21. ボルケーノ
《ネタバレ》 十数年ぶりに鑑賞。 今観てもやっぱり楽しめる映画。 最初から最後まで、とにかく息をつかせてくれない親切すぎる演出が素晴らしい。 当時、『ダンテズ・ピーク』という、これは文字通り火山噴火の映画が同時期に封切られたと記憶しているのだが、ボルケーノの方が個人的には好み。 災害に負けない人間の力と知恵、そして火山灰を浴びた人間の肌の色はみんな一緒だ、なんて社会性もしっかりあって、胸が熱くなる映画。 そしてアン・ヘッシュの美しさ全開。 この後あまり出演映画には恵まれていない印象だけに、本作の彼女は最高に魅力的。 [DVD(字幕)] 8点(2020-12-22 21:48:12) |
22. ミミック
《ネタバレ》 ギレルモ監督は、どの映画でもその作り上げる世界観で観るものを作品の中に引き込んでくれる。 我々の暮らすこの世界も、一皮むけば異形の者が跋扈する居心地の悪い世界なのかもしれない。 現実の世界を描きながらも、どこかおとぎ話の世界を観ている感覚。 それがあるからこそ、ギレルモ監督の映画を安心して観ることができるのかもしれない。 今回も、異世界の象徴のような地下鉄が舞台。 異物が潜む暗闇と、発光灯や電源を繋げて光るライトとのコントラストが美しい。 残念なのは一点、後半は終始油まみれのミラ・ソルヴィーノしか観られないこと。 設定上仕方ないんだけど、そりゃないぜ、監督。 [インターネット(字幕)] 8点(2020-11-01 09:49:51) |
23. めぐり逢えたら
《ネタバレ》 空港で偶然アニーを見かけるサム。 道路に佇むアニーに声をかけるサム。 そして、エンパイアステートビルの屋上で交わす言葉。 そりゃ、恋に落ちるよ。メグ・ライアンだし。 アメリカの映画って、クレジットも無さそうな脇役がいい味出すんだけど、この映画も例に漏れず。 「ケーリー・グラントかい?」って営業の終わった屋上に上げてくれる警備のおじさん。いいなあ。 それを引き出すメグの仕草も最高にキュートだし、本当に何度も観たいシーン。 こう言う印象的なシーンがある映画は、何度も観たくなる。 [インターネット(字幕)] 8点(2020-10-29 22:06:21) |
24. ダンテズ・ピーク
公開当時は、トミー・リー・ジョーンズの『ボルケーノ』と公開時期が近かったような記憶があるが、思い違いかもしれない。 あの頃は断然『ボルケーノ』の方が面白いなあと思っていたが、もう少し大人になって観ると、やっぱこっちの方がいいかも、という落ち着いた出来。伏線もちゃんと拾ってくれるから色々腑に落ちる。 ピアーズ・ブロスナンは頼りがいあるし、なんせリンダ・ハミルトンが珍しくか弱い系の女性を演じているのがいい。 タイトスカートはいてちゃんとしたら、驚くほど魅力的。 これって、ターミネーターのせいで、リンダ様を観る私の美のハードルが下がっているからなのか。 [インターネット(字幕)] 8点(2020-04-29 00:16:25) |
25. トリコロール/白の愛
《ネタバレ》 トリコロール三部作、順番とかあるのかな。 作法がわかんなかったから、とりあえずデルピー様から鑑賞。 やっぱ綺麗だよなあ。色っぽいし。 あのラストは復讐かとも思ったが、ドミニクを独占したい情けない男のしでかしたつまらんことじゃないかと。 牢獄に入れば誰のものにもならないし。 復讐にしても独占欲にしても、どのみち最低なんだが。 法廷にうっかり入って来るビノシュ様と、相変わらず脱ぎっぷりのいいデルピー様に加点。 [インターネット(字幕)] 8点(2020-04-21 00:12:57) |
26. Love Letter(1995)
《ネタバレ》 ずっと観たい観たいと思っていて、やっと観ることができた。 博子からの手紙をきっかけに、樹はかつての同級生との恋を思い出し、その死を知る。 「失われた時を求めて」に込められた思いに気づいた高校生たちが訪ねて来るシーンは、本当に美しい。 貸し出しカードを裏返す前から、不覚にも涙がこぼれてしまった。 彼の思いが伝わるべきタイミングは、中学生の時ではなく、今だったんだろうな。 あの時気づいていても、北海道と神戸では忘れていくしかない。 でも、大人になった今、なんだかパッとしない彼女の人生に、彼のラブレターは大きな力を与えてくれるんじゃないかな。 伝わって良かったな、少年。 君、なかなかやるじゃないか。 そして中山美穂の横顔に加点。 [インターネット(邦画)] 8点(2020-04-11 20:00:29) |
27. スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス
スターウォーズファンでなければ、恐らく映画冒頭の説明テロップで観る気を失うんじゃないかと。 最初のデートで観に行ったりすると、しばし選択を誤ったと後悔すること間違いなし。 観る人を選ぶ映画。 しかし、ファンにとってはたまらないエピソードで、悪役としてのダースモールも強烈な印象。 [インターネット(字幕)] 8点(2019-12-29 01:22:46) |
28. ターミネーター2
《ネタバレ》 T1000のラストが、遊星からの物体Xに見えて仕方ないのは、何にでも化ける設定を拝借したキャメロンがジョン・カーペンターに敬意を表したからに違いない。 断末魔の声といい造形といい、まさにそのもの。 それはさておいても、やはり面白い映画。 [インターネット(字幕)] 8点(2019-11-04 02:29:21) |
29. ファーゴ
《ネタバレ》 片田舎で起こった殺人事件。 署長のマージが淡々と仕事をこなし、事件の真相に迫る。 対する悪党どもは、仕事に対する情熱もプライドもなく、当然用意周到さもない。 悪事を働いて手にする数万ドルと、真っ当に働いて事件を解決し、切手のデザインに採用されること。 マージが終始熱くならず、仕事に徹する姿がつまらぬ悪事に手を染めることの虚しさを教えてくれる。 残された主犯の息子が可哀想でならない。 [インターネット(字幕)] 8点(2019-07-22 00:55:51) |
30. セブン
《ネタバレ》 ラストの衝撃は、知っていてもやはり強烈。 妻役のグィネスが聡明で可憐だっただけに、ミルズに感情移入してしまう。 そして犯人役のケビン・スペイシーのなんと憎たらしいことか。 この後ブラピもスペイシーも役者としてどんどん魅力的になっていく、過渡期の名作。 カット割りがストーリーとマッチして、鬱々とした気味の悪さを感じさせるデビット・フィンチャーの手腕もさすが。 [インターネット(字幕)] 8点(2019-05-25 02:54:24) |
31. コンタクト
《ネタバレ》 ヴェガ星人に一つだけ質問するとすれば、何を聞きたいか。 どうやって自滅せずに生きながらえることができたのか。 何十億年も別の星の人を観察し続けて、自らのちっぽけさを謙虚に学んだ結果なのだろうか。 宇宙は想像よりももっともっと大きくて、人間だけだとスペースがもったいない。 何度か繰り返されるこのセリフは、ラストシーンで初めてグッときた。 真実を知りたい、それが人類の共通の目的。 品格のあるいい映画。 [インターネット(字幕)] 8点(2019-03-05 23:48:37) |
32. ディープ・インパクト(1998)
《ネタバレ》 もしも明日人類が滅亡するなら、最後の瞬間に一緒にいたいのは誰か。 そういうことを考えさせられる映画。 宇宙飛行士たちの行動にも胸を打たれる。 「一緒に飛べて幸せでした」が、この映画で一番しびれたセリフ。 ロバート・デュバルが演じると、それだけで映画の品格が上がる気がするから不思議。 [DVD(字幕)] 8点(2018-12-18 22:47:47) |
33. ピアノ・レッスン
《ネタバレ》 砂浜に置かれたピアノ。 このアイデアだけでも映画として充分成立している気がする。 ホリー・ハンターはこういうけだもののような女性を演じさせると、他の追随を許さない怪しさが魅力だ。ハーヴェイ・カイテルの武骨さは今更説明の必要がなく、その個性と個性が惹かれあうのは、多分理屈を超えている。 私が一つ解せなかったのは、なぜ娘は母を売るような行為に及んだのか、ということ。 それまでの母娘の関係性からはちょっと予想できない行動だった。 それも、ピアニストの指を切り落とす、という画が先行して、無理やりこじつけた結果かもしれないが。 [インターネット(字幕)] 7点(2023-10-18 16:18:32)(良:1票) |
34. 評決のとき
《ネタバレ》 映画の出来はさておき、量刑として妥当なのかどうかは甚だ疑問が残る。これで無罪なら、仇討は状況によっては許せるというちょっと恐ろしい世界なんだけど。せっかくの死刑反対のサンドラ・ブロックが生きてこないし、死刑を積極的に認めるマシュー・マコノヒーとの諍いの意味が無くなってしまった。 死刑を認めるかどうかというあまり一般の人には関係のない重い話題よりも、人種差別が根強く残っているアメリカ社会に焦点を当てた、と考えるのが良いのかもしれない。KKKがまだ活動を継続しているとしたら恐ろしいし、いまだに南部とか北部とか言ってることが驚きなんだけど、まあこれがアメリカ、というか世界の現実なのかもしれない。 いろいろ盛り込みすぎな気もするが、上映時間の長さを感じさせない映画だった。なんせキャストが豪華。サザーランド家は親子で出てるし、マシューにサンドラ、サミュエルにアシュレイと枚挙にいとまがないくらい。みんなまだ駆け出しの頃なのかな。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-07-25 08:02:32) |
35. 雲の中で散歩
《ネタバレ》 好青年を演じさせたら、キアヌ・リーヴスの右に出る者はいないのではないかと思わせるほどの爽やかぶり。 ちょっとズルいくらいに、いい奴でカッコいい。 ビクトリア役の女優さんも知的で品位があって好印象。 難点は、二人とも恋愛経験が乏しくて思い込みが激しいこと。 まあこれは多分に脚本に拠るところが大きいのだけども。 若過ぎる二人を取り巻くブドウ農園の人たちが素晴らしい配役。 特にヴィクトリアの母親と、すぐに泣いちゃうメイドが良い。 ロマンスもドキドキ感があるし、家族愛も織り込んで、なかなか欲張りな映画。 ただ、あんなシーンを観ると、年代物のワインは飲むのを遠慮したくなったかな(笑) [インターネット(字幕)] 7点(2021-06-29 22:18:05) |
36. ボーン・コレクター
《ネタバレ》 プロファイリングではなく、あくまで犯行現場での鑑識で勝負ってところは、やはり「羊たちの沈黙」との差別化を狙ったのかな。 それはそれで面白かったし、まだ初々しいアンジェリーナ・ジョリーも美しい。 ただ、ラストに明かされる犯人と、「ボーン・コレクター」という小説の模倣のつながりが弱くて、今ひとつ作品に深みが無くなってしまったのは残念。 [インターネット(字幕)] 7点(2020-10-20 21:49:57) |
37. ブレイド(1998)
ヴァンパイアハンターの王道と言えば、やはりこのブレイド。 とにかくウェズリー・スナイプスがカッコいい。 またこの頃のウェズリー・スナイプスは脂が乗ってて動きもキレキレ。 『アンダーワールド』のセリーンのガン捌きもシビれるけど、スナイプスは刃物を持たせたら天下無双。 バッタバッタとヴァンパイアをやっつけるブレイドに酔いしれる一作。 [インターネット(字幕)] 7点(2020-07-19 00:50:43) |
38. ミラーズ・クロッシング
これほどタイトルと内容がマッチしている映画も珍しい。 最後まで驚きをくれる映画。 だけど、登場人物覚えるの大変。 ガブリエル・バーンは黙ってるシーン多いけど、流石のカッコよさ。 観て損はなし。 [インターネット(字幕)] 7点(2020-07-17 00:06:37) |
39. ゼイラム
《ネタバレ》 やっぱりこの世界観は魅力的。 女バウンティハンターって、カッコいいよなあ。 初っ端のスーツ着て弾を弾くシーンなんて、何度も巻き戻して見ちゃうぜ。 ゾーンなんて設定も斬新。 神谷さんもテッペイもちょうどいいキャスティング。 ターミネーターもエイリアンもプレデターも物体Xも全部詰め込んだ邦画の心意気。 特撮が突如アラジンばりのコマ撮りになるのも愛おしい。 後世に残したいSF邦画の金字塔だと私は確信している。 [インターネット(邦画)] 7点(2020-06-14 16:13:35) |
40. トゥルー・ロマンス
《ネタバレ》 そんなつもりはないのに、やることなすこと刹那的になってしまう二人。 若い奴らって破天荒だね。 二十代の時に観てたらもっと共感できたのかなあ。 監督の兄であるリドリーの『テルマ&ルイーズ』のラストは、二人とも死んじゃったけど爽快だった。 弟のトニーの『トゥルー・ロマンス』は、二人とも無事だったけど、スッキリしない。 クリスチャン・スレーターは好きなんだけど、あのサングラスが全然好きじゃない、というのが原因かしら。 私の一番のオススメポイントは、テレビで観てる映画が、『男たちの挽歌』の一番の見せ場シーンだったってことかな。 サニー・千葉とか、アジア映画に敬意を払ってもらって感無量。 [DVD(字幕)] 7点(2020-05-05 01:48:57) |