421. イントゥ・ザ・ワイルド
《ネタバレ》 大自然の中では人間もただの生命体の一つであり、その中では何の助けも無く、運が悪けりゃ地に還るだけの存在であるんだなと実感しました。 まあ、意地悪く言えば「頭でっかちでコンプレックス持ちの坊ちゃんが無謀な旅をして(以下略)」の話なんですけど、かつてこういう無謀な旅(というか逃避)を思い描いたことのある人って結構多いんじゃないですかね。自分の頭の中で想像する世界と現実世界との違いなんてわからないし、わかろうともしない時期ってありますからね。 しかし、アメリカってでっかい国だなと改めて感じましたね・・・・。 [DVD(字幕)] 7点(2009-04-20 20:04:59) |
422. メタル・オブ・ウォー
《ネタバレ》 まあ、しょうもない邦題がついていますが、内容は、コソボ問題の複雑さを上手く描いていて面白い作品でした。 前半の紛争中のシーンは、あまりにアルバニア寄りで「トンデモ映画」臭が漂っていたのですが、その後のコソボに残ったアルバニア人ジャーナリストの物語がなかなか見応えがありました。 ラストの不条理さは、これからもコソボの地で民族対立の悲劇が続くであろうことを示唆しているようでした。 [DVD(字幕)] 7点(2009-04-19 00:16:53) |
423. 敵こそ、我が友 ~戦犯クラウス・バルビーの3つの人生~
《ネタバレ》 まあ、アメリカという国が表向きは綺麗事ばかり言ってるけど、実際は己の目的を達成するためには悪魔とも平気で手を組む恐ろしい国家であることや軍隊式命令系統は、「命令は絶対」という逃げ道を与えることによって、人間を簡単に悪魔にしてしまうシステムであることが良くわかりましたね。 何というか、現実社会の醜悪さに暗澹とした気分になりますが、目を背けてはならない事実なんですよね・・・・。 [DVD(字幕)] 7点(2009-04-17 18:38:39) |
424. 百万円と苦虫女
《ネタバレ》 この作品の主人公に蒼井優を持ってきたのは大正解ですね。本当にはまり役だと思いました。ストーリーも、前半(海と山)は一旦枠から外れると非常にうっとうしさがつきまとい暮らしにくくなる日本社会の嫌な部分を上手く描いていて面白かったです。 ただ、後半に入るとありきたりな恋愛ドラマが主になり、ちょっとパワーダウンしてしまったのが個人的には残念でした・・・・。最後は上手くまとめてましたけど。 [DVD(邦画)] 7点(2009-04-13 16:54:04) |
425. リダクテッド 真実の価値
《ネタバレ》 我々が日常目にするニュース映像はあくまでも「Redacted(編集済み)」のものであって、それが全てではありません。この作品はその編集によって削除されてしまうような戦争の暗部を提示してくれています。 興味深い手法・内容ではありましたが、あくまで想像も入ったフィクションですので「そういうこともあったんだろうな・・・」という単純な感想以上のものは持てませんでした。面白いのは面白いですが。 [DVD(字幕)] 7点(2009-04-11 20:21:35) |
426. PEACE BED アメリカVSジョン・レノン
《ネタバレ》 ジョン・レノンの強烈な反骨精神と、「自由の国」なのに自由がない欺瞞に満ちたアメリカという国家のぶつかり合いは非常に面白くもあり哀しくもあり・・・。 全世界に大きな影響を与え、権力でさえも押さえつけることが出来なかったジョン・レノンはやはり凄いと感じましたね。「WAR IS OVER! if you want it」「All We Are Saying is Give Peace a Chance」といったメッセージは今も深く心に沁みこんできます。 [DVD(字幕)] 7点(2009-04-02 19:30:52) |
427. キル・ビル Vol.2
《ネタバレ》 何というか、マンガチックな「サムライカンフーウェスタン映画」とでも言えばいいんでしょうかね。 前作ほど、次に何が飛び出してくるのか思わず期待してしまうような楽しさはありませんでしたが、この作品も脚本の面白さ、音楽の使い方の上手さ等々素晴らしい「映画」です。タランティーノらしさはこちらの方が味わえます。 [地上波(字幕)] 7点(2009-03-12 13:18:28) |
428. ロルナの祈り
《ネタバレ》 国籍目的の偽装結婚は日本でもある話なので、非常に興味深く観る事ができました。愛は、商品のようにドライに売買できるものでは無いというダルデンヌ兄弟の思いのようなものが感じ取れましたが、現実はどうなんでしょうかね。私自身はそうであってほしいとは思いますが・・・。 [映画館(字幕)] 7点(2009-03-04 14:43:42) |
429. エージェント・ゾーハン
《ネタバレ》 非常に下品でお馬鹿なネタが満載のコメディなんですが、その笑いの中にアメリカの底辺で必死に生きている移民たちへのエールや違う民族同士で憎しみ合わずに共存していこうというメッセージが込められているように感じて、結構心に響くものがありましたね。 [DVD(吹替)] 7点(2009-02-24 12:47:27) |
430. みなさん、さようなら(2003)
《ネタバレ》 どっかの映画のタイトルではないですが「生きてるうちが花なのよ、死んだらそれまでよ」という言葉が思い浮かびましたね。人間にとって死とはすべての終わりなんだなと思いました。愛情や友情や楽しいことは勿論のこと、苦しみや憎しみ、対立さえも強制終了してしまう・・・・。だから、この父親のようにすべての完結をある程度見届けた上で死を迎えられるのは本当に幸せなことなんでしょうね。ユーモア(若干ブラックなのもありましたが)にあふれた温かい雰囲気が非常に心地よかったです。 人間誰しもいずれは受け入れなくてはならない問題ですから、いろいろ考えさせられました。 [DVD(吹替)] 7点(2009-02-21 19:58:48) |
431. チェ 39歳 別れの手紙
《ネタバレ》 ひたすら地味で重苦しいゲリラ戦の描写が続くので、ゲバラの生涯にすごく興味のある方以外は結構辛いと思います。ただ、逆にその辛さを体験することによって、革命は半端な気持ちじゃ成し遂げられないということを思い知る良い機会かもしれません。そのくらい、リアルなゲリラ戦の空気を作り出している映画です。 しかしまあ、最後の銃撃戦からゲバラ銃殺までの流れの凄さを味わうだけでもこの映画を観る価値はあると思います。ただし、非常に客観的な描写がされており観賞前にはある程度予習をしておくことをお勧めします。この作品で描かれるゲバラには、「英雄オーラ」は殆どありませんし、気を抜くと誰がゲバラかわからなくなってしまう位ですから・・・。 [映画館(字幕)] 7点(2009-02-09 19:57:51) |
432. チェ 28歳の革命
《ネタバレ》 基本的に説明の少ない作品なので、チェ・ゲバラやキューバ革命についてある程度知識が無いとついていけないかもしれませんね・・・。これから観ようとする方は、Wikipedia等で予習しておくことをお勧めします。 それにしても革命の描写はイマイチでしたね。戦闘シーンばかりが印象に残り、ゲバラがどのように革命理論を構築し実践していったかが良くわかりませんでした。それよりも、革命後、国連総会出席のため訪れたニューヨークでのゲバラの行動・発言が非常に興味深かったですね。 [映画館(字幕)] 7点(2009-02-07 23:46:13) |
433. BROTHER
《ネタバレ》 虚無的な暴力描写に満ち溢れ、日本では悲劇的に捉えられがちな「バイオレンス系北野映画」が、アメリカを舞台にすると半分コメディではないかと感じてしまうほどのアクション娯楽映画に変貌していて興味深かったです。日本では異質な北野映画の世界も、アメリカでは日常のことなんでしょうかね? しかしまあ、おなじみの北野組の面々がLAと全くマッチしていないのが本当に笑えました。この違和感もこの作品の魅力かもしれませんね。 奥の深さはあまり感じませんでしたが、アメリカナイズ(?)された北野映画ということで貴重な一本であることは間違いありません。 [地上波(邦画)] 7点(2009-01-29 19:35:34) |
434. ケドマ 戦禍の起源
《ネタバレ》 ホロコーストの被害者であったユダヤ人たちが、パレスチナでは加害者の側に立ってしまう。歴史を奪われた民族が再び歴史を取り戻すために・・・。 何というか、時効の無い憎しみと復讐の連鎖に、人類という考える力を持った生き物の持つ「業」のようなものを感じますね。 [DVD(吹替)] 7点(2009-01-26 19:45:18) |
435. 大変な結婚
《ネタバレ》 あまりにもありえないストーリーでしたけど面白かったですね。つうか、冷静に考えるとこれって極悪非道な美人局の話ですよね。まあ、ベタで突き抜けたバカバカしさと、流れを無視したシリアスなバイオレンスが入り混じるのが韓国映画の持ち味なんですけどね。デザイナーの彼女がちょっと可哀想すぎですけど・・・・ [地上波(吹替)] 7点(2009-01-25 18:42:22) |
436. ブダペスト市街戦1956 ソビエト軍侵攻
《ネタバレ》 ハンガリー動乱の中で自ら祖国防衛に立ち上がった若者たちの青春ドラマという感じでしたね。やや安っぽさも感じましたが、当時の実際の映像を交えたりしていてなかなか興味深く見ることができました。 凄まじい邦題が付いていますけど、まあ、(映画産業的に)マイナーな国の映画を字幕つきでDVD化してくることを感謝したいですね。 [DVD(吹替)] 7点(2009-01-22 19:37:49) |
437. 非常戦闘区域
《ネタバレ》 戦場において第三者が「中立であること」の難しさ、怖さが生々しく映し出されていて考えさせられますね・・・・。そして、大国が好んでやりたがる国際平和貢献活動なるものがいかに机上の空論に基づいたいい加減なものであるかが良くわかります。 しかしながら、だんだん戦争の狂気に染まって理性を失い殺戮に走ってしまった主人公は非難されるべきなのでしょうが、何というか「無理もないな」と思ってしまうんですよね・・・・。本当に戦争の恐ろしさが伝わってくる映画でした。 [DVD(吹替)] 7点(2009-01-20 19:37:42) |
438. ブラックバード・ライジング
《ネタバレ》 書籍や報道からだけでは中々つかむ事のできない、「コソボの空気」が描かれていて非常に興味深い作品でした。アルバニア系住民とセルビア系住民の憎しみと復讐の連鎖は見ていて絶望感すら抱かさせるものでしたね・・・・。 また、かつてアルバニアを占領していたイタリアの軍隊が物語の主体となっていたりと、ヨーロッパの火薬庫と呼ばれるバルカン半島情勢の複雑さも感じ取れました。 しかし、IMDBで見るとどうやら200分の作品をかなりカットしてDVD化しているようです。できれば完全版を見てみたいですね。 [DVD(字幕)] 7点(2009-01-16 20:02:57) |
439. なつかしの庭
《ネタバレ》 美しい映像と共に綴られる哀しいラブ・ストーリーの中に、光州事件以降の韓国社会の移り変わりの激しさが散りばめられていて非常に興味深い作品でした。 ただ、ある程度予備知識が無いと今いち理解するのが難しいと思いますので、事前に光州事件のあらましあたりをチェックしておいた方が良いかと思います。 [DVD(吹替)] 7点(2009-01-12 20:29:04) |
440. 風の絨毯
《ネタバレ》 一枚のペルシャ絨毯に込められた人々の思いが伝わってきましたね。派手さは無いですが、日本とイランの伝統的な文化の交流や人々の心が打ち解けていく様は見ていて興味深かったです。 [地上波(邦画)] 7点(2009-01-05 21:00:39) |