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鱗歌さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3876
性別 男性
年齢 53歳

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21.  浮草物語
旅芸人の一座がとある町にやってきて、それがいかにも街道沿いの宿場町か何かみたいなことろ。風情があります。 で、その町には、一座の親方の元妻と元息子、いや息子に「元」は不要ですね。「元」をつけると何だか今では娘になってしまったみたいで、決してそうではありません。それはともかく、彼らの存在が嫉妬を呼んで、思わぬ展開となっていく。前半は(自分が実の父とは知らない)息子と一緒に釣りに行ったり、わりとホノボノしたシーンが続き、そこから後半は波乱の展開。余韻を残すラストまで、なかなか巧みな物語構成で、グイグイ引っ張っていきます。 クライマックスで、一座の娘が二階に上がり、息子と視線を交わす場面、その無言のやり取りの雄弁さ。まさにサイレントならでは。
[インターネット(邦画)] 8点(2022-03-16 23:03:21)
22.  ゲームの規則 《ネタバレ》 
冒頭のフィガロの結婚の引用からの連想かも知れないけれど、オペラ・ブッファを思わせるような作品です。その連想でいくなら、ジャン・ルノワールの役どころは、狂言回し的なバッソ・ブッフォといったところでしょうか。 場面場面ではちょっとした悲喜劇みたいなものがあって、登場人物たちがさまざまに「重唱」とも言うべきものを奏で、それが映画の見どころ(オペラなら聴きどころ)なんでしょうけれど、全体を通してみると、他愛が無いというか、あまりまとまった筋立てもない印象(間違ってもこれはヴェリズモ・オペラではありませんな)。 ところが、最後まで明るさを通さない、通せないのが、オペラというものと映画というものの違いなのか、それとも本作の本作らしいところと言うべきなのか。最後には悲劇が待っており、しかも何だかそれが、まるで最初から避け難かったものであったかのような感じがして。で、ここで、映画の内容との関係があまりよくわからなかった『ゲームの規則』というタイトルに、思いが至る。みな、自由気ままにふるまっているようで、実はそうではなかったのか。 実は、モーツァルトのオペラも同じようなもんで、「オペラはみんな、こうしたもの」ってなところなのかも知れませぬ。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-10-21 13:50:48)(良:1票)
23.  赤垣源蔵
忠臣蔵モノの一本。主君の仇討ちに立ち上がることもなく、長屋で呑んだくれている赤垣源蔵、その彼を取り巻く人々が描かれます。 討ち入りの場面も終盤に少しだけ描かれますが、作中の大半、主人公はグータラ状態。その代わりと言っては何ですが、映画中盤に、仲間の浪士を助けて源蔵が立ち上がり、海岸を舞台に目の覚めるようなチャンバラを繰り広げる場面があります。 無論、ただ呑んだくれている訳ではなく、討ち入りの日まで身を潜めるためのものですが、そんな事を理解してくれるのは忠臣蔵ファンくらいのもんで、周りの人間にとってはあずかり知らぬこと。自分を慕ってくれる女性はヨソへ嫁いでしまい、兄家族にも疎んじられる。しかし源蔵は言いたい事もグッとこらえ、ただ耐える。耐えてナンボの忠臣蔵、だから耐えねばならぬ。 討ち入り前夜、一目逢っておきたかった兄を訪れるも不在、という「徳利の別れ」のエピソードが本作の中軸となりますが、弟に逢いそびれた兄の、弟への想いが切々と語られる場面が、見せ場になっていて、愁嘆場を演じることなく、あくまで節度ある演技と演出でこれだけの情感を出している。口うるさい忠臣蔵ファンでもご満足いただけますことでしょう。ラストシーンは、『モロッコ』の影響を受けているような、いないような。 それにしてもこういうお話に触れていると、要するに人間、自分が他人に理解されないことを嘆いているようでは、ダメなのね。だって、そんな「他人からの理解」など元々、あり得ないのだから。「理解」ではなく、「情」が、自分と他者との接点、なんですね。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2016-10-27 12:48:09)
24.  江戸の悪太郎(1939)
古い映画で欠落もあり、映像の状態は良好とは言えないですが、演出の粋というものは十分に堪能できます。一部の場面を除き、音声の状態は比較的良いので、この点で興を削がれることもあまり無いでしょうし。 長屋モノですね。傘張りを生業としている浪人のアラカンは、子供たちに勉学を教える先生でもあるのですが、ひょんなことから、身元不明の少年を自宅に住まわせることになる。この少年、少々オッチョコチョイでやることなすことトンチンカン。それもそのはず、正体はとある大金持ちの娘さん、結婚がいやで逃げ出し、浮浪少年の恰好に身をやつしていたもの。アラカン、そうとも知らず、いちいち言動に呆れたり説教したり。このあたり、厳しく愛想が無いようでいて、ツッコミ切れずに何となく折れてしまうヒトの良さなんかも感じられて。アラカンの端正(と言ってよいんだろうかこれは)な横顔が、いい味出してます。 という騒動を描いた映画かと思いきや、物語は突然、謎のカルト教団との戦いへ。長屋の子供の一人が家出している間に、彼の母親が謎の入水自殺を遂げる。大事なお金を落として家に帰れぬ子供の焦燥感、子供を探す母親に訪れる異変、このあたりの一連の描写が実に印象的。カルト教団に関わる場面で流れる音楽が、ちょっと幻想交響曲の「怒りの日」をモチーフにしたみたいで、何とも言えぬ怪しさを醸し出してます。 で、いよいよカルト教団に乗り込むアラカン、物語はクライマックスへ。ヒーローもののようでいて、あくまで長屋モノのテイストを貫いているのも、いいですね。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2016-10-06 12:10:12)
25.  モホークの太鼓
いっしょに観ていた幼稚園の息子が突然「この人、エイリアンみたい」と言い出し、その後もしきりにエイリアンエイリアンと言ってるもんで、アンタそりゃエイリアンじゃなくってインディアンやろ、と。まあどうでもいいことですが。 独立戦争時代の西部開拓地域。そこに若夫婦がやってくる。旦那はある程度この未開の地にも慣れた感じだけど(例によって、ヘンリー・フォンダの分別顔がちょっと憎たらしいんですが)、不慣れな奥さんの方は驚きの連続、最初は気丈に振る舞うも、やはりたまったもんじゃない。という訳で、旦那の方はどうでもいいとしても(笑)、奥さんの成長というか変化が、ひとつの見どころですね。しかしそれ以上に、このまだ開拓途上にある混沌の地において光っているのは、やはりいい味だしまくってる脇役陣ですね。どうしてこうもジジイやババアを描くのが上手いのか。いや上手い下手は別にして、こうも面白く描くのか。 基本的には白人同士の戦い、軍人か否かを問わず、誰もが命がけで戦わねばならぬこともある。んだけど、その双方に、先住民の協力者がいる、という描写も面白いですね。で、敵方についた先住民、家屋に火を放ち、凶暴なのかと思いきや、根性オバちゃんに振り回される人のよさも見せたり。 そんでもって、クライマックスの砦の攻防、盛り上がります。さらには超絶ランニング。一体何十km走ったのか。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-12-06 08:25:48)
26.  鴛鴦歌合戦
とかく浮世はままならぬ、日傘さす人、作る人。って、なんのこっちゃですけれども、片や日傘をさしたおとみさん、片や日傘を作るお春さん、千恵蔵演じる浪人を巡って、確かに何かとままならぬ訳です。しかし、作った傘を干しているとそこに通り雨、傘が濡れては大変と、これをキッカケに男女がうまく引き寄せられたりもする。はたまた、お春さんが父親の骨董道楽を嘆いている場面、千恵蔵が「そのうち掘り出しモノでもするかもよ」と言うのに対してお春さんは「そういう夢みたいなこと大っ嫌い」と言い放つんですけど、これがラストの伏線になってる。なってるけど、でもこのラストは、衝撃的です(笑)。いやホント、みんな笑ってていいのか~と思うんですけど、いいいんでしょう、きっと。もはや一種の躁状態。時代劇ミュージカルなんていうハチャメチャな作品ですから、オチもハチャメチャでいいんです。で、音楽はというと、一曲一曲は他愛ないものですが、会話の中に歌がピタッとはまってくるのが気持ちよく、とにかく楽しさ満点です。中でも、ディック・ミネのあまりに気持ちよさそうな歌いっぷりが、何やら悟りに近いものすら感じられて(笑)。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2015-09-29 22:47:17)
27.  大人の見る絵本 生れてはみたけれど
この作品、きっと人によって受け止め方はまちまちで、“だから大人ってイヤなんだ”と思う人もいれば、“なんちゅうムカつくガキどもだ”と思う人もいるかも知れないし、“メガネのお母さんに萌え萌え~”というマニアな人もいるかも知れない(これは私のことですかねはははは)。こういうさまざまな感情を我々に抱かせるのもやはり、この作品がとても見事に、活き活きと子供たちの姿を捉えているからでしょう。特に、親子喧嘩の場面、親父が子供のお尻をペンペンなんていうのは、現実世界でも日常茶飯事の光景(というよりマンガ的な光景)な訳ですが、その光景に我々はハラハラしながら観入って、引き込まれてしまう。他の方もおっしゃっている「サイレントであることを忘れる」シーンのひとつです。それにしても、やっぱり、父親ってのは、息子に超えられるための存在、なんだなあ、と。平凡なサラリーマンになって、外から見れば確かにそりゃ平凡なんだけど、誰しもが時には、耐えがたきを耐え、忍び難きを忍び、お先真っ暗、ああ給料をもらうのっていかに大変なことか、と思いつつも、家に帰って子供の顔を見ると「ま、いいか。要するにもう自分の時代じゃないんだよな、これからはコイツらの時代なんだよな」なーんて思ったり。そんなこと思いつつもやっぱり本能的に「コイツらに簡単に超えられてたまるか」とも思っていて、実際、簡単に超えられちゃいそうなしょうもない駄文をとある映画サイトに書き込んでいることなんかは、家族には秘密だったりする(笑)。世の子供たちよ、お父ちゃんがダメダメに思えたら、多分本当にダメダメなんでしょう、でも、苦労はしているのです。多少はいたわってあげてくださいな。そしてその苦労は、あなたたちもいずれする苦労です。そしてお父ちゃんは、あなたたちの将来を、本当に心配しているのです。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2013-07-12 23:35:00)(良:1票)
28.  間諜X27
クラシック映画=端正な映画、だなんて思っていると、さにあらず。例えばこの映画なんですけど……私だけですかね、観てて気持ち悪いというかコワイというか、妙な気分になるのは。とにかくショットの繋ぎが刻むリズムが、気持ちの悪い、不思議な変拍子。劇中で何度も有名曲が引用される、その音楽のリズムに対し、映像の「間の悪い」リズムが重なり、これはもう妖しすぎるポリリズム。ついでに調子ハズレの月光ソナタなど、音楽までもが変容していく。再三登場する二重写しのシーンなんかも気持ち悪くて気持ち悪くて、おいおいこの映画呪われてるよ、と言いたくなっちゃう。↓皆さんそろってディートリッヒに言及しておられる気持ち、本当によくわかる。この歪んだ作品の中を、ズバリ一本貫く存在、それが彼女なのだから。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-11-04 08:26:01)
29.  祇園の姉妹(1936) 《ネタバレ》 
祇園の姉妹、とは言っても中心的なのは妹役の山田五十鈴。で、さっぱり色気がない(笑)。中性的。で、和装、洋装、下着姿、さまざまな姿で登場し、アレコレうまいこと言って男どもを手玉にとる。このあたりのやりとり、どこか落語調で、イヤミが無く、結構楽しい。しかしラスト近く、それまで中性的だった山田五十鈴が、カツラをかぶって芸妓姿となるシーンの色っぽさ。ここにドキリとした直後、手玉にとられた男たちの復讐が待ち受けているという、二重の衝撃。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2012-05-17 00:46:41)
30.  フランケンシュタインの花嫁 《ネタバレ》 
『ヤング・フランケンシュタイン』と『悪魔のはらわた』を足して2で割ったような。違うわい。こちらが原点なんです。でもちょっと笑っちゃう。さて今回。前作の火炎地獄の中から、先代引田天功よろしく水中へと脱出し、無事生還したモンスター君。とりあえず腕慣らしに殺人を犯し、それを見ていたのはフクロウだけ、という、いかにも怪奇映画らしい滑り出し。しかし今回のモンスター君は、言葉を覚え、人間らしい感情に目覚めてゆく、という展開。一方で進むのは、モンスター君に花嫁人造人間を作ってやろうという一大プロジェクト。そうすれば、人造人間同士、子作りに励み、子子孫孫、繁栄していくであろう、と。生命の創造にとどまらず、種をも創造しようとするマッドサイエンティスト。いやまあ、何が生まれるのか知りませんけどね。で、お見合いとなる訳ですが、残念ながらそれなりに美形に仕上がってしまった花嫁人造人間、面食いだったらしく、モンスター君を見て「あれ~バケモノ~」となってしまい、お見合い失敗。ここで性欲の持って行き場を無くしたモンスター君、大暴れ、となる訳ですが、その性欲をヒューマニズムへと昇華させるところがミソ。他人を思いやる心。はい、モンスター君は今こそ、ほんとうににんげんにとって大事なものを知り、まことのにんげんになったのですね。と説教臭く胡散臭いコメントを付け足してみる。しかし考えようによっては、『フランケンシュタイン』の原作のように自分の作った物(者)に復讐される、ということよりも、この作品のように、自分の作った物(者)に助けられる、ということの方が、自己の存在自体を揺るがしかねない衝撃と言えるのかも。
[DVD(字幕)] 8点(2011-08-22 23:18:40)(笑:1票)
31.  戦艦バウンティ号の叛乱
映画開始から容赦なく展開される、息つく暇もない暴虐の数々、蟹工船もビックリの、まさにドSMの世界。いや変態映画ですよ、これは。で、さまざまな事件と緊張感を伴いつつ、ようやく目的地のタヒチへ。このタヒチのシーンが皆さん↓タルいとかヌルいとかいう話なのですが、これは私にはちょっと意外でした(でもそう言われればそんな気もする。笑)。私自身、ここまでの、あまりと言えばあんまりな展開に息苦しい思いをしていたところに、ようやくこの楽園、登場人物たちとともにのびやかな気分を味合っていたもので。ここまでの道のりの苦しさ。それは、船長の暴虐によるものだけではなく、命がけの航海そのもの。波に揉まれるバウンティ号の姿、波に大きく揺れ続ける甲板。まさに地獄。船長の暴虐そのものよりも、その暴虐から逃れられない世界に閉じ込められることへの恐怖。楽園気分が長く続くほど、あの世界に戻らなければならない事が呪わしく感じられる訳で、ついに反乱という沸騰点に達する過程にも説得力が感じられます。まー確かに、映画のバランスから言ったら、タヒチのシーンに無駄があるのかも知れませんが、私は個人的に、こういう時間の使い方ができる(使い方をしてしまう)映画、好きですね。勿論、その背景に、この映画における航海シーンの物凄い迫力があってこそ、なんですけれども。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2010-08-01 12:57:45)
32.  魔人ドラキュラ
ゴシック・ホラーという言葉がまさにドンピシャリ。ショック描写は無いけれど、雰囲気がいい、何ともいい。正直言えば、映画がもうすこし長ければ、というか、「謎の船が漂着~疫病が蔓延」というドラキュラがやってくるくだりがちゃんと描かれなかったのが、何とも惜しいのだけど、無いものねだりはやめましょう。何といっても、ドワイト・フライ。このヒト、あぶない。ドラキュラが魔人なら、こちらは変人。ある意味、涙を誘うものがあり(ははは)、このあたりも、歴史的作品ならではの感慨、でしょうか。さらに、ベラ・ルゴシは・・・ごめん、オカマっぽいかな。
[DVD(字幕)] 8点(2009-05-04 22:22:10)
33.  妻よ薔薇のやうに
「いい映画ね、よくわかんないけど。」という映画。→「おまえはこういう方面はだめなのね」(笑)。 カットとカットの繋がりが、直線的なスムーズな繋がりではなく、斜めに斜めに入ってくるような・・・なんだこりゃ一種のキュビズムか?と言いたくなっちゃう、静的な中のミョーな躍動感。主人公を通して奏される、前半の「母」の主題と、後半の「父」の主題の対比、そしてそのふたつが無理矢理重ねられる二重フーガの末に、まるで解決しないことによって解決したようなラストが、心に残ります。さて勝負は判定に持ち込まれた。勝敗の行方はいかに!?
[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-10-19 23:01:54)
34.  サボタージュ(1936)
一見エスピオナージュですが、ストーリーの中心はズバリ、「はじめてのおつかい」! 寄り道しないでちゃんとおつかいできるかな~。何しろ今回のおつかいは○○○○のお届け、寄り道なんかしていたら・・・。というハラハラドキドキ(?)な展開を、点描法のような細かい映像の積み重ね、コンパクトに折りたたんだような構成で、サクサクッと歯切れ良く見せてくれます。時に大胆すぎて「え?」と思うこともありますが、それもご愛嬌。俳句でも秀句と言われるものは、五・七・五という限られたパーツを用いて、直線的に「語る」のではなく、その3つの「線分」によって描く三角形、それによってに思わぬ広がりを「見せる」、という、切り詰められているが故の、限界の美学、とでも言うものを感じさせますが・・・本作の場合、そこまで極端ではないまでも、何かそれに近いものを感じさせ、切り詰めることへ挑戦がここには確かにあります。そういう、才気あふれる作品だと思います。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-10-07 00:17:34)
35.  素晴らしき放浪者
コレが噂の一人部屋というヤツですか、ハイハイ、お邪魔しますヨ。 まず冒頭の象徴的なパントマイム、エド・ウッドの原点を見た気が(←気のせいだろう)。このパントマイムを受け、レスタンゴア氏の静かな自宅での浮気場面へと続く(いい感じにエロそうな親父だ)。次に屋外へと舞台を移すと、これまたいい感じにイヌと戯れる浮浪者の姿。この屋外での情景、バックに流れ続ける喧噪から、細かい足音まで取り入れ、雰囲気をよく伝えております。さて、件の浮浪者が入水自殺を図ったところをエロ親父が救出し、さらに自宅に住まわせたところから、騒動が巻き起こる、その様子をユーモアたっぷりに映画は描いていきます。上流階級の家庭に紛れ込んで自由奔放に行動し、その価値感を揺るがす浮浪者の姿、それはフランス版カスパー・ハウザーとでも言ったところでしょうか。しかし激しい「対立」として描かれるのではなく、両者が混じり合うおかしさを素朴に、おおらかに描いているのが魅力。本作品中、もっとも印象的なシーンはやはり、結婚式の場面、美しく青きドナウを演奏する楽団を川面から捉えたカメラが、スーっと引いていくと、そこに主人公たちの乗ったボートが入り込んでくる場面ですかね。しかもこのボート、見るからに不安定そうで、嫌な予感が! 予感は適中、水から現れた浮浪者は水の中へと帰っていく・・・結局、何事もなかったかのように元の鞘におさまってしまう、この肯定感がいいですね。
8点(2003-12-28 11:24:17)(良:1票)
36.  駅馬車(1939)
駅馬車内の人間模様も良いのですが、とにかく追撃戦が必見中の必見。カーチェイス映画の原点ですが、やはり馬の疾駆する姿には、自動車にはない迫力があります。今観てもいつ観ても、圧倒されます。一体どういう了見でコレをわざわざリメイクしようという発想が生まれるんでしょう?
8点(2003-10-04 21:51:38)
37.  オズの魔法使
これは特撮というよりは手品の楽しさですね。いったいどうやって撮影したのか、なんてことは、何でもできちゃう今の映画には感じなくても、こういう映画では強く感じて、それがまた楽しいんですね。ドロシーのお供の皆さんはどう見たって普通の人がかぶりものしてるだけ、の筈なんですけど、映画の中では不思議なことに違和感がない!
8点(2003-08-24 14:21:46)(笑:1票) (良:1票)
38.  フランケンシュタイン(1931)
ホエール監督の名を不滅のものとすると共に、恐らく彼の人生を狂わせた作品。フランケンシュタインの怪物と言えば、もうこの姿しか思い浮かばんもんね。ティム・バートンが「スリーピー・ホロウ」で風車小屋のシーンを引用してるのを見ると、やっぱり彼はこの映画が好きなんだなあ、と思いました。
8点(2003-06-08 16:20:40)
39.  三十九夜
ジョン・バカンの原作(三十九階段)とはラストが違ってて、原作よりも映画のほうが面白いんです(と個人的には思っています)。
8点(2003-05-11 01:03:26)
40.  オクラホマ・キッド
映画の見どころの一つが、例の土地獲得大レース。『遥かなる大地へ』とかに出てくるアレですね。このシーンがなかなかの迫力。1939年の作品、と言うと、同年に『駅馬車』がありますが、あのド迫力の襲撃シーンなんかにも引けを取りません。 主役のオクラホマ・キッドを演じるのがジェームズ・キャグニー。ワルそう、というか、やんちゃそうな顔が、役に似合ってます。そういう鼻つまみ者のキッドに対し、さらに極悪な連中が登場、そのリーダー格が、ルー大柴。に似てますが勿論そうではなくって、ハンフリー・ボガートです。アクの強さで、いい勝負。 開拓により町ができると、そこには法や秩序が必要、だけど無法は常にその先回りをする。開拓民たちはこんなオソロシイところで日々を送り、その先に今のアメリカがあるのだとすると、やっぱりこの国はちょっと別世界、なのかも。 それはさておき、避けられないのは二人の対決。終盤に繰り広げられる格闘シーンは、短いカットをこれでもかと畳みかけて、これも見どころ。 もう少し主人公の人間像に魅力があれば、という気がしなくもないけれど、割と楽しめたかな、と。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2023-01-29 12:23:39)(良:1票)
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