Menu
 > レビュワー
 > K&K さんの口コミ一覧。22ページ目
K&Kさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 807
性別

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
41
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
41
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
41
>> カレンダー表示
>> 通常表示
421.  ゼロの焦点(2009) 《ネタバレ》 
よく創られた映画でした。'57年頃の東京の夜景や金沢の街といった、在りし日の風景を自然に再現していました。こういう、地味だけど印象深いシーンにお金を掛けている邦画って、近年あまり無いと思うので、なんか嬉しかったですね。 原作も前作も観ていないので、ピンとこない部分も多かったとは思うけど、そうかこの作品から2時間サスペンスの“崖の上のラスト”が産まれたのか!と思うと、本作でもそれは再現してほしかったような気がします。崖の上のアレはあまりにもベタだから…って考えたんでしょうかね?  あれだけの荷物と本の山から偶然2枚の写真を見つける。夜に10m以上離れた先にいる人物の背中を見て宗太郎だと解る。数言の英会話を聞いただけで久子がパンパンだと見破る。あの日のキャラメルの箱がカサコソと…サスペンスの主人公らしいっちゃらしいんだけど、割と重めな映像の割に、禎子の行く先々が事件の真相に向かってピンポイント過ぎて、どこか漫画のよう。それなら崖の上のラストも是非!なんだけどね。  ゼロの焦点というタイトル。“ゼロ=無かったこと”に焦点が当てられる。という意味でしょうか。昔パンパンだった過去を消し去り、社長夫人として生まれ変わった生活をする佐知子。佐知子と同じく過去を消し去って生まれ変わろうとした憲一。「イチからやり直そう」という言葉があるけど、イチではなく過去をゼロにしなければいけない佐知子によって、悲しい殺人が引き起こされる。 佐知子の罪を全てを被る儀作。佐知子にとって単に社会的地位だけでなく、儀作の優しさも、いまを捨てられない要因なのかもしれない。 そもそも憲一が久子と生きていく道を選んでいれば、誰も死ぬことはなかったのかな。自殺に見せかけてまで身ごもった久子を捨てて、旧友の佐知子に名前を伏せて押し付けるなんて、憲一の過去の消し方の雑さが気になりました。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2023-06-01 23:47:27)
422.  座頭市血煙り街道 《ネタバレ》 
シリーズ17作目。しかし5年で17作って、当時の日本映画のハイペースさに驚くばかり。 座頭市観るのは2作目だけど、劇中突然歌い出したのには驚いた。シリーズを重ねるうちにそういう映画になってたのか? 歌は花のさだめ(2番)。歌うは中尾ミエでございます。本作公開が12月、レコードが年明け1月に出ていたようで、何かコラボだったんでしょうかね? 歌には驚きましたが、市のキャラクターは安定して魅力的。前観たのでは「メクラ」「ドメクラ」とイイように言われていたけど、ゲスト俳優からは「目の不自由な人」「おメクラさん」と、ちょっぴり配慮が見られた。  本作は小さな子供とのふたり旅。これがまた結構な悪ガキなもんだから、市相手に悪戯を仕掛けるんだけど、石ころの頃にはお互いに悪戯合戦になっていって可愛らしい。母・おみねの似顔絵を市が庄吉に見せるシーン。良太は悪戯のつもりで市を描いたんだろうけど、使われ方が上手くホロリと来る。  権造一味との殺陣の華麗さは見事。シリーズも回を重ねると、目新しさを出すのも大変だろうなぁ。 実力伯仲の赤塚との真剣勝負。市が庄吉を守るために刀を投げてしまう。他人の親子を救うために無防備で立ちふさがる市が格好いいし、対する赤塚が自身の負けを認めるのも格好いい。
[インターネット(邦画)] 6点(2023-05-31 23:30:32)
423.  ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男 《ネタバレ》 
“Darkest Hour”『最も暗い時間』。つまりあの時が最悪の時であり、ここから徐々に明るくなっていくって意味でしょう。しかしなんて邦題だ。日本人は近代史に疎いとはいえ、歴史上チャーチルがどんな立場の人物だったかくらい、自分で調べさせても良いものを。起承転結の“結”がサブタイ。しかも劇中描かれていない部分。続編が出来たらどうするんだろ?  ドイツの快進撃。電撃作戦で次々突破される各国防衛戦。役に立たなかったマジノ線。ダンケルクの友軍を救うための決断、カレー守備隊への命令があまりに血も涙もなく絶望的。ダンケルクの戦いのあと、バトル・オブ・ブリテン辺りが、一番『ダーケスト』な瞬間に思えたけど、本作で描かれたチャーチルの選択。和平交渉を捨てて徹底抗戦する選択が、その後の連合軍の反撃の第一歩となっている。でもホント第一歩。序章も序章。 余談だけどガンダムでもターニングポイントとなった演説(ジオンに兵なし)があって、元ネタはこのチャーチルの演説なのかな?なんて思ったりしました。 戦場をほぼ描くことなく、戦争の悲惨な状況、国家の危機を首相の目の届く範囲で描く映画として、どうしても『ヒトラー 最期の12日間』を意識してしまう。どうしてあまり必要性のないタイピストのミス・レイトンを主要人物にしたんだろう?若い一般人を出すことによって、堅苦しく年寄りくさい政治・歴史の映画も、人間味と柔らかさが出てきますね。でもそれ以上の役割を持たせても良かったかもしれません。  さてノーヒントで劇中のチャーチルを観て、ゲイリー・オールドマンだって、何人が気がつくだろうか?CGとは違うメイキャップ技術の進歩。デ・ニーロやクリスチャン・ベールのような肉体改造とは別なベクトルの俳優の演技力。ある意味これはこれで、映画俳優の到達点かもしれないですね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2023-05-20 19:14:49)
424.  フェア・ゲーム(2010) 《ネタバレ》 
“FAIR GAME”『恰好の的』。なんか1995年の方の映画だと思ってました。 イラクは大量破壊兵器を保有しているから、世界平和のためにぶっ潰す。なんかもう無茶苦茶だなアメリカって、開戦当時思ったモンです。 私にとってリアルタイムの戦争だった湾岸戦争。その想像してたのとぜんぜん違う“実際の戦争”。アメリカを中心とした多国籍軍の最新兵器の前に、開戦直後からタコ殴りにされていたイラク。そんなイラクが終戦から僅か10年ほどで、世界を脅かす大量破壊兵器を保有なんて、まるで輩がイチャモンつけてるようにしか思えませんでした。  ニジェールから500トンものウランと、中国から6万本のアルミ管を輸入したっぽい?ホラやっぱり、アメリカにもマトモな人がいて、兵器製造なんて否定してる。でもリビー補佐官のような結論ありきな人間に握りつぶされる。はい開戦。ホントに輩のイチャモンだったなんて…  突然CIA工作員だと暴露されたヴァル。まるで無一文・真っ裸で日常生活に放り投げられるような恐怖。バリバリ働く奥さんと仕事の少ない夫だったのが、暴露以降、水を得た魚のように闘うジョーが頼もしい。それにも増して、普通の医者なのにスパイさせられて、とかげの尻尾切りされたハッサン先生とお兄さんたち科学者家族が可哀想過ぎる。 戦争のきっかけとなったブッシュの一般教書発言は知らないけど、妻のヴァレリー・プレイムの名前は知っている。情報操作は都合の悪い真実から目を背け、力を奪われた弱者を恰好の的とする。それは工作員だと暴露されたヴァルであったり、敗戦からインフラ整備すらままならない状態のイラクであったり。
[インターネット(字幕)] 6点(2023-05-12 01:57:39)
425.  ブレードランナー 2049 《ネタバレ》 
前作から30年後(現実世界ではナント35年後)の世界。ネクサスも6型から9型の時代に。あの退廃した世界観を継承した、外伝的な作品だと思っていました。 レプリのK(=ジョー)とAIのジョイ。これがロボット同士とかアンドロイド同士の恋愛とかなら想像の範囲でしたが、それぞれ別な目的で人間に尽くすために造られた2人の、2人だけの世界。ある意味可愛らしいバーチャルな恋愛がとても興味深かったです。ずっとこの路線で行ってくれてよかったと思ったんだけど…  デッカードが出てくる辺りから、なんか話が前作の“単なる後日談”になってしまったような、せっかく広がった世界観がちっちゃくなってしまったような、ジョーとジョイの恋愛がオマケになってしまったような、そんな印象を持ちました。レイチェルのコピーが当時の髪型と格好そのまんまで出てくるのなんか、ファンサービスのハズなんだろうけど、この映画の主人公ってジョーとデッカードのどっちなんだろう?って思ってしまいました。ガフは嬉しかったけど。 レプリは歳を取らない=デッカードは人間。という解釈で良いのかな。ジョーの出生。2021.6.10と掘られたの木馬。今から28年前って事になるけど、このミスリードも、ジョーの見た目年齢が28歳位の時にレイチェルの遺骨を発見するよう仕組まれていたんだろうか? 前作を踏襲しているのか、ロイ同様にデッカードを“生かす”ジョー。ホントどっちが主役だろう。  中盤からの登場ながら、最後まで物語の中心人物だったデッカード。当時のハリソン・フォードはシリーズ物の復刻版に引っ張りだこで、クリスタル・スカル、フォースの覚醒と、全盛期さながらにグイグイ前に出てきてたっけ。だけどこのブレードランナーのデッカードは、もうちょい控えめなポジションでも、良かったかもしれません。 私は前作のロイたちレプリの脱走事件って、あの時代では良くある事件だったと思ってます。もちろんタイレルの社長と、その右腕とも言えるセバスチャンが殺されてるから、結構大きな事件かもだけど、ブレードランナーって職業が認知されるくらいには、レプリの脱走事件は頻発していたと。 事件の背後でデッカードとレイチェルがコソッと逃げて、警察に追われることもなく、人知れず幸せに暮らしましたとさ。って、そんな小さな愛の物語がブレードランナーだったって思うからでしょうか。 だからこそ本作では、ジョーとジョイの、小さな愛の新たな物語が一番興味があったんだけどね。そこにスポットを当ててこそ、ブレードランナーの続編なんじゃないかな?って。
[ブルーレイ(字幕)] 6点(2023-05-11 23:39:07)
426.  帰ってきたヒトラー 《ネタバレ》 
“Er ist wieder da”『彼が帰ってきた』。この映画、とても内向きというか、ドイツ国内・ドイツ国民向けに作られた映画に思えます。移民に困っていたドイツ人の中にフツフツと湧いていた不満を、思い切った登場人物にぶった切ってもらう。 ヒトラーを頭ごなしに“悪”とみなす(と思われた)現代社会に、ヒトラーを置いて直接話させてみたらどうなるか?ドキュメンタリー風な撮影から、思いのほか好意的な人が多いことに驚いた。でもこれ、台本なしの会話にしても半分ジョークとして答えてるようにも思えるのと、モキュメンタリーの可能性も否定できない。エンディングで顔が黒塗りの人もいれば、顔出しでナチス式敬礼してる人もいて、何かそんなリアリティが却って造り物っぽく思えたかな。 この映画の目的・着地点は『誰もが知る悪のハズのヒトラーが、何故か民衆の心を掴んで現代社会で受け入れられていく』ことで、本当のハプニングを楽しむ映画ではないだろう。  バラエティ番組に初登場した時の長い沈黙は、ヒトラーのカリスマ性をしっかり感じさせた。そして低俗なテレビ番組の批判。彼の演説に引き込まれる観客。笑わせる所で笑い、考えさせられる所で考える。過去から学んだハズのドイツ人が、解決できない今の問題の答をヒトラーに求める。 実際『シェパード・ダックスから純血のシェパードは生まれない』の話は説得力があるというか、その通りだと思う。最近の多様性を変に認める世の中の動きに怖さも感じる。単一民族というその地域に根づいた人種の境界線を否定するような、曖昧に濁して混ぜてしまうような恐ろしさ。面と向かって移民受け入れを否定することが悪のように思われる世の中。多様性の行き着く先が、ネットで目にする『日本の地方都市の国道』の、同じチェーン店ばかりのツマラナイ風景になるようにも思える。それはそれで恐ろしい。  ただ、ヒトラー×ナチスがユダヤ人に対して行った極端な政策の反動から、昨今の思い切った政策を行えないドイツの弱さに繋がっているとも言えるかもしれない。日本も同じかもしれないけど。 言いたい不満を自分が言えない代わりに、ズバッと言える行動力あるカリスマを支持する。1933年、ヒトラーは暴力と恐怖でドイツを支配したのではなく、民衆の自由意志で選ばれて首相になった。それもまた恐ろしい。
[インターネット(字幕)] 6点(2023-05-09 23:33:01)(良:1票)
427.  ジャイアンツ 《ネタバレ》 
“Giant”『ジャイアント』。要するにテキサス州のことです。当時テキサス州はアメリカで最大の州('59年にアラスカが州になって第2位になるまで)だったため。というのと、アメリカ本土最大の油田『ブラック・ジャイアント』と呼ばれた東テキサス油田のこともひっくるめてるんでしょう。日本で言えば『でっかいどう』みたいなタイトルですね。 ジャイアンツって複数形になっているのは、なんかジョーダンを巨人(偉大な人物)に例えたんじゃないかな?って解釈があったので、そこに故ジェームス・ディーン演じるジェットを2大巨頭のように絡めてみたから、ジャイアンツなんじゃないかなぁ?と言った解釈…あと絶対、読売巨人軍の人気にあやかろうとしたんだと思われる。  開拓時代の映画だと思ったら割と近代的なタンクローリーとか出てきてビックリした。3時間超えの大作だけあって、色んな物語が詰め込まれている。ジェットの一攫千金物語。ベネディクト家の再興。ショック!息子の嫁はメキシコ人?。え?あれ…もしかしてペドロ!?。誰を主軸に観るかで、大河だったり朝ドラだったりする作品。長時間作品だけど、案外スイスイ観られました。  『テキサスに嫁いだレズリー嬢の奮闘記』として観るとまさに朝ドラ。面白いのはレズリーが動くとき、つまり人生の今後を自分で決めるとき、どういう意図が込められているのか、顔をあまり映さないんです。 まずはジョーダンに告られてテキサス行きを考える時。まだ決まりきっていないためか、木の枝の影で顔の半分が隠れてます。ジョーダンの方針に賛同できず実家に帰る決断をした時。照明の影で完全に顔が観えません。あと子供たちの進路でジョーダンと対立した時。自分の意見を言うレズリーの顔はジョーダンの本に隠れて観えません。他にもあったのかな?どうかな?この『レズリーの顔を隠す』演出って、どんな意図があったんでしょうね?思うにテキサスの男尊女卑で閉鎖的な古い体質を、表現したんでしょうかね? それかエリザベス・テイラーがテキサス人に、男に歯向かう自己主張の強い女!って思わせないように、配慮した演出?う~ん、どうでしょう?
[CS・衛星(字幕)] 6点(2023-04-27 22:52:11)
428.  キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン 《ネタバレ》 
“Catch Me If You Can”『出来るもんなら捕まえてみ』=鬼ごっこの『鬼さんこちら』的な掛け声なんだそう。 口髭生やして男臭い役が多くなる以前のレオ様。戦争やテロを扱った重たい作品が増えてきたスピルバーグ監督の軽快な犯罪コメディ。 深読みすれば被害者も居たんだろうけど、フランクの犯罪はスマートで誰も傷つけないところとか、何かこう理想的な犯罪者像に思える。そしてフランクを追うハンラティとの関係が、赤ジャケットのルパンと銭形のよう。 そして最後まで重たい空気を創ること無く、スマートなままで終わるのもいい。期待していたものを裏切ること無く最後まで観せてくれた映画でした。  あまりにスマートで、正直リアリティを感じなかった。よく出来た創作シナリオに思えてしまったわ。実話ベースっていつ知ったんだろう?って見返したら、最初から『実話から発想を…』って字幕が出てた。どうせならそこは伏せて、最後の種明かし的に『えぇ?コレ実話だったの?』って驚きを味わいたかったかな。ついでにOPの切り絵っぽいアニメーションがほぼ映画の最後までのストーリーダイジェストになってたのも面白い。  今回久しぶりに…と言っても10年ぶりくらいに観返したんだけど、驚くほど覚えてるシーンが少なかったわ。飛行機模型がお風呂にプカプカ浮かんでいるのくらいしか覚えていなかった。作品の創りが優等生過ぎて、私の印象には残りにくかったのかな?充分に面白いんだけど。
[DVD(字幕)] 6点(2023-04-16 16:45:21)
429.  終戦のエンペラー 《ネタバレ》 
“Emperor”『天皇』。シンプルなタイトルです。王様である“King”より上の位で、皇帝や帝王もエンペラーという称号ですが、現存するエンペラーは日本の天皇陛下だけだそうです。それって素直に凄いことだと思います、はい。 終戦直後の焼け野原の日本が舞台。天皇を処刑しようか、生かそうかって連合国の結論を出すことを任されたマッカーサー。その為にたった10日で調査を依頼されるフェラーズ。戦争に引き裂かれた恋人アヤの現在を調査依頼された高橋。…これ、アメリカ人が観て面白いのかなぁ?  日本人の書いた原作があっての映画化だけど、日本人が終戦のイメージとして脳裏に焼き付いている原爆。テロップは8月6日の広島なのに、映像は長崎に落とされたファットマンのチグハグさ。こういう記録映像ってちょっと調べれば間違いに気がつくだろうに、そんなにコダワリは感じられない。 またフェラーズの実情、活躍は映画とは少し違うようで、この辺りも当時どこまで解っていたか定かではないけど、何かこう、フェラーズの人物描写の薄っぺらさに繋がってしまう。 原作には無いというフェラーズとアヤのラブストーリー回顧録。そもそも10日で天皇の生き死にが掛かる中、マッカーサーが任された日本再生のスタート地点がどこになるのかが掛かっている中、近々に命の危機が迫っているでもないアヤの消息調査は、今やるべきことではないでしょう。  歴史物の割に本作は107分と短い。広島と長崎の原爆も、フェラーズとアヤの恋愛も、この映画の主題である“どうして天皇を生かすことにしたのか?”には関係がない。 見どころはやはり天皇とマッカーサーの会談。あの有名な写真が撮られた時、あの部屋で何が話されていたのか?に絞られてしまう。あの場面を観るための映画なんでしょう。それにしては短く感じたけど。マッカーサーに苦手な葉巻を勧められて、我慢して吸う陛下は入れても良かったかと思います。  アメリカ人が観ても面白いとは思えないこの映画、何故2012年に公開されたのか? 世界に衝撃を与えた東日本大震災。その僅か一月半後に自ら被災地に駆け付け、膝を折って被災者を直接見舞う、当時の天皇陛下の映像を見て、終戦時の昭和天皇と重なるものを感じたのかもしれません。 戦後から、震災から、どん底から再生してきた日本と日本人。“Emperor”の響きからは到底想像できない天皇陛下の行動。この映画は“戦争責任”を題材にした映画ではなく“日本人の精神”を理解しようとした映画なんですね。
[インターネット(字幕)] 6点(2023-04-11 00:51:52)
430.  ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還 《ネタバレ》 
“THE RETURN OF THE KING”邦題まま。三部作最後は掟破りの203分と来た。前作で私の個人的な評価もうなぎ登りだとはいえ、これは長いぞ~。最高権力者と言えるデネソールが臆病者だったり、ミナス・ティリスを攻めるオーク軍団との攻城戦がクライマックスだったりと、二つの塔と色々被るなぁ…一作目から二作目の時に感じられたグレードアップ感は今回やや少なめ、二作目との関係が『一本の映画の前編・後編』に思えたくらい、新しい発見が無かったというか。  援軍に現れた“死者の軍勢”の反則感。なんか、人間、エルフ、ドワーフにホビットが協力しあって勝利を掴むのが物語の根幹にあるところ、幽霊ってOKなの?って思ってしまった。アラゴルンの説得も意外とすんなりだった気がして、前作でメリーとピピンがエント族を説得したようなカタルシスは薄かったかな。それと大鷲の軍団が援軍でやってくるのも、やっぱり唐突な気がしたんだよ。 サルマンどこ行った?問題。『サルマンがどうなったかはスペシャル・エクス~で。』って、かどこかで見落としたかと思ってネットで結果知ってしまったよ。完結編で203分も使って、何でそこ通常版に入れないんだよ。代わりに削れるトコいっぱいあったよ、エンディングの長いトコとか。  サムの大活躍は素晴らしかったけど、あの終盤で巨大蜘蛛との戦いが待っていようとは思わなかった。つくづくバルログが強そう過ぎたわ。ラスボス級だったわ。今回のオリファント(中ボス)は期待通りの活躍をしていたけど、ナズグル+フェルビースト(大ボス)は、前作で観てるしなぁ。真のラスボス・サウロンは、物理攻撃でなくイベントで倒してるし…  フロドがあんまり活躍しているように思えない創りも、どうなのか。序盤サムをクビにし、中盤サムに指輪を守ってもらい、終盤サムに運んでもらい…指輪の最後はアクシデントとも思える。原作に忠実なのかもしれないけど、もっと主人公っぽい活躍を追加しても良かったように思うけど、どうなんだろ? 本作も、削るところ削って2時間~2時間半でまとめたほうが良かった気がする。
[DVD(字幕)] 6点(2023-03-27 22:30:21)
431.  悪名(1961) 《ネタバレ》 
河内弁というのか。軍鶏の博打のシーンなんて、みんな勢いあって早口だから何喋ってるのかサッパリわからん。 ヤクザって何だろう。貞みたく組に属していればヤクザで、朝吉みたくフリーだとカタギ?…そうなん?そういう、区分なん? 松島一家にペコペコする吉岡の親分。なんか急にサラリーマン社会っぽい上下のしきたりを観せられ、モヤモヤするところモートルの貞がガツンと言って聞かせるのがスカッとする。あ、モートルってモーターの事らしい。発電機みたいなモン?  続く朝吉と松島の子頭とのやり取り。銃を持ってるフリでアッサリ騙される辺り、組織モンのヤクザって格好悪いなぁって印象を与え。一方で貞に兄弟の杯を“猿芝居”と言い放ったあとの「仲良しの兄弟でエエやないか」の格好良さ。やっぱり組織の子飼いより一匹狼って格好良いよなぁ。  お絹と朝吉の起請文。映画が後々現実になるような不思議な気持ちになる。だけど朝吉は他の女(琴糸)を助けに因島に旅立つと。行った先のカネを手に入れに昔の女(お千代)を頼る。今の感覚だと難しいところだけど、コレもまた男気なんだろう。 逃げようとすれば逃げれたところ、わざわざイトの元に戻って、甘んじて怒りのステッキを受ける朝吉。う~ん、これまた格好良い。腕っぷしはある朝吉だけど、貞との一戦以外暴力を使わない。男が憧れる男とは、こういう人物のことを言うんだろう。
[インターネット(邦画)] 6点(2023-03-26 19:36:06)
432.  バーン・アフター・リーディング 《ネタバレ》 
“Burn After Reading”『読んだ後燃やせ』。機密文書などで使われるフレーズらしい。 執筆中の暴露本の中身を何故知っているのか?ロシア大使館にリークした情報が何故CIAが知ったのか?クローゼットに入っていた男は誰か?コッチは全部解っていて観るから、登場人物の行動が滑稽に、バカバカしく観えてしまう。 CIAの最終決断がタイトルに繋がる理由がもう、早い話『面倒くさいから』なのも面白い。  ブラッド・ピットは見るからにアホな役をしているけど、ジョン・マルコヴィッチは凄い立場だったのかと思いきや、実はそうでもなかった人も出てくる。個人的に、『セッション』の印象から性格がしつこそうなJ・K・シモンズが事なかれ主義だったり、『俺がハマーだ!!』の印象から破天荒そうなデビッド・ラッシュが気を使う立場の中間管理職だったりが、なんか面白かった。  みんな自分の立場で、時に真剣に、時に命がけで精一杯アホなことをしている。そのアホの連鎖のそもそもの引き金が、自己満足に近い美容整形代の為。というのも、どうにもこうにも…コックス、ハリー、リンダのその後がどうなったか?が気になるっちゃ気になるけど、それこそ“Burn After Reading”なんだよね。ってオチなんだろうな。
[インターネット(字幕)] 6点(2023-03-26 18:24:21)
433.  地下鉄のザジ 《ネタバレ》 
“Zazie dans le métro”邦題まま。聖闘士星矢にハマっていた時に『雷鳴のザジ』って漫画を読んだから、こんな小さな女の子が主役のコメディだったことに驚いたわ。それもトムとジェリーのようなドタバタコメディ。 ザジの目線で'60年のパリの街を観光するのが楽しい。さすがパリ、当時からオシャレの最先端。今の時代でもBSで放送されるくらいだし、この映画の影響って大きかったんだろうな。  一番大きな影響って“小さくて生意気な女の子が大人相手にイタズラをする”ってキャラ設定だったりして。おかっぱ頭にオレンジのシャツが特徴的なザジ。映画を観ていて思ったのがザジの既視感。おかっぱの女の子。あぁクレラップのCMだ。ザジに赤い服着せたらクレラップちゃんだ。影響?受けてないっす。なんて言わせないぞ。ちびまる子ちゃんは前髪ギザギザだし、ワカメちゃんはもみあげが跳ね返ってる。ザジの影響受けてる後継者はきっとチコちゃんだろう。  ただコメディ部分は良く解らないってのが正直な感想。当時はウケたのかなぁ?ドリフみたいなのは解る。おじさんとの追いかけっこからカーチェイスまで。かなり気合が入ってるのは伝わる。 けど、人の位置が瞬時に変わってるの…とか、婦人の頭ぶん殴ってカバン盗む泥棒に一切触れないの…とか、ザジに話し掛けるおじさんと古着屋のオヤジが同じ人だったり…とか、靴屋が一瞬黒人になったり…とか、それってどういう種類の笑いを狙ってたんだろう?不条理ギャグでいいの? 最後の大乱闘なんか意味不明。ザジほとんど寝てるし。でもなんか、最後の「歳取ったわぁ」って決め台詞と、のどかな音楽が、レトロな映画を味わった、ちょっとした満足感を与えてくれたよ。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2023-03-25 23:02:54)
434.  理由なき反抗 《ネタバレ》 
“Rebel Without Cause”邦題ママ。何とまぁ…映画観終わって改めてこのタイトルを見ると『これ絶対、雰囲気で適当に付けた邦題だよね?』って思ったのに、原題そのままだったわ。ついつい何がどう『理由なき反抗』なのか考えてしまったわ。 父親に「あばずれ」と言われ、家を飛び出したジュディ。父親の前では少女のままで居たいからキスをするジュディと、もう大人なのだからと拒む父。 子犬を撃ち殺したプラトン。息子を家政婦に任せて誕生日にさえ帰らない母親と、養育費を送るだけで別居中の父親。彼が求めたのは家庭の父親。 妻に頭が上がらない父と、人前でも父に小言を言う母。エプロン姿で食事を運ぶ父親の情けなさ。その反動で“腰抜け”と呼ばれることに怒りを覚えるジム。  3人それぞれが家庭の、特に父親に対する不満を抱えているのに、我が子の不満・怒り・反抗の理由を理解できない父親。精神的に不安定な子供と向き合わない父親。一方的に大人の常識を押し付ける父親。 原題のモトは“With Or Without Cause”って契約書なんかに用いられる文言で『理由が有っても無くても(契約を解除します)』って意味だそう。タイトルから“With”『(理由)あり』を敢えて除いたのは、子供の反抗理由に目を向けない、理解しようとしない父親。って意味があるんでしょう。 “思春期だから”と一言で片付ける大人にしてみれば、今回の事件の原因が家庭そのもので、実は延々と積み重なった結果とは理解できないから、突発的な『理由のわからない反抗』として映るんでしょう。  今の私達にしてみれば思春期というと、中学生とかで卒業するイメージ。…何となくだけど。 だけど劇中では17歳の設定のジム(23歳)。車を運転して酒を飲んでキスをして銃を撃つ17歳のアメリカ人に共感出来るかと言われると…当時の日本の若者(特に同年代)の目にはどう映ったんだろうか? 『ナイフは刺すのではなくちょっとチクッとするもの』とか『チキンレースは入念に脱出の練習をする』とか『吊るした鶏は用が済んだら下ろしてやる』といった“不良像”。この辺、つい子犬を殺したり人に銃を撃った“不良じゃない”プラトンと比較させることで、若者に配慮したんだろう。 しかし、バズが死んだ直後のケロッとしてるジュディ。廃屋での彼ら3人の行動は展開がちょっと急すぎて、どう捉えてよいのやら… やっぱり本作がジェームズ・ディーンの死後に公開されたインパクトは大きい。そして私の時代なんかでも、作品よりジェームズ・ディーンのブランド・イメージ(リーバイス履いてないのに)が先行したことから、若者のシンボルになったのは大きかったんじゃないでしょうか? ウッドとミネオがアカデミー賞助演にノミネートされていて、ディーンは本作ではノミネートすらされていない。ちょっと不思議。
[地上波(吹替)] 6点(2023-03-13 11:25:14)
435.  トランスポーター 《ネタバレ》 
“The Transporter”『運び屋』。あれれ、トランスポーターと言うとアウディの印象が強かったけど、1作めはBMWなんだ。そしてBMWの退場早っ!全編パリッとしたスーツを着たステイサムが、高級外車を転がすイメージだったんだけど、そういうの序盤だけだったわ。 強盗団に銃を付きつけられてるのに、自分のルールをタテに言う事聞かない肝の座りっぷり。初っ端からかなり個性を全面に打ち出せていて面白い。  …と思いきやアッサリ自分のルール破ってんの。強盗のドライバーを引き受けるくらいなら、過去に生きた人間を運ぶ依頼だって受けたことあるだろうに。 そもそもあんな、もぞもぞ動けるバッグにライを詰め込む意味が不明。睡眠薬で眠らせておくとか、あれやこれや他に方法もあったろうに。 なんて些細なツッコミを入れていったらキリがないけど、個人的には、前半の“クールでスタイリッシュな運び屋”が格好良かっただけに、後半が良くある“罪のない人のために悪と戦うヒーロー”になるのが、せっかくの個性を殺してしまってるように思えてしまったかな。  日本人から見ても可愛いアジア人スー・チー。カーアクションにカンフーアクションてんこ盛り。93分と丁度良い上映時間と相まって、テレビの深夜放送で流れてたら、ついつい最後まで観てしまう安心設計の娯楽作品。
[地上波(吹替)] 6点(2023-03-12 20:50:58)
436.  ポリス・ストーリー/香港国際警察 《ネタバレ》 
“警察故事”『警察物語』…あ~このタイトルにしなかったんだ。刑事物語もあるし、紛らわしいからね。 ジャッキーの現代版映画の代表作ですね。あと個人的に、ちゃんと観た最後のジャッキー映画かもしれません。修行してカンフーマスターになるジャッキーのアクション映画が好きだった私は、現実の街並みを舞台としたジャッキーのスタント映画にあまり興味がなかったようです。正直この作品も、他のジャッキー現代劇とゴッチャになってます。当時の記憶だと坂の住宅を走るカースタント。2階建てバスを追いかける。デパートのシャンデリアをスルスル落下…しか覚えてませんでした。  で今回改めて観たけど、私の記憶もそうハズレてないというか、スタントの見所はだいたいあの3ヵ所だったわ。だけどそれ以外にも電話を使ったコントっぽいアクションとか、サリナとの会話テープを法廷で流すところとか、笑えるシーンも多いのね。大抵のアクション俳優は売れるとカッコいい役しかやりたがらないけど、こういう三枚目な役もこなすのが、ジャッキーの憎めないところ。  ストーリーはねぇ…麻薬組織のボスを追うってのが一応あるけど、オマケのようなもので、やっぱりウリはスタント。シャンデリア3連発はちょっとクドく感じるけど、それ以外のスタントも『どうしてそんなシーン撮ろうと思ったの?』って、ガラスをバリバリ割って、とんでもないところから落下してってのが連発します。物語は唐突に終わるけど、そもそもこの映画を観る人って、スタントなりアクションなりを、観たい人だと思うから、アレでいいんだろうな。エンディングとともに流れるNGシーン集ももうジャッキー映画のお約束。 あと印象的な主題歌ね。あれはぜひ覚えたい。そして同年代が集まるカラオケでみんなで熱唱したいわぁ~~~メンチ!!
[地上波(吹替)] 6点(2023-03-03 22:50:05)
437.  ジュディ 虹の彼方に 《ネタバレ》 
“Judy”シンプルです。私が知っているジュディ・ガーランドは『オズの魔法使』'39年の映画の中の女の子。まだ未見だけど'54年の『スタア誕生』も有名かも。映画の大部分は彼女の晩年、'69年辺りで、それでも私が生まれる前の時代。リアルタイムに彼女の晩年を知っている人は60歳以上か?  『オズの魔法使』に感動した身としては、あのハリウッドの若手女優のドロシーが、どうして、ステージ歌手のジュディになったのか?を、この映画に期待していたんだと思う。映画の魔法のようなオズ。その裏側、MGMと母親(マネージャーっぽい意地悪なオバサンがそうか?)の、ドロドロした大人の都合、利権、欲に翻弄される、まだ子供のジュディ。そんな大人に要求するのが『1時間の休憩』なのが、彼女の環境の劣悪さが観えて恐ろしい。10代から薬漬けにされていた彼女の感情は、どのようなものだったのか? 女優としての人気と引き換えにじわじわと壊されていく人格と人間性…を描かずに、壊れてしまって以降の、扱いにくい存在になった彼女をピックアップした作品とも言える。そこに興味を持てるかどうか。  薬漬けで不眠症でステージに遅刻。仕事への姿勢から、彼女が今後再起するとも思えない構成で、どんな幕引きをするか?がクライマックスになってしまう。 ジュディがどれだけの輝きを持ったスターだったかが、OP後の歌ちょっぴりだけ。もう少し観たかった。それとあの時代に彼女が同性愛者に理解を示した、その背景は紹介してほしかったかな。 『シカゴ』以来17年ぶりに観るレネー・ゼルウィガー。言われなければ彼女とは思えなかったわ。晩年のジュディを知らないので比較は出来ないんだけど、レネーが相当な技術力で演じきっていた。そこは文句なく凄い。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2023-02-20 00:19:42)
438.  ガントレット 《ネタバレ》 
“The Gauntlet”『四面楚歌』。もともとは『(囚人が2列に並んだ兵士の間を通らされる)刑罰』だそうで、通ってる間、囚人は両側の兵士からボコボコに殴られるんですね。痛そうですね。刑事ショックリーのバスが、仲間の警官たちに撃たれるラストシーンがそのままガントレット。  小中学生の頃、年イチくらいのペースでテレビで流れてた印象です。単純なストーリーで、目的もわかりやすく、いかにもクライマックスな銃撃。最後も悪党に一撃食らわせて痛快。週末の夜を締めくくるのに程よい満足感を得られました。 今回、それこそ35年ぶりくらいに再見しましたが、声が山田康雄じゃないこと以外、要所要所はしっかり覚えてました。 ソンドラ・ロックがノーパンなこと。法律に詳しい暴走族がいること。貨物列車で鉢合わせ&最後女を殴るとこ。自分の生死の賭けに大金かけるトコ。手を降って応援するお婆ちゃん。手で“行け!”って合図するジョセフソン…覚えていたなぁ。私の中に染み込んでいるんだなぁ。  そしてイーストウッドの刑事モノと言えばダーティ・ハリー。ぱっと見キャラハンとショックリーってキャラが被るけど、キャラハンは検挙率も高く警察内外ともに有名人。一方でショックリーは、理想も高く警官になったものの、現実はうだつの上がらないボンクラ刑事で、とかげの尻尾切りに抜擢される始末。 本作はイーストウッドとロックが交際を始めてからの一作目らしく、バスの中で未来像を語る二人が、現実のラブラブな二人とシンクロして面白い。“好きな女に自分の弱さと理想を語る”この大役は、スーパーヒーローのハリー・キャラハンには似合わない。だからわざわざ、等身大のショックリーという、一回限りのキャラを創り出したのかもしれない。
[地上波(吹替)] 6点(2023-02-08 21:38:30)
439.  網走番外地 北海篇 《ネタバレ》 
このシリーズ初めて観たけど、4月に第1作が公開されて、7月、10月、そして4作目の本作が12月と、とんでもないハイペースで作られています。当時はまだカラーテレビが普及しきってなくて、本作のような娯楽アクションは映画館の大画面で観るのが当然な時代だったんだろう。どう考えても楽しそうな時代でした。  トラックで荷物を運ぶ代わりに高額の報酬が入るなんて、“恐怖の報酬”っぽいし、行きずりの人たちが同じトラックに乗り合うのは“駅馬車”っぽいな。 この作品のお約束が解らないんだけど、刑務所の中が案外短いのが意外だった。ペンケセップ?鹿走内町?オポチョッカ?ワッカ?北海道っぽいけど聞いたことない地名。「道北イチの難所」を“東北”と聞き違えてたところで私は小混乱のここどこだ?状態。  フルヤのガムの包みに入れた『誘拐されています』のメモ。あれ?誘拐されてたんだっけ?逃げようと思ったらいつでも逃げられる緩~い状態な気が…。 しかし、なんであんなトコに葉山の女房と敵の親分がいるんだ?東北と勘違いしてたのはあるけど、荷物の運び先ペンケセップに向かう途中に居るのは、たまたま?あんな事件になっちゃって、葉山のお母さんの仕送りはどうなるの?? 謎の男の正体はナルホドだったけど、骨折した子と母親、自殺未遂の美女の結末がアッサリし過ぎ。もう少し回収してほしかったかな。 ポスターのキャッチコピーが『・・・オホーツクの飛沫をあびて 追跡200時間の追撃戦』…またテキトーなこと書いて。 でもこの映画、巧くイジり直したら歴史に残る名作になるぞ?  …なんて思いながら、このいい加減な感じ、劇場で一発上映のために作られた“撮り棄て”な感じが、まるで私達が子供の時代の週刊連載マンガのようだわ。鬼寅があんなところで出てくるトコなんてまさに!だわ。同シリーズで年に4作。マンネリにならないようにアイデアを捻り出しながら映画を創っていく感じが、熱々のライブ感を感じさせる。ホント楽しそうな時代だわ。 本年が映画デビューイヤーの大原麗子。ショートカットがまた似合ってて可愛い。やせ我慢で真冬の大雪原で上着を脱ぐ健さんがカッコいい。本作のように、最後何となく事件が解決した感じで終わって、その時それで満足して劇場を後にできれば、それで良い気がしてくる。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2023-01-21 10:44:15)
440.  グレムリン 《ネタバレ》 
“Gremlins”=機械の中で悪さをする小悪魔。イギリス空軍が発祥らしいので歴史は浅く、当時の人面犬やトイレの花子さんみたいな存在だったのかも。ギズモの可愛さとグレムリンの不気味さが程よくて、テンポの良さとバカバカしさもあり、ちょっと背伸びした子供には丁度いい怖さがあって、『3G対決』の学校人気では一番好評だったように思います。  今改めて観ると、こんなにグロかったっけ?ってなりました。ある意味ヒロインのケート以上に活躍するお母さん。ミキサーに電子レンジと、子供の頃は素直に『おぉ!ナイスアイデア』って思ってたけど、アレに生き物を入れたらどんな死に方するのか?って好奇心を満たすのが目的だろうか?なんて、怖い想像をしてしまった。 そしてケートのお父さんの死の真相。もしかしたらこの映画で一番怖いのが、この話かもしれない。小さな町であんな死に方をしたら、結構町中に広まってそうだけど、何にせよケート可哀相。 ストライプの最後。ネチッこくジワジワと死んでいく様子を丁寧に表現。ほとんど骨になって倒れる時の、白くなった目玉がプルンッ!って踊るところが当時の技術力の高さかな。  グレムリンがみんなで白雪姫観ながら合唱してるのが可愛い。その後のスクリーンに写ったビリー達を襲ってくるシーンも上手い。アレだけの騒動で犠牲者がディーグル婦人(悪人)だけってのも、後味悪くしない工夫かも。 パブでグレムリンの接待をして以降、フィービー・ケイツの頬が赤いんだけど、どうやらバイクで遊んでて転倒した際に出来たものらしい。しかしグレムリン、ビールとか飲んでたけど、増殖しないのかな? 最後ギズモが古物商の老人に連れて行かれるシーンが、凄くクリスマスっぽくて好き。
[地上波(吹替)] 6点(2022-12-29 23:26:52)
000.00%
120.25%
2111.36%
3182.23%
4708.67%
515619.33%
617321.44%
716019.83%
813216.36%
9516.32%
10344.21%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS