421. うつせみ
《ネタバレ》 静かでミステリアスな、そして幻想的な作品です。内容は抽象的なので、いろいろと考えさせられる作品でした。ラストに「私たちが住んでいるこの世が夢なのか現実なのか誰にも分からない」とテロップが流れますが、まさに夢と現実が入り混じったかのような印象ですね。最後にソナが見たテソクの姿は幻であったのかもしれないし、もしかしたら全てがソナの見た夢もしくは幻なのかもしれません・・・・。 蛇足ではありますが、これからはポストやドアに挟み込まれたチラシはそのまま放置せず、すぐに取るようにしようと思いました。 [DVD(字幕)] 6点(2007-12-07 12:41:46) |
422. コースト・ガード
《ネタバレ》 イメージとしては、「フルメタル・ジャケット」や「キャッチ22」の韓国版というかキム・ギドク版という印象を受けました(内容等違いはありますが、あくまでイメージです)。それに加えて、ラストは往年の角川映画を思い出してしまいました(私だけですかね)。 軍隊という、ある種異空間に送り込まれ心理的に追い詰められた若者達の姿を、キム・ギドクの狂気をはらんだ不思議な美しさを持つ世界観で描いていて興味深かったです。 [DVD(字幕)] 8点(2007-12-05 12:42:46) |
423. ボーン・スプレマシー
《ネタバレ》 ポール・グリーングラスならではの、迫力のあるアクションを堪能させていただきました。終盤のカーアクションの臨場感は本当に凄かったです。DVDではなく映画館で体験したい作品ですね。 ストーリーとか細かいことは気にしない方が楽しめる作品です。まあ、「交通ルール無視しまくってるな」とか「もう終わった話なのに、自分の記憶を取り戻すためにどんだけの人を犠牲にするつもりだ」とか「マリーもジェイソンを車に乗っけてしまったがために・・・」とかいろいろ突っ込みながら見るのもありだとは思いますけど。 [DVD(字幕)] 7点(2007-12-04 12:40:09) |
424. 受取人不明
《ネタバレ》 70年代の米軍基地のある田舎町を舞台に、韓国社会の暗部を思いっきり抉り出すような内容になっています。まあ、米軍兵と外人相手の娼婦との間に生まれた混血児、犬肉解体卸業者、まだ残っている朝鮮戦争の傷痕等々日本ではあまり知ることができないテーマが多く非常に興味深かったです。 内容は非常に重いですが、優れた社会派ドラマだと思います。ただ、暴力的なシーンが必要以上に多くてしかも非常に過激なので心臓が弱い方にはちょっとお勧めできません。また、犬肉解体の過程が出てきますので犬好き(もちろん食用ではなく愛玩用として)の方にも、あまりお勧めはできません。 キム・ギドク監督の作品は初見でしたが、独特の世界を持っていますね。とても気に入りました(ちょっとエグいシーンが多いですが)。 [DVD(吹替)] 8点(2007-12-02 22:29:52) |
425. ライフ・イズ・ベースボール
《ネタバレ》 まだ「バンビーノの呪い」が解けてない時代、レッドソックスの歩みと自分の人生をシンクロさせてしまった男を姿を描いたコメディです。 私も、贔屓チームを持っており、トラウマになる位衝撃的な敗戦を経験したり、自分の人生とチームの歩みをシンクロさせてしまうこともあったりするので、主人公の気持ちは良くわかりました(それが幸せなことなのか不幸なことなのかはわかりませんが)。 ただ、映画作品としては、伝説的な試合(当時、日本でも元巨人のデーブ・ジョンソンがメッツの監督ということで結構ニュースとして取り上げられてました。まるで日本野球が世界を制したかのように言われてたのを思い出します)のインパクトが強すぎて、ストーリーが霞んでしまってます。おそらく、松坂の入団に便乗して日本でも公開されたんでしょうね。その程度の作品です。野球が好きで、熱狂的に応援しているチーム(常勝でないこと)を持っている人ならそこそこ楽しめると思いますが・・・・・。 [DVD(字幕)] 6点(2007-12-01 20:22:55) |
426. アメリカン・ラプソディ
主人公のジュジ、育ての親、実の親、それぞれの気持ちが本当に痛いほど伝わってきてとても切ない気持ちになりましたね。東西冷戦時代という今から思うと不思議な時代が作り出した哀しい物語です・・・・。 スカーレット・ヨハンソンやナスターシャ・キンスキーの演技も良かったですけど、ジュジの幼少時を演じた子役の演技がとても素晴らしかったですね。 [DVD(字幕)] 8点(2007-11-29 20:40:47) |
427. ラスト・プレゼント
《ネタバレ》 この作品の粗捜しはいくらでもできます。感動の押し売りのような感傷的なストーリーと音楽、良くわからない難病、全く笑えないお笑い、自分の妻が同じ小学校に所属していたこともわからないあまりにもマヌケ過ぎる夫(卒業アルバムや自分が写っている写真をみても気づかないとは!)等々・・・・。 でも、いいんですよね、この映画。イ・ヨンエの健気さや美しさ、人の良い詐欺師コンビの軽妙な演技、ノスタルジーを誘う映像なんかを観ているだけで爽やかな風に吹かれているような心地よさを感じてしまいます。 [地上波(字幕)] 7点(2007-11-28 18:57:42) |
428. 君の涙 ドナウに流れ ハンガリー1956
《ネタバレ》 今まで、活字や断片的な映像によるドキュメンタリーで「ハンガリー動乱」についてはある程度知識を持っていたつもりでしたが、思っていた以上に過酷な「革命戦争」であったことを知り、映像の持つ力を改めて感じましたね。 内容的には、「ハンガリー動乱」を描いた戦争ドラマであると同時に、メルボルン五輪で金メダルをとったハンガリー水球チームのドラマでもあり見ごたえがありました。 [映画館(字幕)] 8点(2007-11-23 22:05:06) |
429. タロットカード殺人事件
《ネタバレ》 非常に楽しく鑑賞できました。とにかく、ウディ・アレンの相変わらずのドタバタ姿がたっぷり見れただけでも良かったです。なんか、「男はつらいよ」末期の渥美清を見ている時の気分に近いかもしれません。スカーレット・ヨハンソンとのやり取りも息が合っていて楽しかったですね。(まあ、父と娘の偽装という設定にウディ・アレンの老いを感じてしまいましたが・・・・) しかしまあ、このセンス悪すぎの邦題は勘弁して欲しいですね。どう考えてもこの映画のタイトルは「スクープ」でしょう・・・・。 [映画館(字幕)] 8点(2007-11-23 21:34:23) |
430. 鬼が来た!
《ネタバレ》 凄い映画に出会ってしまいました。脚本は完璧と言っていいほど良く練られていますし、リズミカルでテンポ良くしかもユーモラスな場面が散りばめられて進行していくこともあり2時間20分の間ずっと心を握られっぱなしでした。何といっても、まったく展開の予想がつかないので本当に衝撃の連続という感じでした。 キャストも非常にすばらしく、特に香川照之の窮地に追い込まれた兵士の狂気が入り混じったような演技は凄まじかったですね。音楽も、「軍艦マーチ」が非常に効果的に使われていたと思います。反日感情の強い中国の作品ではありますが、日本軍(兵)の描き方についても変に偏ったものではなかったので、あまり違和感を感じることなく受け入れられましたね。日本が悪いとかそういうレベルを超えた、中国という国が本来持っている戦争観が出ているような気がします。 後味は決して良くはない(というか非常に悪い)ストーリーではありますが、多くの人に観てもらいたい作品です。 [DVD(字幕)] 10点(2007-11-23 19:48:41)(良:1票) |
431. ボーン・アイデンティティー
《ネタバレ》 パリの街を滅茶苦茶に走りまくるカーチェイスは迫力があって凄かったですね。周囲に迷惑かけまくってますし(まあウルトラマンが怪獣を投げて街を破壊するようなもんでしょうか)。 ストーリーも謎めいていて面白かったんですが、任務失敗の場面がちょっと、「えっ?それで」という感じだったのがちょっと残念。 しかし、フランカ・ポテンテ も身元や過去を調べられたり(あんな一瞬で人物データがわかるというのも怖いですね・・・)、命を狙われたり散々な目に会ってますね。まあ、上手い話には気をつけろということですかね。ちょっと、この作品の恋愛シーンは無理があるような気がしました。 [DVD(字幕)] 7点(2007-11-21 18:21:15) |
432. 愛より強く
《ネタバレ》 何と破壊的でロックな作品なんでしょうか、なんつうかロックの歌詞を映像化したような感じでとても面白かったです。まあ、ストーリーとしてはオーソドックスな恋愛ドラマだと思いますが、その中で抑圧から解放された時に生じるハイテンションなパワーが上手く描写されていますね。主人公の2人も非常に魅力的でした。 ドイツのトルコ人社会の姿も垣間見ることができ興味深かったです。 [DVD(字幕)] 8点(2007-11-18 14:05:44) |
433. ラストキング・オブ・スコットランド
《ネタバレ》 フォレスト・ウィティカーが、強烈なカリスマ性を持つ独裁者アミンを見事に演じきっています。ただ、彼のインパクトが強すぎて、その他の部分については印象が薄れてしまった感じです。 それと、主人公ニコラスの軽率さが腹立たしかったですね、何というか根底に流れる白人のアフリカ人に対する優越感みたいなものが感じられました。彼の軽率な行動で他人(それも複数)を死に追いやっておいて、最後は無責任に逃亡ですからね・・・・。若気の至りでは済まない話です。まあ、ヨーロッパ人たちのアフリカ政策を皮肉ってる面もあるんですかね。 しかし、幻に終わったアミン大統領VSアントニオ猪木の異種格闘技戦(?)が実現してたらどうなってたんでしょうかね? [DVD(吹替)] 7点(2007-11-16 20:25:34) |
434. ベロニカは死ぬことにした(2005)
《ネタバレ》 昔角川映画のキャッチコピーに『読んでから観るか、観てから読むか』 というのがありましたが、この映画は読んでから観ない方が良い作品ですね。はっきり言って、題名を変えてくれといいたくなりました。原作の冷徹なほど淡々としていながらも不思議と暖かい病院の風景や登場人物たちの心理の描き方が、映画では妙にファンタジーな感じになっているのに違和感を感じましたね。特に、インシュリンショックの場面がベタな催眠術になっていたのにはあきれてしまいました。監督は原作を理解しているんですかね?。それともベストセラーのタイトルと設定だけ借りて自分の世界を表現したいだけなんですかね? 客寄せ以外に全く意味を見出せない韓流スターの起用も、腹立たしいばかりです。(別に韓国人俳優や韓国映画が嫌いなわけではありません、好きな映画も役者もいますし・・・。ただ、いわゆる「韓流」に便乗しているのがミエミエなのがとても不快でした。) 真木よう子の熱演は良かったんですが、残念な作品になってしまいましたね。(点数は全て彼女の演技に対してのものです。) [DVD(邦画)] 3点(2007-11-15 18:51:56)(良:1票) |
435. 再会の街で
《ネタバレ》 原題の「Reign Over Me」は、私の大好きなTHE WHOの超名作「QUADROPHENIA」の最後の曲である「Love, Reign O'er Me」(Pearl Jamバージョンも格好良いです!)からとられているんですよね。まあ、ロックファンじゃないと知らない人も多いでしょうから、「再会の街で」という邦題を付けるのも致し方ないと思いますけど。 「9.11」が強調されているきらいもありますが、テーマ自体は「喪失感からの再生」という極めて普遍的なものです。そして、そのテーマをアダム・サンドラーとドン・チードルがシリアスになり過ぎず、時にはユーモラスに演じきっています。とにかく、どんなに辛いことがあっても決して心を閉ざしちゃ駄目だというメッセージが伝わってくる作品でした。 [映画館(字幕)] 7点(2007-11-14 18:02:17) |
436. 逃亡くそたわけ-21歳の夏
映画館でチケットを買う時にちょっと言うのが恥ずかしい題名ではありますが、観て損はしないとっても爽やかな青春ロードムービーでした。美波と吉沢悠の躁鬱コンビの絶妙なやりとりが本当に良いです。あと、なんといってもTheピーズですね、もう素晴らしすぎます泣けてきます。 九州各地の風景がとても印象的なのですが、特に地名等のクレジットは出ないので絲山秋子さんの原作(文庫本も出ています)も合わせて読むことをお勧めします(2人が辿ったルートが地図で出ています。)。二人の背景や心理描写も細かく描かれているので、作品の理解が深まると思います。 [映画館(邦画)] 8点(2007-11-14 18:00:44) |
437. 素晴らしき休日(2007)
「監督・ばんざい」というしょうもない作品を観た後に流れる「キッズ・リターン」の断片は効きましたね・・・。 [DVD(邦画)] 6点(2007-11-13 20:16:45) |
438. 監督・ばんざい!
《ネタバレ》 北野武の皮をかぶったビートたけしが贈る究極の嫌がらせ映画という感じですね。いかに映画の観客というものが、映画監督に踊らされているのかを思い知らされる作品でした。そういう意味で「監督・ばんざい!」というタイトルを付けたのは見事としか言いようがありません。 まあ、前半のいろんなジャンルの映画をパロディ化しているところは、面白かったんですけどね。特に昭和30年代映画なんかはリアルな「3丁目の夕日」という感じで良かったです。 「ザマーみやがれ、この野郎」と笑っているビートたけしが目に浮かんできましたね。彼の笑いにどっぷり浸かってきた世代なもんで、それもまた嬉しかったりするんですが。まあ、ビートたけしの笑いを通過してない人にはただの糞映画でしょうね。 [DVD(邦画)] 5点(2007-11-13 20:13:30) |
439. 太陽(2005)
《ネタバレ》 非常に興味深いテーマではありますが、何となく禁忌を冒す罪悪感を感じてしまいながらの観賞となりました。まあ、日本では作れない映画ですね、上映できたことが驚きです(「昭和も遠くなりにけり」ということなんでしょうかね?)。 イッセー尾形は、いろいろな意味で難しい役を見事にこなしていると思います。下手すれば命を狙われかねない訳ですから・・・・・。 まあ、感想を述べるのが非常に難しい映画ですね。他の国の国王やら皇帝の話であれば簡単に述べられるんですけど・・・・。ただ、映像の美しさ等格式の高い芸術作品であったことは良かったなと思います。 [DVD(字幕)] 8点(2007-11-11 23:40:03) |
440. カンダハール
冒頭からパラシュートで空から降ってくる義足とそれを追いかける地雷で足を失った人々というショッキングな映像が映し出されます。その後も、アフガニスタンの「北斗の拳」を思わせるような荒廃した社会の姿が、まるでドキュメンタリーのように描かれています。北斗の拳はマンガですが、アフガンは現実ですからね・・・・。 いま、テロ対策特別措置法問題が世間を賑わせている中で、非常に興味深い作品でした。 [DVD(吹替)] 7点(2007-11-11 22:31:14) |