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421.  不滅の恋/ベートーヴェン
どうも序盤は物語も大きく展開しなくて、ゲイリー・オールドマンがドラキュラ伯爵に見えてしまってしょうがなかったんですが(見た時期がかぶってたんで・・)、耳をピアノにあてて演奏するシーンや最後の第九など、印象的なシーンも多かった。第九の演奏シーンでは、しっかりベートーベンになってました。ドラマ部分の描き込みには不満が残るけど、ちゃんと120分で押さえたのは感心。「文芸大作」気取って150分、180分とかの映画になってたら、ダレダレの駄作になってたと思います。
6点(2004-04-03 14:33:10)
422.  NARC ナーク
M:I-3の監督に抜擢されたなど、噂を先に聞いて期待しすぎてしまったようです。脚本はすばらしいと思いましたが、追跡シーンの手持ちカメラ、ブルーがかった色調、フラッシュバックの多用など、少ししつこく感じてしまいました。物語そのものに緊迫感があるんで、そこまで映像表現で煽る必要もなかったような。でも、なんの事前情報なくこの映画をみてれば、印象も違ったかも。「掘り出し物発見!」と思ったトム・クルーズの気持ちも理解できます。
6点(2004-03-18 02:15:59)
423.  イン・ザ・ベッドルーム
公開時、アメリカのテレビCMでは、シシー・スペイセクが、「Everything!」と叫んで大皿割るシーンがやたら流れてて、熟年夫婦の危機!みたいな映画かと思ったら・・・思わぬ展開でびびりました。でも、ラストがなあ~。そっちにいってほしくなかったなあ。なんだか、安易な方向にいっちゃったみたいで、もう一歩、ドラマとして踏ん張ってほしかったなあ。それ以外は、緊迫感のあるムードや、シシー、トム・ウィルキンソン、マリサ・トメイ、2代目ジョン・コナーという地味なキャストの演技もみんなよかっただけに残念。
6点(2004-03-15 21:54:06)
424.  ギャング・オブ・ニューヨーク
見所は・・・ほぼ完璧に再現された19世紀ニューヨークの都市風俗でしょうか。ネイティブ対アイリッシュの対立やら、選挙の票を集めるために黒人を無理矢理投票所に行かせたり、中国人の見せ物小屋だったり・・・世界中の人々がごった煮のように生きる都市のパワー。エンディングのU2の流れるところを見ると、これは、「ギャング」映画ではなくて「ニューヨーク」の映画だったのかなって思えてくる。でも、結局、風俗部分の再現に時間と手間をかけた割にはドラマはしょぼかった。ディカプリオは、太ってもひげ生やしても迫力不足・・・。スコセッシ監督の気合いも空回りぎみか。
6点(2004-03-15 21:22:23)
425.  ロード・トゥ・パーディション
「スプラッシュ」→「ビッグ」→「めぐりあえたら」→「フォレストガンプ」のトム・ハンクスのイメージが強いせいか、やはりギャングには見えなかった。あと、ジュード・ロウの演技はやりすぎ。サム・メンデスには『アメリカン・ビューティー』的なひねくれたダークさを期待したのに、意外と正統派だった。これだけの違和感を抱えても、ちゃんと映画として楽しめたのだから、それなりに良くできた作品なんでしょう。
6点(2004-03-14 00:49:19)
426.  マトリックス レボリューションズ
結局、機械と人間が、決して平和的ではないかたちで共存するという結末は好きです。ただ、最近この手の大作映画に感じるのは映画としてのバランスの悪さ。特に中盤のミフネ中心のバトルシーンは迫力十分で感動的なんですが、そのせいで、メインであるはずのネオ対スミスのほうがおまけのように感じてしまう構成はいかがなものか・・・。まあ、あのバトルシーンで観客を麻痺させといて、アタマががーんがーんしてる間に、物語を強引にまとめちゃえ、っていう意図があったのなら見事ですが。
6点(2004-03-12 18:22:44)
427.  アカルイミライ
うーん、後半の高校生たちのエピソードがちょっと唐突だったかな。登場人物たちの「ダメ」っぷりを肯定も否定もしない描き方には好感が持てましたが。藤竜也とオダギリジョーの演技が印象に残ってますが、映画のメッセージはイマイチ伝わらなかったかも。
6点(2004-03-12 12:17:54)
428.  フォーン・ブース
最初から最後までコリン・ファレル。彼の変化を見ているだけでも楽しめる映画です。電話を切れないという状況を最大限にいかした脚本や演出も見事。ただ、これを映画館で1800円払って見るかというと、うーん・・・。テレビとかで見て、得した気分になれる映画。
6点(2004-03-08 17:03:53)
429.  めぐりあう時間たち
3人の女優の演技(+エド・ハリスもすばらしい)も、ダルドリー監督の演出も、脚本も、たぶんパーフェクトに近いと思うのですが、「技術」を見せられるようであって、「物語」にいまひとつ入っていけませんでした。なぜだろう・・・。「アタマ」で理解できた気がするのですが、「ココロ」にひびいてこないというか、いい映画のはずなのに・・・という不思議な感情を抱えて映画館を出たのを覚えています。
6点(2004-03-08 01:32:27)
430.  青いパパイヤの香り
カメラワークが心地よい映画でした。あまりの心地よさと後半ほとんどセリフがないんで寝そうになりましたが。たまにはこんな映画もいいかも。あと、ポスターのデザインは秀逸。
6点(2004-03-08 01:25:09)
431.  ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE 《ネタバレ》 
さすがに長い。このシリーズ、(「スパイ大作戦」を思わせる)「ミッション」をめぐる知的なだまし合いと、高所バトルやチェイスなどの「アクション」のあいだのバランスがどんどんおかしくなっているのですが、今作ではさすがに擁護できないところまで来た感じがします。今回は2つのカギをめぐる争奪戦なのですが、30分近くかけてあちこち壊しまくってすったもんだした挙げ句、最後の5秒くらいでその行方が決まる(それもスリという最も原始的な技術で)というパターンが多いので、肝心の「アクション」が物語にうまく接続されない。ラストのできるだけ高いところまでいって飛び降りるっていうのはその最たるもので、物語上の必然性がないために、せっかくの体を張ったアクションにも白けてしまってる。シリーズ最長の2時間40分も使ったわりには物語の動きは乏しく、間延びして本筋には絡んでこないアクションが続き、本シリーズのなかでは最もテンポも悪かったのでは。ベンジーとルーサーも見せ場少なめだし、このシリーズのヒロインってみんな似た感じの美人が多い気が・・・。新ヒロインのグレースのキャラもなんだか既視感があって、あんまりワクワクせず。GOTGでおなじみポムさんは違った顔が見れて面白かったけど。  それでも、ラストのオリエント鉄道でのアクションは、ロケーションとスピード感もすばらしく、十分に楽しんでしまったのは事実。1作目のオマージュとなる屋根の上の決闘からの落下アクションのシークエンスはさすがでした。ただ、マンネリって怖い。これだけのものを見せられていても、もう飽きてる自分にちょっと驚いています。
[インターネット(字幕)] 5点(2024-04-28 11:52:14)★《新規》★
432.  ウェディング・ハイ 《ネタバレ》 
こうゆう「悪人」がいないコメディは好きなので、しっかり楽しめました。結婚式あるある、自分はもう20年近く前の話になりますが、それでも思い出して微笑ましい気分になったり。フツーの人びとが非日常で輝く瞬間の楽しさというか、一緒に式に出て「あー、いい式だったね」と感想言い合っている気分になるだけでも、この映画としては大成功でしょう。篠原さんはいつもの篠原さんですが、脇で輝く臼田さん、自意識過剰ぶりが笑える中尾君など、キャスティングもいい。いままで苦手だと思っていた中村倫也さん・関水渚さんのカップルも、この作品では二人の魅力が見事に表現できていたと思います。このあたりは、大九明子監督の演出力でしょうね。  去年『ブラッシュアップ・ライフ』にはまって期待していたバカリズムさんの脚本はいまいち。「縄抜け」をやりたがる義理の兄と「投げ縄」が特技というバーテン、というあまりにも不自然な設定は、きっと伏線として回収されるんだろうなあと思ったら、やっぱり。これは伏線の張り方が不自然過ぎて、逆に興ざめでした。最後30分を岩田さんのパートにする構成も、『カメラを止めるな』的なカタルシスを期待したのかもしれないけど、「結婚式」という本作のテーマからすると逆効果だったような。やっぱり式が終わってよかったねー、お疲れー、幸せにねーという流れが途切れてしまったのが残念。しかも、その30分も基本は下ネタだし、これもカキの伏線がわかりやすすぎて・・・。このあたりのさじ加減は難しい。
[インターネット(邦画)] 5点(2024-03-02 08:59:48)
433.  インディ・ジョーンズと運命のダイヤル 《ネタバレ》 
映画がはじまって、パラマウントの山ではなくディズニーの城で始まったときに嫌〜な予感を感じたものの、娯楽映画としては思った以上に楽しめた。とくに第1幕。CGの若返りインディは不気味ではあるけれど、アイデアとユーモアに満ちたアクションの連続。そう、これこれ、これがインディアナ・ジョーンズという展開で期待は高まる。そして、1969年のインディアナ・ジョーンズ。実は今作で一番期待していたのは、「1960年代を生きるインディ」をどんなふうに描くのか、という点でした。何しろ、時代は公民権運動の熱気が冷めかけたニクソン政権のころ。人種平等の夢は小さくしぼみ、それどころかベトナム戦争でアメリカの正義や理想がどんどん陰りを見せた時代。そして、第三世界からは欧米の植民地主義への反発が高まった時代。インディたち考古学者が各地の「お宝」を発掘し、ロンドンやらワシントンやらの博物館に収める行為も、文化の収奪として批判されはじめた時代。こんな時代にインディアナ・ジョーンズが過去の自分の行いを振り返り、どう折り合いをつけていくのか。そんなことを期待していた・・・・。もちろん、そんな難題に本作がまともに挑むとは考えていなかったけど、『ウエスト・サイド・ストーリー』で独自の21世紀版を作り上げたスピルバーグの製作であれば、何かそういうスパイスが効いた一作になってるのではないか、と微かな思いを胸に劇場へ。  残念ながら、そうした関心は本作の製作者には共有されていなかったようです。それは、せいぜい60年代の若者文化についていけない、さえない老人としてのインディの描写に反映される程度であり、むしろインディはそんな「新時代」には背を向けて「元ナチの科学者」との秘宝争奪戦にのめり込んでいく。インディは物語中、何度も何度もフォラーを「ナチ」と呼び、そう呼ぶたびに彼の中にエネルギーが満ちていき、どんどん生き生きとしていく。結局、彼は「アメリカが正しいと信じられた」過去の世界へと向かっているよう。1969年の変わりゆく世界を背に、そこだけが30年前の世界であるかのような冒険が続き、最後には考古学者が夢にまでみた世界へ・・・。いっそのこと、そのまま帰ってこない、という手もあったかもしれないけれど、NYに戻ったインディの前にはもうひとつの「過去」との再会があり、物語は大団円で幕を閉じました。結局、本作のなかのインディは最初から最後まで「過去にとらわれた人」でした。その姿は、かつて夢中になった作品の十数年ぶりの新作を観にせっせと映画館に通う、私のような観客にも重なっていたようで、胸に苦いものが残ったまま劇場を後にしました。  というわけで、たぶんスピルバーグが製作から降りたのも、本作のあからさまな過去への固執ゆえでしょう。同じものをもうひとつ作るんだったら自分が作る意味がない。『クリスタルスカルの王国』は難点は多々あれ、新しいものを作ろうとする意思は感じましたが、今作に新たに彼がメガホンを取る理由はなかったのでしょう。まあ、ちゃんと終わらせるだけでも大変なことだし、過去を愛したままそっと幕を閉じるための一作としては、よくできていたのではないかと思います。
[映画館(字幕)] 5点(2023-07-21 22:08:32)(良:1票)
434.  東京2020オリンピック SIDE:A 《ネタバレ》 
自分はもともと東京でのオリンピックの開催には反対だったし、それでもいくつかの競技をみて、それなりに楽しんだり感動したりして、そして開催後は(感動した選手の名前でさえも)きれいさっぱり忘れてしまった、たぶん「一般的な」視聴者の一人だったろう。そんな自分にとっては、「公式記録映画」が何を残そうとしているのか気になって本作を観たのだけれど、観たところで何かに納得できるわけでもなく、なんとも評価に困る一作となった。ナレーションなし、音楽も最小限で、アンチクライマックスな演出。登場する選手たちはオリンピックが何らかの人生の転機と重なっているものの、全体で見えてくるのはそれぞれの人生がオリンピックの後も続いていくということ。選手としては男性も女性も登場するが、印象的なのはやはり女性の選手、とくに子どもを持つ「母親」でもある選手たちだ。赤ちゃんへの授乳を求めるカナダ代表バスケ選手、子どものために人種差別に抗議する米国代表選手、子連れで日本に来たのに子どもと離ればなれの生活を余儀なくされる米国マラソン選手、そして、出産後のオリンピック延期で引退した元日本バスケ代表など。「公式記録」として後世に残したいと思ったのは、女性スポーツ選手が育児と競技とどう向かい合っているかというテーマだったのではないかとさえ思える。この関心には共感するけれど、正直劇中での描き方、とくに元バスケ日本代表の大崎佑圭選手が赤ちゃん連れで競技を続けるカナダの選手と対面する場面はなかなか残酷で、少しイヤな気持ちになった。映画全体としては、河瀬監督は、オリンピックを心から楽しんだ人もやっぱりやるべきじゃなかったと思ってる人も、誰もかれも突き放したところにボールを投げてきた。この映画を「公式記録映画」として出してきた河瀬監督の胆力には感心するけど、これが「公式記録映画」でよかったのだろうかという疑問はますます大きくなっている。
[インターネット(邦画)] 5点(2023-01-03 16:36:47)
435.  マトリックス レザレクションズ 《ネタバレ》 
第1作目のころ、「いま生きている世界は偽りの世界だ。覚醒せよ」という話にいまいち乗れなかった。というか90年代映画って某スリラーや某暴力系まで「見えている世界と本当の世界は違う」的なモチーフがあふれてたような気がして、そのなかでは本作はあまりに「中二病」的でダサくみえてしまったのでした。そこから20年あまり経って、正直いまのほうが本作にとっては難しい時代なはず。なぜって、このモチーフはまるまる「陰謀論」の世界観でもあって、それが現実の政治やら生活にも影響を及ぼしている昨今、本作が描く「覚醒」や「革命」も文字通りに感情移入するのは難しくなってしまったから。ただ、そんな難しい時代にあえて本作を問うことに、ラナ・ウォシャウシキー監督自身がどういう意図をもってるのか、軽い興味はあった。  で、見た結論としては、残念な結果に落ち着いてました。それは、物語上は「覚醒」を求めながらも、どこかで「なんちゃって」というメタ視点を留保し続けることで「本気になるなよ、これは作り話だよ」という構造にしてしまったことです。世界観への没頭力やら物語の推進力は大幅に後退し、2時間半を持たせるのはかなり辛かった。序盤のグダグダした展開はコミカルにテンポよくすることができたと思うし、モーフィアスとスミスというオリジナル・キャストの変更は、物語上の理由付けも中途半端で製作上の理由だろうというのが見え見えだった。前作以降のアクション描写、スペクタクル描写の進展についていけておらず、あまりに「進歩」がないのはあえてのレトロ趣味かと思えてしまうほど。いろいろ足りない部分を謎かけっぽい会話でなんとか補っても、物語に没入できないメタ構造がそれを邪魔する・・・。  ただ、それでもある意味、元祖陰謀論のような本作シリーズに自ら落とし前を付けた部分はあったと思うし、そうするしかなかったんじゃないのかな、という風にも思います。決して無意味な商業映画ではなく、トランプやコロナを経験したあとの2020年代という時代を象徴した一作だったのかもしれない、というふうに思います。それが「いい映画」だったかどうかは別として。
[インターネット(字幕)] 5点(2022-10-16 09:03:44)(良:1票)
436.  リップヴァンウィンクルの花嫁 《ネタバレ》 
岩井俊二は妄想系雰囲気映像を楽しむべし、という過去作の教えは十分に活かされました。ストーリー自体はなかなか酷い内容ですが、一つ一つの場面の美しさや即興的な楽しさはピカイチ。ただ、ちょっと趣味押し出し過ぎではないか、という場面もちらほら。(物語上は綾野剛さんに操られる)黒木華さんがなんというか、映画全体を通して監督の道具にされているようで、正直なところあまりいい気がしなかった。序盤の残念な黒木華、スーツケース2つで突然世の中に放り出される黒木華、メイド服でCoccoと絡む黒木華、そしてウェディング・ドレス姿、ラストの溌剌とした表情まで。さすがに3時間詰め込まれると、なんだかおかしな趣味に付き合わされているような気分になる。また、Coccoも彼女のパブリックイメージに頼りすぎじゃねーかというキャラ設定。もちろん、のびのびやることは大切ですが、そこにいるのは「真白」ではなく「Cocco」にしか見えない。とくに、歌声聞きたくなるのは当然だけど、やっぱり歌わせるべきじゃなかったように思う。綾野剛さんはうまいよね。いつもの綾野剛でした。というわけで、物語上の人物や心情よりも、黒木華とCoccoと綾野剛を見た、という3時間でした。ただ、その甘ったるいアンサンブルに肉弾で飛び込んできたりりイさんはすごかった。あの笑っていいのか泣いていいのかわからない酒宴のシーンは、本作の白眉でした。
[インターネット(邦画)] 5点(2022-09-16 13:28:13)
437.  シン・ウルトラマン 《ネタバレ》 
ウルトラマンって怖いよね。っていうか、あらゆるヒーローは「異形の存在」であり、その不気味さを見事に映像化した序盤、とくに最初のウルトラマン登場シーンは秀逸でした。さっと延ばされた左腕・・・のへんな姿勢からのスペシウム光線の恐ろしさ。もうこれ見ただけで満足。ただ、そこからは徐々に失速。ザラブやメフィラスとの頭脳戦は面白いが、やっぱりラスト、ウルトラマンがなぜそこまでして地球を守ろうと思ったのか、何を何から「学んだのか」がまったくわからないので、カタルシスもない。美女を巨人化してる暇があったら、そっちをちゃんと描けよって、制作陣もわかっているとは思うし野暮だとも思うが、やっぱり思ってしまう。自分も幼少期に夢中になった1人なので「わかる」ことも多かったけれど、結局のところ、制作陣の「思い入れ」を観客がある意味読み取りながら見なきゃいけないのって、なんだかんだいって苦痛なんですよね。「さすが○○、わかってるー」っていうのにあふれてる現在、そろそろそういうの抜きで楽しめるカイジュー映画も見てみたいかなあ。
[映画館(邦画)] 5点(2022-09-08 14:42:32)(良:4票)
438.  DUNE デューン/砂の惑星(2021) 《ネタバレ》 
自分ではヴィルヌーヴ監督との相性はいいほうだと思います。代表作『ボーダーライン』『メッセージ』『ブレードランナー2049』はどれも複数回見て、見た年のベストテンにも入ってます。しかし、この作品はダメでした。ダメだった理由ははっきりしていて、一つは「終わらなかった」という点。公開直後から「終わらないらしい」という話は聞いていたのでわかっていたことではありますが、ヴィルヌーヴ監督作品って見てる最中は、退屈というか苦行に感じる部分もあるのですが、物語がきちんと「終わる」ことで、その苦行が昇華するというか、そういう作品がいいのです。『メッセージ』なんか、あのラストで大感動が押し寄せるわけで、それがなければやっぱり退屈な設定勝負のハードSFって感じだったわけで。今作、事件らしい事件も起きない、というか起きてるんだけどアンチクライマックスな作りと終始鳴りっぱなしのハンス・ジマーの音楽が、映画としての抑揚を失わせてしまい、その苦行にたえても最後にカタルシス不足。自分は『ロード・オブ・ザ・リング』は『旅の仲間』が一番好きで、冒険がはじまるぞという高揚感で終わってもぜんぜん楽しめるタイプの人間だと思ってましたが、たいして盛り上がりを見せることなく、ゼンデイヤのあの台詞で興ざめて終わってしまう本作では、さすがの私も頭にきてしまいました。二つ目のダメな理由は私の個人的なものなので点数には反映させていませんが、映画館で見られなかったことです。それなりの大画面テレビ+音響で見たとはいえ、暗い画面が多く、とくかくスローに画が展開する本作はやっぱり映画館で見るためのものでした。全編これは映画で見なきゃいけなかったとひたすら思いながら、2時間半以上を過ごしました。結局のところ、この作品は、「終わらない」とわかっていて、いつものカタルシスを味わえないのに、わざわざ映画館に見に行くのか、という壮大なジレンマを抱えてしまっているというわけです。次作を観に行くかどうか。二部作なら行ってみようかなと思うけど、三部作だったらもういいかな、という気分です。
[インターネット(字幕)] 5点(2022-07-16 10:32:54)
439.  ユダ&ブラック・メシア 裏切りの代償 《ネタバレ》 
シカゴの歴史博物館にいったとき、フレッド・ハンプトン事件についての展示をみた記憶がある。FBIによる強制捜査で暗殺されたという経緯も今の感覚ではにわかには信じがたいけれど、50年前のアメリカで実際に起きた出来事。本作は、この事件をブラック・パンサー党のメンバーで「裏切り者」ビル・オニールの視点から描いたもの。社会運動の現場を臨場感たっぷりで描きつつ、潜入もののサスペンスも加味されることで、事件の背景に詳しくなくても話にはついていけると思う。ハンプトンのアジテーション演説も力強く、ダニエル・カルーヤはオスカー受賞に値する好演でした。ただ、このドラマとサスペンスにあふれた設定を映画としてどこまで昇華できたかは、少し疑問でもある。ビルとメンバーとの会話、FBIとの隠れたやりとりなどはどうも演出が平板で緊迫感に欠けている。その分、突然の逮捕劇、銃撃戦、FBIの襲撃シーンとの落差が大きくてショッキングにはなっているのだけれど、全体を通してみると、裏切り者の苦悩を描きたいのか、カリスマ的なリーダーとしてのハンプトンを描きたいのか、潜入もののサスペンスを描きたいのかはっきりしない印象になってしまっている。せっかくの題材ではあるけれど、脚本・演出の面では物足りなさが残念な一作となりました。
[インターネット(字幕)] 5点(2022-05-01 19:11:15)
440.  あの頃。 《ネタバレ》 
これは難しい題材だなあ。個人的に期待していたのは、ハロプロオタクたちの常識を突き抜けた「向こう側の世界」から浮かび上がる青春の普遍性、みたいなものだったのだけれど、結果的には「あの頃俺たちバカやってたよね」っていう比較的普通の青春映画におさまってしまった。登場人物たちのあまり褒められたことのない言動だったり、ちょっと理解に苦しむ友情のあり方、みたいなのはあったように思うのだけれど、突き抜け不足というか、いまひとつ「ハロプロでなければいけないもの」が見えなかったか。とくに、主人公たちが一時期の「祭り」状態から醒めていく過程にこそ、この物語の軸はあったように思うのだけれど(少しタイプは違うけど『花束みたいな恋をした』はそこをきちんと描いていたからこそエモーションにぐっと来たと思うのだ)、そこを主人公のナレーションでさらっと流してしまった時点で、「あ、これは自分が期待してたやつとは違ったらしい」と思ってしまい、一気に冷めてしまった。とはいえ、主人公を取り巻くオタク仲間たちのキャラはみんなすばらしい。実質的な主役の仲野大賀さんの芸達者ぶりはもちろん、ロビさんとナカウチさんの外見も含めた存在感とか、美青年なのにぜんぜんイケてない若葉竜也さんなど、みんな説得力があった。松坂桃李さんも「主演俳優」ながら見事な「受け」の演技で、「恋愛研究会。」のアンサンブルはとても楽しく、たしかにいつまでもこの人たちのやりとりを見ていたくなりました。そうだっただけに、もう少しオタク部分の「沼」をがっつり描き、その「祭りのあと」感を丁寧に描くことができれば、終盤の展開はもっともっと切なくなったのに・・・というのが残念でした。
[インターネット(邦画)] 5点(2021-09-23 16:30:54)(良:1票)
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