓喜の声でかき消されて忘れ去られてしまう。むしろ、名もなき人質が悪人に殺されたほうがモチベーションが上がる。最後にテロ人質対策のオジサンが「ごめん・・救出場所を間違えちゃった」と平謝りしていたが、しかしこの後、彼は仇討ちを行う。むしろ仇討ちを行うことのために人質とは死ななくてはいけない暗黙のルールがある。そして救出者が悪を倒す英雄へと変わるのだ。英雄は歓喜の声をあげ、こう叫ぶ。正義は勝つ!! 運転手はどうしても死ななくてはいけなかった。でなければこの漆黒のメッセージは成立しなかったのだ。こういう映画、たまらなく好きだ。
[地上波(吹替)] 7点(2011-11-05 23:19:56)
326.  オーロラ 《ネタバレ》 
結論から先に述べると物語としては面白くはない。だが視覚的に観る価値はある。バレエ映画としては恐らく世界最高峰である。内容は簡単に言うと、踊ることを禁止された国で、やんちゃな姫が踊りまくって、王様がケシカラン!と怒って騒動が起こるというもの。そこに王様である父親の悩ましい過去や、そして母親である王女の痛々しい過去がからみあって、さらに弟の皇太子が、姉のオーロラ姫に恋心を持っていたりする。これは複雑なヒューマンドラマか??と思った矢先、いきなり、姫が「わたし・・・妖精が見えるワ!」と言い出した後は、問答無用でファンタジー映画へと突入していく。思いのほか、つかみきれない映画であった。あげくのはてにオーロラ姫は、空を飛んでしまう。雲の上まで行ってしまう。そこは天国だろうか?あまり深く考えると損をする気がする・・。そこで恋する貧乏画家と踊る。三島由紀夫賞を受賞した舞城王太郎の阿修羅ガールみたいな許しがたい展開が次々と起こる。しかしそれを差し引いても、雲の上での踊りは圧巻であった。貧乏画家は一流の踊り手だった。製作者が、徹底して踊り重視の姿勢を貫く余り、物語性をとことん排除している。そのせいか意味不明な点はいくつかある。しかしやはり視覚的には満足はできる。残業時間が3時間以上越えてクタクタになって帰途につくサラリーマンよ。君らにお勧めできる癒し系の掘り出し物映画だ。1シーン、1シーンが、フェルメールの画のように光沢を放っている。美しさ重視だと理解してご覧ください。
[DVD(字幕)] 7点(2011-03-20 20:31:30)
327.  しあわせの隠れ場所 《ネタバレ》 
マイケル・オアーのあの体格、あのパワー。大関把瑠都を彷彿とさせる怪力を発揮して笑わせてくれる。こういう映画をみていると、バスケで刺青をした黒人選手も一歩間違えればギャングなんだろうと、考えさせられる。それがほんの紙一重で超一流選手として成功している。それにしても、何を好き好んで、どこの馬の骨かも分からない大男を自宅に居候させるのだろうか。しかも相手は黒人。偏見だろうが差別だろうがやはり黒人は怖い。身の危険を感じる。しかしだからこそ、主人公は立派です。偽善だろうが、金持ちの道楽だろうが、自己満足だろうが、ゴジラのような巨人を引き取ろうとしたのだから。そもそも偽善者と言われるのが怖くて他人の目を気にして行動できない人間よりよっぽどマシだ。貧乏人こそボランティアをよく馬鹿にするけど、それは自意識過剰だ。救われる人間は、「おれをこじき扱いして失礼なヤツだ」と怒る人はあまりいない。ほとんどの人は救われたら感謝するはず。しかし主人公は人を救ったことによって世間の好奇の目に悩んでいた。他人からみれば、金持ちの道楽。偉そうなことをしやがって、と影で思われているはず。この映画じたいをそう思っている人も必ずいる。本人も自分は偽善者なのではないかと悩む。そんなとき、彼女は夫に「私は本当にいい人?」と聞く。夫は「おれにとって君は世界一の善人だ」と言った。分かりますか?善人という概念は相対的なものに過ぎないのです。愛する家族から「いい人」だと思われていれば、それが相対的な真実になります。金持ち=性格が悪い。それは金持ちを悪者にすると共感されやすいからそうしているだけ。この作品は黒人に対する偏見よりもむしろ金持ちに対する偏見が描かれているのではないかとさえ思いました。勇気を持って行動した女性に拍手。そしてサンドラブロック、相変わらずバカ男をやりこめるのがうまい。彼女は偉大な女性です。 
[DVD(字幕)] 7点(2010-08-26 19:09:54)(良:1票)
328.  ラブリーボーン 《ネタバレ》 
ピータージャクソンの映像美は満足できるレベルです。本作品の舞台である「あの世」とは現世と天国の境目。つまり少女は三途の川を渡ろうかどうかってところで行ったり来たりしている。こういう不思議な空間をこの監督に与えたらとんでもない映像を作り出せる才能がある。「乙女の祈り」で少女たちが空想で作り上げた第3の世界しかり。「キングコング」のドクロ島しかり。「ロードオブザリング」の魔法の世界しかり。見所は家族愛でもなければサスペンスもない、彼の作り出すイマジネーションあふれる世界観なのです。少女ばかり殺している殺人犯の死に方について。あれはないと思いました。犯人に己の罪に対する罰を自覚させることなく死なせるなんて。これは悔しかった。だけど監督は犯人の罪と罰には興味がなかったのでしょう。彼は無念にも殺されてしまった少女たちを、自分のつくる物語の中で幸せにしたかった、ただそれだけの自己満足のためにこの映画を作ろうと決意した。私はそう信じます。世の中は男女平等と言いながら腐りきった男社会だ。動物界と同じようにしょせん力の強い男が、非力な女性や子供を虐げている。痴漢、レイプ、DV、幼女監禁、いいですか?法律が一度でも女性たちを救ってくれたことがありますか?この世に神などいるはずがない。しかし映画監督は自分のつくる作品のなかでいつだって神になれる。あのラストシーン。犯人が死んだことによって、「あの世」の女性たちはみんな笑顔になる。監督は現実では救えなかった弱者たちを物語のなかで救ったのである。じゃあこれからみんなでそろって天国でも行きましょか。女性たちのそんな会話が聞こえてきそうだ。厳しい弱肉強食の現実とは大きくかけ離れた物語。しかしある意味でこれこそ究極のファンタジー。 
[DVD(字幕)] 7点(2010-08-13 19:20:44)(良:1票)
329.  ココ・アヴァン・シャネル 《ネタバレ》 
100年続く大帝国を築き上げたシャネルって何者か?私は起業家シャネルのカリスマ性に注目していた。ところがシャネルは他人の家に勝手に居座って暮らしているだけ。お前はアリエッティかよ。だけど当時は女性が働きたくても働くことが難しい時代でした。ようするに完全な男社会。バカな男たちに支配された女性たち。隠喩的にこの時代を表現するならば、男は女性を鎖につないで自由を奪い、奴隷にしていた。そういう時代においてシャネルは男社会に足を踏み込んで自由を手に入れた。この作品からは理解しにくいですが、彼女は女性進出のパイオニアだった。彼女の後に多くの女性が自立の道を選びます。リンカーンは黒人に対して奴隷解放宣言を出した。シャネルは女性に対して奴隷解放宣言を出した。そういうことです。彼女がフェミニストの旗手たるゆえんはそんなところではないでしょうか。しかし残念なことに、本作品では主役の女性がまだ自分の才能を開花させていません。この作品を一言で説明するならば、シャネルの雌伏の日々が描かれている。しかし彼女は雌伏の期間を経たからこそ、大きく羽ばたくことができた。そう思うようになったのは、おそらくこの映画のおかげです。ちなみに100年もブランドを守り続けるのは容易ではありません。たとえばジブリブランド。もうほとんど消滅しそうです。ブランドっていうのは1人のカリスマが作り上げるものです。しかし後に続く人間も相当優秀じゃなくては消えてしまう。シャネルがシャネルに変身する前の雌伏期間の映画だと思ってください。 
[DVD(字幕)] 7点(2010-08-12 20:19:43)
330.  NINE(2009)
点数を細分化します。(女優)ペネロペ・クルス。グイドの愛人役。曲はA Call from the Vatican・・7点。歌唱力は帰郷(ボルベール)で証明済み。しかし今回は歌は度外視。セクシー重視。そのセクシー度がちょっとやりすぎ。まるでストリップ劇場。笑えたから7点。  (女優) ジュディ・デンチ。グイドの親友。曲はFolies Bergères・・3点。大女優だが私の近所に住むおばあちゃんに似ている。従って3点。  (女優)マリオン・コティヤール。グイドの妻。曲はMy Husband Makes Movies,Take It All・・9点。国民的歌手ピアフを演じ主演女優賞を獲得。その実績をひっさげ、9では主役級。だけどあの男の妻じゃ心労も重なるのだろう。痛々しいバラードに9点献上。  (女優) ケイト・ハドソン。記者役。曲はCinema Italiano・・10点。目が覚めるほど爽快な曲。グイドごときダメ男は、遊び相手にするのが一番よ、と言わんばかりのスタイリッシュさ。この曲だけを聴いて映画館を出ても許される。一番ダウンロードして聴きたい曲。  (女優)ソフィア・ローレン。グイドの母役。曲はGuarda la Luna・・5点。森光子と同様に存在するだけで奇跡。ただしリズム感ゼロ。母性を演じたせいで子守唄っぽい。語りかけるように歌う。催眠術かと思った。  (歌手) ファーギー。娼婦役。曲はBe Italian・・10点+加点5点。有名女優たちの競演のなかで、1人だけ実力派の歌手。やはり群を抜いている。その圧巻の歌唱力に加え、タンバリンと砂を組み合わせたパフォーマンスはもはや芸術だ。まぎれもなく君が№1だ。  (男優)ダニエル・デイ=ルイス。主役グイド。曲はGuido's Song・・0点。歴史に残るダメ男を演じてくれた。よれよれのネクタイ、ベタベタな髪、体から発散されるニコチンの匂い、寒気がするナルシストっぷり、すべてがパーフェクトのクソやろうだった。お前は一生石油でも掘ってろ。  (女優)ニコール・キッドマン。女優役。曲はUnusual Way・・6点。ムーランルージュで活躍した勢いはすでにない。大スターだが他の女性と比較すると見劣りする。しかしグイドを愛する女性たちは必然的に曲が暗いので損をしているのも事実。総合得点(7+3+9+10+5+15+0+6)÷8人=7点。 
[映画館(字幕)] 7点(2010-03-24 20:34:06)(笑:1票) (良:1票)
331.  愛を読むひと 《ネタバレ》 
ポイントは2つ。なぜ彼女は死を選んだのか?なぜ彼女は文盲であることをひたすら隠し通したのか?文盲であることを知られるのが恐くて、裁判で死刑になるかもしれない罪を受け入れてしまう彼女の心理状態がよく分からない人も多いと思います。大抵の人はあの裁判所で偶然彼女を見つけたら「彼女は文盲だから無実だ」と叫んで救おうとするでしょう。しかしあのエロ青年はそれをしなかった。このときはじめて、こいつはただのエロじゃないと見直しました。この監督の「めぐりあう時間たち」をご覧になればさらに理解が深まると思いますが、人間は地雷で手足を失っても頑張って生きている人もいれば、第三者からみればこんな他愛のないことで?という理由で、あっけなく自殺する人もいる。それらの違いは、強い人間と、弱い人間の違いではありません。人が感じる不幸や屈辱は相対的なのです。彼女にとって文盲が他人に知られることは憤死に等しい恥辱であった─。少なくとも男は愛する女性のそういう本質を理解していた。ではなぜ彼女は自分を愛してくれた男と出会った直後に死を決意したのか?1つだけ言えることは、「坊や」と過ごした当時の彼女は、彼を愛していなかったことです。しかし、長い刑務所生活のなかで、男との生活が自分の人生のなかで一番輝いていたことを悟った─。多くの人間は、例外なく、「幸せ」を失ってから「幸せ」だったことに気がつきます。それが人生です。彼女は刑務所のなかで、はじめて彼を愛し始めた。それなのに出所の直前に男と出会った彼女は、もう自分が愛されていないことに気がつく。愛を読んでくれた男はいつのまにかクソジジイになり、自分はクソババアになっている。もう過去には戻れないという事実─。彼女は自分の人生にとって一番輝かしい過去の思い出を守るために死を選んだ。しかし、実は男は彼女を愛していたのである。男自身がその事実に気がついたのは、やはり彼女を失ってからでした。人は失ったあとに、失ったものの大切さに気がつく。これも人生です。
[DVD(字幕)] 7点(2010-03-04 19:38:02)(良:4票)
332.  レイチェルの結婚
男は愛する女性の最高の晴れ舞台を成功させたい気持ちは持っていますが、「結婚式」という行事にはうんざりしているものです。これを見ていると、結婚式は面倒くさいというよりも、恐くなってきます。まずはパーティーのシーン。友だちからのお祝いの言葉が延々と続く。これがまた恐ろしいほどつまらない。友だちのB級ギャグに悶絶しそうになる。しかしもし私が結婚する立場だったら胃を壊しそうな思いをしながら必死で作り笑いをしていることでしょう。このシーンは不自然なほどに長いのですが、結婚式疑似体験映画をアピールしている本作品には必要不可欠なんだと思います。「他人の結婚式はつまらない、本人の結婚式は苦痛」とはよく言ったもので、それがうまく表現されていました。さらにめまいがするほどくだらない義父との皿片付け競争を容赦なく見せられる。もし私の立場だったら、結婚式で義父と戯れることなど絶対にできない。そんなことをしたらストレスで胃潰瘍になってしまう。ただし、これも家族の絆を築いていくためには必要なイベントなんだと思います。家族ってタイヘンだ。とにかく疲れる。家族がいなければ、かえって人生の苦しみは10分の1に減るかもしれない。でも家族の必要性は喜びや快楽を享受するだけではないと言われています。私には未知の世界です。だからこれを観るのがつらい。ちなみに結婚において男女が恋愛のみで乗り切っていけるのは20年が限度だと言われています。そのうち、お互い歳をとり、醜くなっていき、体臭も酷くなるのは自然の理。結婚とはしょせん紙切れ一枚なので男女をつなぎとめる効力はありません。夫婦が恋愛同士から共同生活者へと移行し、乗り切っていくためには、家と家のつながりが必要です。最近の離婚率の増加は家同士のつながりが希薄になってきたからです。そんな結婚の真実を垣間見ることができる良質な結婚式疑似体験映画でした。
[DVD(字幕)] 7点(2009-12-04 22:35:03)
333.  崖の上のポニョ 《ネタバレ》 
崖の上のポニョよりも、崖の上の一戸建てのほうが気になったのは私が現在マンションを購入しようと考えているからなのかもしれません。自然フェチの家族がザバイバル生活を楽しんでいるだけなのか、それともよほど坪単価が激安だったのでおもわず衝動買いしてしまったのか、いずれにせよ、あんな所に住む家族は、物好きを通り越してクレイジーです。海辺なのに空の色は常に薄暗く、リサの狂気じみた運転は、ほんの一瞬、カリオストロにおけるルパンの無謀運転を思い出して愉しくてわくわくしてくる。でもそんなことを言ったら、また道徳に厳しい立派なご両親のお怒りを買うだろうか?それもまた痛快だ。ふふふ・・。リサのドライブシーンは間違いなく血沸き肉踊る。モラル違反承知であえて言わせていただくなら、リサ、ブラボー!母親は偉大です。1つ気になる点がある。リサとポニョママらの存在感に対し、父親たちの影が薄い。子から嫌われるポニョパパと家庭に存在しない宗介パパは、宮崎監督自身の姿に間違いない。監督の息子が隠喩を用いて、父親殺しの物語を作ったことからも分かるように、宮崎氏の息子に対する暗澹たる思いが、作品の中で鈍い鉛色の空色となって表現されている。私は子供にとって父親は必要ないとずっと言い続けてきました。母親さえいればいいのです。ラストシーンの「あの世」は、母親と老人たちが全員死んだと解釈します。現実の厳しさを教えられました。でもアニメを通して勉強させないでください。成長するときは勝手に頑張りますからどうぞご心配なく。説教が聞きたいときは、近くのお寺に駆け込みますからそれも結構です。いぜんわたしは、「宮崎アニメは立派だから観なくてはいけませんよ」といって、ムリヤリ嫌がる子供の腕を引っ張って、映画館へ連れて行こうとする母親の姿が社会問題を引き起こすと予想したことがあります。しかし監督も同じ危機意識を持っていたようです。本作品をひとことで評するならば、原点回帰です。子供のアニメが戻ってきました。足りないものは「冒険」だけです。もしかすると宮崎アニメは復活するかもしれない。監督は一番大切なことに気がついた。次回作に期待します。私に言えることは1つしかない。とりあえず長生きしてください。 
[DVD(字幕)] 7点(2009-08-11 22:08:08)
334.  不都合な真実 《ネタバレ》 
温暖化防止の宣教師と化したゴアは情報伝達の手段として映画を利用した。そうすることで彼は1000回の講演を行なうよりも、大きな効果を得ることができたと思っている。少なくとも日本人は映画化にしたからこそ、ゴアの話を聞くことができた。聞いてどう思うかは人ぞれぞれだが、「より多くの人に自分の話を聞いてもらう」というゴアの当初の目的は達成された。その話のなかでも「ぬるま湯のかえる」の話は面白い。温暖化問題は今すぐ生活に影響を与えるものではない。だから冷え症の私は、少しぐらい温暖化になってくれたほうが冬は助かるとまで思っている。もし今すぐ私が温暖化でダメージを受けたならば、そういう甘い考えも吹き飛ぶはずだ。だが残念ながら温暖化問題はぬるま湯である。多くの人は当分温暖化によるダメージは受けないだろう。そして気がついたときにはかえるのように破裂している。私は「地球」というのは1つの生命体だと思っている。地球は人間と同様に免疫力を持っている。地球はいま、自身の生命が人間という悪質なウイルスによって脅かされていることに気がついた。いずれ自己防衛本能を発揮し、人間を淘汰しようとするのではないか。たとえばエイズ。あれは性の冒涜に対する神の罰ではない。熱帯雨林を破壊したことによって生まれた環境病である。エボラ、鳥インフルエンザもしかり。野焼きの一番の恐さは未知の病原体の発生である。このように温暖化問題にかかわらず、人類が地球にとって害のある存在である以上は、地球は自身を守るために、あらゆる手段を用いて人類の人口を調整しようと試みるだろう。エイズやエボラは地球の防衛本能なのだ。それが地球の免疫力だ。おそらく温暖化問題はエイズやあらゆるすべての問題と直結しているはずだ。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2009-02-25 19:07:19)(良:2票)
335.  ゼア・ウィル・ビー・ブラッド 《ネタバレ》 
起業家というのはエコ運動とは無縁の究極のエゴイストじゃなければ務まらないと思っているので主人公ダニエルがことさら悪人には見えませんでしたし、むしろ大阪商人だったらこの程度は「ふつうじゃん」と言うだろうなと思いながら観ていたのですがしかし人格者と言われている松下幸之助や風雲児と言われている本田宗一郎や天才ビルゲイツのように美化されて偉人化されていないぶんだけ、主人公の人物像に客観性を感じることができて好感が持てました、何よりもこの男は自分の行動のすべてが「目的」にむかっていることに気がつき、気がついたとたんにこういう男が成功するんだよなと考えだすと、そういうことができない自分と比較してブルーになったり尊敬したりしてました、自分の行動のすべてが「目的」に関連づけされていることをコンセプトっていいますがダニエルは子供を拾ったことも、子供を捨てたことも、人を殺したことも、大ッ嫌いな教会で土下座して懺悔したことも、すごくむかつく若造の神父に殴られて半笑いを浮かべてられるのもぜんぶ自分の目指す「目的」のために害があるか有益なのかを判断しての行動であり、こういうのってなにげにすごいと思います。成功する人間は自分の行動のすべてが「目的」の方向にむかっている人だと改めて思いましたしそれは仕事時間だけではなくて食事の時間も睡眠の時間もすべて含まれるわけで、怪我の多いプロ野球選手はこのコンセプト意識が欠如しているから練習と試合の時間帯だけを一生懸命頑張ればあとは銀座で夜遅くまで騒いでいても大丈夫だろうと考えているからだめなわけで逆にイチロー選手のようにもしここで睡眠時間を1時間少なくしたら明日の試合の集中力は5%落ちて怪我をする確率は1%増えるというふうに計算する人が最後には勝者になるのだと思います。ようするに成功する人はどこまで自分の行動を「目的」と関連付けすることができるのか?ということが言いたかったわけですね。「成功」とは偶然の産物ではなくすべて必然なのだと改めて思いました。 
[DVD(字幕)] 7点(2008-10-24 21:51:57)(良:3票)
336.  キングダム/見えざる敵 《ネタバレ》 
サウジとアメリカのぐだぐだな関係が、娯楽映画を通して、ソフトに知ることができます。ようするにアメリカとサウジのような関係は、沖縄問題でも同じように、どこにでもあるのでしょう。悲しいことにアメリカ兵の存在そのものが現地の人々に攘夷主義的な感情を抱かせてしまう。アメリカは守っているつもりでも、守られている国はそうは思わない。もちろんアメリカは利権も狙っている。しかしそれのどこが悪い?役務の提供には対価が存在するのは当然なのです。FBIはボランティア団体ではなく、アメリカ国民の税金で成り立っているとだけ言っておきましょう。サウジに乗り込んできたアメリカ人を最後まで一人も殺さないというこの物語は、強烈なアメリカ批判のメッセージがあります。これをみてごらん、アメリカ人が他国を蹂躙したんですよ!と叫びたいわけです。私のようにアメリカに同情的な者にとっては、ちょっとひどすぎやしないかい?と思ってしまう。左翼根性むき出しにして、両国の関係をここまで善悪に分けて描いていいものだろうか。この映画をみたサウジの人々は、逆にアメリカ人に同情するかもしれませんよ。アメリカ人が1人も死なない+サウジの人がいっぱい死んだ=サウジの人が怒る→アメリカはけしからんという。このように監督の意図した展開になるとは正直言って思えない。この情報社会において、そんな短絡的な考えかたをしてしまう人々は北朝鮮を除いて他にいないのではないか?理屈で見ると青臭い映画。しかし理屈なしで見ると、久しぶりに手ぶれ映像で酔わなかったので満足できました。ようするに、アメリカがアウェーで大暴れする映画だと思えば楽しめます。 
[CS・衛星(字幕)] 7点(2008-10-14 19:51:24)
337.  ノーカントリー 《ネタバレ》 
映画史に残るオレ流の殺し屋でした。この殺し屋の怖さは独特です。「どこからお越しですか?」と世間話をしようと声をかけたら「それはどういう意味だ?」といって突然キレて、ポケットからコインをとり出して「裏か表か当ててみろ!」とすごむ。こんな殺し屋、絶対にイヤだ。不条理が服を着て歩いているような殺し屋でした。ルールというのはみんなで決めるものではなく、力の強い者に決定権があるという哲学的な殺し屋でもあります。そんなオレ流の殺し屋が、社会のルールに従って、青信号で交差点を渡ろうとしたら、信号無視の車に追突されて瀕死の重態に陥ってしまうというコーエン兄弟ならではの滑稽さが際立っている。殺し屋と善戦したモスのあっけない死にかたは「西部戦線異状なし」を彷彿とさせる。「死」とは日常そのものであり、劇的なものではないという渇いたメッセージ。シーンの1つ1つにこだわりが感じられる。圧巻の世界観に惚れました。 
[DVD(字幕)] 7点(2008-09-01 20:42:09)(良:1票)
338.  28週後... 《ネタバレ》 
出だしはよかった。気持ちよさそうなふさふさした大草原で、パパとゾンビが追いかけっこ。ゾンビと大自然という神秘的なアンバランスさに衝撃を受けました。ところがパパが感染してパパゾンビになってからがひどい。パパゾンビが暗闇のなかで人を襲うシーンがありましたが光をピカピカさせながらカメラをグルグル振り回しやがる。死ぬかと思った。気絶しなかったのが不思議なくらいだ。ああいう映像は正気の沙汰とは思えない。自律神経が乱れてうつ病になったらどうする気だ?手ぶれ映像は増える傾向にあるが、そのうち映画館で事故が起きると前もって予言しておく。アネロンを飲むヒマすら与えてくれなかったことに憤りを覚える。特にアクション映画の手ぶれは、ドグマ映画における自然な手ぶれとはあきらかに違う。カクテルをシェイクするときのようにカメラをシャカシャカ振り回している。冗談じゃない。観客は地震を疑似体験したいわけではない、映画が観たいのだ。手ぶれなどクソ食らえである。それと子役の姉は美人だが顔の表情が冷たすぎて、弟に対する母性愛が感じられなかった。主役の姉弟が可愛くないから助かって欲しいという気持ちがわかない。むしろ姉弟は感染を拡大させた責任をとって切腹してほしいと思ったくらいです。このぶんじゃ続編はあるとおもう。続編は28ヵ月後か28年後に違いない。調子にのって280年後まで作ってしまいそうで怖い。280年後というと未来のSF型ゾンビ映画だ。宇宙ステーションにゾンビが大量発生し、宇宙遊泳しながら近づいてくるゾンビは怖いかもしれない。そうなればゾンビは歩くべきか、それとも走るべきか、というツマラナイ議論など吹き飛ぶと思う。ネタは尽きることはない。私は何だかんだ言ってもゾンビは好きだ。ゾンビバンザイ! 
[DVD(字幕)] 7点(2008-06-21 19:45:16)(笑:5票) (良:1票)
339.  アイ・アム・レジェンド 《ネタバレ》 
もうすこしB級色の濃い明るいゾンビ映画を期待していましたが、すごく真面目なゾンビ映画でした。だから息が詰まりそうでした。まずゾンビが頭がいい。主人公が宙吊りのトラップをしかけたのを見てゾンビたちは真似をする。主人公は難しい研究をしているくせにイライラするほどマヌケです。突然マネキンにキレて銃を乱発したあげく、罠にはまって宙吊りにされて気絶してしまう。それなのに飼い犬に「おれは大丈夫だぜ」と余裕をかましておきながらヒモを切った自分のナイフに足を突き刺してしまう。さっさと死ねよ、と真剣に思いました。主人公のドジのせいで死んだイヌがかわいそうです。ところで人間が失望をするときはどういうときでしょうか?それは希望を持っているときです。希望を持っているからこそ失望という感情が芽生えるのだと思います。たとえば主人公が非常に怒ったシーンがありましたよね。その理由は別な場所に人間が生存していると、女性から聞かされたからです。あのときそれを聞かされた主人公は恐くて仕方なかったのだと思います。なぜなら主人公はすでに何度も希望を抱いてそのたび失望してきたからです。治療薬をつくる作業もまさに希望と失望の繰り返しです。あまりにも多くの失望を経験しすぎたため希望を持つことを無意識のうちに避けるようになった。もう二度と希望を抱いてそのために失望を繰り返して傷付きたくなかった。それがあのときの彼の怒りの源泉です。彼は希望を捨てた男だったのです。その男が死ぬ間際になって希望を持った。そのシーンがかなり感動的です。主人公にとって治療薬の完成は、今までずっと沈黙してきた神がようやく姿を見せたということに他になりません。「この治療薬でゾンビになっているおまえたちを救ってやれる!」と涙を流して叫んでいる主人公の様子にもらい泣きしそうになりました。救ってやりたいなら車でひき殺すなよ、と少しだけ思いましたが。いろいろな意味で今回のウィルスミスはヘタレなのか救世主なのか天才のか天然ボケなのかつかみにくいキャラでした。だけどこれが人間の本当の姿なのでしょう。これはけっこうヒューマンドラマです。 
[DVD(字幕)] 7点(2008-05-05 22:44:28)(良:4票)
340.  アポカリプト 《ネタバレ》 
残虐シーンをみせるために作られた映画でした。どれだけ文明が進化しても人間の本能は、無意識のうちに殺戮シーンを好むようにできています。ゲームや漫画の目的もつきつめれば殺し合いです。ただし「殺した」という表現は使わずに「倒した」という言葉でやさしく本質を包み隠している。メルギブソンのつくる映画はそのような人間の隠し持つ根源的な攻撃本能ともいえる欲求を常に満たしている。しかし見せ方が露骨だというだけです。露悪趣味もここまで一貫性があるならばかえって潔い。1つ気になったのは「足」です。カメラはなかなか足をうつさない。しかし主人公は裸足であのデンジャラスな森を疾走していたと思う。カメラの照準をもっと「足」にあわせても良かったのではないか。そして見所はなんといっても逃げるシーン。「ジャガーを連れてきた男に気をつけろ」という予言がありました。連れてきたというより追いかけられているだけやろ!と突っ込むのは野暮なのでやめておきます。あのジャガーは本物だという。すごい存在感だった。視聴率低迷に悩むアカデミー賞なんだから、サプライズでジャガーに助演男優賞を与えるくらいの演出をしても良かったと思う。レッドカーペッドを疾走するジャガーがみたかった。 
[DVD(字幕)] 7点(2008-03-08 19:04:41)(笑:2票)
0304.66%
1426.52%
2172.64%
3324.97%
4132.02%
5426.52%
6477.30%
710716.61%
811417.70%
913721.27%
10639.78%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS