21. 未来は今
《ネタバレ》 社長が突然社屋上階から会議中に身投げ。マスバーガーはあえて田舎者の天然バカを新社長に据えて会社の評判を落とし、株を暴落させてから買い占めようと策略。その天然君が考案したのがフラフープ。これが大ヒットでマスバーガーのアテが外れたが、でっち上げをリークして天然君を貶める。フラフープのヒットで天狗になっていた天然君は梯子を外されて、前社長と同じように社屋上階から投身するが――。 ここで急にファンタジーになって醒めた。 フランク・キャプラ監督の「スミス都へ行く」と「素晴らしき哉、人生!」を掛け合わせて現代風にアレンジしたようなウェルメイドな作品。 コーエン兄弟には最初に観た「ファーゴ」のイメージがあったのだが、これは全然様子が違った。予定調和を避けながらバイオレンスとサスペンスの中にブラックなユーモアがスパイス的に入っているのが持ち味。この作品にはそれが見られず、コメディとしても笑いのツボが合わない。 カルト的な人気を持つコーエン兄弟が一般向けに寄せて映画を作ったら、角が取れてこうなっちゃったって感じ。似合わないことをやらされた感がある。まるで得意技を封印させられた格闘家のよう。 予算のかかった大作でポール・ニューマンなど大御所も出ている。その割りに内容があまり印象に残らない。 コーエン兄弟のファンでも何でもないが、コーエン兄弟マニアはこういうのも受け入れられるのかどうかちょっと気になった。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2017-10-01 00:18:09) |
22. トキワ荘の青春
伝説のトキワ荘での漫画家たちの若き頃を垣間見ることができる。 出てくる漫画家の漫画で育った世代なら特別の感慨があるかもしれないが、ストーリーとしては特に盛り上がるようなものはない。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2017-08-31 23:01:42) |
23. レッド・オクトーバーを追え!
《ネタバレ》 核ミサイルを搭載したソ連の潜水艦艦長の意図を探ってのサスペンス。 亡命の臭いを嗅ぎ取っての駆け引きがいろいろあってなかなか面白い。潜水艦ものはハズレが少ない。 ただ、ソ連艦長に最初から悪意がないであろうことが、配役で察せられてしまうのがちょっともったいない。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-08-31 22:59:53) |
24. アドレナリンドライブ
パッとしない男女がひょんなことからヤクザの大金を手に入れて逃避行。 平山みきの懐メロをテーマ曲に使っていたのが耳に残る。肝心のドラマの内容はあんまり印象に残らない。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2017-08-30 00:13:59) |
25. 星願 あなたにもういちど
一昔前の少女マンガのようなファンタジーラブストーリー。 あまりにピュアすぎて、いつ見るかで感想もかなり変わりそう。 [DVD(吹替)] 4点(2017-08-27 23:12:59) |
26. 奇跡の海
《ネタバレ》 良くも悪くもラース・フォン・トリアー監督の作品は印象に残る。人間や社会のダークな部分をえぐり出すのが巧みだからだろうか。 「ダンサー・イン・ザ・ダーク」「ドッグヴィル」「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮」「ニンフォマニアック」 中には悪趣味なほどに後味が悪いものもあって、ハッピーな気持ちにはなれないが、何か突き刺さるものはある。 宗教色の濃いものはあまり好きではないのだが、神を信奉するベスの生き様が凄まじい。歪んで真っすぐな愛と献身は、神に手酷く打ちのめされたような結末で哀れを誘う。 ベスの願いは聞き入れられて瀕死の夫は奇跡の生還を果たした。が、最愛の妻を惨殺された夫にとっては皮肉な結末でしかない。 [DVD(字幕)] 6点(2017-03-13 19:48:24) |
27. 仮面の男(1998/ランドール・ウォレス監督)
《ネタバレ》 子供の頃に読んで忘れていた児童書の三銃士の面白さが蘇る。 この映画では三銃士とダルタニアンの葛藤が見もの。 世継ぎや伝承者が実は双子で…てのは、マンガや映画でもよくみかける。 デカプリオの双子の演じ分けは上手かった。 [CS・衛星(吹替)] 7点(2017-03-12 08:24:18) |
28. いとこのビニー
《ネタバレ》 ビニーのキャラがいい。釣り合わないほど素敵な恋人との諍いも笑える。気軽に楽しめるコメディ。 ダメダメだったビニーが、最後は辣腕弁護士に豹変するのは都合良すぎる気もするけど。 [DVD(字幕)] 6点(2017-02-28 20:45:52) |
29. 奇人たちの晩餐会
《ネタバレ》 三谷幸喜のコメディと作風がとてもよく似ている。三谷作品が好きならこの映画も気に入りそう。 超ド級バカのピニョンの振り回されるイライラが伝わってくる。ただのバカで終わらずに人情味のある良い人となっているのは、ちょっと松竹新喜劇の藤山寛美を彷彿させる。 [DVD(字幕)] 7点(2017-01-23 22:50:08) |
30. ボビー・フィッシャーを探して
ステージママが付いている子役や、ジュニアゴルファーもこんな感じなのだろう。 特殊な世界の話ではなく、幼い子供を有名私学に入れたい親にも通じるかも。 [DVD(字幕)] 7点(2017-01-23 22:43:48) |
31. 忘れられない人
《ネタバレ》 昭和の少女漫画じみた陳腐なラブストーリー。愛する者との死に別れのドラマはもっとも涙を誘いやすいものだが、これでは泣けない。 都合よく死なせた感じが透けて見えて、シラケてしまった。あざとすぎてリアリティもないので、まったく感情移入できない。 勝手に何度も部屋に侵入して寝顔を見ていた男というのも結構怖いものがある。 [DVD(字幕)] 3点(2017-01-18 06:07:02) |
32. マイ・ライフ(1993)
《ネタバレ》 ベタで凡庸なストーリーなのに泣ける。それは誰もが経験するような親子の愛憎や、生と死などの普遍的で身近なものだから。 お互いの悪いところばかりに目がいき、相手を責めるだけで自分の正しさを疑わず、聞く耳を持たない。そうなると、親子、兄弟、夫婦、恋人同士の関係も破綻に向かうしかない。寛容と感謝の気持ちを持ったときに、その関係が変わっていく。 子供の頃は、親が約束を守らなければとてつもなく許しがたい裏切りに感じてしまう。サーカスを親に見せてもらえなかったことのトラウマが、死ぬ直前でようやく解消された。 ニコール・キッドマンのような綺麗で優しい奥さんの支えがあれば、早死にしてかわいそうとも思わない。良い人生だったという救いの感じるラスト。 [DVD(吹替)] 7点(2016-10-25 00:54:31) |
33. さらば、わが愛/覇王別姫
《ネタバレ》 四面楚歌でもよく知られる項羽と虞美人を描いた京劇を軸に、とてもよく練られた中国映画の大作。3時間近い長尺で、前半は少しダルいのだが、文化大革命からの終盤は物語に引き込まれる。因果応報、諸行無常、人間の弱さ、人生の悲哀がたっぷりと詰まっている。 親に捨てられ京劇の養成所に女形として育てられ、心も女になっていき、兄弟子の石頭を愛してしまう小豆。石頭が小楼、小豆が蝶衣の名でスターに登りつめたものの、蝶衣のほうは醜悪なパトロンに目を付けられて慰みものに。一個人ではどうにも抗えない運命に流されてしまう悲哀を感じる。 小楼と付き合う女郎の菊仙に、激しい嫉妬をぶつける蝶衣。完全に男1女2の三角関係だ。でも、体が男の蝶衣は、役の上での覇王と別姫で男女の関係を味わうしかない。体は男で心は女というギャップが蝶衣を常に苦しめる。 日中戦争、文化大革命と時代にも翻弄される。日本軍はまた例のごとく粗暴で極悪人としてしか描かれていないのだろうと思ったが、それよりも中国軍のほうが鑑賞態度が悪くて一座と騒動になる一幕も。蝶衣が目をかけた捨て子の小四が、新体制の共産思想にかぶれて反旗を翻したのも印象的だった。 蝶衣が小四に追い出される形で覇王別姫の役を奪われ、しかも小楼がそれを容認するという裏切り行為。小楼は少年時代に兄弟子として蝶衣の罰を引き受けたくらいなのに、あの頃の姿はいつの間にかなくなっていた。それどころか、文化大革命で処刑されそうになって、命惜しさに蝶衣と菊仙を売る姿は見苦しいことこの上ない。絶望した菊仙が首を吊ったのも十分共感できる。 蝶衣に取って代わって別姫役を得た小四が、新たな権力に突き落とされるのも皮肉がきいている。蝶衣が虞美人として自害したのもラストにふさわしい。 終盤は畳みかけるような展開で、思わず見入ってしまった。重厚な人間ドラマを見せてもらって満足。 [DVD(吹替)] 8点(2016-10-12 22:27:03) |
34. 風の丘を越えて~西便制
《ネタバレ》 詩情あふれる映像美。朝鮮民族の恨の精神はとても好きになれないけれど、この映画ではそれを超越していた。 求める芸術のために、娘ソンファの目を奪う父の愚行。それを知っても父に恨みをぶつけるでもなく、唱い続けるソンファが健気で美しい。 さほど美形とは思えなかったソンファが、生き別れた弟と共演するシーンでは、限りなく崇高で美しく感じられた。 [DVD(字幕)] 7点(2016-10-05 23:09:44)(良:1票) |
35. マスク(1994)
ジム・キャリー主演のコメディは、どうも相性がよくない。苦手。 [CS・衛星(吹替)] 4点(2016-07-31 23:18:32) |
36. アウトブレイク
《ネタバレ》 面白くないわけではないが、リアリティがない。ウイルスに対して空気感染しないからとあまりに簡単に判断して完全防備を怠っている。飛沫感染するのに無防備すぎる。感染防止も街を封鎖しておけばあえて急いで爆破する必要もない。血清もそんなに即席で作れるものなのか疑問。 ウイルスの怖さは感じるけれど、いろいろと設定に無理があるので話に乗り切れない。当時としてはインパクトが大きく影響力もあっただろうが、パンデミックを描いた映画やドラマ、漫画には完成度の高いものも出てきているから、それらに比べてアラが見えてしまう。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2016-07-29 21:40:41) |
37. オープン・ユア・アイズ
《ネタバレ》 サスペンス性があるので引っ張られるが、結局安易な夢オチでがっかり。悪夢を望んで見たというのもよくわからない。ペネロペ・クルスだけが印象に残った。 [DVD(吹替)] 4点(2016-07-29 21:37:07) |
38. マイ・ドッグ・スキップ
犬と少年のエピソードに惹かれるものがあまりない。 何もかもがパターン通りって感じで、感動できなかった。 [DVD(字幕)] 4点(2016-07-29 21:32:39) |
39. プライベート・ライアン
《ネタバレ》 スピルバーグの戦争ものといえば、連続ドラマの「バンド・オブ・ブラザーズ」が面白かった。戦闘シーンがリアルで群像劇としても優れていたが、こちらの映画も同じような印象。 ライアン家での兄弟4人のうち3人が死亡して、最後の1人を死なせると母親を絶望のどん底に落とすことになる。その1人の救出のために大勢が犠牲になるリスクを冒すのは、いかにもヒロイズムが好きなアメリカらしい。上層部の思惑とは別に、戦争の中での極限状態で次々に人間の本性が現れる。恐怖で硬直して味方を見殺しにしてしまったアパムが、自分が安全な立場となったときにドイツ捕虜を射殺したのは、戦争のなせる業なのか。アパムの存在は異質で脇役ではあるけれど、戦争映画にリアリティと重厚さを出している。 [CS・衛星(吹替)] 8点(2016-02-28 20:20:42) |
40. ユー・ガット・メール
《ネタバレ》 児童書を扱う小さな個人書店と、品揃えと安売りが人気の大型チェーン書店。大嫌いな商売敵が好意を寄せるメールの相手と知らずに反発し、やがて惹かれ合って――といういかにもメグライアン的王道ラブストーリー。メールの相手と待ち合わせをしたときに、男のほうだけ相手の正体を確認するけれど、女は知らないままで。 もう序盤から結末が見えるストーリーだし、ものすごい偶然でメール相手と出会い、タイミングよくお互い交際相手と別れる。都合の良すぎる話だけれど、安心して楽しめる映画ではある。 [CS・衛星(吹替)] 6点(2016-02-14 22:33:03) |