21. うなぎ
《ネタバレ》 全体に流れる枯れた雰囲気とキーワードとなる「うなぎ」の得体の知れないグロテスクさが印象的でした。多分、うなぎとは女性全般の象徴であり、まさに夜釣りでヤスで刺して(殺して)得たうなぎが最初の妻であり、その後罠によって(殺さずに)捕まえたうなぎが桂子を象徴していたのだと思います。その桂子を汚れのない理想の女性として描かず、ドロドロとした愛憎の末に逃げ出してきた汚れた女とするところに今村監督のシニカルさが醸し出されていたと思います。 5点(2004-08-30 13:13:43)(良:1票) |
22. セッション9
《ネタバレ》 まぁ良くも悪くも無いんですけど、ただかなりタイトなスケジュールで無茶して仕事受けた割にはチンタラチンタラ仕事して残業もせずに定時で帰ってるのが気になって仕方なかった。「もっと死ぬ気で仕事せんかい!」とか思ってたらホントに死んじゃったけどね…。 [DVD(字幕)] 4点(2006-02-06 13:46:21) |
23. パッション(2004)
メル・ギブソンさんって信念を持った男の人が痛めつけられる映画が好きなんだな~と思いました。宗教映画は立ち位置によって色々と解釈や表現が微妙に変わるので非常に難しい題材だと思うのですが、あえてそれに挑んだのは評価できると思います。しかも直球勝負です。神様が出てきてキリストとの対話を通してのキリスト教啓蒙的なものがなかったので、良くも悪くも延々と痛めつけられる男の話になっていました。あの短いエピソードの中で交錯する人々の思惑と悪魔の影、そして最後の復活へのカタルシスなど映画としてのエンターテインメントもしっかりと盛り込まれていたのは良かったと思いますよ。 [DVD(字幕)] 4点(2005-08-22 12:12:16) |
24. トロイ(2004)
良くも悪くもハリウッド的な映画でした。アキレスのカリスマ性というのはいいのですが、それによって戦争の勝敗に関わるほどのものならあの何十万人という壮大な兵士たちの戦力や立場はどうなるんだよ!?まぁ物語として盛り上げるためのハリウッド的常套手段なのでしょうがないんですけどね。ただ何となく「昔の人たち」と今の自分の地続き感を感じなかったですね。どっちかっていうと神話を見ているような感じがしました。またブラピの格好良さとアクションがそれに拍車をかけてましたね。 ヘタレなオーランド・ブルームが突然弓矢の名手になるのはパロディ以外の何ものでもないと思います。 4点(2005-01-30 15:09:33) |
25. APPLESEED アップルシード
学生時代に読んだ原作の衝撃から待つことン十年いよいよ待ちに待った映画化で「これはどんなすごいことになってるのかな?」と楽しみしていたのですが、確かにスゴイことにはなっていました。フルCGでのアニメってFFでの失敗を踏まえた上での選択なんでしょうか?個人的には失敗の上塗りをしただけのような気がします。硬質な感じや歪みの無い描写はメカ部分には有効だと思うのですが、どんなことをしても人物や布の質感には無理があるでしょう。原作ではデュナンの肉感などにハァハァしたりしましたけど、あのマネキンみたいなデュナンにはまったく色気を感じませんでしたし、他のキャラクターにも息づかいを感じられませんでした。全体的に乾いた画面づくりが士郎正宗の世界観とは乖離していたので違和感を感じました。まだ人物が手描きなら雰囲気はちがってたと思います。 4点(2005-01-23 16:30:26) |
26. 殺し屋1
原作が良くできていたので色んな意味でダメでした。グロいのはいいとしても何か安っぽかったです。最もダメなのはキャスティングでイチに関してはもったりし過ぎ。イケメンとはいかなくてももっと精悍なイメージのアクションの出来る若手にすべきです。そしてアクションシーンをしっかり見せなければイチの凄さや異常さが伝わりません。塚本さんは良かったのですがじじぃ役ではなく垣原役をやらせるべきだったと思います。浅野さんは垣原役としては清潔すぎるし、線も細すぎ。全般的にキャラクターが濃すぎて重要なキャラが埋もれてしまっていてメリハリがありませんでした。CGの使い方は素晴らしいと思いましたが、僕自身が原作に対する思い入れがあるせいか全然納得できない部分の多い映画でした。邦画の監督さんはもっと原作漫画をリスペクトすべきです。 4点(2004-10-18 11:22:52) |
27. どら平太
これはテレビ時代劇で充分だな~。あまりにもステレオタイプな江戸時代の人々ばかりでスーツとネクタイを着せれば、どこかで見た刑事ドラマにでもなりそうだと思いました。「雨あがる」の後に見たのでメリハリのなさを感じました。基本的に真剣勝負で2人以上を相手に立ち回りをするのはどんな剣豪でも無理があるのではないかと思っているので、何十人を相手にバッタバッタとやられると興ざめしてしまいます。 4点(2004-09-22 12:48:31) |
28. バトル・ロワイアル 特別編
《ネタバレ》 深作監督の実質的遺作ということもあり画面からは並々ならぬものが醸し出されておりました。邦画でここまでストレートなエンターテインメントを作れるほどの監督は今の若手には皆無ではないでしょうか。ただ内容は別物として何のメッセージが込められているのかが全く理解できませんでした。昨今の小学生の殺人事件の加害者もこの映画を観ていたようなので「あぁこんなに簡単に人って殺せるんだぁ」と思ってしまう気持ちも分かるような気がしました。原作は読んでいないのでBR法なるものがどういう意図で成立して何故彼らが代表として殺しあいをしなければならないのか?それによって社会には何が還元されるのかが分からなかったので彼らの死の意味が無意味なものに思えました。微妙な問題を差し引いて観るならば良くできてたと思います。ビートたけしの独壇場もなかなか良かったですし。 4点(2004-06-20 19:27:19)(良:1票) |
29. CASSHERN
エンドロールが涙に曇りました。 こんなにどうしようもない映画にたくさんのスタッフと素晴らしいキャスト、巨額の費用がかけられたことを思うと泣かずにはいられませんでした。 部屋の整理をしていてふと、中学時代にノートに書いた小説を発見し、思わず読んでしまった時のようないたたまれない恥ずかしさというか虚脱感みたいなものを感じました。まさに中学生レベルの発想力と感性とボキャブラリーの人間に脚本・監督をやらせるとこうなりますという作品ですね。変に格好つけてメッセージ性なんて持たせなくてもキルビルみたいにハチャメチャな話にすれば良かったんじゃなかろうか?その方があのとんちんかんな美術設定も生かせたように思います。 2点(2004-11-11 10:13:47)(笑:3票) (良:2票) |