Menu
 > レビュワー
 > Nbu2 さんの口コミ一覧。2ページ目
Nbu2さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 345
性別 男性
自己紹介 「昔は良かった」という懐古主義ではなく
「良い映画は時代を超越する」事を伝えたく、
 昔の映画を中心にレビューを書いてます。

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作年 : 1950年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順1234
投稿日付順1234
変更日付順1234
>> カレンダー表示
>> 通常表示
21.  近松物語 《ネタバレ》 
邦画にだってこんな情熱的な「愛」を謳いあげた映画があるのですぞ!これはモノクロ・邦画嫌いの人にも観てほしいなぁ。
[映画館(邦画)] 10点(2017-11-03 14:36:58)(良:1票)
22.  女の園 《ネタバレ》 
お恥ずかしながら私はこの作品、「民主主義万歳・自由万歳/封建制度反対」みたいな古くさい題材を扱ったものと思いこんでおりました。ですが何十年ぶりかで見直してみてこの作品は、レビュアーの皆様が既に書き込まれている「新しい価値観に対する対立・融和」という今の世相にも十分通用するテーマを描いた秀作であった事にいまさら気付いた次第です。すみません。封建制度的な態度運営を頑なに守り通す女子大学側(高峰三枝子の演技は素晴らしくこの点は不変)もさることながら、改めて今回感じたのは男性陣が時代の変化や価値観の変貌に対して、妙にぬるい反応であったという事でしょうか。芳江に対する恋人下田の対応も初見時は暖かく見守ってるんだなぁ、でしたが本当は彼自身が新しい時代/価値観に対応出来ていないのではないかと考えた次第であります。で役者。松竹映画における望月優子/浪速千恵子/東山千恵子を見ていると「おばさまオアシスじゃー」と思う位なのですが、やはり高峰秀子の演技力の幅に唸らされてしまっている自分がいる。「浮雲」のレビューにも書いてしまいましたが、同時期に「浮雲」「二十四の瞳」でこれですからね。すごいポテンシャルだ。木下作品にしては(この年のキネ旬ベストテンでは「二十四の瞳」と共に1・2位を独占)少し説明過多で時間が長すぎかな~とは思うがこれもまた良作。機会があれば。
[映画館(邦画)] 8点(2017-02-20 19:22:55)
23.  夜の河 《ネタバレ》 
主人公が恋を諦めてキャリアウーマンとして改めて生きてゆく事に決めた経緯が男性陣(演者の演技は良いし時代的な背景もあろうが)の「だらしがない」(としか言いようのない)性格に起因してしまっている点、加えてメロドラマにしても都合の良すぎる展開・余計な描写(特に私はラストのメーデーの描写は蛇足と思っております)といった欠点あるこの作品を何故故にレビューするのか。まずは日本を代表する名カメラマン宮川一夫の撮影/カラー描写の素晴らしさが一点。京都出身の彼が撮りだした日常風景や色彩配置の各ショットは今の邦画ではもう映し出せないし、出せたとしてもその「空気」までは抽出出来ないと思わせる。そしてもう一点は山本富士子の「美しさ」をフィルムに捉える事の出来た一本であった事に尽きるのではないか。後年五社協定事件(1963年=フリーになろうとした彼女に親会社の大映がそれを許さず五社協定の名を借りて映画界から締め出した事で彼女はTV・舞台女優としての生き方を余儀なくされた)により10年しか映画女優として活動できなかった彼女の代表作の一本になった事でこの作品は映画史に名を残した。ま、私としては「彼岸花(58)」「女経(60)」とか「美貌に罪あり(59)」くらいの少しムッフーンな方が好きなんだよう...ムツフーン。...ゴホンゴホン、早く大映はブルーレイ仕様のデジタルリマスターやっちゃってください!
[映画館(邦画)] 7点(2016-05-05 22:07:54)
24.  下郎の首 《ネタバレ》 
日本映画史に名を残す名匠伊藤大輔の佳作として、「王将」(48年)ほどではないが印象深い本作 。とはいえ同年に公開された『同じ槍持ちの下男・ラストの殺陣』を主題とする内田吐夢の「血槍富士」の評価の方が高いし、実際この映画を鑑賞するとそういった世評もむべなるかな、という感はある。純朴な下男を演じる田崎潤が嵯峨三智子演じるお市に惚れられるという展開は説得力に欠け(それこそ片岡千恵蔵ならともかく)、なによりも片山明彦演じる主人新太郎が下男の身柄を敵に引き渡すか否か悩むその心情をいちいちモノローグで説明している、という点は伊藤大輔らしからぬ、キレ味悪い表現として点数は厳しくなってしまう。但私がこの作品をなぜレビュー登録したか=ラスト15分の展開+ヒロイン嵯峨三智子の存在感によるもの。主人に裏切られ(字の読めない訥平に「身柄を引き渡すので好きにしろ」と書いた手紙をもたせ、果し合いの場で敵一団に届けさせる、というのはひどい)絶望した訥平が天に向かって叫び、ボロボロになりながら敵に立ち向かうも相手に何も害を与えることなく、ただなます切りにあって死んでいくその情景に監督伊藤がなぜこの作品をリメイクしたのか・強く訴えたい程の「ほとばしる感情」が見える分、酒蔵で泥まみれになって暴れる千恵蔵よりもインパクトは強い。また果し合いの現場に急行し決闘を諌めるも巻き添えの刃をくらい、訥平の手を取って死んでいくヒロイン。後年伊藤大輔は「薄桜記(58年)」脚本で雷蔵&真城千都世に同様の死に様を見せているがその悲劇度で断然こちらの方が印象深い。加えてこの時19歳の嵯峨三智子の艶っぽさ。着物の襟足から覗く強烈なエロティシズムというのか…とにかくこれは山田五十鈴のDNAですな。脇役(小沢栄・浦部粂子・三井弘次・丹波哲郎)の演技も好印象。
[映画館(邦画)] 7点(2014-04-23 20:30:36)
25.  お早よう
その映画人生でひたすら「家族」の来し方行く末を描いてきた監督小津。当時の関係者内からはその作風に批判的な風潮があった、と聞いていますが約50年経った今でも支持されるのは彼の描写した風景の本質そのものは時代が変わっても不変だからでしょう。でこの作品。大人の理解を超えた、子供ならではの行動を見せつけられて可笑しさが増す。オナラ遊びに気を入れすぎて「み」が出てしまった時の子供の凹みっぷり、面白すぎる。話の面白さだけではなく近所付き合いの様子(人の出入り)を捕らえたショット、流れのテンポに関しては実はものすごく工夫されたもので注目すべき点。あとこの映画の久我美子。あいらぶゆうー!
[映画館(邦画)] 8点(2013-08-29 11:11:30)(良:2票)
26.  キッスで殺せ! 《ネタバレ》 
カルトムービーとして世界中に愛され、尚且つ様々な映画作家にオマージュを捧げられているこの映画。とはいえ現代の観客目線で再見すると正直粗ばかり目立つのは仕方がない。話の流れが(字幕だけで情報を得る困難もあるのだが)多少わかりづらいし、主演級・とくに女優は魅力に欠ける。にも関わらず私が好きなのは、50年代のアメリカ映画がマッカーシズムとヘイズコードによって規制が多かった中で、監督アルドリッチが「初めてやりたい事が出来た」と述べている=微笑ましいほどのフィルムから溢れる「若さ」なのだと思う。妙にいやらしい・とことん暴力をもりこみショット(=特に階段の上り下り)にこだわりを持ち、奇人変人を愛する。単なる雇われ監督作品「アパッチ」「ヴェラクルス」(共に54年)と比べ、ワクワクぶりが滲み出ているではないか。現在では結末が補完されたプリントがソフト化されているがこの作品に関しては昔の結末が欠けたバージョン(DVDでは特別映像として見る事が出来る)の方がなんじゃぁぁぁ、そりゃぁー!的な感じがして好きなのでマイナス1点。
[映画館(字幕)] 7点(2013-02-24 19:49:15)
27.  東京物語 《ネタバレ》 
ラスト紀子(原節子)は周吉(笠智衆)に対して告白する。東京へ出てきた老夫婦を親身になって世話した事や葬式での心遣いは単に夫を亡くした寂しさからその埋め合わせとして行ったに過ぎない、結局のところ老夫婦を邪険に扱った息子娘と変わらない存在であって偽善を振りまいている分、自分は「ずるい」のだと。これは妻を失った周吉にとって見たらある意味残酷な宣告と思う。にも関わらず周吉はそんな紀子に(邦画史上最高級の)笑顔でこう言うのだ。「あんたはやっぱり、ええ人じゃよ」と。家族=結婚し子供が出来一人前の大人に育てる為の責任+背負う物が増えてくることで、親よりも妻や子供達に比重が行ってしまう。でもそれは世代を超えた家族としての有るべき姿。周吉だって自分の親を邪険に扱いながら家族を守ってきたのだから、寂しさもあるが子供達が立派になってくれればそれでいいのだ。思いは複雑だが仕方がないと東京に出てきた老夫婦は思ったろう。そしてたとえ偽善であったとしてもそんな気持ちを恥じていて申し訳ないと素直に告白してくれた義娘に対して合わせて最大限の感謝を持っているに違いない。家族のあり方をここまで完璧に描いたこの映画、あまりにも完璧過ぎるので小津映画としては「晩春」「麦秋」等の方が好みなんだけど年を経て見るたびに胸にくる感動が強くなっていくのがわかる。笠智衆の笑顔。原節子の憂い。東山千栄子の背中。杉村春子の所作。そして何より尾道の風景。あと笠智衆の背中とため息を撮らえたラストショットは世界映画史史上屈指の名場面と思う。長年見てなかった人、もう一度見てみ!
[映画館(邦画)] 10点(2012-12-31 18:33:43)(良:2票)
28.  抵抗(レジスタンス) 死刑囚の手記より 《ネタバレ》 
ただただ脱獄に至るまでの経緯とその間の行動を淡々と撮っていくだけの映画にも関わらず、他の脱獄映画に負けないくらい緊張感がありアクション性の高い一本と呼べるのか、それは監督ブレッソンの演出スタイルによるものなのだろう。無理に音楽をつけずとも、俳優のおおげさな演技がなくとも監督の演出次第で作品は変わるということを私に教えてくれた一本。
[映画館(字幕)] 9点(2012-12-05 08:00:46)
29.  おかあさん(1952) 《ネタバレ》 
この映画を見ながら思うのは人はどんな形でも明るく生き、幸せになる権利があるということ。そして親の愛情がどんな形でも次の世代に伝わればそれで「すばらしい人生である」。最強の香川京子、そしてお母さん田中絹代に乾杯。
[映画館(邦画)] 9点(2012-03-11 17:46:16)
30.  肉体の冠 《ネタバレ》 
フランス映画が生み出した幾人もの名匠・名監督の中で、私にとってベッケルはたまらなく大好きな一人。監督としての器や世界観だけなら師匠ルノワールの方が上かもしれないが、映像作家としての技量(アクション/日常の穏やかな描写=緩急付けたメリハリのある描写で写し出すところとか)・出演俳優の魅力を存分に引き出しているという点では間違いなく彼の方が上手い、と個人的には思っている。でこの作品。芋みたいなレジアニ、ぽってりなシニョレをここまで魅力的な美男美女に描き出した事自体(特に愛する事を知ったシニョレの表情はまさに官能的)凄いのだが、緩急使い分けた描写=シニョレをのせた船が水面を走り、隠れ家にいるレジアニを尋ねるその美しさ/刑務所からの逃亡劇~親分を射殺するまでの緊迫感あふれるアクションそして断頭台のラストシーンまで、テンポのある語り口で見せてくれる彼の作風にしびれっぱなしですわ。「穴」「モンパルナスの灯」にも負けず劣らずな名作だよ、これは。
[ビデオ(字幕)] 8点(2012-03-11 11:11:10)
31.  地獄の英雄(1951) 《ネタバレ》 
彼の作歴上では「サンセット大通り」に負けず劣らずけれん味溢れた一本だと思う。特に寂れた町に集まる・散らばる群衆を描いた一連のシーンははっきり言って馬鹿馬鹿しいくらい大げさな表現に終始してしまっていて可笑しい。(ま、その位「真実を見抜けない」愚かな大衆を描いている=アメリカ人ではない監督ワイルダーの視点を感じるのだけど)あとは俳優カーク・ダグラスの凄い「目力」を堪能しよう。息子マイケルにもその資質は引き継がれている。が眼にいろんな感情がこもっている分、やっぱりお父さんの方に迫力を感じる。下の方も書かれているがそこまで悪漢を演じていた彼が改心するに至る流れが弱すぎる事、あとは彼以外の俳優に魅力が足りないのがちょっと惜しいかなという気がするが、この主題に関しては制作から50年以上経った今でも理解・共感出来るはず。隠れた佳作。
[DVD(字幕)] 8点(2011-06-06 06:05:37)(良:1票)
32.  浮雲(1955) 《ネタバレ》 
正直若い頃にこの映画を見た感想は「退屈」、それしかなかった。「稲妻」「おかあさん」「乱れる」を観ていてじゃぁこの傑作に!と臨んだらこれだ。あり得ないくらいの暗いトーンに繰り返し流れる重苦しい音楽。森雅之が演じる富岡の屋久島赴任に伴う高峰の「私も連れてって!」に関しては最後憤怒の情すら湧いた。なんじゃそら。ところが今日この映画を見直して本当に胸うたれた。年を経れば経るほど恋愛には不安や暗い面が伴うこと。と同時に若き日の想い出はなぜか明るく楽しかった事しか覚えていないこと。昔の想い出から抜けきれないまま(日光のあるシーンというのが過去の赴任地=インドシナの想い出のみというのが深い)、どこまでも墜ちてゆく彼ら二人とそのような世界を構築した監督成瀬の凄みを感じてしまった。無駄なベッドシーンばかり挿入し「性欲まるだしでーす」みたいな不倫を取り扱うばかりの今の邦画界はこの映画を観て、猛省していただきたい。同じ時期に大石先生とゆき子を演じていた役者高峰の素晴らしさ(この人の魅力は顔もさることながらあまり美声とはいえない「声」)もあるけれどやっぱり森雅之の演じた富岡=邦画史上どの役者も真似できない、役柄の造形につきる。高峰さんの訃報を受けて書いたこのレビュー。今頃天国では成瀬&木下監督が早く高峰さんと新作を撮りたいとウズウズしているよ!改めてご冥福をお祈りします。
[映画館(邦画)] 10点(2011-01-03 16:07:30)(良:3票)
33.  風船 《ネタバレ》 
本当は「女優芦川いづみの最高傑作」だけですむこの映画のレビューだがそれだけでは寂しいので一言。北原三枝の演技も良い。多分彼女はルリ子や小百合やいづみ、雅子といった日活若手女優の中でも若い頃から演技力の幅・器が合ったと感じさせる一本。もちろんこのような小品で彼女達の演技を引き出せた監督川島のうまさあっての事だと思うが。
[映画館(字幕)] 7点(2010-04-03 13:00:49)
34.  裸の拍車 《ネタバレ》 
大平原や砂埃・牧場といった西部劇に良くある情景を排除し、最初の山岳地帯から始まる追跡シーン・そして山の斜線=不安定な位置を活用したショットにただならぬ緊張感・不安感を感じる。そして「不安を抱えた」雰囲気で統一されている役者陣の中で一人不気味な行動を行う悪漢ライアンの演技は素晴らしい。現代にリメイクされたら多分もっとサイコ犯的な色合いが強くなるのだろうが、「たたずまい」という意味では真似出来ないだろう。そんな「不安の旅」に西部劇には考えられない「雨」の要素・洞窟での雨宿りと食器への雨音をバックに会話する主人公とヒロインの描写=安心感を与え、作劇中まさに緩急を使い分けた監督アンソニー・マンの巧さが分かる。マイナス点はまさに下の放浪紳士チャーリー様が述べられている、地理上の「過酷な道行き」が想像出来にくい事で登場人物の心情に観客が同化しづらい点、そして「妻に裏切られ、再起するためにお尋ね者を追いかける」主人公に役者スチュワートがはまりづらい点じゃないか。いや確かに力演なんだけどさ。
[ビデオ(字幕)] 8点(2008-12-07 15:11:24)(良:1票)
35.  最高殊勲夫人
欧州(イタリア)で監督修行を行ってきた増村。そこでは後年の「人間の自我の強烈さ」を映し出すセンス=全体文化の中での個人主義をスクリーンに焼きつけるすべを学んできただけでなく、イタリア映画的なライトコメディを撮る才覚も身につけてきた。スピード感溢れる演出もさることながらフレームの人間配置も非常に極まっており綺麗である。若尾文子ちゃん〈(様)ではないよ〉・船越英二・宮口精二も良いのですがこの映画のツボは丹阿弥谷津子でしょう。まさに映画的。そうそう、浩!お前ってやつはぁ~羨ましすぎるぞ、本当に!素敵な佳作。
[映画館(邦画)] 8点(2008-11-22 15:14:45)(良:1票)
36.  本日休診 《ネタバレ》 
今を去ること十数年前、仕事で行った中国農村部の連中はメチャクチャだった。持って行ったカセットウォークマンに驚愕され、風邪を引いたというので手持ちの薬をあげたら次の日から何十人という者が俺のところに来た。冷蔵庫にあった自分のジュースや飲み物を勝手に開けられ帰宅してみたらいつの間にか宴会が始まっていた。自分の部屋はみんなの立ち寄り所と化し、20代前半の自分が何故か老若男女の人生相談(仕事から恋愛まで)まで聞く羽目になった。もう行きたくない、だけど離れる時は寂しくてしかたなかったし皆オイオイ泣いてくれた。そんな個人的な話から入って大変恐縮なのだが、この映画に出てくる人々が皆自分、Nbu2の体験した「純粋で素朴な」あの農村のみんなと重なってしかたがないんだ。指を詰めてもらいたいチンピラ・生きる事に必死なおばさん・そして戦争の疵により心を失っている青年、皆温もりを求めてさまよっている。仕事は休診でも心へ温もりを与える事には休みはない。ちょっと加味してこの点数。主演柳永二郎もいいが、確かにこの映画は女性陣の方が印象に残ります。今もあの農村のみんなは、同じ空・飛ぶ鳥を見上げているのかな。
[映画館(邦画)] 9点(2008-08-15 13:35:14)(良:2票)
37.  夏の嵐(1954) 《ネタバレ》 
映画としては確かに未熟かもしれないが、この作品はやはり貴族の血を引くヴィスコンテイでなければできなかった題材ではなかったか。オペラ座の光景。ロバート・クラスカーの荘厳なカメラ。ブルックナーの第七番。伯爵夫人の恋の相手となるファーリー・グレンジャーもルックスを生き延びてゆく武器にしながら、そんな自分の卑劣な行動に心底嫌気がさしている駄目人間を演じて好演。そしてこの話の素晴らしさはそんな「だめんず」に心底惚れ込んでしまった伯爵夫人アリダ・ヴァリの情熱的な眼差し、そして最愛の恋人を密告し処刑場に送り込んでしまった際の最後の叫び。恋のもたらす盲目的な熱情をこんなにうまく表した映画は無いのでは、と思っている次第です。ちなみにこの映画の原題は『「Senso」=官能』ですからね。
[映画館(字幕)] 8点(2008-08-03 19:28:20)
38.  乳母車 《ネタバレ》 
日活映画「文藝路線」の輝きはこういった小品を堅実に撮り続ける事で成り立っていたのだなぁ、とこの作品を観るといつも思う。またこの映画の裕次郎は無理な「背伸び感」が無く物凄く好感をもてる。子供の存在感、笑顔が大人のしがらみを解きほぐすラストも大好き。しか~しこの映画の最大の魅力は下の方皆様が書かれている様に芦川いづみにつきる!彼女の魅力は「笑顔よりも憂い顔」と思っている自分だけどこの笑顔、メチャクチャ可愛いではないか。ラスト赤ちゃんコンテストに参加するために主婦らしさを見せるべく、「いい考えがあるわ」ってあの服と眼鏡は反則でしょう。しかも出産の様子を説明する時のアタフタっぷりで撃沈。極私的芦川いづみ出演作のベスト5には入るものと、勝手に解釈しています。
[映画館(邦画)] 7点(2008-07-20 14:04:22)(良:1票)
39.  誓いの休暇(1959)
人間の持つ普遍的な優しい「愛」の素晴らしさ・そんな優しさを無にしてしまう戦争の無意味さを美しい映像で描いた監督チュフライの珠玉の一本。国家にとっての「解放の英雄」よりも「心の豊かな人間たれ」と唄い上げたこの映画の主旨、今も世界中のどこかで戦争やテロに明け暮れている人々の胸に届かないものか。「イデオロギー」や「国家」の前に人としての優しさなんだよ、相手を思いやる気持ちなんだよ。
[地上波(字幕)] 10点(2008-05-29 16:26:54)
40.  男ありて 《ネタバレ》 
「生涯映画ファン」の自分がこの先何年生き、どの位の映画を見続けるかは?だが「好きな男優」として俳優志村の名はこれからも残っていくだろう。このレビューを見ている皆様もわかるだろう、いかに彼の演技の幅が凄いか。そしてスクリーンの人物に完全に同化し映画ファンに強烈な印象を残していった、まさに日本映画が誇る名優だと私は力説したい。彼の演歴上何がベストかと考えると結構難しい。黒澤映画だけではない、他作品にも名演が有りすぎて選択にも困る。で私見で恐縮だが、この作品は間違いなく役者志村のベストアクトに入る一本。実はこの作品、改めて見直し「坂田三吉=王将」の換骨奪胎版であることに今更ながら気付いたのだが、それを感じさせないほど志村の演技は素晴らしい。勝負の世界に生きてゆく為、家庭を顧みず自分の路を突き進む老監督をうまく演じている。そしてラスト、シーズン終了後に妻の墓に向かってしみじみと感謝の意を述べる彼、絶品。野球解説者の豊田泰光氏曰く、「邦画史上唯一の野球映画」、そして俳優志村の伝記本の表題(これも素晴らしい)にもこの映画のタイトルが使われている。私にとってはどんな男優よりも格好良い、まさに「男ありて」の映画。以上。
[映画館(邦画)] 8点(2008-05-07 19:18:57)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS