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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2251
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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321.  インセプション 《ネタバレ》 
長編映画にもかかわらず、2時間半があっという間。これも劇中の理論同様、時間の伸縮現象のひとつです。私もまた現実と夢の狭間を行き来したと考えます。優れた映画は機材など無くとも、ヴァーチャル・リアリティが体験できるのですね。非現実世界の構築は見事ですし、多重層で繰り広げられる時間差アクションは圧巻。見どころを挙げ出したらキリがありませんが、私が最も言及したいのはエンディングです。全ての出来事が一点に集約される象徴的な場面。『早く倒れろ!』何度も心の中で叫び、エンドクレジット開始と共に唸りました。「正しい終わり方」だから深い余韻に浸れたのだと思います。アイデア、脚本、美術、アクション、配役、そして人生の意味を問いかけるメッセージ性、どれも完璧で、注文をつける箇所が見当たりません。鑑賞後は頭の中で情報を整理しながら、自身の感情を反芻し、幾度となく楽しめるお得な映画でもあります。悔やまれるのは、この傑作を茶の間のTVで観てしまったこと。迂闊でした。映画館で鑑賞していたら感動2割増しだったでしょう。教訓。ノーラン作品は万難排して劇場へ足を運ぶべし。さて、最新作『テネット』で私はこの教訓を活かせるでしょうか?
[インターネット(吹替)] 10点(2020-09-10 18:54:31)(良:2票)
322.  パスワード:家 《ネタバレ》 
ネタバレありますご注意ください。  スマホアプリ+ウィキリークス+情報万能主義の流行りもの(?)トリプルコンボで、トンデモSFが一丁出来上がり。普通なら『そんなアホな』で一蹴するような荒唐無稽な内容ですが、粗を隠す仕掛けは抜かりありません。そう、一般的にはアクションやサスペンス、目まぐるしい展開で観客の心を掻き乱して綻びを誤魔化すワケですが、本作ではIT関連用語の嵐で観客を煙に巻く作戦を採用しました。これはちょっと目新しいかも。ただしこの手法は諸刃の剣。前半のツマラナイ(失礼)興味のない(失礼)専門用語ばかりの会話劇で途中脱落してしまう観客もいるでしょう。さて、郊外の一軒家にゲストが集う導入は、オールドミステリーお馴染みの様式。さらに主人公は各人のパスワードを見事言い当てる『名推理』まで披露します。まさに古典ミステリーの王道フォーマット。そこに最先端のIT論、もといトンデモSFを潜ませるのですから、なかなか凝った趣向と言えましょう。個人的に面白いと感じたのは、従来なら『ターミネーター』のような大スペクタクルに仕立てる題材を、リビング内で終始するミニマムなお話にスケールダウンさせたこと。技術の進歩で小型化するのは何も電化製品に限った事ではないようで。未来は確定しているのか?未来を覗き見ることの意味、未来を変える行動の是非等々、深くて面白いテーマが転がっているのに、踏み込んで行かないのは勿体ない話。でもトンデモSFにそんな重荷が背負えるはずもなく、さらりとかわしたのは賢明な判断だったかもしれません。終盤の「実は嘘よね~ん」はフェイクでしょうが、額面通り受け取るのもまた面白い見方だと思います。冷静になれば「ナシ」な話も、惑わされているうちは「アリ」に変わるのがSFの魅力。吟味したら厳しいものの、流して観る分には『おっ』『なるほど』『そうきたか』と驚かされる程度に良く出来ていると思います。
[インターネット(字幕)] 6点(2020-09-05 20:56:41)(良:1票)
323.  映画 としまえん 《ネタバレ》 
『としまえんの呪い』なる都市伝説は、本作製作にあたりこしらえた架空の設定かと思いきや、そもそも“ありもの”なのですね。本来なら迷惑極まりない与太話を、本元の『としまえん』が了承してホラー映画をつくるあたり、なかなか懐が深い話だと思います。ただ、折角の都市伝説が活かされているとは言い難いのが残念。もはや『としまえんの呪い』というよりクラスメイトちゃんの恨みの様相。ホラーですからバッドエンドでも構わないですが、もう一ひねりも二ひねりも欲しいところ。『としまえん』が豊島区ではなく練馬区にあるということは勉強になりました。なお、遊園地『としまえん』は本日2020年8月31日をもって94年の歴史に幕を閉じたそうです。お疲れ様でした。
[インターネット(邦画)] 4点(2020-08-31 23:59:59)
324.  ファインド・アウト 《ネタバレ》 
記憶と証拠、主観と客観、どちらが正しい?精神を病んだ者が主人公となるこの手のジャンルは、どちらに帰結するパターンも既存作品で目にします。ですから早々に見切るのは厳禁なのですが、それでもあらゆる可能性を排除せず、終盤まで物語を引っ張り、緊張感を持続させられたのはお見事でした。流れる水の如く出任せを言う主人公、何か裏のありそうな刑事。細かなミスリードが上手だったと思います。ただし、主人公の“決めつけ捜査”が功を奏しまくる展開は、流石に無理筋だった気がしますが。さて、特筆すべきは、ラスト主人公が下した決断です。私なら、あそこまで腹を括れない。というより、“犯人憎し”の感情よりも、“物証の確保”を優先させる気がします。それくらい、自身の言い分を信じてもらえないのは屈辱ですから。しかし、よくよく考えてみると、あの選択がベストだったのでしょう。着せられた濡れ衣を逆手に取ったすっとぼけ。かつトラウマと今後の不安材料を一掃して一石二鳥。おまけに、事件の真相を告げる証拠を警察に送り付け、溜飲も下げると。保身に走る警察は、揉み消すこと請け合いですもの(ちょっと警察を悪く描き過ぎでお気の毒ですが)。テンポの良さとスピード感、結末のカタルシスで、結構な粗を目眩まし。これもテクニックのうちと考えます。
[インターネット(吹替)] 7点(2020-08-30 22:58:29)
325.  花とアリス殺人事件 《ネタバレ》 
閉ざされた世界。独特な価値観に支配された学校生活。都市伝説が形成されていく過程の妙に感心します。若き日の未熟さ、無知と無力が懐かしく、苦々しく、そして清々しくもあり。いや、もちろんあんな素敵な経験なんてしてないですよ。そもそも、女子中学生だった過去も無いですから。でも、錯覚できるのです。それがきっと”青春”の特効なのでしょう。青春、友情、そしてミステリーとして、見事な出来映えでした。ドストライクです。作画もいいんですよね。アニメは結局画が命。脚本がどんなに良くても、画のテイストが趣味と合わないと受け入れられないですから。そういう意味でも個人的に文句なしでした(これは好き嫌いの問題で、正解はないですけど)。あと声優さん。オリジナル『花とアリス』を踏襲したキャスティングに、万歳三唱、大拍手ですよ。役者の年齢が厳しくなっても、こういう続編の作り方もあるわけですね。素晴らしいアイデアでした。さて、気になるのは平泉成さん二役について。これは、アリスが知らなかっただけで、ユダ父と間違えた老人はリアル祖父だったって解釈で良いのですかね。目元も父とそっくりですし(あるいは『花とアリス』を観ると解りますか?)。アリスは、束の間のじいちゃん孝行(あるいは、おねだりとも言う)をしたと解釈しました。裏設定(?)を明確にしないあたりも、物語の奥行きのうちと考えます。人の縁で、人生は転がっていく。それが面白い。オリジナル『花とアリス』よりも、むしろ本作の方が好きだったりします。
[インターネット(邦画)] 9点(2020-08-30 22:55:22)
326.  ゴースト・イン・ザ・シェル 《ネタバレ》 
そこはかとない敷居の高さを察知し、原作漫画もアニメ映画も未見です。最近本サイトで作品登録が必要なマイナー映画ばかり観ていたため、たまにはメジャーな映画も観ようと本作を選んだ次第。ド迫力ボディスーツの少佐がデザインされた劇場ポスターは承知しておりましたので、スカヨハの恵体(こんな熟語を書いたらダメだな)を拝めれば御の字くらいのつもりでしたが、なかなかどうして、面白いじゃないですか!未来の世界観の構築は見事ですし、『甲殻機動隊』の代名詞ともいえる『迷彩』表現も素晴らしいです。視覚効果で、ある程度の満足感を得られるのは大作SF映画の強みであります。タイトルでありテーマでもある『ゴースト(魂)とシェル(魂の器)』については、難解な哲学思想(きっとこれが敷居の正体なり)に踏み込まず、主人公のルーツ探で帰結しているため、私のような物知らずでも安心して楽しめる仕様でした。とはいえ、逆に言うなら浅瀬で遊んでいるようなもの。原作世界が持つ奥深さを味わうためには、原作漫画なりアニメ映画の鑑賞が必須なのでしょうが、本作が甲殻ワールドの入り口として機能している作品かどうかは分かりかねます。それにしても北野武は、自身が監督出演する映画以外では全く輝きませんね。魔訶不思議。
[インターネット(吹替)] 7点(2020-08-25 19:48:36)
327.  ツングースカ・バタフライ ―サキとマリの物語― 《ネタバレ》 
『副題が付いている映画に名作なし』が私の持論。外国作品を輸入する場合、副題を採用するのは戦略として理解しますが(でも『一期一会』って何だ?)、自国映画で副題付きは基本的にアウトです。ワンセンテンスでビシッと決めなくちゃ。野比のび太~健やかに大きくどこまでも伸びて欲しい~とか無いでしょ。情報を追加したいなら、キャッチフレーズを利用すればいい話。わざわざ副題で内容を説明するのはカッコ悪いです。で、本作の場合。観客へのプレゼン3点セット(タイトル、ビジュアルイメージ、キャッチコピー)から、亜紗美主演のアクション映画ということが分かります。副題は“ヒューマンドラマあります”のアナウンスでしょう。しかしながら、この情報必要ないのです。ビジュアルイメージ(ポスターデザイン)とキャッチコピーから容易に推測できるのですから。つまり無駄な情報。無駄は嫌いってDIOも言ってましたよね。3点セットで発信できる情報は限られているのに、厳選していない時点で企画の作り込みが不十分と判断します。案の定設定は甘々で、ハードボイルドには程遠い半熟ゆで卵のようなお話でした。脚本メインなら高評価は望むべくもないつくり。しかし、本作の主演はあの亜紗美嬢なのです。B級の中のB級、アクション・ホラー・スプラッター界隈で異彩を放つ一番星。牛丼チェーンのペラペラ駄牛に混じったA3和牛。そんな彼女なら、ポンコツB級映画を特別な映画に変えることが出来るのです。体躯の仕上がりも見事なもの。以前よりずっと鍛えられています。それでいてシェイプされ過ぎずイイ感じの肉付きが素敵。シルエットはまるでミシェル・ロドリゲスじゃないですか。綾瀬はるかやガッキーのような知名度やスター性は無いかもしれませんが、彼女たちに亜紗美譲の代わりも務まりません。要するに唯一無二の存在なのです。そんなB級アクションの女王の主演作であり引退作でもある本作に低い点数を付けられるはずもなく、私お得意の『亜紗美加点』なる下駄を履かせまくって8点献上いたします。あと引退なんていつでも撤回してもらって構わないので(プロレスラーなんて引退復帰は日常茶飯事ですヨ)、また劇場のスクリーンで雄姿を見せてくださいな。
[DVD(邦画)] 8点(2020-08-25 19:47:42)
328.  ババドック ~暗闇の魔物~ 《ネタバレ》 
客観的にはババドックなる化け物は存在しません。これが真実。しかし親子にはババドックの姿が見えていました。これは現実。真実に捕らわれ現実に目を瞑るのは危険な行為。母親はババドックを否定し続けたが故に彼に支配され、子を殺める寸前まで追い詰められました。我が身を守るため、愛する母を攻撃した息子は大したものです。瀕死の状況下で有効なのは、根治療法ではなく対症療法。それは現実の脅威から目を逸らさぬこと。果たして、親子はパパドックを飼いならす事に成功しました。ただし油断は禁物。いつまた奴が牙を剥くか分りません。幸運にも親子にはサポートしてくれる人たちが存在します。対症療法のつぎは、根治を目指すべきでしょう。オカルトの薄皮を被った極めて正当なサイコサスペンス。病んだ母親の表情が絶品でした。育児ノイローゼの恐ろしさを、分り易く表現した作品で、高校の教材にしてもいいくらいです。
[インターネット(字幕)] 7点(2020-08-20 12:27:58)(良:1票)
329.  ハウス/HOUSE(1977) 《ネタバレ》 
これは攻めました。攻めましたねえ。真剣を滅多矢鱈に振り回している丸裸の大林監督の姿が目に浮かびました。裸ですから防御力はゼロ。しかしながらその剣圧は凄まじく、外野の小言など物ともしません。これぞ狂気の沙汰。いや攻撃は最大の防御なり。一見支離滅裂ではあるものの(バナナってそんなバナナ)、筋立ては明快で芯が通っており、どこを切り取っても完璧に『大林宣彦』印なのは流石であります。監督の映画にかける情熱と、小林亜星の大玉スイカと、紀世彦の極太もみ上げと、妖しく光る猫の目と、クンフーちゃんのさわやかヒップと、ガリちゃんのサプライズヌードと、池上季実子譲の極上エロスで、(主に後半の要素で)最後まで画面にくぎ付けでした。もっとも、これ程やりたい放題が出来るのは、名のある監督だからこそ。『踊る大捜査線』の和久さんではありませんが、正しいこと・やりたいことをしたいのであれば、偉くなるしかないのは道理です。一応『ホラー』にカテゴライズされるのでしょうが、シュールコメディであり、エログロであり、音楽映画であり、反戦ドラマありで、要するに唯一無二のオリジナルテイスト。邦画史上類を見ない怪作なのは間違いないでしょう。映画ファンならば、教養のひとつとして必ず観ておくべき作品と考えます。ちなみに私は黒沢清監督の『スウィートホーム』とごっちゃになって、既に観た気になっていたので(同類のうっかりさんは)ご注意ください。なお採点は放棄しています。
[インターネット(邦画)] 5点(2020-08-20 12:26:48)
330.  ゾンビ・サファリパーク 《ネタバレ》 
様々な切り口で、多種多様な成り立ちを見せるゾンビ映画。本作の場合、ゾンビとの熾烈な戦いの末人間が勝利し、日常を取り戻した『戦後』世界が舞台となっています。ゾンビは恋人や家族・仲間を奪った憎い敵であり、ゾンビを殺すことに躊躇はありません。殺ゾンビ=『娯楽』又は『心理療法』としてコンセンサスを得ている社会。これが、この世界の『社会秩序』です。少し前なら「そんなバカな」と一笑に付したであろう荒唐無稽な設定も、2020コロナ禍を経た私たちからすると、「絵空事」と言い切れないものがあります。常識を変えるのは、決して難しい作業ではないと知ったからです。価値観は、いとも簡単に、そして一瞬にして、180度変わります。其処で必要なのは、合理性や論理性より「世論」や「社会の空気」。それが「声が大きな先導者」によって形成される事も既に体験済みです。既存の倫理観を捨て、新たな倫理観を獲得した以上、もはや旧来の正義は意味を為しません。劇中「極悪人」として描かれるゾンビアミューズメントパーク責任者も、簡単に悪人と決めつけるワケにはいきません。正義とは、時と場所により変化するもの。もしかしたら主人公が『新しい社会秩序』を乱す一番の悪人なのかもしれません。ゾンビ映画定番の面白さ(仲間がゾンビに変わる非情など)という観点ではいささか物足りませんが、世界観の構築は秀逸。掃いて捨てるほど量産されているゾンビ映画の中にあっては、存在価値を感じる一作と考えます。
[インターネット(字幕)] 6点(2020-08-15 08:51:11)
331.  団地 《ネタバレ》 
現在大流行中の福田雄一監督の“アドリブ”コメディとは一線を画す“計算し尽くされた脚本と演出”に基づく正統喜劇。因数分解すると、人情もの、社会風刺、シュール、SF、ファンタジー、寓話と多種多様な要素が混在しているものの、決してとっ散らかった印象はありません。ただし、終盤の超展開には唖然とするかもしれませんが。さて、本作最大の魅力は何と言っても俳優の皆さんによる見事な演技にあります。表情、動き、言いまわし、間の取り方。熟練の技術に魅了され、何度吹き出したことでしょう。本来、喜劇役者というものは“自分は笑わない”ものなのですよね。もちろん若手の方々も含め、漏れなく素晴らしい役づくり。斎藤工さん怪演でした。ただ、ここは藤山直美さんに言及しないワケにはいきません。一見、ごくごく普通のおばちゃん。それでいて、どこか滑稽で、味わい深く、そして可愛らしい。主役であるにも関わらず、主張し過ぎない空気感が絶妙でした。これが長年舞台を踏んできた役者の地力、生まれついての喜劇人の血というものなのでしょう。もう山下ヒナ子にゾッコンであります。ご主人が「お前と漢方薬があればそれでええ」と言っていましたが、なるほど納得。息の合った漢方薬づくり。精根尽きて寄り添う2人が何とも愛おしく、理想の夫婦に思えました。夫婦が“連れ添う”とは、こういう事なのですね。人間の美しさと醜さが等しく、そして正確に描かれている映画に大拍手。無粋な理屈を捏ねない至福のハッピーエンドに絶賛を送らせてください。タイトルも、主要キャストも、さほど“惹き”を感じない装丁ですが(失礼)、これは傑作も傑作。コメディ好きなら観ないまま死んだらいけませんよ。
[インターネット(邦画)] 9点(2020-08-15 08:28:55)(良:3票)
332.  わたしのハワイの歩きかた 《ネタバレ》 
主人公がハワイまでやって来た表向きの理由は2つ。①ガイドブックの取材のため(仕事)、②ハワイで結婚式を挙げる友人の2次会会場の下調べ(プライベート)。でも実際は、仕事で評価されない現実と、社内不倫という現実、2つの辛い現実から逃げ出すためでした。会社の経費を使いまくり、出張期限をぶっちぎって遊びまくり、最終的には『ハワイの住人』になるという結末。リゾート地でバカンスの延長から住み着く人っていますよね。『現実逃避』は、本来一時避難ですが、主人公の場合は計画移住の線が濃厚。一応仕事はこなしたので会社から訴えられる心配は無さそうですが、筋を通さぬ身勝手な振る舞いは社会人として褒められた態度ではありません。ただし、主人公の生き方を非難する気もありません。一度きりの人生、好きに生きたらよろしいでしょう。さて、そんな型破りな主人公ですが、一番のサプライズは『玉の輿』を自ら降りた事。王子様の年齢や人間性に難ありでもないのに、当てた宝くじを自ら破り捨てるとは。彼女の人生観が伺い知れます。歯に衣着せぬ物言いは、日本よりもアメリカ向きなのは間違いありません。結果的に移住は正解だったと思います。自分自身で人生をコントロールしようとする姿勢も良いと思いました。ただそれなら、お茶漬け屋からのプロポーズなんか待たずに、自分から告白したら良いのに。これが乙女心ってヤツなんでしょうか。榮倉ちゃんがモデル体型のSクラス美女ゆえ、その存在自体が『浮世離れ』しており、感情移入し辛いのが難点(オッサンが何言ってんだか)。あるいは「こんなの御伽噺なんだから、お前ら本気にすんなよ」という監督からの忠告かもしれませんが。
[インターネット(邦画)] 5点(2020-08-10 18:28:46)
333.  ミス・メドウズ ~悪魔なのか? 天使なのか?~ 《ネタバレ》 
主人公のキャラクターが強烈です。歳の頃は三十路半ば。クセのある美人。ガーリーな服装にハンドバッグ、手袋、白のロングソックスにタップシューズがマストアイテム。そこはかとなくメン〇ラ臭が漂います。で、悪人を見つけたら躊躇なく引き金を引くという。イメージ的にはアダルト版『ヒット・ガール』かと。メドウズ役のケイティ・ホームズのルックスが、アリよりのナシというか、ナシよりのアリというか、もう絶妙でした。地雷女なのは火を見るより明らかなのに、それでも手を出したくなる不思議な魅力を醸し出していました(熟女好きってこんな感じなのかな)。トム・ク警官の気持ちも分かります。ただ避妊をしなかったのはアホとしか言いようがありませんが。悪趣味と言われようとも能天気に徹した『キック・アス』とは対照的に、本作では主人公の内面に潜む闇に訴求しています。真面目かと。でも悪手です。この手のお話は、言い訳しないのがお約束なのに(ルパン3世だって泥棒の言い訳はしないでしょ)結果、辛気臭くなったばかりか、観客に善悪の是非を考えさせてしまい、爽快感が目減りしてしまいました。誠に残念であります。ところで私は吹き替え版を鑑賞したのですが、メドウズの日本語吹き替え声優さんが明らかに下手でした(ごめんなさいね)。なんとなくタレントのローラっぽい感じ。コレ、普通ならマイナス査定ですが、本作に限っては吉と出ました。子どもがそのまま大人になったような危うさが、上手く表現されていたと思います。調べたところ「川崎サキ」さんという女優さんだそうですが、誰やねん(またまたごめんなさい)。この起用がコネか何かであるならば『奇跡』ですし、ちゃんとオーディションで選んだのであれば『お見事』としか言いようがありません。
[インターネット(吹替)] 6点(2020-08-10 18:25:43)(良:1票)
334.  記憶にございません! 《ネタバレ》 
政界を扱った三谷幸喜作品と言えば、視聴率が振るわなかったTVドラマ『総理と呼ばないで』が思い出されます。三谷氏にとって鬼門とも言える題材への再挑戦は立派じゃないですか。とはいえ評価は是々非々ですけれども。さて、タイトルの元ネタと言えば、ご存じ『ロッキード事件』。以後、政治家の常套句として定着した言い逃れフレーズであります。また、首相のモデルはおしゃれ帽子がトレードマークのあの人でしょう。一応『架空の国』との注釈付きですが、現実からの引用が多々見られ、本来は風刺映画の体裁です。ところが皮肉批判は鳴りを潜め、総じて毒気は薄く、寓話としての色合いが濃い仕立てでありました。クライマックスは、首相と奥様の復縁話。もう政治と関係ありません。あくまで娯楽作品。過度な刺激は必要ないという事でしょう。ここからネタバレ。首相の記憶はいつ戻っていたのか問題。「あっ、ここで記憶が戻ったな」という演出は施されず、『実は記憶が戻っていた』という首相の告白のみで、漠然と処理されます。いつ記憶が戻ったのか、気になりますよね。でも、ここにメッセージが込められていると考えます。『人生をやり直すのは、何時だって構わない』ということ。偽りの記憶喪失を演じられるクソ度胸があれば、そりゃ何だって出来るでしょうよ。でも普通の人には無理な話。この一点からも、主人公は単なる傀儡ではなく、傑物である事が分ります。でもそれなら、それまでの愚者ぶりの説明が付かないワケで、頭に石が当たった事で『我に返った』と見立てるのが正しい気がします。悪いことをしたら謝る。間違ったらやり直す。子どもの頃教えられてきた常識が、大人の世界では非常識に変わるように、主人公も政界に毒されて本来の自分を失っていたものと考えます。あな恐ろしや。でもこれが一般的に『大人になること』だったりします。キャラクター造形の面白さや会話劇を楽しむ三谷監督お得意の王道喜劇。気楽に観られる大衆娯楽映画として、価値は充分と考えます。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2020-08-05 19:28:12)(良:4票)
335.  女ドラゴンと怒りの未亡人軍団 《ネタバレ》 
戦で夫を失った未亡人の皆さんが、武器を手にとり戦場へ!後家さん軍団の結成だ!!みたいなノリですが、「敵討ち」としての悲哀は薄く、純粋に男手が無いので女性が駆り出された話。皆さん「武術の腕に覚えあり」の方ばかりなので、中国版アマゾネス軍団と言っていいでしょう(というかリメイクでした)。後家さん軍団には、一娘、二娘、三娘のように分り易い名前が付され、それぞれに得意の武器(槍だったり弓だったり)があるという、なんとも厨二心を刺激するワクワク設定。しかし、名前と顔、得意武器が全く覚えられません。綾瀬はるかが長刀で、深田恭子がヌンチャクで、みたいに馴染みある女優さんならいざ知らず、似たような美人が似たような武器を持っているためチンプンカンプン。せめて色分けとか、武器の差別化をして欲しかったと思います。聞くところによると中国のラジー賞にあたる『金のほうき賞』を総なめしたトホホ映画だそう。中国歴史時代劇ものとしての残念ぶりは私には伺い知れませんが、アクションの見応えは及第点以上のものがあったと思います。
[インターネット(字幕)] 6点(2020-08-05 19:25:55)
336.  怪怪怪怪物! 《ネタバレ》 
劇中で主人公が言及するように、人喰い姉妹より彼女を監禁した子どもたちの方が余程悪質です。表題の『怪物』は彼らを指すものと考えてよいでしょう。怪の数=主人公を除く4人の監禁犯。実際、彼らの「善悪の判断をしない」様は、空恐ろしく、激しい嫌悪を覚えました。彼らと同類だった女教師も同様です。そういう意味では、良心の呵責を感じていた分、主人公の方が随分と“マシ”に思えます。ところが最後、主人公は4人の蛮行をも遥かに上回る凶行に及びました。情状酌量の余地などない、絶対に許されない行為。首謀者グループが消えてもなお、無くならない自身へのイジメ。殺人を幇助した意味も無くなり「人間」に対して絶望した結果、主人公は身も心も「怪物」に変化したと考えます。タイトルも4人の怪物の意味ではなく、怪が4つもつく超特大の怪物=主人公かもしれません。注目すべきは、主人公のパーソナリティが特別ではなかったこと。自身へのイジメを回避するため、いじめっ子に同調する狡猾さ。ほどほどの良心。彼は何処にでもいる普通の子です。普通の子が怪物に変わるから恐ろしいのだと思います。彼はいつもコンビニのイートインでひとり夕食をとっていました。これが当たり前の景色になる“異常事態”に、事件の本質が隠されている気がします。
[インターネット(字幕)] 7点(2020-07-30 20:24:53)
337.  奇々怪々譚 醒めない悪夢の物語 《ネタバレ》 
それでは収録順に感想を。①『カーテンの向こう』主人公は常時介護が必要な身体障碍者。体の自由が利きません。それゆえ、わずか50センチ先カーテンの向こう側が伺い知れぬという設定は上手いです。ホラーらしい『見切れ』の演出も上々。オチはもう一工夫欲しいところです。②『真夜中の来客』初期設定から展開が無いのがツライです。オチはショウモナイですが、嫌いじゃありません。③『東京の友達』怖さでいえばコレが一番。見せない演出、見せる演出、メリハリが効いています。ロケーションも良。そして2話続けての『一言セリフ』オチにニヤリ。背景を考える楽しみもあります。④『古本の倉庫』これは平凡。もっといろいろ考えられるはずです。⑤『女ともだち』サプライズがあるようで、実は大してありません。狂気の表現もイマイチでした。⑥『彼氏の部屋』彼氏の人間性に戦慄する話。とはいえ、笑わせに来ているのは明白なので最早『ホラー』ではありませんが。こういうの結構好きです。⑦『釣り人』哀愁系オカルト。一応一ひねりあるものの、そんなに意味があるとは思えません。無駄な会話が多く時間の使い方が勿体ないです。⑧『ホームレス入門』既視感あり。今更感あり。全体を通じて言えるのは、役者の技量に難があること。これは有名とか無名以前の問題です。商業作品として最低限の品質は担保する必要があると考えます。お話のテイストはバラエティに富んでおり、オムニバスとしてバランス良さを感じました。しかし、それぞれの脚本は出来不出来の差が激しく困りものです。私の判断では、③⑥…〇、①②⑤…△、④⑦⑧…×。夏休み最終日に手を付けた読書感想文のようなヤッツケ感のある脚本が多い気がしました。もっと頑張れるはず。②③のように『一言セリフ』オチ縛りで、統一感を出すのもアリかと思います。各話を繋ぐブリッジ「こんな悪夢を見た」は、『奇談百景』の「こんな手紙が届いた」のパクリ、失礼丸パクリでしょうか。数多存在する『邦画トホホラー』の中にあっては、僅かに光るものがある気がしないでもありませんが、それが宝石なのかガラス片なのか、吟味する気にはなりません。
[インターネット(邦画)] 4点(2020-07-30 20:22:05)
338.  ガールズ・ステップ 《ネタバレ》 
『ストリートダンス』とは『自由な生き方』の象徴。誰もが憧れますが、簡単に出来ることではありません。諸々の事情により雁字搦めになって生きるのが常。人が社会生活を営む以上、対人関係の悩みを排除するのは困難です。彼女たちが当初ダンスに没頭したのは、地元イベントでの小さな成功体験もさることながら、自由に対する潜在的な欲求があったからと推測します。孤独の恐怖、愛の渇望、家庭の事情。踊っている間、彼女らは束縛から逃れられたのでしょう。ただ、これは一種の『対症療法』。抱える問題が肥大したことで、彼女らは対症療法さえ諦めました。このままダンスを辞めても、元の生活に戻るだけ。理論上、損も得もありません。しかし踊る事の楽しさ=自由に生きる喜びを知った者が、牢獄に戻れるはずもありません。再び踊る事を決意したのは、必然だったと考えます。それぞれが悩みを吐き出した事で、自らを縛る鎖の正体も明確になりました。敵を知り己を知れば百戦あやうからず。『しがらみ』『固定観念』『偏見』を克服するのは容易ではありませんが、彼女らは戦い方を知ったはずです。『ステップ』とは人生の階段。泣きながら、ぶつかりながら、JKは軽やかに、でも力強く、階段を昇っていきます。隣に同志がいる幸せを噛みしめて。 本作はスポーツ青春ドラマの王道フォーマットを利用しています。あとはモチーフとなる素材やキャラクターの魅力如何。『ストリートダンス』は、素人目にも良し悪しが分り易いため、かえって難しい題材だった気がしますが、努力の過程を重視し、パフォーマンスの見せ方も工夫し、クライマックスでは十分なカタルシスが得られました(最初の失敗ステージの方が、実は見応えがあったりします)。キャラクターについては、文句なしで大拍手!ISSAと見紛う塚本高史は雰囲気満点。ジミーズ5人はみな嫌味なく、等身大の女子高生を活き活きと演じてくれました。個人的にツボだったのは、岸本JK(メガネちゃん)。モッサリ具合が愛おしく、出番が少な目な分彼女の一言一言が重く、心を掴まれました。「一緒にやろうと誘ってくれた言葉は一生の宝物です」は号泣案件です。最後に一つだけ苦言を。超危険な“坂道自転車暴走”は“心の開放を表す比喩表現”として許容しますが“親に内緒の流産”は娘を持つ身として見過ごせません(昭和の学園ドラマだと割と普通だったりしますけど)。これは子どもたちを責めるより、非常事態に頼ってもらえない親が不甲斐ないと感じます。何の為の親だと。血縁に甘える事なく、家族内でもきちんと人間関係を築く努力をしなければと自戒します。
[インターネット(邦画)] 9点(2020-07-25 17:28:58)(良:1票)
339.  アルカナ 《ネタバレ》 
ネタバレあります。未見の方はご注意ください。なお以下に記述したのは私なりの解釈。原作未読ですので誤読ご容赦を。  本作を理解する上で最も重要な概念は『分身』です。劇中の説明は以下のとおり。①分身とは、本体となる人間の生き写し。もう一人の自分。②本体とは完全に別人格であり、その多くは対照的な性格である。③怪我や病気など本体に生命の危機が迫ったとき、分身は生成される。④半透明など不安定な状態の者もいる。⑤人間の心臓を食すことで安定して存在できるようになる。ただし、一度心臓を口にするとその後も心臓を欲する化け物に変わる。⑥分身は徒党を組む。⑦分身は本体に敵意を抱く者が多い。⑧電気御守りは、幽霊にも分身にも同じように効く。⑨分身への物理攻撃は無効。 散らばっていた情報を纏めると、『分身』の正体が見えてきます。おそらく『分身』は実体化した『幽霊』。死んで霊魂に変わることを拒んだ人間が、分身を生み出したと考えられます。分身が本体を抹消しようとするのは、死は本来逃れられないものだから。心臓を食うという分身の習性は、肉体への執着の表れであり、アイデンティティ移行の意味もあるかもしれません。さて、『分身』という人類の『進化』は、この先どこへ向かうのでしょうか。分身を自らの意思で産んだ村上、本体を愛おしみ心臓を食おうとせぬ分身・マイコ。2人のパイオニアの表情からは、明るい未来が読み取れます。しかし『分身』が『自然の摂理』に沿わぬ存在であることは変わりません。運転中のトラックドライバーが突如消えたように、分身も、分身を生んだ本体も、消え去るのが運命。村上とマイコに与えられた現世でのアディショナルタイムはいかほどなのでしょう。聞けば山口義高氏の初監督作品とのこと。短いイメージカットのモザイクを使って、作中でプチ予告編を敢行するなど意気込みが感じられます。また土屋太凰や岸谷五郎など、キャスティングにメジャー感はあるものの、作品の色合いは基本的にB級です(悪口ではありません)。おそらくアクションが売りの監督さんなのでしょう。三池監督のお弟子さんといわれて納得です。
[インターネット(邦画)] 5点(2020-07-25 17:27:27)
340.  メガ・シャークVSクロコザウルス<OV>
知的むっちり美女にメロメロ。
[インターネット(字幕)] 3点(2020-07-20 18:54:50)
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