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Yuki2Invyさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1630
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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【製作年 : 1960年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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21.  太陽がいっぱい 《ネタバレ》 
サスペンスとしては、前半の心理的葛藤と後半の丹念な犯行描写がかなり面白い。それ以上に、全体に流れるアンニュイな雰囲気(ドロンの美貌も大いに寄与している)が正に絶品。地味に女優も相当美人。ラストの美しい太陽(とドロン)を背景にした呆気ない幕切れのペーソス感も実に見事。また、これもロータの素晴らしい音楽なくしては成立しない映画。文句無しの傑作。
[DVD(字幕)] 8点(2019-11-19 20:43:39)
22.  マタンゴ 《ネタバレ》 
もう60年以上前の怪奇特撮映画ですが、意外と本質的にはホラーや特撮ものよりはハード系人間ドラマ=極限状態での浅ましい人間性の描き出し、の方がワリとメインって作品に見えてまして、その意味ではロメロの初期ゾンビ映画とかの先行作的な位置づけ…みたいな感じも覚えますかね。ドラマにせよ・特撮にせよ、今観ると多少チープ+まま娯楽映画的なつくり込みの深さ、だと思われるのも確かではあるのですが、それでもその(実は上映時間の大半を占める)ドラマ部分の陰湿な居心地の悪さとゆーのは、今作が多くの人の記憶に鮮烈に残ってるってコトのワケがいとも簡単に理解できる…みたいなショッキングな代物だったと思うのですよね。登場人物にはモデルが居るってコトらしーのですが、そーいうの関係無くとも比較的みんなキャラクターのつくり込みが上手くいってたと思いますし、演技の方も総じてソレにハマってた…とゆーのがひとつのポイントかな~と思われますかね。またもう一つ、現代社会に毒されたこの連中は結局マタンゴなんて居ても居なくても(同じ状況ならば)いずれは破滅しただろう…みたいな全体構造が在るコトにも(個人的には)一応筋が通ってたと思えたコトも含めて、今回再見してもやっぱドラマとして全体的に好く出来てるよな~と思っちゃったのですよね⇒なので1点加点しておきます。  プラスその上で、終盤はやっぱシンプルにかなり怖い・悍ましいのですよね⇒いま観直しても尚、ちょっとゾクッとしちゃいました。昔の特撮のこの感じの不快な「音」とか、あとは前述どおり(ココでも)演技のハマり様=作中イチバン印象的なのってやっぱ水野久美さんだと思うのですが、彼女が妖艶にも人間でなくなってゆく様子なぞも、やっぱ素晴らしかったと思うのですね。観てないって方は、ぜひ一度は観た方が好いかもな~と思ってしまう様な良作クラシックでありますね。
[DVD(邦画)] 7点(2024-03-26 16:42:00)(良:1票)
23.  陸軍中野学校 《ネタバレ》 
中々面白いですねコレ。たぶん『007』に影響されたシリーズなんだろ~な~とは思えども、モノクロ作品なのでもっと前の映画?と思ったら全然そんなコトなかった…のですよね⇒でも、逆に戦前ぽくて雰囲気出てたんじゃねーの?と思ったりなんかもしました。また、スパイ映画としては技術的にも&スパイの内面的にも当然の如く超レトロ(聞こえは悪いですがある種「前時代的」)とゆーか、ラストなんか特に(中野学校卒業に際して)宴会で酒吞んでスパイが皆で高歌放吟してる!のなんかは「盗聴器とか無い時代だから…」と思ったりもしたのですね。前述どおり、スパイのテクみたいなモノも総じて属人的とゆーか(今で言うなら)ソーシャルエンジニアリングみたいなアナログなヤツが主流で、そこは再び、アイテム&ハイテク(&筋肉)頼みのキョウビのスパイとは一味違って面白かったですね。  加えて、邦画のスパイものとして彼らのキャラそのものとゆーか、何つーか実に「日本人ぽい」スパイが揃ってたな…と思ったのですよね。見た目もそーだし・みんな生真面目なのもそーだし、中でも主役の市川雷蔵さんはマジでフツーのサラリーマンにしか見えない…のですケド、ラストでは実に冷酷な「心の無い」スパイに成り果てて物語は次作に続いてゆく…という。そこなんかも、結局最後まで全く感情を見せないという(雷蔵さんに関する)演出自体が、ちょっと洋画では考えられないかな…とも思いましたよね。重ねて、その部分を見せつけるシナリオ全体の構成について、やや「出来すぎ」な感が在るのも確かですが、それでもまずまず好く出来ていた・効果的だったのではねーかと思いました。後続作も楽しみです。
[DVD(邦画)] 7点(2023-11-21 13:40:32)
24.  ふるえて眠れ 《ネタバレ》 
クルーゾーがモノした『悪魔のような女』に、ヒッチコックが嫉妬して出来たのが『サイコ』であって、その発展形としての『何がジェーンに起ったか』をアルドリッチが(二番煎じなのに)あまりにも見事に大衆的な傑作に仕上げてしまった…が為に、その締め括りとしてまた今作を撮るハメになってしまった=撮らざるを得なかった、とでも言いましょーかね。。  根本的には今作(随所でミョ~にホラーっぽいきらいはあるものの)確実にサスペンスとしても純粋に一級品だ…とは思います。率直に、アルドリッチらしく実にまた手堅い…と。しかし、そのサスペンスとしての構成要素のコアな部分の幾つかは、確実に旧作からの「流用」というべきモノでもあって、じゃあその既視感を打ち破って無きモノにするだけの超・ハイクオリティまでがソコに在ったかと言われると、個人的にはうーん…というトコロでもあるのですよね⇒私自身はシンプルに、前述した『悪魔のような女』か『何がジェーンに起ったか』の方が好きなのでして、未見の皆さまにはソッチの2作品から先に観て欲しい…とも(心から)思うトコロなのです。  そして、そーなったトコロの理由の最大のモノと言えば取り分け、やっぱこの構成だったらデイヴィスの相手はクロフォードしか居なかったな…というコトなのでして、そもそも諸々の点で120%のそーいう企画だった(+最初はチャンとクロフォードをキャスティングしてた、ケド…)というコトなのですよね⇒ソコは、また率直に非常に惜しいです。でも、じゃあ代役のハヴィランドがイマイチだった…なんて言う積りも毛頭無くて、演技もワリと手堅かったですし、シンプルに前述の大女優ふたりに比べると多少年齢が若いので⇒40代の美熟女としてのクオリティ…なんかも十分に感じられてソコは凄く好かったとも思うのですよね。そもそも、デイヴィス・クロフォード+ムーアヘッドの揃い踏み!となったら、演出とか関係なく完全なるホラーにしかならんだろ…とも思ったりなんかして(特にたぶん、撮影現場そのモノが…)。
[DVD(字幕)] 7点(2023-07-22 17:01:08)
25.  群盗荒野を裂く 《ネタバレ》 
第一には、ごく初期のマカロニ・ウエスタンの一作…かと思うのですが、しかし既に中々に過激!とゆーのが、主役の「群盗」とかいう連中がのっけからトンデモなく極悪・残虐非道なのですね(も~『ワイルドバンチ』が尻尾巻いて逃げ出す…みたいな勢いで)。メキシコ革命が舞台の作品なのですケド、調べるとそもそもメキシコ革命自体が(日本でゆーたら)戦国時代のお話?みたいなハチャメチャな代物にも確かに見えるので、今作が部分的に(コレも日本でゆーたら)『羅生門』みたいな高度に荒んだ空気感に包まれているのは(時代は全然違うんだケド)ある意味当然のコトなのかも知れません。同時に、中盤~終盤にかけてややテンションが下がってゆく辺りには、またごく高度にアメリカン・ニューシネマ的なナニかをも感じ取れたのですが、ところがどーしてオーラスは全っ然暢気にヒャッハー!な終わり方をしていったりもするのですよ。やっぱ、ちょっと面喰らってしまいましたよね⇒メキシコ?イタリア?ラテン系?…恐るべし…と言いましょーか。。  要するに、ちょっと危うい表現かとは思いますが、ラテン系が共産主義なんぞに染まっちゃうと⇒こーいう支離滅裂な有様が出来上がる…てコトかな~と。とにかく今作、最後まで観ると、根本的にこのジャン・マリア・ヴォロンテの支離滅裂なキャラってのはマジで相当に映画表現的にもユニークな(ちょっと到底真似できない=てか真似なんかしたくもない…と言う様な)トンデモ野郎だったと思うのですね。でも、ソレでも尚このキャラにはまた、実に強力な説得力もが在るな…と思われたのも確実なのです。だから、またこのかなり意味不明ぎみなオーラスにおいても、私自身は実に爽やかに大爆笑してしまったのですよ。流石ヴォロンテ…その懐の深さ、恐るべし…と言いましょーか。。  ただし、単純に映画としては、前述どおりヴォロンテはヴォロンテでごく完成度高いと思うのですケド、他のキャラ…は実はそーでもなかったか?つーのがまた正直なトコロでもあるのです。第二主役的なルー・カステルは、途中まではともかくオーラスは単に油断が高じているダケにも見えてしまってるのがチョイとイケてないと思いましたし、クラウス・キンスキーはイマイチ存在感自体が在りませんですし、個人的にはもう一人アデリータもシンプルに途中退場してしまうダケなのはやっぱ勿体無かったかな…と思います。その辺も含めて、一点下げてのこの評価としてます。
[インターネット(字幕)] 7点(2023-07-15 14:00:58)
26.  破戒(1962) 《ネタバレ》 
引き続きの鑑賞ですが、率直にその1948版よりはかなり上回ったという出来に思われました(とは言え、ソレでもまだ小説版と同じくの感動、とまでは至りませんでしたが)。割と大胆に展開運びを工夫しつつ、1948版でオミットされていた要素も多く取り込まれていたので、お話としても・或いは登場人物の感情の流れ的にも非常に繋がりが好く、また適度に起伏・盛り上りも備わっていたと思われましたです。とは言え一つ、ソレでも描き込みがやや不足している様に思われたのは、第一に校長や郡視学といった「敵」にあたる勢力の描写と、また高柳利三郎と猪子蓮太郎(+原作における市村弁護士)といった辺りの「政治的な」対立構図の説明、といった要素であるのですね。特に後者は、この物語全体の「仕掛け」の中枢でもあるので、コレがこの1962版では(部分的には)台詞ひとつでサラっと流されている…という軽さであるのは、原作未読者にとってはかなり理解自体が困難になってゆくだろうな…と思われました⇒結局、この映画二作品はどちらも、原作未読だと正直「伝わらない」というヤツなのだろう、と。  しかし重ねて、少なくとも1948版よりはかなり上回って原作の素晴らしさを伝えるコトが出来るだろう作品に思いますし、映画としても一つ、確実に俳優諸氏の演技の質やキャラクターへの嵌り様は実にごく優れていたと思うのですね。誰しも好い演技だったと思うのですが、中で特筆すべきは猪子蓮太郎役の三國連太郎でしょう。今作を観たダケでも、氏が如何に傑出した俳優だったかが容易に窺い知れよう…という感じですね(脱帽)。
[インターネット(邦画)] 7点(2023-06-18 01:24:21)
27.  しとやかな獣 《ネタバレ》 
120%タイトルのまんま!とゆーか、寧ろ『(大から小まで)悪人選り取り見取り!⇒貴方はドレが好き?』とでもゆーか、確かにブラック・コメディとしては傑作だと思いますケドも、本質的には1ミリも面白い話ではねーのですよね(卦体糞悪い…)。あの税務署員の小悪党が出て来なかったら、マジで0点を付けてた可能性もありますよ。個人的には正直なハナシ、今作に関しては(最早)若尾文子が出てるとか出てないとか、そーいう問題でもねーのですよね⇒外ヅラでナンとかなるよーな・ナニかが根本的に変わるよーなお話ではない、と思うのです。  ただね……ブラック・コメディとしてのみならず、技巧的にも非常にレベルの高い作品だと言わざるを得ない、てのが……(部分的にはまた確実に「アート」の域に在る、と⇒こんなゲテモノなのに……)舞台が終始、集合住宅の一室内に留まる…とかって種々の制約すらもコレだけ「楽しみ」つつ、ソレをこ~んな優れた芸術にマデ仕上げられる映画作家が今の日本にも居ますよ!なぞ、私には到底断言出来ないのですよね(残念乍ら)。例えば、あの「階段」のシーンを撮れる監督が(誰かひとりでも)今今に思い当たるのか…というこの状況で、いくら個人的に嫌いだからとゆーて今作に6点は付けられませんですよ(ソレだとあの『万引き家族』と同じ評価になってしまうのですからね⇒あまりに「格」が違いすぎる…と)。結論、重ねて(非常に)悔しいのですが、この点数としておきます。
[インターネット(邦画)] 7点(2023-05-03 23:02:33)
28.  リオの男 《ネタバレ》 
『ドクター・ノオ』が1962年の作品で今作とは同年代、かつベルモンドもコネリーも同世代で30前半、というコトでやはり諸々と根本的な質感や内容は似通ってるな~とも思いますが、アッチがより軍事的+近未来的なお話だったのに対してコッチはかなり冒険活劇的+レトロなロマンのお話で、そしてだいぶコメディ寄り…だとは思いますかね。フランス映画だから…というワケでもないのですが、後から調べると(Wikiにも書いてありましたが)コレもやはり同地産の『タンタンの冒険』は大いに参考にされている…というコトの様ですね(特に古代文明の像が云々…とか、靴磨きの少年が云々…とかはそんな感じだったかな~と思いますよね)。  ベルモンドもまだ若々しく、その分とゆーか(後年の作品に比しても)だいぶ無鉄砲でより「脳筋」なキャラだとは感じられました、がまたその分(件のスタント無しの)アクションとゆーのは傍目から観てもかなり危険そーなのばっかりで凄かったですよね(いま観ても)。自動車・バイク・船・飛行機・おまけに水上スキーまでも…なんて乗り物が多彩なのも好かったと思います。あとそもそも、南米の空気感(+音楽の感じ)なんかもベルモンドの個性にはごく適合してたかな…なんて思ったりも。  もう一点、そのベルモンドの相方たるヒロインてのがま~た実に素晴らしい!フランソワーズ・ドルレアックはそもそも出演作自体が希少なのですし、若さ・美しさ・そして少しおバカなキャラクター含めてとても好かったですね。確実に私はウルスラ・アンドレスよりも好みですし、作品全体としても今作の方が『ドクター・ノオ』より全然好きですね。良作。
[インターネット(字幕)] 7点(2022-10-16 21:59:46)
29.  イカリエ‐XB1 《ネタバレ》 
ごくコンパクトな尺ながら、内容自体にしてもソレを構成する幾つかの印象的なエピソードは意外とバラエティに富んでいる、とも思えました。そしてそれ以上に、映画の雰囲気とゆーか質感とゆーか、ソレは当然の如くにSFでありつつも、一方でごく物質的とゆーよりは多分に幻想的であったり文芸映画的であったり、更に部分的にはホラーぽくもあったりまた真摯な人間ドラマでもあったり、と非常に多様で独特なモノに仕上がって居たかと思います。重ねて、とてもユニークな雰囲気でしたし、不思議と強力に引き込まれる映画でしたね。観て損は無いかと。
[インターネット(字幕)] 7点(2022-05-19 22:39:38)(良:1票)
30.  女性上位時代 《ネタバレ》 
まろやかですね~典型的なセックス・コメディ(イタリア式コメディ)ですが、冒頭に提示されるテーマからすれば思いの他とてもマイルドに仕上がっているとも思います(最近ワタシがこっそりロマンポルノばっか観てる、とゆーのが大いに影響してるという気もしますケド)。スパーク嬢はデビュー当時からすれば少し年齢を重ね(当り前)、またややふっくらしたかとも思いますが、それでも後半のシーンで晒される全身のプロポーションは中々見事なモノをキープしてましたかね。ぶっちゃけ今作、前述どおりエロもコメディもごく微笑ましいというレベルの作品だとも感じますが、スパーク嬢の平場のルックス面のつくり込みの凝り様と(出てくる度に違う衣装着て髪型も変わってる)、後はヌードシーンでもワリと躰を張りまくってる(時代を考えれば)とゆーのは今もってなお実に素晴らしい映画的アドヴァンテージになっていると思いますね(ヌードシーンは最初は手控えてると思いましたが、トランティニャンが出てきてからはなんか加速しましたね)。個人的には全然観る価値十分だったかと。オススメ。
[DVD(字幕)] 7点(2021-10-09 02:28:10)
31.  狂ったバカンス 《ネタバレ》 
カトリーヌ・スパークちゃんの出世作、というコトで、見た目的にも今作はサービス精神がごく旺盛とゆーか「挑発的」そのものですね。ド初っ端からダボダボセーター上一枚だけ(下は水着)に始まり、その次もタオル一枚巻いただけ風(下は水着)→ヘソ全開のノースリーブにギリギリローライズ→そして背中全開の着替えシーン→からの白水着全開、と正に小悪魔・罪つくりと言った風情極まりないですね(トニーノくんがコロッと参っちゃうのも分からんでもねーなと)。  しかし、その小悪魔ぶりが高じてくる後半は、トニーノくんも流石にだんだんイライラし始めて→からかい方もちょっとタチが悪くなってゆき→最終的には暴力沙汰にまでなる、そこら辺は少し(いくら自業自得とは言え)オッサン可哀そうだな、と思われる様な話ではあります(私も完全にトニーノくん側に感情移入する歳になったとゆーコトですね)。ただ、そんな中でもスパークちゃんの眼差しは(多分に小悪魔的で在りながら)どこか実に無垢で美しいモノで在り続けた、様にも見えるのですね(何故だか)。まあ、そーいう目付きを必要なだけつくり込める、とゆーコトまでを含めての「真の」小悪魔なのかも知れませんケドも。
[DVD(字幕)] 7点(2021-10-09 02:25:13)
32.  ラ・ジュテ 《ネタバレ》 
実質的な構成成分は、その8割がたがSF短編小説の朗読だ、と言って好い作品かと。その意味では、決してSFとしての出来自体がソコまで優れているワケでもない、とゆーのには若干の残念さも感じられるかと(ややありがちな話ですしね)。ただ、やはりより重要なのは「フォトロマン」と呼ばれる手法を採用した映像(紙芝居)の方でしょうね。動画じゃなくて写真の連続、とゆーのは、一見は安上がりでしかも「簡単」な手法にも思えるケドも、コレを成立させるとゆーのは相当に高度な技量が必要でしょうね(構図その他のセンスに関して全く誤魔化しが効きませんからね)。その部分のクオリティとゆーのは結論的には評価するに十分なモノではなかったか、と思います。特に中盤の画面の美しさと、それら映像+朗読その他の「音」が醸すやや幻想的な雰囲気とゆーのは、個人的にはかなり心地好かったです。ソコに比しては終盤がやや駆け足かつ即物的な様にも思いましたが、映像の美しさとゆーの自体はここでも保たれていたかと思います。かなり気に入りました(立て続けに2回観てしまいましたね)。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-09-30 01:15:11)
33.  サムライ(1967) 《ネタバレ》 
ノワールとしても、お話自体は非常にシンプル、かつ派手な展開も無く率直にかなり地味ですし、件のラストについても雰囲気自体は十分に好く醸されていますが、何故そーしなければならなかったのか、と言われれば若干疑問は残る、とも言えます。その意味では、お話自体の方よりは別のトコロに観るべきモノが在る映画だと思いますね。  それは言わずもがな、主演のドロンに決まっているのです。美しいですね。無機質な美しさと、冷たさ。血が通っているとは到底思われないほどに温かさ・生活感が排除されたその様はまるでターミネーターの様ですが(T-1000の方)その顔面が更に芸術品の様に美しいと。ハードボイルド極まりなくも前述どおり地味、というお話の内容も、ドロンの醸し出す雰囲気には好くマッチしていた、とも思います。もう一つ、ドロンの部屋がこれまた素晴らしかったですね。これも生活感無く、またあの壁の塗り方はなんなのでしょうか。あんな陰鬱な部屋に住んでいたら、常人ならすぐ精神を病んでしまいそうだ、とでも言いますか。  そしてドロン両手に華な女優2人の美しさも出色でした(これだからフランス映画は止められない)。ここまで主演陣の見映えが美しいと、全体の雰囲気も勝手に文芸的なまでに成ってゆくかの様な。たびたび観返している作品ですが、この雰囲気は個人的にはとても好みですね。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-05-29 13:23:11)(良:1票)
34.  回転 《ネタバレ》 
大昔に観たときは、率直によー分からん映画だと思ったのですね。それは、この映画を単純に幽霊映画・ホラーだと思って観ていたからだった、と思うのですが、今回、原作を読む機会があったのでそれを機に観直してみました。  そもそも原作と言うのは、幽霊がメインの要素である以上は間違いなく怪談の類いなのですが、その中でより注力して描写されるのは主人公の心理的葛藤、すなわち、思わせぶりな態度を取り続ける子供たちが実際に「黒なのか白なのか」という部分の疑心暗鬼、或いはグロース夫人との関係性(協調または敵対)の部分に生まれる緊迫感であり、そういった主人公の不安・不穏な感情を描くものとしては確実に(心理的)サスペンスという方が適切なのです。その観点からすると、非常に控えめな幽霊自体の描写、端的なデボラ・カーのヒステリックな感情表現、豪奢ながら寂寥とした屋敷や物悲しいオルゴールの音色が形づくる全体の陰鬱な雰囲気、結局白黒がハッキリしない不可解な結末、といった部分の仕上げ方・出来映えを勘案しても、確かにこれは比較的優れている・的確な方の文芸映画だと言えるのではないかと感じるのですね。  ただ、よく言われることですが「小説(原作)か映画か」という観点で言うと、今作は原作と比較すると実は色々随分と簡略化されている、という部分に若干の残念さを覚えるのも事実です。子供たちに対する主人公の猜疑心というものは、原作では非常に地味な描写の繰り返しによって(最初から最後まで一貫して不穏な空気に包まれつつも)極めて緩慢に形成されてゆくのであり、それが彼女の最終的な狂乱状態に説得力を与えるとともに、その長きにわたる「不穏さ」を味わう、という意味でのサスペンスの醍醐味を同時に生み出しています。が、映画の方は率直にそれが全体的に結構にアッサリしたものに変わっちゃってて、小説を存分に楽しんだ身からすると少しばかり物足りない、という感じなのですよ。  その意味で言うと、映画では特にグロース夫人との関係が非常に軽い描き方になってしまっているのがだいぶ気になります。ジェスルの幽霊がフローラにもグロース夫人にも見えなくて、結果フローラとの関係性が瓦解する場面というのは、同時に唯一の味方であったグロース夫人との協調関係が反転するという点で小説ではココイチ衝撃的な場面だったと言えるのですが、映画ではそれが残念ながらそーいうものにはなっていないのです。そういった部分も含めて(前述どおりかなり上質な映画化だとは言え)やや原作の持つ「ウリ」というものが分かり難くなっている映画、だとも言えるかと思うのですね。  とは言え、全体としてはまま悪くない出来だと思います。私の本当のオススメは小説の方ですが、こちらも決して観て損も無いかと。暇なら是非。
[DVD(字幕)] 7点(2021-04-29 09:49:38)(良:2票)
35.  仮面/ペルソナ 《ネタバレ》 
それでも終盤の前までは、それなりに理解はできた様な、というか。人間関係は多かれ少なかれ「与えること」と「与えられること」の相互作用である。言い換えれば、自己を「曝け出すこと」と他者を「受け容れること」のやり取り、とでも言うか。仮面を被り、黙して語らないのは、そのどちらをも(特に「曝け出すこと」を)拒絶するという行為に他ならない。と言うかソレは、他者が自分に「与える」のは勝手だが、それを受容もしないし、そして自らが「与える」ことは決してない、という態度でもって、あくまで他者に対して自分を優位に保ち続けよう、という行為の様にも思える。  そんなエリザベートを病身と看做す故に、むしろ明け透けに自分を曝け出してゆくアルマもまた、実は逆に「与える」ことで自分が優位に立っている気になっていた、様にも見える。そして、それが錯覚であったことに気づいたアルマの怒りと、それを嘲笑うかのようなエリザベートの笑いこそが、2人がその「仮面」を外した真実の一瞬でもあった様に感じられる。エリザベートはアルマの「仮面」を剥がすために全てを仕組んでいた様に見えたが、結果として自らも仮面の下の真の感情を垣間見せているのだ。率直にシーンの構造がややこしいとゆーか、否、奥深いとゆーか。  終盤はかなり抽象的な展開に陥り、結局全体を通してナニが言いたかったのか、ということまでは正直言って掴み切れなかった。「仮面」を被ることがもたらす安易な安らぎ、逆にそれを脱ぎ捨てることの困難さ…アルマは最後にエリザベートを否定し、自分がそうなることを拒絶するが、それがこの『仮面』という映画の結論か、その意図するところの真のテーマは何処に在るか…いずれ再見しよう。
[インターネット(字幕)] 7点(2020-12-03 00:13:09)
36.  アポロンの地獄 《ネタバレ》 
最初と最後に現代と繋がる部分は正直言ってよー分からんかった。だからその部分を置いて考えると、本質的にはド直球な「古典の映像化」である。勘所はその表現技法であろう。リアリティを無視した、お手製感満載のどこか適当で(小難しく言えば)非実在的・抽象的なそれは、ロケーションやセットには拘りつつも非常に「演劇的」というか、中々に面白い(非・通常映画的な)質感・空気感を醸成することに成功していた。演技面でも、やや大袈裟なそれは大いに舞台劇感を醸していたが、演技自体は確かに力強く、かつそれなりに上質であった様にも思われる。単純に傑作ギリシア悲劇の映画版として観るなら、意外とそこそこ楽しめるのではないか。
[インターネット(字幕)] 7点(2020-09-22 19:47:24)
37.  怒りの荒野 《ネタバレ》 
とある青年ガンマンの人間的成長を描くという西部劇。その彼をジュリアーノ・ジェンマが演じていますが、序盤~中盤の彼の甘さ・若さというのがイマイチ心地良く観てゆけなかったというか、率直にちょっと情けなさ過ぎ or 色々と甘すぎじゃない?という感じというか。他方、リー・ヴァン・クリーフも見た目とかは今作でも最高にシブいのですが、ジェンマのヌルさに引っ張られてキャラ造形にはややキレが無い、という様にも思われます(あくまでレオーネ作品と比べたら、ですが)。  中でも、序盤はジェンマにとっての恩人であるクリーフが、後半では極悪人になる、という部分の盛上げ・葛藤が弱い。それは、クリーフが蹂躙する街の人々というのが、序盤でジェンマを苛め抜いていたしょーもない輩共だ、というのが痛恨の要因だとも思われます。老保安官とジェンマの絆とかは序盤でもっと強調するべきだと思いますし、クリーフにも後半、もっと単純に悪辣なコトをさせちゃった方が良かった様にも思われます。  しかし、肝心のジェンマの成長ぶりについては、中盤でいっとき思い上がる様子なんかにも人間らしさを感じますし、終盤は、序盤あんなに観てられなかった彼がこんなにカッコ好くなるか、というぐらいクリーフにも負けじと立派なガンマンに大変貌してくれます。ガンマン十ヶ条というのも中々良かったですね(ラストでも上手く使っていると思いました)。
[DVD(字幕)] 7点(2020-08-01 00:50:55)
38.  テオレマ 《ネタバレ》 
随分昔に某動画サイトで観て、全く歯が立たなかったという作品。今回、DVDを調達してのいわば再挑戦なのだが、前回よりは少しだけ得るものが有った様に思われる。  第一に感じ取れるのは、やはりキリスト教的な価値観。「訪問者」のイメージに重なるのは、何と言ってもイエス・キリストである。ただ、一家がブルジョアとして描かれること(言葉としても「ブルジョア」という台詞も複数回登場するし)、そしてパゾリーニが共産主義に傾倒していたことから鑑みるに、彼には「革命者」としての姿もまた重なってくる様に思う。  重要なのは、その彼の運び来る「変革」の結末である。要は、それは明らかに「ブルジョア」たる一家にとって望ましい結果を齎していない。それを非常に単純に解釈すれば、本作は単なる資本主義批判映画だと言えるのかも知れない。  しかし本作、決してそんなに単純な作品でもない様にも思われる。ブルジョアを単に「敵」と看做さず、そもそもこの世界は資本主義者に満ち溢れているのだから、これをそのまま「世界」だと捉えたならば、また話は違ってくる様に思う。救世主たるキリストや、真の革命家を以てしても善き方向に進まない「世界」。この重苦しい作品には、そんな世界(或いは逆に、そんな世界における共産主義の在り方それ自体を含むものか)に対するパゾリーニの絶望的な苦悩が感じ取れる様にも思う。  ひとつ確からしいのは、一家でただひとり「プロレタリアート」を代表するエミリアを通して描かれる「癒し」と、それに伴って来たる「希望」である。パゾリーニは、真に人々を癒し、そして導ける存在は、労働者階級の中から現れるということには確信を持っていたのではないだろうか。年代的にも思想間の二項対立とそしてその「善と悪」が揺らぐ歴史の中で、そこだけには(=映画中のそこの表現には)ある種の普遍性が感じ取れる様にも思われる。
[DVD(字幕)] 7点(2020-05-23 00:08:27)
39.  緋牡丹博徒 鉄火場列伝 《ネタバレ》 
尺がやや伸びたが、見せ場はそれ以上に増えている。お竜の演技にも大分凄みが出てきた。役者は揃って中々良いが、準主役に昇格した待田京介が非常に良い出来だった。
[インターネット(邦画)] 7点(2019-11-28 21:42:06)
40.  モラン神父
キリスト教的な価値観を多分に含みながらも、十分に理知的で普遍性ある対話を通して、人間関係が変化・深化していく様を丁寧に描いており、かなり見応えが有る。古い映画で、非常にシンプルな(飾り気のない)演出をされているため、もし現代であればもう少し画的な美しさとか音楽とかで文芸的な趣を足せるのではないかと思ったり。十分にオススメできる良作だが。
[DVD(字幕)] 7点(2019-11-15 23:30:47)
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