461. マイ・ボス マイ・ヒーロー
《ネタバレ》 爽やかな学園コメディかと思ったら、結構劇画チックというかVシネマチックな任侠コメディでしたね・・・・。コミカルでは無い暴力的なシーンが多いので日本版「マイ☆ボス マイ☆ヒーロー」や「ごくせん」みたいなのを期待するとちょっと途中でひいてしまうかもしれません。70年代の邦画の学園ものや不良ものにやや近い雰囲気かも・・・・(松田優作が出てた「暴力教室」とかあんな感じ)。 はっきり言ってストーリーはやや破綻気味です。ただ、格差社会、過度な受験戦争等韓国社会の抱える問題が描かれていて興味深かったり、登場人物のキャラが非常に印象深いこともあってか、不思議と続編が観たい気持ちにさせられました。 [地上波(字幕)] 7点(2008-08-18 12:43:58) |
462. ユゴ 大統領有故
《ネタバレ》 歴史上の出来事も、その現場は必ずしもドラマティックではなく、あっけなく事が済んでしまっていたり弛緩した瞬間があったりすることも当然あるんですよね・・・・。大統領暗殺という衝撃的な事件について、関係者の人間臭い部分まで描いているところは非常に興味深かったです。もう少し、大統領の人となりについて掘り下げて描いても良かったかなとも思いますが・・・・。 [DVD(吹替)] 7点(2008-08-18 12:43:05) |
463. ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一発
《ネタバレ》 まあ、相変わらずのバカ映画なんですが、幼少期から特撮怪獣ものを見て育ち学生時代にビートたけしの洗礼を受けた世代なら金払って映画館で見る価値のある作品だと思います。もう、タケ魔人が消火器と傘を持っているのを見たときは飲んでたジュース噴きそうになりましたよw 加藤夏希のおちゃらけてない真剣な演技も非常に良かったです。 G8(+α)の風刺ネタもベタですけど過激で面白かったです。北のあの人はもう鉄板ですが、フランス大統領が妙に似てて笑えました。でも、本人見たら怒りますよw。ロシアネタも危険でしたしw日本の映画でここまで露骨にやるのは珍しいですよね。まあ、ベネチア映画祭で上映されるみたいですけど、もしかしたら日本よりも外国で受けるかもしれませんね(特にアメリカとかで受けそうな気がします)。 この作品が遺作となった水野晴郎先生の姿にはつい涙がこぼれそうになりました・・・・ご冥福をお祈りいたします。 [映画館(邦画)] 7点(2008-08-18 12:34:57)(良:1票) |
464. チャプター27
《ネタバレ》 現代の文明社会に生きる人間が抱える闇のようなものが、「ライ麦畑でつかまえて」に触発されて暴発していく・・・・・。作り話であれば、非常に感銘を受ける部分もあったかも知れませんけど、これはあくまで実際の事件に基づいた物語であって正直吐き気を催すような嫌悪感だけが残りました。そういう意味ではこの映画は良く出来ているのかも知れません(特にジャレッド・レトの演技は見事でした)。 イカれた馬鹿が人を殺した。殺されたのは、ジョン・レノンであった。馬鹿は警察に捕まって牢屋に入れられた。それだけです。別にそこに何らかの意味を付け加える必要は全く無いと思いますね。 大体、チャップマンが「偽者」「偽善者」と呼んでいたジョンが、この衝撃的な死によって必要以上に神格化されていくのですから皮肉なものです・・・・・。 [DVD(字幕)] 7点(2008-07-25 19:33:07) |
465. ジョン・レノンを撃った男
《ネタバレ》 ちょっとチャップマンを格好良く描きすぎですね(まるで、「タクシー・ドライバー」のデ・ニーロみたいですね・・・・)。正直、彼の心情なんかは結構わかる部分もあったりするのですが、その思いを実行に移した時点でもう同情の余地なしでしょう・・・・・。 まあ、ジョン・レノンの死の状況がリアルに描かれていて、ビートルズやジョンの音楽を愛する者としては非常に複雑な気持ちでした・・・・・。 [DVD(吹替)] 7点(2008-07-24 14:15:39) |
466. ワルシャワ・ゲットー ~ユダヤ人強制隔離居住区~
《ネタバレ》 酷い邦題がつけられていますが、内容はホロコーストから奇跡的に生き延びた一人の女性の壮絶なドラマを描いていて非常に胸に響いてくる良作です。ポーランドのユダヤ人のホロコーストまでの状況の変化、ワルシャワ・ゲットー内の日常などが描かれていて興味深い作品でありました。 人間とは一つ間違えるとこういう幸運が何度も重ならないと生き延びることができない恐ろしい状況を作り出してしまう要素を内に秘めている生き物であることを、平和に慣れた我々に教えてくれる作品ですね。 [DVD(字幕)] 7点(2008-07-14 13:09:32) |
467. 灰の記憶
《ネタバレ》 究極的に言えば、人間は自分やその家族の生命を守るためには何でもしてしまう生物であり、それはナチスドイツの兵士達や「ゾンダーコマンド」は勿論のことホロコーストの犠牲者達でさえも変わりはないということなんでしょうね・・・・。この作品を観てそんなことを考えてしまいました。 この作品に描かれている世界は非常に醜悪で目を背けたくなるようなものですが、これもまた人間という生物の所業であることを肝に銘じておくべきなのでしょう。そして、今後人間の持つ哀しい生存本能を利用する権力が世界を席巻するようなことが無いことを祈りたいですね・・・・・。 [DVD(吹替)] 7点(2008-07-10 17:40:48) |
468. トニー滝谷
イメージ映像付き朗読劇というか小説のPVという感じですね。ややもすると退屈になりがちな手法ではありますが、この作品は村上春樹の世界観と市川準の映像、坂本龍一の音楽が上手くマッチしていて観ていて心地良かったです。ただ、イッセー尾形の学生役はちょっと無理が・・・・・ [地上波(邦画)] 7点(2008-07-01 10:48:35) |
469. 解夏
《ネタバレ》 失明すると暗黒の世界ではなく、乳白色の霧の中のような世界に包まれるのですね・・・・・。何というか、残酷な運命を受け入れざるを得ない恐怖と無念さを大沢たかおが見事に表現しています。そして、恋人役の石田ゆり子がこれまた素晴らしいです。 地味ではありますが、心が温かくなるような良作でした。 [地上波(邦画)] 7点(2008-06-28 23:26:24) |
470. サルバドールの朝
《ネタバレ》 重苦しいストーリーを淡々と描いておりやや地味な映画ではありますが、独裁政権により「合法的に」残酷な手法で殺された青年がいたという事実を映像作品として後世に残す事は非常に意義のあることだと思います。 [DVD(吹替)] 7点(2008-06-21 23:00:10) |
471. FUCK ファック(2005)
《ネタバレ》 いわゆる「4letter words」について、かなり真面目に議論しているんですがこれがかなり面白いんですよね・・・・・。やはり、「言ってはいけない」と言われると無性に言いたくなってしまうのが人間ですから。 まあ、逆に言うと人間の欲望に大いに訴える魅惑(?)の言葉だからこそ、抑圧されているとも言えますね。 [DVD(字幕)] 7点(2008-06-11 19:44:37) |
472. イラク -狼の谷-
《ネタバレ》 作品自体は、反アメリカ視点の勧善懲悪B級アクション映画なのですが、映画のところどころにイラク(とその周辺国)の国内事情やアメリカのイラク政策の問題点などが散りばめられており非常に興味深かったです(なぜ、悪の独裁者フセインから解放された筈のイラクが今もなお平和とは程遠い状況にあるのかが良くわかります)。 [DVD(吹替)] 7点(2008-05-31 23:43:39) |
473. カルラのリスト
《ネタバレ》 非常に興味深いテーマの作品でした。戦争の当事者達がそれぞれの思惑を主張している中で、自らの正義を貫こうとするカルラ達の姿に感銘を受けました。 [DVD(字幕)] 7点(2008-05-19 19:26:31) |
474. ノートに眠った願いごと
《ネタバレ》 この作品は韓国で実際に起こった「三豊百貨店崩壊事故」という史上最悪といっても過言ではない人災をベースにしたものですが、とにかく崩壊シーンの凄まじさには言葉を失ってしまいました。 正直言って、その後出てくる風景の美しさも喪失からの再生のストーリーも吹っ飛んでしまうくらいの衝撃でした。更に度々出てくる反コンプライアンス的な韓国社会(一部だとは思いますが)の風土のようなものが更に追い討ちをかけてくれました。 まあ、こういう哀しい作品が二度と作られることが無いようにしてもらいたいですね・・・・・・。 [DVD(吹替)] 7点(2008-05-12 19:43:31) |
475. 赤い文化住宅の初子
《ネタバレ》 ストーリーは非常に過酷で痛々しいのですが、希望と絶望の間を絶えず行き来している主人公役の東亜優の演技に惹き込まれてしまいました。 それにしても、やるせない話でしたね・・・・・。 [DVD(邦画)] 7点(2008-03-15 21:28:08) |
476. 微熱 愛と革命の日々
《ネタバレ》 一組の男女を通じてノルウェーから見た70年代という時代の姿を描いたドラマです。左翼運動が盛り上がっていき、そして衰退していく流れは、日本とも相通じるものがあるので非常に興味深かったです。正直、ノルウェーという国自体そんなに知らないですから(サーモンとか名古屋のヨンセン位ですかね・・・)。 しかし、毛沢東思想がここまで世界的だとは・・・・ [DVD(字幕)] 7点(2008-03-15 21:27:13) |
477. コウノトリの歌
《ネタバレ》 ベトナム(北ベトナム)側からベトナム戦争を描いた作品は、あまり見る機会が無かったので非常に新鮮でした。 ベトコンの兵士達もアメリカ映画ではショッカーの戦闘員のような描かれ方しかされていませんが、この映画を見る限り恋の悩みを抱えていたり、戦闘への恐怖を感じていたりするような普通の若者たちなんですよね・・・・(まあ、当たり前なのかも知れませんが)。 また、この作品では内戦としてのベトナム戦争のエピソードも描かれていてそれも興味深かったです。 [地上波(字幕)] 7点(2008-03-15 21:25:37)(良:1票) |
478. ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習
《ネタバレ》 サシャ・バロン・コーエンが、馬鹿をやっているように見せておいて実は非常に計算された「挑発芸」を見せてくれています(そうでない部分もあると思いますが)。彼の分身であるボラットにより、次々と暴き出されるアメリカの「本音」が非常に興味深かったですね。 単純にコメディとしても、ロデオ会場でインチキ国家を歌うところとか(しかも、ややビビッているところが可笑しいです)、黒人の若者から教わったスラングをホテルのフロントで使って追い出されたりするところ等笑えるシーンが多く楽しめました。まあ、ペンテコステ派の教会のシーンなんかは最初は架空の設定なのかと思ったら、実在するんですね・・・・インパクト強かったです。 まあ、ただあまりにも自虐的なユダヤ人ネタや、下品すぎる下ネタはやや行き過ぎのような気がしましたね。 [DVD(字幕)] 7点(2008-02-24 20:38:10) |
479. 亀も空を飛ぶ
《ネタバレ》 イラク戦争時のクルディスタンの状況、人々の暮らしぶりをドキュメンタリータッチで描いた非常に貴重な映像作品です。 正直言って、この映画について簡単に感想を表現する術を私は持っていません。ただ、何とも言えないやりきれなさを感じてしまうだけです・・・・。 アメリカはイラクをフセインから解放すると言っているが、イラン・イラク戦争時にフセイン政権を支援しクルド人虐殺を黙認したのは一体どこの国なのか?結局のところ、この作品に出てくる子供達はアメリカという国の利己主義が産んだ犠牲者とも言えるのではないか(もちろんアメリカだけが悪いわけではないですけど。アメリカに対する大人と子供の感じ方のズレも興味深かったです。)?というような事をいろいろと考えさせられました。 鑑賞後、DVDに収録されているメイキング映像を見てちょっとホッとしました。その位、重い内容の作品でしたね。 [DVD(字幕)] 7点(2008-02-19 18:30:03)(良:1票) |
480. コマンダンテ
《ネタバレ》 アメリカでは上映禁止になったようですが、まあ当然でしょうね・・・。これだけ、敵国の親分を魅力的に映し出しているんですから。ただ、人間的な魅力だけでなく、オリバー・ストーンの直球勝負的な質問の投げかけのあしらい方などを見ていると非常にしたたかさも感じられましたね。 アメリカとキューバの関係の裏話的なものも聞けて非常に興味深い作品でしたね。大国アメリカと対峙する小国であるキューバでなぜ50年近くも革命政権を維持し続けることが出来たのか、ほんの少しですが理解できたような気がしました。 [DVD(字幕)] 7点(2008-02-15 19:13:07) |