Menu
 > レビュワー
 > ユーカラ さんの口コミ一覧。2ページ目
ユーカラさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 936
性別
ブログのURL https://www.jtnews.jp/blog/24461/

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作年 : 1960年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順12
投稿日付順12
変更日付順12
>> カレンダー表示
>> 通常表示
21.  ドノバン珊瑚礁
リー・マーヴィンの漂着を歓迎する島民のウェーブのアクションからしてすでに幸福感全開。  ハワイアンメロディーが流れる南洋の長閑なリズムの中で、窓枠の外に映し出される降雪や青い稲光などの印象的な細部が厳かなアクセントをもたらしつつ、土砂降りのスコールやジョン・ウェインらの殴り合い、きびきびしたジープ操作や水上スキーのスピード感、エリザベス・アレンが幾度もみせるズッコケぶりといった豪快でコミカルなアクションの要素がさらに幸福感を呼び込む。(ビールの栓抜きや、「休戦」の握手の仕草も小粋で良い。)  三人の子役たちの存在も、大きく貢献している。長女役:ジャクリーン・マルーフのナイーブなイメージ。水上スキーに出かけることになった三人の子供たちが、神父がいなくなった途端にはしゃいで踊り出す場面の無邪気な愛らしさも特筆もの。  そして様々な国籍、職種、階級、民族の老若男女がスコールに濡れながら一堂に会する教会の場面も素晴らしい。
[DVD(字幕)] 8点(2010-10-31 19:46:37)
22.  刑事マディガン
夜のニューヨーク市街を仰角で捉えた導入部から、夜明けの街路に立つリチャード・ウィドマーク達へと連なるアバンタイトルのムード感と、パースペクティブの活きた構図が生むリアル感。本編中のブルックリン、ブロードウェイ、コニーアイランド、イーストリバーといったロケーションの空間もまた奥行きが強調され臨場感に満ちている。雑然としながらも見事に活写された屋外ロケと、主人公宅の(不似合いな)カラフルな屋内セットとの対比も家庭不和を仄めかしており面白い。同一設定の黒澤明『野良犬』と同様、都市の情景や捜査過程の何気ないエピソードの積み重ねが素晴らしく、情報屋、ポン引き、酒場の主人らとのやり取り自体が主人公の優れた人物描写となっている。とりわけ、旧知の元ボクサーの通報による酒場の場面などは、結果的に人違いに終わり本筋には直接的に絡まないにも関わらず、ウィドマークの人間味を感じさせ非常に印象深いシークエンスだ。アクション場面自体は少ないものの、犯人役スティーヴ・イーナットがウィドマークの隙を衝き一瞬で形勢逆転するアクションや、警官に職務質問されたとたんに紙袋の陰から発砲するアクション、クライマックスの至近距離での銃撃戦など、スピード感と瞬発性がやはり見事である。
[DVD(字幕)] 8点(2009-10-24 20:22:40)
23.  日本列島
現代にも通じる、他国の戦争を踏み台にした「経済成長」のいかがわしさ、そして米国の実質的傀儡としての日本の姿。それは全編にわたって執拗に通奏され、強調される米軍機の暴力的な爆音として示される。  これが効果的なのは、日常場面での状況音・SEが相対的に小さく捉えられているか、あるいは部分消音されているからだ。 その不協和音が最高潮に達した時にシンクロする窓ガラスの破砕音と芦川いずみの絶叫が痛ましい。  ラスト、窓外に国会議事堂を配置した喫茶店内ではアフレコで芦川いずみらの会話だけを残し、周囲のテーブルにいる官僚たちの会話音声を確信的に一切消し去って世界を断絶させる音響演出が製作側の意図を如実に伝えている。  逆光でどす黒くつぶした国会議事堂を背景に、その闇と拮抗しながら毅然と歩く芦川いずみの姿を横移動で捉える長回しゲリラ撮影は、重々しい伊福部音楽と相俟って熊井監督の執念を示す渾身のショットだ。
[DVD(邦画)] 8点(2008-01-23 22:48:28)
24.  驚異の透明人間
サーチライトに浮かび上がる秀逸なオープニングタイトルが即座に次の脱獄場面に連携する。 この脱獄のシークエンスがカットバックを含むわずか10カット足らず、時間にして1分弱の簡潔明瞭さ。極端な短さながら、サーチライトとマシンガンによる光と影のコントラストによってその印象度は強烈である。 カラーの時代ながらモノクロの選択が功を奏している。透明化が不完全で実体が現れてしまう場面の特殊撮影もまた、モノクロ効果と馴染んで違和感がない。その特撮もわずか数カット。 その効果を最大限に活かすために全編をモノクロに統一する映画人としての矜持。 フリッツ・ラング作品の美術担当によって培われただろう、ポイントを押さえたセット・小道具類へのこだわりと創意工夫が随所で見事に活きている。
[DVD(字幕)] 8点(2007-09-30 14:01:12)
25.  出発 《ネタバレ》 
カーアクションも勿論だが、モッズコートを羽織って跳ね回るジャン=ピエール・レオーの軽快な動きでもって映画が疾走する。 路面電車の軌道すれすれのポジションで危険なスタントなども披露し、随所で驚かせてくれる。 レオー自身は運転してはいないという事だが、凝ったアングルとポジションによって彼の運転シーンも迫真でまるで違和感がない。  モーターショーのシーンなど、ゲリラ撮影と思しきショットも多々あるが、 堂々と落ち着きのあるカメラのおかげで場面がそこだけ浮き上がるなどということはない。 ほどよい即興の感覚によって街が活写されている。
[DVD(字幕)] 7点(2017-06-09 23:42:36)
26.  恋人のいる時間 《ネタバレ》 
マーシャ・メリルの手や足、背中や黒髪といったパーツのショットが生々しい肌理を伝え、タクシーを乗り継いでパリの街中を駆けまわる彼女の ショットが開放感を醸す。 台本の台詞なのか、アドリブなのか、ロジェ・レ―ナルトの言述になんとなく聞き惚れ、女性の素っ頓狂な笑い声の流れるレコードを劇伴に 二部屋を跨いで追いかけまわる夫婦のシュールなドタバタ運動をなんとなく面白がる。  「自らが映画に他ならないことが嬉しくて自由にはしゃぎまわっているような映画」とゴダール自身の言葉がなるほどピタリと来る。  映画館の座席を指定して浮気相手と待ち合わせ、などというシーンもヌーヴェルヴァーグ世代の風俗を匂わせて粋なシーンである。
[DVD(字幕)] 7点(2016-11-22 22:49:11)
27.  ゆけゆけ二度目の処女 《ネタバレ》 
大抵の批評で指摘されるキーワードは、他作品での荒野や雪原と共に、いわゆる屋上という密室・閉鎖空間というもの。 階下に降りるシーンもあるものの、実際舞台はほぼビル屋上に限定される。  空間と動作が制限される分、距離を詰めたアクションの身体性がクロースアップされ、 その中で貯水タンクや雨や血しぶきによる水のイメージが豊かに展開する。  パートカラーによるサプライズの演出も『犯された白衣』よりも効果的に決まっている。  主演2人の生硬な感じも初々しく、特に少年の非心理的な目がいい。
[DVD(邦画)] 7点(2016-06-20 16:45:53)
28.  狂走情死考 《ネタバレ》 
真白な雪の中、木に縛り付けられ、鞭打たれ、真冬の浜辺を裸で走りと、 俳優たちはかなりの無茶をやっている。ほとんど苦行だ。 夜の西新宿を延々と駆け続ける吉澤健の移動ショットから小樽の雪道を彷徨するラストまで、ひたすらの北上逃避行。 その風景の変遷が時代を鮮明に映し出している。  それは低予算を画面に露呈させない若松作品のしたたかな策でもあるが、その情景の力と身体の感覚は常に積極的な強みになっている。  殺したはずの警察権力が、いつの間にやら目の前に超然と姿を現し、、 という展開も実に寓意に満ちている。
[映画館(邦画)] 7点(2015-12-21 23:55:00)
29.  ニュールンベルグ裁判 《ネタバレ》 
検察側の人物を背後からカメラが正面に回り込んで映していくと、リチャード・ウィドマークである。 これはケレンを表現するカメラだ。  弁護士役マクシミリアン・シェルの長い熱弁を、法廷内の様子を見回すように旋回しながら収めたロングテイクは、 カンペ無しというアリバイを誇示しながら、彼の長広舌を印象付けるカメラといったところか。  そのカット尻で、彼と被告席のバート・ランカスターの二人をピタリと構図に収めるのなどは、 スター俳優達が別撮りではなく紛れもなく共演しているとアピールするカメラワークでもあろう。  これが、物語も佳境となるランカスターの弁論あたりまで続くとさすがに鼻についてくる。例によって旋回したカメラは彼を真正面に置くと 上昇して、決め台詞直前でいきなり高速ズームで彼を大写しにする。 金さんの桜吹雪や、水戸黄門の印籠じゃないんだから。  途端に映画自体が段取り臭く、様式的・誘導的で、押し付けがましいものとなってしまう。  様々な小道具を介しての場面繋ぎなど、細やかな工夫も随所に凝らされているし、 大戦の犠牲者として登場する二人の女優のキャスティングもいいのだが。
[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2015-10-21 22:37:44)
30.  ガンファイターの最後 《ネタバレ》 
撃つ者と撃たれる者が縦構図の中におさまり、 撃つ瞬間と撃たれる瞬間、双方のアクションが 同一画面の中に展開する。 ガンアクションの醍醐味溢れる秀逸なショットに痺れる。  落下スタントを織り交ぜた冒頭の暗い納屋での対決や、 リチャード・ウィドマークが部屋に飛び込みざま 手前に滑り込みながらドアの背後の若者を銃撃する、 レナ・ホーンの部屋での対決などだ。  物語自体は時代の反映もあってか陰鬱でアクションシーン自体も少ないが、 そうした瞬発力の高い銃撃ショットが強烈な印象を残す。  乱打、乱射を細分化したカッティングで見せる昨今のアクションフィルムとは 比較にならないシンプルなワンショットの何と活劇的なことか。  「列車の到着」で幕を開け、緩やかな列車の出発で幕を閉じる。 その夜の深い黒がよく映える。
[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2015-07-08 15:10:13)
31.  とべない沈黙
撮影は鈴木達夫。  白と黒のシャープなコントラストを基調に ドキュメンタリーと観念的ドラマがせめぎ合う画面は、 季節や気温、湿度、人物の体温の感触まで余すところなく掬い取っており、 素晴らしい。  少年が白樺林で蝶を追うシーンの浮遊感(北海道篇)や、 駅ホームから地上出口までの雑踏を追うカメラ(大阪篇)。 反核集会の人混みの合間を縫っての移動(広島篇)。 あるいは、喫茶店2階の乱闘から階下へ、 そして雨に濡れた路上での銃撃までを延々と追うゲリラ撮影的長回し(東京篇)などの 動的なハンドカメラが時に詩的で、時に生々しく、安定と不安定の按配も絶品である。  そうしたダイナミックな動的ショットと端正な静的ショット、 あるいは緊密なクロースアップと望遠ショットの対照が利いている。  ヘッドライトを原爆の光に模した観念的なショットが登場するかと思えば、 様々なニュース映像やインタビュー音声までが奔放に入り乱れる雑然ぶりは 後の『原子力戦争』のゲリラ撮影へと連なっていく大胆さだ。  とくに映画の後半、香港篇が入って来る辺りで映画が破綻気味に変調しかかるが、 松村禎三の主旋律と加賀まり子の美しい佇まいが 映画に一貫したトーンを保たせている。 
[DVD(邦画)] 7点(2012-06-25 00:10:35)
32.  新・七つの大罪
1952年のオムニバス『七つの大罪』から10年後、「新しい波」の面々が撮る『新・七つの大罪』。 第一部の『憤怒の罪』は、アルジェリアからベトナムへと続いていく動乱の60年代を予見するような展開だが、ナレーションもフォローするように、以降は軽快な作品が続く。  いずれも、街路の往来を捉えるキャメラが新鮮だ。  『貪欲の罪』に映し出される夜のパリの繁華街。『大食の罪』の長閑な一本道。『怠惰の罪』の車窓を流れていく街路の光景。 中でも『淫乱の罪』で、ガールハントしながら街中をぶらつくローラン・テルズィエフを軽快に追いかけていくアンリ・ドカの縦横無尽なキャメラがいい。人波と陽光の出入りが開放的で若々しい。 (『憤怒の罪』の往来は少々作為が露でつまらない。)  そして短編集はやはり、キャストの魅力も要だ。  『傲慢の罪』での髪形の変化が艶めかしいマリナ・ヴラディ。 『怠惰の罪』で運転席のエディ・コンスタンティーヌをさり気なく誘惑するキュートなニコール・ミレル。 そして、取りを努める『貪欲の罪』の高慢風なダニエル・バロー。 彼女が、初心なJ・C・ブリアリに対して最後に見せる嬉しそうな笑顔が実に素敵だ。  
[ビデオ(字幕)] 7点(2011-05-31 21:31:54)
33.  両棲人間 《ネタバレ》 
いわゆる半魚人である主人公が彷徨う街の色彩に満ちた風景や衣装はメキシコ風、流れる音楽も人種も雑多、そして会話はロシア語という、 とりあえずエスニック風とでも呼ぶのが相応しい渾然とした情緒がある。 ヒロイン:アナスタシア・ヴェルチンスカヤも可憐なダンスを披露してとても魅力的だ。  水中シーンも豊富で、男女が碧い海中を泳ぐイメージシーンなども美しく優雅だが、ダンス風というよりは体操的な動きを 志向している風にみえるのがロシアファンタジーの味だろう。  ラストの夕暮れの海岸シーンが、太陽が沈んでいく際を背景とした恋人たちの別れの芝居になっており、その夕陽の光がなんとも哀切である。
[DVD(字幕)] 6点(2016-10-21 23:57:59)
34.  犯された白衣 《ネタバレ》 
モノクロからカラーに変わるショットの淫靡で毒々しい赤。 そして海の蒼と、夕景のオレンジに続き、白い布に旭日旗の如く放射状に塗られた血の鮮紅色。そして女性達の死骸の白。 その中心で少女の膝上に赤子のように青年はうずくまっている。少女は男に「何故、自分の血を流さないのか」と問う。 その問いはなかなかに意味深だ。  柱や襖などの障害物が監禁された女たちの姿を隠しては現させ、溝口的な抑圧空間を創り出している。
[DVD(邦画)] 6点(2015-12-10 23:45:20)
35.  太平洋戦争と姫ゆり部隊 《ネタバレ》 
まるでキング・ヴィダ―の『戦争と平和』(1956)に対抗するかのような70mm戦争スペクタクルである。 広大なロケーションとエキストラを駆使してLVTによる米軍上陸、艦砲射撃、嘉数の対戦車戦、52高地戦まで再現している。 1971年の東宝作品『沖縄決戦』と比べても段違いなスケールは、米国同様にテレビとの差別化を模索していた時代をうかがわせる。  内地側、日本軍、沖縄県民、そして岡本版ではほとんど表象されていない米国軍側のドラマまで、盛り込みすぎなくらい盛り込まれ、 各々の劇は都度寸断されて散漫な印象である。  これも叙事詩的リアリズムと呼ぶべきだろう。 戦争スペクタクルの中に肝心なひめゆり部隊のドラマが埋没してしまっている。  内地側の都合によるキャスティングも、内地側の論理に従ったナレーションも、時代を超えることは出来ない。
[DVD(邦画)] 5点(2015-10-17 17:06:40)
36.  世界大戦争
経済的要請から、他社に先駆けて早々と軍部と結託し 数多くの軍事教育映画・戦意高揚映画を作り上げ、 多大な利益を挙げてきた東宝撮影所。  まさに戦争とはまずもって経済行為。 局地紛争勃発の報道に際して、主人公が戦争関連株の取引に躍起になるように、 戦争とは理性的な金儲けの道具に他ならない事をこの映画はしっかりと露呈させる。  自分の身にふりかかる全面的核兵器戦はイヤだが、 自分の利益になるどこか遠くの通常兵器戦は大歓迎という、 条件付の浅ましいご都合主義的反戦論である。  61年という時代設定からして紛れもなく戦中世代であるはずの主人公の、 戦争に対する無反省と「東宝」的日和見主義。  他国の戦争を踏み台にした特需に対する認識も疚しさも一切無く、 「国民が働いたから」と自賛する欺瞞的な平和と繁栄の図。  ゆえに、大仰な伴奏音楽で露骨なまでに強調される彼の悲憤慷慨も 何一つ共感・同情を呼ばない。  ナイーブでエモーショナルな、つまりは反理性的な反戦メッセージは 退行でしかない上、随所に挿入し過ぎの戦闘描写はそれ自体、 製作側の意図に関わらずいくらでも「反・反戦」的ニュアンスを含み得てしまうことへの無自覚が明白である。  戦争自体が多義的かつ多面的ゆえ、その映像は悲惨のみならず、 悲壮美や魅惑的スペクタクル、爽快なアクション性をも併せ持つ宿命だが、 この映画の円谷特撮場面の数々がまさにそうだ。  東宝特撮技術もまた第二次大戦の中で培われてきた映像技術、 つまり戦争の恩恵なのであり、だからこそこの映画は安易な反戦には落ち着かせない。  無線交信場面のあまりに直截的で無粋なショット、字幕のタイミング、 編集、音楽処理は全くダメだと思う。  
[DVD(邦画)] 4点(2009-08-08 20:50:10)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS