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ミスター・グレイさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 565
性別 男性
自己紹介 三度の飯より映画好きです。どうぞよろしく。
※匿名性ゆえの傲慢さに気を付けながらも、思った事、感じた事を率直に書いていますので、レビューによって矛盾が生じていたり、無知による残念な勘違いや独善的で訳分らん事を書いているかもしれませんが、大きな心でお許し下され。
※管理人様、お世話になっております。
※レビュワーの皆様、楽しく読ませて頂いております。

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321.  オーソン・ウェルズINストレンジャー 《ネタバレ》 
ウェルズが死体を見つけた奥さんの飼い犬を殺す場面で、異変を感じたように飛び起きるエドワード・G・ロビンソンに切り返されるのですが、この手法というのは今では2時間ドラマでも当たり前で、むしろ下手をすれば安っぽさすら感じさせるのですが、ウェルズがやれば全くもって効果的で強い緊張感を生み出しています。一見のところ良き教師でありながら実はナチであるという人物像も、ウェルズの巨体と神経質そうな雰囲気が説得力を持たせておりサスペンスとして一級の出来栄えなのです。・・・ただ、一つ気になるのは善玉の方を演じたロビンソンで、これは私に「犯罪王リコ」での彼のイメージが強烈に残っているせいかもしれませんが、ロビンソンのアクの強さというものはただの善人にしてはどうも気に障る不自然さがあるのです。例えば父親に娘の危機を伝えながらも冷静に状況を分析し、それを利用しつつも余裕しゃくしゃくの行動でドッカリとした感じを受けるその物腰は、何とも図々しい感じが出過ぎているように思えます。家政婦さんなどは心労でぶっ倒れてしまうのですから、その平然たる態度は鼻についてしまうほどなのです。
[DVD(字幕)] 7点(2008-10-01 18:18:24)
322.  コッポラの胡蝶の夢
一風変わった感じのする幻想的な世界が投影されており、その辺りはいかにも〝映画〟なのですが、コッポラ監督が一体何を言いたいのかいまいち良く分からなかったですし(夢幻世界の時点でもはやそこに明確なメッセージ性など存在しないのかもしれませんが)、また夢の世界では天地を逆転させていることなども面白い事とは思えません。例えば、ティム・ロスが夜道でナチス軍の研究医?に襲われるシーンなどはフィルム・ノワールを彷彿させるような雰囲気がある上に、青白い光が不気味ながらに美しく神秘的でなかなか良いのですが…そもそもお話自体が妙に哲学的で退屈であり、幻想譚の映像美が全体的にはいささか面白味に欠けているように思えます。ただ、最近のハリウッド映画などの作風とは明らかに一線を画しており何となく後に残る感じはします。特に印象的なのは、異世界のように鏡を使ったティム・ロスの分裂と彼の吸う限りなく短いタバコの煙が幻のような感じをさせるシーンと、ナチスの女との情事、それにやたら美しく見えたヴェロニカです。特に彼女の初登場の時、ティムにかけた声の鮮烈さは素晴らしく夢見心地のボンヤリ感から目覚めさせてくれます。
[映画館(字幕)] 7点(2008-09-17 18:18:37)(良:1票)
323.  ミラーズ・クロッシング 《ネタバレ》 
ギャングな世界に帽子にコート、拳銃と酒と煙草とくれば、これは男の映画です。特にラストが印象深い。常にレオのために動き続けたトムがケジメをしっかりつけ別れを告げる、レオの背中はドンドン小さくなってゆき、見送るトムは帽子を目深に被り直す…これぞ男っちゅうもんでしょう!このシーンだけでもグッときちゃいます。ガブリエル・バーンはもちろんですが、襲撃された時のアルバート・フィニーじい様がめちゃくちゃ格好良い。アクション自体も優れているのですが、ガウンを着てマシンガンぶっ放すフィーニーの姿勢がピシッと決まっているのが良いのだと思います。それに本作に出演している役者さんはみんな声が良い。 ただ、フィニーがラストに戻ってくれと訴えるのはキャラクターの一貫性に欠けているように思います。バーンがあそこまでするほど惚れこんだ男なんですから最後まで毅然とした態度を通してくれないと。
[ビデオ(字幕)] 7点(2008-09-10 18:18:45)
324.  バンディダス 《ネタバレ》 
例えば緊張するとシャックリをするサルマ・ハエックが何故にいざって時にクシャミなのかとか、オッチョコチョイな感じの捜査官はここぞというところで何もやらかさないのかとか、はたまたラストのスローモーションシーンとか、かなりいい加減なところがある映画です。・・・しかし、捜査官とお別れをする際の夕日に映えるペネロペ・クルスがとってもキュートですし、キスの件がその最後のシーンまで巧く繋がっていて女二人組に戻るのも合点が行くというものです。それにサム・シェパードの「つるんでるのが楽しかった」なんて台詞がとっても良いですし、ペネロペとサルマのラテン系美女を愛でる作品としては十分です。胸元がはだけた服装で川で腕立てふせしますし、夢のような変態プレイまであるのだっ!…といっても過度な期待は禁物、ポロりはありませんって、これはある意味、本作における最高のネタバレなのだ。
[DVD(字幕)] 7点(2008-08-26 18:45:40)(良:1票)
325.  この自由な世界で 《ネタバレ》 
社会の歪みの元凶は利潤追求にあるとでも言うように、他人を顧みない金儲け主義の人々の悪行が描き出されています。階級が低くなれば低くなるほど割りを食う残酷社会の中で主人公のアンジーもバイクにまたがりよく働きますが、彼女はケン・ローチ監督がたびたび描く労働者階級ではなく、成上がりであっても一段上で労働者たちを食い物にする搾取する側なのです。そんなアンジーも仕方なしと感じさせてはいますが彼女の表情というものはくすんで見え、それに対するようにポーランド人の移民青年は謝礼も受け取らず、物質的に貧しくも実に爽やかで自然体に見え生き生きと描かれているのです。というところからも本作は、視点が変わっただけでやっぱりどうして労働者たちの映画なのだと思います。無事丸く収まって運営しているように見える〝自由な世界〟ロンドンの裏には、寄るところの無い移民労働者の人々がたくさんいて、彼らは無視できない社会の大きな歯車の一つだという現実を強く訴えているのです。その証拠にラストショットは、再び労働者の斡旋を始めた主人公アンジーの表情で彼女の是非を問うのではなく、冒頭と同じく一移民労働者の不安と期待の入り混じった表情をとらえているのです。
[映画館(字幕)] 7点(2008-08-25 18:21:59)
326.  ハプニング 《ネタバレ》 
静止する人々、髪留めをおもむろに抜く読書中の女性、建設現場で次々と飛び降りてくる作業員たち、木に突進する車、芝刈機を動かす男…などなど自殺者のシーンがとても痛々しくて目を背けたくなります。その自殺を引き起こす前兆が、吹いてくる風、車のルーフにある切れこみ、ブランコでしなる木などで演出されるのですが、シャマラン監督はこういうのがとっても巧いと思います。最後に逃げ込む家の異様さもたまりません。・・・ただストーリーテラーとしてのシャマランのアイディアは枯渇してしまったのかと心配になってしまいます。例えば彼らが守るものはなぜ親友の子供なのかなど十分に機能しているとは思えません。「サイン」と同じように正体不明?の恐怖に襲われる…あるいは「ヴィレッジ」と同じように愛する者のために安全な空間から危険な外へ出て行く…のですが、「サイン」のように神の啓示で、「ヴィレッジ」のように愛の力で乗り切るわけでもありません。まさかシャマラン監督が地球の環境問題を題材にしているとは思えませんので、人知の及ばぬ圧倒的な力を前にした時、ただただ愛する者のそばにいたいということなんだと思います。スピルバーグ監督の「宇宙戦争」では人類は協力してトライポッドを撃破しましたが、本作では集団はダメだと言います。最後には男と女と子どもだけ、純粋に立ち返った時に助かります。だからこそ最後の妊娠関連のシーンがいずれも印象的で良いのです。
[映画館(字幕)] 7点(2008-08-15 18:30:03)(良:1票)
327.  インクレディブル・ハルク(2008) 《ネタバレ》 
例えば工場で男にしつこく絡まれる女性に助け船を出すシーンのノートンの佇まいが、危険な香りがあってハルクを連想させます。そしてハルクの顔が映るファースト・ショット、大学内での戦闘で檻を彷彿させる渡り廊下で変身してしまうシーンで煙の中から出てくる手、あるいはヘリから落下した後、地面から突き出てくる手などのハルクの登場のさせ方、等々の瞬間瞬間は印象的です。また、人物設定がはっきりしていて、ノートンは科学者としての責任を果たすためヘリから飛び降り、ティム・ロスは戦士として最強の対戦相手との勝負を求め無線機を外し命令を無視し、リヴは愛する者としてノートンに尽くし肉体関係がもてなくともさめざめと泣いたりしません。誰もが(リヴの新しい彼氏までもが)見返り無しに自らの進むべき方向へ迷いなく前進し、行動基準がぶれないので見ていてスッキリします。・・・しかし、全体的に平坦で盛り上がりがなく、最後の街中での戦闘シーンもいまいち芸がなくて面白味に欠けていますし、わざわざノートンやティムを起用しているのだから変身後も少しは原型を感じさせて欲しかったです。それからノートンとリヴが久方ぶりに再会し、雨の中で抱き合うシーンにキスがないのは物足りません。もちろん、そこには二人の誠実さや時間の隔たりがあるのでしょうが、物語に大きく影響を及ぼしているわけではないので、あれはキスがあった方がずっと感動的だったと思うのです。
[映画館(字幕)] 7点(2008-08-07 18:37:48)(良:3票)
328.  不可能な世界への旅行
映画に物語を持ち込んだために、と言いますか、舞台装置のような張りぼてセットのために横を正面とする映像は、リュミエールの映画などと比べると明かに躍動感に欠けています。しかし、メリエスの映画は驚くほど幻想的で、あのトリックの数々こそが驚異というものであり、メリエスの独創性はやっぱり凄いと思います。
[ビデオ(字幕)] 7点(2008-08-04 18:25:50)
329.  列車の到着
映画が誕生した当時の技術にはカメラ移動も、寄りも引きも、切り返しもなかったので、短時間、同一の場所からフィルムを回しているだけなのですが、リュミエールはどこの位置にカメラを置けば列車を一番効果的に撮れるかを既に知っていました。百年以上経った現在も列車を撮るのに相応しい位置はおそらくあの位置。
[ビデオ(字幕)] 7点(2008-07-30 18:13:21)(良:2票)
330.  真昼の決闘 《ネタバレ》 
主人公の焦燥感、町の通りに人影がなくなっていく様子、または三人組が町へやって来る時、あるいは彼らが駅で汽車を待ちつづけている姿の無気味さや、いよいよ汽車が到着する時のあの緊張感は凄いと思います。また登場するキャラクターの誰もが首尾一貫しています。・・・ところで本作は50年代当時の赤狩りという社会的背景に対しての怒りを反映しているみたいなのですが、確かにそれが感じられます。例えば逃げない正義の主人公は酒場でバーテンを殴る、誰も加勢しないと決定した時、実に印象的に事務所の机で怒りをぶちまける。この〝怒り〟は完全に非協力的な町人達に向けられています。そして本来なら正義に対する悪者一味の描写はほとんどなく、協力者集めに奔走し、酒場、友人、教会、引退保安官とことごとく断られていく様をリアルタイムで映し続けているのです。ジョン・ウェインが不満に思いハワード・ホークスと「リオ・ブラボー」を撮ったという話を聞きました。詳しい経緯を知らないので憶測でものを言うのはよくないのですが…、この強制的正義と言いますか、絶対悪に対してではなく非協力的という負に呼応しての正義が強調されているところに違和感を覚えたのではないかと思います。政治的メッセージを盛り込みたかったのかもしれないですし、人間らしい英雄像でも全く問題ないのですが、それでも孤立無援となった際、クーパーが〝怒る〟のではなく絶望の〝ため息をつく〟ぐらいではないと正義の矛先が一体どこに向かっているのかが、あやふやなものに見えてしまいます。傍観者への〝怒り〟を表現するにも肝心の正義はもっと高次のところにあるのではと思うのです。・・・と、個人的正義感は別にどぉ~でも良いにしても、ラストの決闘シーンは例えば敵との距離感一つとってみても「リオ・ブラボー」には劣っていると思います。
[ビデオ(字幕)] 7点(2008-07-22 18:28:49)
331.  スパイダーマン(2002) 《ネタバレ》 
この作品で最もお気に入りのシーンはMJが二度目に襲われる場面です。その直前にトビーとダンストが会話しているシーンでは雨など降っていないのに、別れてダンストが夜の路地裏に入り犯罪に遭遇した瞬間、当然の如くフィルム・ノワールばりにこれでもかと雨がジャンジャン降ってきて光り輝くわけです。そして雨が降りゃビショ濡れになるダンストはこれまた当然の如くタンクトップで胸をこれでもかと強調しているわけです。さらにさらにトビーの顔は暗闇ではっきりとは確認できず、スパイダーマンならではの宙吊りアクロバスティック・キスで締めてしまうときてるのです。サム・ライミ監督はこのシーンを最も撮りたかったのではないかと思うほどで、この場面には本作の様々な要素が凝縮されていると思います。
[DVD(字幕)] 7点(2008-07-04 18:27:58)(良:2票)
332.  ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア 《ネタバレ》 
主人公二人組の魅力や、ギャング二人組のおかしさ(トランクを開けるシーン等々タランティノの「レザボア~」のパクりではあるが)、または〝死ぬ前に海を見たい〟や〝母親にキャデラックを送りたい〟という男の願望には思わず共感してしまいますし、けっこう好きなのですが・・・、この映画が致命的なのはロードムービーであるのにもかかわらず全く移動が感じられないというところです。冒頭はギャングの風俗店ですが、主人公たちが海にたどり着く前に最後に立ち寄るのがこの場所となっているので、位置関係としてはギャングの店が海の近くにあるという事になります。従って病院からギャングの店方面へ向かっているということになるのですが、あの二人組のギャングがちょくちょく主人公たちのもとに訪れてはボスのもとに戻るので、主人公の二人が全く前進せずに同じところをグルグル回っていたように思えてしまい、さっぱり海への道を歩んでいるという感じがしないのです。ただ、ラストシーンとそこにかかる〝天国の扉〟はやっぱり良い!
[DVD(字幕)] 7点(2008-07-02 18:31:14)(良:3票)
333.  インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国
車が砂漠を駆けていくシーンから導入していくのですが、この始まり方の上手さといったらないと思います。そして、お約束とばかりにいきなりドンパチが始まって冷蔵庫に逃げこむぐらいまでが実に面白いです…と言いますかこの辺りまでが一番良かったと思います…。それでもアクションシーンはそれぞれ工夫されており、軍隊蟻とかおサルさんとか、どれも好ましい過剰さだと思いますし、インディらしい適度な滑稽さだと思います。物語の展開に関しては〝インディファンはこんなの望んでないんじゃないの?〟(少なくとも私は違和感を覚えた!)と思いますが、ハリソン・フォードは60代後半とは思えぬ相変わらずのカッコ良さですし、特異な声で〝ジョンジー〟連発するレイ・ウィンストンも良い味出してます。それに何より敵キャラがショボイ傾向にあるインディシリーズに、旬の女優さんでは最強ではないかと思われるケイト・ブランシェットを起用しているのが大きいです。黒のオカッパ頭に訛り英語を駆使して剣振り回す姿はたまらんですぞ!
[映画館(字幕)] 7点(2008-06-24 18:36:14)(良:1票)
334.  シークレット・サンシャイン 《ネタバレ》 
悲惨さが漂う物語をドキュメント・タッチで描いた本作はドグマ映画のようです。そのため生々しさは演出されていますが、題名にあるような太陽などの光は印象的ではありません。しかし、それはあえてボカしているようにも見えます。と言いますのもここでの光は神の存在を匂わすものであり、はっきりと後光の様に差してはまずかったのかもしれません。シネは存在を確認するように「見てる」と天を見上げるのです。でもシネをしっかり見つめているのはストーカーのようにピッタリ張り付いたソン・ガンホだったりします。常々シネの後方にちらちら映るガンホの姿は素朴で、まるで周囲に溶け込んでいるようでありながら、その実はっきり浮いて見えガンホの持つ存在感が良く活かされています。そしてそのガンホがシネから目を離した時に悲劇は訪れるのです。最初は誘拐事件が起きた時でシネはガンホの店へ走りますが彼は一人カラオケに夢中で気付きません。二度目はリストカットする前、デートをすっぽかしたシネからガンホは意識的に顔を反らしています。シネの眼中にないガンホはまさに密なる光という感じがします。シネがどんな状況になろうとラストで彼は何気なくやって来て不必要に鏡を抱え再び見つめるのです。
[映画館(字幕)] 7点(2008-06-13 18:07:43)
335.  砂漠の流れ者
お得意の激情に駆られたスローモーションとは逆の早回しで喜劇を演出してみせる滑稽さ。「ワイルドバンチ」や「ゲッウェイ」などの後に見たものですから最初は雰囲気の違いに少しばかり面食らってしまいましたが、すぐにペキンパーワールドに引き込まれてしまいました。テーブルに釘付けされた食器を一気に水洗いするホーグにドアを一撃で蹴破るヒルディ、町でのけ者の存在である彼らのワイルドな逞しさが良いですし、こういう面々が全く下品に映っていないことに監督の思いを感じます。・・・ですが、一番印象的なのはヒルディが登場する場面であり、文字通りのバストショットの連続切り返しが、まるで豊かな恵みが口を利いているようで男心をくすぐります。
[ビデオ(字幕)] 7点(2008-06-09 18:37:05)
336.  民衆の敵(1931) 《ネタバレ》 
最初にテロップで映画の見方のような事を説明しているところや(ヘイズ・コードなどの問題があったのかもしれませんが)、少年時代の処理の仕方はどうかと思いますが、記憶に焼きつくシーンが随所に見られます。これまた規定のためか殺しの場面がほとんど映らないのですが、ギャグニーが昔の裏切り者を殺すシーンや土砂降りのなか待ち伏せし襲撃するシーンの狂気っぷりは凄いです。銃を撃つギャグニーの姿も血が出たり苦しそうに倒れる相手の姿もまったく出てこないのですが、そんな必要ないくらい完璧で暴力性も宿っています。それに規定への対策か?ただ一発だけ殴るというシーンが何ヶ所かあるのですが(女を殴る以外ギャグニーは殴られる方なのですが)これらの場面がかなり野蛮で映せない分の穴埋めのような働きをしています。それからあのラストシーンなどは斬新で何でもありの現在見てもかなり衝撃的だと思います。
[DVD(字幕)] 7点(2008-05-16 18:18:53)
337.  犯罪王リコ 《ネタバレ》 
主人公リコを演じるエドワード・G・ロビンソンの存在感がとても良いです。小さな体で少し浮いてしまうぐらい強烈で粘着質な演技を見せるのですが、これが中盤あたりからはまってくるのです。特にリコと親友のジョーとの二度の決別シーンが印象深いものになっています。最初はジョーが部屋からいなくなっている場面で、部屋に戻ってきたリコにズームしていった後、開け放たれたドアが映り再びリコの表情へ。この時のリコの姿が抜群で、基本的に滑稽に見える彼は同時に悲しみもまとっており、親友が離れて行ってしまう悲哀を存分に感じさせます。そして二度目は殺しにくる場面で、情がでてしまい瞳が涙で滲むリコをアップでとらえ少し画面がボヤけ遠のいていく。その時のリコの顔は冷酷なギャングの親分のものではなく、親友に約束を破られてしまった少年のように純粋な表情なのです。二人の関係がもう少し丁寧に描かれていれば、このシーンはさらに印象的なものとなり私の瞳も涙で滲み画面はいっそうボヤけて見えたでしょう。
[DVD(字幕)] 7点(2008-05-13 18:11:38)
338.  ゼア・ウィル・ビー・ブラッド 《ネタバレ》 
導入部がとても良い。広大な自然の中、独り暗がりで一心不乱に採掘するデイ=ルイス。台詞はほぼなくツルハシで削りヤスリで磨きひたすら採掘作業をする姿が映し出されている。さらに体力が尽き工具を引き上げられず落下し、したたか体を打ちつけケガをし、地をはって戻って来るのだが、この一連のシーンだけでデイ=ルイスの孤独と執拗さと取り憑かれている感じがまざまざと表現されている。地中に潜り黒光りする石油で汚れた姿はまるで羽化する前のサナギのようだ。…だが、物語が進むにつれて徐々にパワーダウンしているように思う。息子の耳が聞こえなくなる爆発シーンぐらいまでは躍動感がありとても良いのだが、偽兄弟登場のあたりからはおおむね停滞しているように感じられ、大豪邸に一人腰掛け銃を撃つあたりになるとほとんどデイ=ルイスの力に頼ってしまっているように見える。ラストで牧師と対峙するシーンなどは肉をクチャクチャ食っている彼の独擅場だ(あの音を飲み込むような訛り英語の声もとても良い)。それから所々BGMが大きくて少し耳障りだ。
[映画館(字幕)] 7点(2008-05-08 18:19:53)
339.  パニック・ルーム 《ネタバレ》 
少々ありきたりな設定ですが、犯人一味が家に侵入してくるシーンの不気味さやパニックルームを巡る攻防戦の緊張感の持続はかなり良いと思います。フォレスト・ウィッテカーが黙々と作業をするところや銃を持ったラウールが暴走し始めるところも怖い。ただ、後半のジョディママが家中を駆け回り反撃にでるアクションシーンは面白味に欠けているように思えます。それは監視カメラによる視点や物音で部屋の様子をうかがうといったパニックルーム本来の機能が使われなくなってしまっているということもありますが、やはりウィッテカーが完全に良い人に傾いてしまっている上に、銃を取られ覆面を取ったら完全に不気味さを失ってしまったラウールの活劇性の無さによるところが大きいです。
[映画館(字幕)] 7点(2008-04-30 18:12:23)(良:1票)
340.  パーマネント・バケーション
音声一つとっても粗削りで確かに卒業製作映画という感じは否めません。しかし、据え付けられたカメラで日常風景を垣間見ているような感覚が何とも良いです。最初と最後に見せる大都市ニューヨークの路地裏を行く主人公は出会いと別れを繰り返す旅人であり、身近ながらのユーモアを交えた偶然がドラマティックなロードムービーに仕上がっています。この旅人の境地はまるで芭蕉のようではないですか。たゆたうような浮遊感、ゆったりとした時間の流れがとても心地良い。
[ビデオ(字幕)] 7点(2008-02-08 18:52:19)(良:1票)
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