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R&Aさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

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21.  愛妻物語
レビュー二番目にして前の方と同じく4点というのはなんだか気がひけるのだが、見る人によってはじゅうぶんに高得点だってありえる感動ドラマですので。とフォローから入ってみる。シナリオライターの主人公が「これはシナリオじゃない。ストーリーです。」と大御所映画監督・坂口から付き返されるシーンがありますが、これは実際に新藤が溝口健二監督に言われたという有名なエピソードです。そのことからもこれは「半自伝」どころか「ほぼ自伝」と言っていいかもしれません。新藤監督の亡き妻への気持ちと監督デビュー作ならではの力の入りようゆえか全体的にちょっと硬い印象を受けました。演技自体もどこか前時代的に見えたのは、たまたま同時期に拝見した同時代同テーマの清水宏『もぐら横丁』のせい(清水監督の演出は際立って自然を装ってるもんで)だけではなかろう。でも私映画の、しかもこの内容ならではの監督の真剣さは伝わります。
[映画館(邦画)] 4点(2010-05-19 16:53:56)
22.  刑事(1959)
ビスコンティ『ベリッシマ』あたりを想起するアパートの喧騒から始まり、ラストシーンなんてもろにロッセリーニ『無防備都市』のアンナ・マニャーニだったのだが、そんなネオレアリズモの世界にハードボイルドなピエトロ・ジェルミ扮する刑事がいることの不思議。捜査も地道さを強調しており、ずっとネオリアリズモ風を維持してるんだけど、それゆえにジェルミ刑事のかっこよさが浮いているように思えた。疑わしい人間に対する強引で横暴なジェルミ刑事のやり口も、これまた当時のリアルなんだろうけど、それをかっこよくしちゃってるところにやっぱり違和感あり。嫌いじゃないんだけど。
[DVD(字幕)] 6点(2010-04-23 15:01:41)
23.  丹下左膳(1958)
いきなり大岡越前と吉宗の密談という、たいそうな人たちが登場し大作感をかもしながらも笑いがあって色恋に歌もあり、いかにもな悪党がいて、もちろんチャンバラもありの軽快な娯楽時代劇に仕上がっている。主軸は左膳と源三郎。孤児ちょび安と源三郎の新妻萩乃 が二人のヒーローたちの弱みとして存在する。このメインキャストだけでも豪華なのだが、このうえに歴代左膳役者たちのゲスト出演とくる。お祭りだ。こんなのがバンバン作られてたってのが凄い。この作品の楽しみ方のひとつとして豪華な役者陣を楽しむというのが絶対あると思うので同時代の映画をたくさん見れば面白さは倍増すること間違いなし。
[映画館(邦画)] 6点(2010-03-02 16:07:11)
24.  地下水道 《ネタバレ》 
“『地下水道』のほうが引きつけて離さないパワーを感じた”と『灰とダイヤモンド』のレビューで書いたのが約2年前。ということはそれ以上前に見た映画ということになるが、やはり今もって鮮烈に覚えているシーンが『灰とダイヤモンド』以上にある。まずは冒頭の長回しの移動撮影。何も語らずに戦闘の日常化が映され、彼らの壊滅的状況が描かれる。地下水道に入るまでに精一杯の人物描写をする。地下に潜ってからはひたすらに暗い。真っ暗。わずかな光で誰が誰なのかを判断する。見てるこちらは集中せざるを得ない。集中するに足るスリルはじゅうぶんにある。この集中させる展開と前半のしっかりとした人物描写がここで活きてくる。それでもこの暗さは、この閉塞感はやはりこたえる。だからこそ彼らと共に光を求めて、その光の先にあるものに驚愕するのだ。戦争映画であるまえに優れたサスペンス映画である。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2009-12-14 17:16:10)
25.  熱いトタン屋根の猫
明朗快活に見えるアメリカの表層の下にうごめく心の闇に光を当てるテネシー・ウィリアムズの戯曲を心の闇を描かずに映画化してしまっている。自殺した親友に対する同性愛的感情から生まれる葛藤という心の闇を描かずに。当時は当然タブーだったんだろうから仕方ないんだけど。親友の死のショックと親友と自分の妻に何かあったのではという嫉妬に置き換えてなんとなくまとめているがちょいとムリがある。ムリがあるんだけどそこはなんとかしなくちゃいけなく、親子の問題、兄弟の問題、夫婦の問題をからめて筋が通るようにしているのは苦肉の策としては合格点なのだろう。兄嫁のあんまりなキャラに辟易しつつもエリザベス・テイラーのもうなんて言ったらいいのか、要するに色っぽいというかいや全然セクシーなことしてないんだけど内からにじみ出るような若妻臭というんでしょうか、ってそう書いちゃうとものすごくエロいけど、そうじゃなくてもっとこうなんちゅうか、、、、たまらんね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2009-09-09 17:36:18)(良:1票)
26.  4Dマン 《ネタバレ》 
とんでもない発明をしてしまうのは物理学者の弟である。職にあぶれて女もいない。一方科学者の兄は立派な研究所の主任で将来有望、なおかつ美人の恋人がいる。それでも狂ってゆくのは兄の方という意外性。そして兄だからこそという丁寧な理由付け。さらには弟の発明が招いた事件を兄の発明したもので締めるという構成の巧さ。いやなかなか面白かった。途中から葛藤やら怨みつらみやらが置いてきぼり状態で兄はただの化け物と化してしまって物語的には面白みがなくなってくるのだが、4次元に生きているんだからたしかに無敵の化け物だ。かといってモンスターものとしては弱い。派手さもなければ怖さもない。科学の暴走の末の悲劇という王道に放射能の潜在的恐怖を加味したこの時代特有のSFホラー。
[映画館(字幕)] 6点(2009-08-12 14:16:57)
27.  雲ながるる果てに(1953) 《ネタバレ》 
特攻隊員たちが皆人間臭い。そのぶん尊さが募る。軍国主義の世界で養われた思想を持ち、自爆攻撃を誇りにすら思う主人公でさえ、独りになれば子供のように泣く。家族に会いたい。怖い。死にたくない。そしてけして自らが特攻隊として出撃するはずのない上官たちのあまりな態度に、国家の犠牲となる個人という図式を明確にし、反戦のメッセージとしている。隊員たちがとうとう出撃して映画が終わるのではない。たいした戦果をあげられなかったことが報告される。そして上官たちの「なに、特攻隊はまだまだいるよ」という非情なセリフが放たれ、次のカットに子供たちが歌う姿が映し出される。ここは強烈。
[ビデオ(邦画)] 7点(2009-08-07 13:53:59)
28.  こころ(1955)
原作に関して同性愛小説ととらえる向きが(とくに海外で)あるらしいのですが、私自身が読んだかぎりでは全く感ずるところはなかったのですが映像にしてみるとなるほど、たしかにそんな解釈もありだなと思った。主人公と先生の出会いのシーンが最も顕著で、半裸の男が映し出されるというだけでなんとなくそんな空気を感じてしまった。しかしどうもたんに映像の力だけではなく、この映画自体がそっちの思考で作られているっぽいような気もする。先生の回想シーンでも先生と友人の関係は同性愛的描写はなくとも男同士の友情とは一線を画した何かを感じずにはおれない。作品に漂う鬱屈した空気はまるで本人が自分の中に目覚めた気持ちに気付いていないゆえの息苦しさのようだ。最初、原作にはないラストシーンは蛇足にしか思えなかったのだが、同性愛的なものが心の奥底にあったのなら何にも置いて一人蚊帳の外であった妻を最後に登場させたこのラストシーンはなかなかキョーレツな味わいを持っているではないか。ううむ、新藤兼人版も見てみたい。
[DVD(邦画)] 6点(2009-07-21 17:09:40)
29.  ウンベルトD 《ネタバレ》 
50年代のネオレアリズモ映画で描かれた高齢者の孤独、貧困問題、年金問題が古びるどころか普遍性を増し、新しくさえあることに驚かされる。とはいってもけして社会問題を描いた映画ではなく、それらは背景に過ぎないことはネオレアリズモ映画に共通する。主人公の老人はけして弱々しい老人ではない。実に人間らしいずるさも見せる。頑なに弱者とならんとするプライドもある。そこがネオレアリズモであり生々しさの源泉となっている。老人だけでなくアパートで働く若い女もまた社会的弱者として登場するところがまた「現実」の非情さを助長している。「暗い」と言われるネオレアリズモ映画にあって老人の庇護すべき子供のような、それでいて最高の理解者であり友人である雑種犬の健気な仕草が作品全体を和やかな雰囲気にしている。と同時にラストの感動的なシーンを見事に演じている。
[映画館(字幕)] 7点(2009-06-02 14:04:41)
30.  スリ(1959)
才能ある一部の特別な人間は罪を犯してもよいという哲学はまぎれもなくドストエフスキーの「罪と罰」だが、様々なテーマを内包するこの小説とは違いブレッソンはテーマを無視し物語すら端に追いやりひたすら「動き」を映すことに専念する。ただ泥棒が泥棒をして捕まるという筋があってそれらが映されるだけでそこに主人公の罪に対する葛藤のドラマもなければ貧困あるいは不信や不満といった社会背景が描かれるわけでもない。映画は動くものを映すものという原理のみを追求する。それだけでも楽しめるのが映画なのだ。というかこれが映画。スリの場面は手がアップで映される。その動きの美しいこと!物語は消失し画面では堂々と「手」が主役を張っている。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2009-05-19 14:16:52)
31.  宗方姉妹
高峰秀子が全然小津調に馴染まない。他はみんな小津調なのに彼女だけが違う。でもこの異物感はイヤじゃない。古風な考え方の世界の中に現れた新しい考え方。そういう話だった。そうするとこの異物感はむしろ歓迎されるべき。どんな俳優も小津映画では小津のリズムに生きるのに、一人異なるテンポを維持する高峰秀子は素晴らしい。ということになる。静寂に波風たたせるのって楽しい。完成されたものをぶっ壊すのって楽しい。小津は自分のつくった形式を高峰秀子を使ってぶっ壊している。そしてそれを楽しんでいるに違いない。姉と喧嘩してどっちが正しいかお父さんに聞きに行く。小津の化身・笠智衆が言う。お前の好きなようにするがいいと。古いから、新しいから、じゃなく古くても新しくてもいいものはいい。
[DVD(字幕)] 7点(2009-02-10 18:05:09)
32.  エデンの東(1955) 《ネタバレ》 
結果的に「エデンの東」(つまりこの場合は戦場)に追放されたのが兄というところがどうもひっかかってしまうのだが、この物語の「カインとアベル」の逸話からの翻案ぶりは実に巧みで面白い。ただ、翻案ぶりは面白くても物語そのものはべつにどおってこともないのかもしれない。それでも最初は甘えたガキンチョにしか見えなかった主人公が、話を追うごとに徐々に、父からの愛情を与えられなかったゆえの歪みという影を見せてゆく様相にはひきつけられる。主人公が父と共に画面に映し出されるときは決まって画面が斜めに傾いているのだが、一見「歪み」を表現するのに安易なようで、実に効果的に観る者を不安な気持ちにさせていると思う。最後の最後。泣かせどころの大一番、死を前にした父の息子へのお願い(看護婦をやめさせろ)で軽く笑いをとりながらほっこり感動させるってのがハリウッド映画のソツの無さである。
[ビデオ(字幕)] 6点(2009-02-05 16:54:19)
33.  東京暮色
黒沢清『トウキョウソナタ』を観たときに黒沢清の過去の諸作品を想起したのと同じくこの『東京暮色』を想起した。どちらも家族が崩壊してゆく映画ではなく、最初から崩壊しているということを見せてゆく映画。そして父が家族の中で威厳ある存在でいるという幻想の崩壊が描かれている。日本映画は、いや、アメリカを例外とする世界の映画は「母」をこそ映画の題材にしてきたのに対し、小津はアメリカ映画の影響なのか、はたまた自らの思惑があってのことなのかは知らないが、「父」を描いてきた。小津の描く「父」は何もしなくても、何も言わなくても、「父」として、家族の長として存在することを家族が認めていた。しかし『東京暮色』の父は何もしないのではなく何もできない存在として描かれる。そして母の不在こそが家族を分断させる決定打となっている。小津が描く「父」はいつもどこか寂しげな一面を見せてきたが、ここではその寂しさも泣きっ面に蜂状態。娘(原節子)も母(山田五十鈴)もそれぞれの事情を抱えてそれぞれの道を歩む。杉村春子は相変わらずのマイペース。父はひたすら何も出来ない。理想の家族形態が存在する古き良き時代の終焉を描いた映画といえるんじゃないだろうか。悲劇を悲劇として描かず、あくまで日常として描く。痛切で怖い映画だ。
[DVD(字幕)] 8点(2009-01-29 14:23:16)(良:1票)
34.  イヴの総て
お話は面白いし、冒頭の受賞式シーンから回想に入ってゆく構成も巧いし、人間関係も整理されてて分り易いし、配役もお見事だし、名セリフてんこ盛りだし、どう見たって名作なのは間違いないのだろうけど回想形式にした部分意外は映画というよりも舞台劇を見ているような感じ。セリフが多いのはいいのだが、その言葉が決定的なものであふれかえりすぎている。お話と無関係の言葉は全く出てこない。当時のハリウッド映画ってだいたいこんなのが多いんだけど、これで2時間超はキツイ。いや、舞台っぽくても面白さが凝縮されてるならそれはそれでオーケーなのだろうから個人的な好みの問題でしかないのですが。それでも時間をあと30分端折ってくれたら手のひら返したように絶賛するかもしれないくらいの面白さはある。
[DVD(字幕)] 5点(2008-12-17 11:41:55)(良:1票)
35.  左きゝの拳銃
ビリー・ザ・キッドものはこれ以外には『ヤングガン』とペキンパーの『ビリー・ザ・キッド/21才の生涯 』ぐらいしか見ていないが、ビリーの人物像はこの作品のビリーが最も納得のいくもので、作り手もおそらく一番重要視したのはリアルなビリー像だったんじゃないだろうか。復讐の影で多くの人に迷惑をかけ、多くの命をないがしろにすることに気付かない血気盛んでいて浅はかにすぎる青年をニューマンが熱演。粗野な一方で教養の無さをコンプレックスに思う子供っぽさがニューマンのファニーフェイスとまたしっくり合う。パット・ギャレットがえらくかっこよく描かれているが、ビリーのおそらくは史実であろうエピソードに時間を使いすぎて出番が少ないのがもったいない。アーサー・ペンのデビュー作らしいが、銃撃戦の合間やラストのギャレットと対峙するまでの沈黙の時間がなるほどアーサー・ペンらしいと思った。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2008-12-12 14:11:03)
36.  恐怖の報酬(1953)
ずっとずっと前にリメイク版のレビューに書いたのだが、私にとっての『恐怖の報酬』は何度もテレビで観たリメイク版の方です。それでもオリジナルを初めて観たときは唸りました。同じようにハラハラドキドキはするんだけど、恐怖の質が違う。緊張の度合いが違う。何人かの方が書いておられるように前半のくだりが後に効いてきます。いくら報酬が破天荒な額であっても死んだら元も子もないわけだが、そうせざるを得ない状況の説明、いわゆる物語の辻褄合わせがされているわけだが、ただの辻褄合わせだったら要らない。ここで描かれる主要人物の人となりが、ニトロ運搬の過程でそれぞれの行動に納得、また意表をつかせながら濃厚なドラマを形成し、同時にサスペンスを盛り上げることにも一役買い、尋常ならざる緊張感も持続させる。いろんなことが次から次に起こる展開はサービス精神が旺盛にすぎるような気もするが、詰め込み感は然程ない。月並みな言い方になるが、やっぱり本家本元は違うねえ。
[ビデオ(字幕)] 7点(2008-10-07 14:42:53)
37.  奇跡(1955) 《ネタバレ》 
キリスト教を真摯に描こうとすると、だいたいにおいてほとんどのキリスト教信者は真の信者でないということに至る。この作品でも信仰心を強く持っているはずの人が「奇跡」を信じない。当然といえば当然である。いくら神父や牧師といえど、聖書に記された様々な奇跡を真実だと思っている人なんてそうはいないだろうし、仮にいたとしても今再びその奇跡が行われることを信じるかということになれば疑問を抱くのではなかろうか。この映画は信仰はこうあるべきだと言ってるのではなく、むしろ信仰って何?と問いかけているよう。ただこの映画が凄いのはそんな宗教観なんかじゃなく、奇跡という事象をもたらす見えざる何かがいる気配を画面に残しているように見せてしまう映像にある。映されるのが家の中がほとんどの中、突如として現れる空と草原の絶妙な構図、真っ白い洗濯物、そして風、この瞬間こそが奇跡そのものだ。
[映画館(字幕)] 8点(2008-09-17 12:12:42)(良:2票)
38.  禁じられた遊び(1952)
子供の頃に観たときはなんのこっちゃでしたが、大人になって観てみるとなるほど奥が深い。学校へ通う少年は文字が読めるけど、家の大人たちは読めない。この状況が子供の頃は理解できなかった。少年はただ文字を並べて祈りの言葉を口から吐く。その露骨なまでの投げやりな口調からは当然信仰心など見えてこない。でも大人たちの疑心に溢れた行いこそが信仰から遠く離れたものとして描かれてもいる。だから大人たちは戦争をしでかすのだ。ただここが大袈裟でコミカルにすら見えてしまうのだが、コミカルな方へはけして行かずシリアスのまま進行するのでちょっと戸惑ってしまう。音楽はひたすら悲しいし。男の子がぶたれるときの女の子の泣き顔は演技なのだろうか。5歳やそこらであんな顔はできんぞ。ラストもやるせない。この作品が名作となった功績は彼女の演技が大きいと思う。
[DVD(字幕)] 6点(2008-09-16 17:52:56)(良:1票)
39.  赤い風船
セリフがほとんど無いのですが、例えば雨の中、風船が濡れないように通りを行き交う人達の傘に入れてもらいながら歩を進める少年と傘に入れてあげるおじさんおばさんたちの会話なんてのは、はっきりと聞こえたような気になります。路面電車で乗車拒否をされたり教室まで追い出されたりといったシーンも然り。何も考えずにぼーっと見ていても様々な声が頭の中で響きます。かわいらしい赤い風船の動きも素晴らしく、またラストのたくさんの風船たちにも感動した。幸せな気分に浸りたい方、おすすめです。 <追記(2008.8.28)> 近所のレンタル屋に置いていたこの作品(ビデオ)がいつのまにか無くなってしまい、今度はいつ観る機会に恵まれることやらと諦め半分に思っていたところに本年デジタルリマスターで蘇った本作が劇場公開された(『白い馬』と共に)。セリフも無く、字幕も無く、映像だけで感動する。この感動こそが「映画」。「映画」だけにしか出来ない感動がここにある。いわさきちひろさんのこの作品を元にした絵本も素敵だが、全然違うんだ。感動が。
[映画館(字幕)] 9点(2008-08-28 17:23:59)(良:1票)
40.  夏の夜は三たび微笑む 《ネタバレ》 
映画会社からの要望に沿って意に反するものを作っては興行的に失敗することを繰り返し、崖っぷちで作らされたのが本作。喜劇であることを条件につきつけられたベルイマンがやけっぱちで作ったとか。それでも男と女の間に生まれる複雑な感情と、その感情ゆえの行動と感情に反した行動とが描かれるという「神の沈黙」以上のベルイマンの終生のテーマがはっきりくっきり描かれているんだから、これもまたいかにもなベルイマン映画だともいえる。私の大好きな『愛のレッスン』同様に愛の交錯が面白おかしく語られてゆくうえに主演女優も同じなんだけど、一組の夫婦がベースとしてあった『愛のレッスン』に対しこちらはベースのカップルが途中から入れ替わっちゃうせいで若干シニカルさを含んでしまっている。それもまた一癖あっていいのだが。関係だけがやたらこんがらがっていて、展開はお気楽そのもの。あまりにお気楽すぎてかえって皮肉めいて見えるのはベルイマンだからだろうか。スウェーデンの夏の夜(白夜)は一度目の微笑で若いカップルを旅立たせ、二度目の微笑で4人の男女の本意を目覚めさせ、三度目の微笑で恋愛とは縁のなかったメイドと運転手を結ばせて終わる。洒落ている。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2008-07-22 18:32:13)
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