481. 砂と霧の家
《ネタバレ》 ストーリー展開の巧さ、ベン・キングスレーをはじめとする出演者達の素晴らしい演技、美しい映像と良く出来ている映画です。ただし、非常に後味の悪い作品でした。 内容については、ドライで利己主義的な他民族国家であるアメリカならではの物語であるなと感じましたね(日本もだんだんこういう風になっていってしまうのでしょうか・・・・・)。また、あのアホの保安官はまさにアメリカを象徴するような人物でしたね。 個人的には、やはり役所のミスで不幸にも競売になったのだから、大佐は役所から購入金額と諸費用(改築費や引越し費用等)を受取り、家を元の所有者に返すべきだと思うんですけどね。まあ、イランで偉い人だっただけに面子を保ちたかったんでしょうが・・・・。 [DVD(吹替)] 7点(2008-02-04 18:38:12) |
482. オリヲン座からの招待状
《ネタバレ》 ストーリーを追うというよりは、時代の雰囲気を味わう映画という感じですね。その中で、宮沢りえの不思議な存在感が非常に光っていました。 しかしまあ、原田芳雄も普通に老け役を演じる年になってしまったんですね・・・・・。 [映画館(邦画)] 7点(2008-01-29 18:18:25) |
483. プラハ!
《ネタバレ》 前半部分の青春ドラマが明るく華やかであるだけに、最後の「プラハの春」の終焉が非常に重く感じられます。画面の色彩も最初は原色が多く使われていたのが、最後は灰色にくすんだ感じになってましたからね・・・。音楽のセレクトも非常に素晴らしかったですね、特にラストシーンの「Where have All The Flowers Gone?」が印象的でした(「Downtown」のチェコ語バージョンや「San Francisco」も良かったです。)。サントラ欲しいですね。 しかし、プラハの話では無いのに何で「プラハ!」なんだと思ったのですが、担当者のインタビューを読むと何とか日本で上映するためにやむを得ず付けたようですね。 [DVD(字幕)] 7点(2008-01-26 19:55:18) |
484. いのちの食べかた
《ネタバレ》 非常に勉強になりました。食物が我々のもとに届くまでの過程がよくわかりましたし、多くの人達の労働そして様々な命の犠牲の賜物であるのだなと感じました。本当に、食べ物を粗末にしたらバチがあたりますね。 しかしまあ、「生産の効率化はここまで来ているのか!」という感じですね。特にヒヨコの場面はちょっと衝撃的でした(ヒヨコのタフさにも吃驚です)。 内容的にはナレーションも無く映像が流れるだけなのですが、映像(塩の採掘場が幻想的でした)・展開等巧く作られており飽きることはありませんでした。 [映画館(字幕)] 7点(2008-01-21 12:21:26) |
485. ブリッジ
《ネタバレ》 「自殺」という、誰もが目をそむけてしまいがちな、しかしながら切実で重要なテーマを取り上げているだけでも非常に意義のある作品だと思います。文章では数多く語られているテーマを、映像として記録していることは評価したいですね(賛否両論はあるでしょうが)。このテーマについて我々観客に考えさせる上で、想像力を喚起させるのではなく、冷徹なまでにありのままの状況を見せる手法は非常に効果的だと思いました。 ゴールデンゲート・ブリッジの壮大で美しい姿が非常に印象的でした。 [DVD(字幕)] 7点(2007-12-26 18:13:45) |
486. こわれゆく世界の中で
《ネタバレ》 派手さもなく淡々とした映画ですが、じんわりと心に染みる佳作です。現代の世知辛い社会の中での人間関係のあり方についていろいろと考えさせられるところがありました。音楽も非常に良かったです。 しかしまあ、ジュード・ロウ演じる主人公の行動はちょっとどうなんだ?と思うところはありましたけど・・・・。最後も背中を押されてからじゃなくて自分の意思で助けに行けよ!と言いたいですね。 [DVD(字幕)] 7点(2007-12-22 16:30:54) |
487. ベルンの奇蹟
《ネタバレ》 サッカーそしてスポーツの素晴らしさを味わえる作品でした。第二次世界大戦の敗戦で大きな痛手を受けたドイツのある家族の葛藤の描き方がやや重いのですが、それ故に後半のファンタジー的展開が非常に効いてきました。 代表監督のゼップ・ヘルベルガーの言葉が非常に含蓄があって良かったですね(オシム監督を思い出してしまいました)。 [DVD(字幕)] 7点(2007-12-22 15:56:37) |
488. しゃべれども しゃべれども
《ネタバレ》 下町風情に溢れた、派手さはないけれども非常に爽やかな気分にさせてくれる作品でした。 しかし、故・桂枝雀の芸のインパクトは非常に大きかったですね。本人の姿自体はビデオでほんのちょっと出てくるだけですけど、それを真似る子役の演技が凄かった。ところどころで、枝雀が乗り移ったかのような表情になるんで、ちょっとドキっとしてしまいました。 ちょっと、恋愛話の部分が拙稚な感じでしたが良い作品だと思いました。 [DVD(邦画)] 7点(2007-12-16 18:07:08) |
489. ALWAYS 続・三丁目の夕日
《ネタバレ》 何というか、砂糖がたっぷり入った苺ショートケーキのようなひたすら甘い映画でしたね。ちょっと胸焼けしそうになりました。まあ、前作同様昭和を舞台にした時代劇といった感じです。 しかしながら、この作品の凄いのは昭和30年代風映像の作りこみ方が半端なく凝っているところですね。もう最初のゴジラから圧倒されてしまいました・・・・。それ以外にも、当時の日本橋や羽田空港などが映し出されていて、今の姿と比較しながら見てしまいました。 まあ、ストーリーが前作の続きなので、まずは1作目をみてからこの作品を見た方が良いかと思います。 [映画館(邦画)] 7点(2007-12-16 17:18:10) |
490. ボーン・スプレマシー
《ネタバレ》 ポール・グリーングラスならではの、迫力のあるアクションを堪能させていただきました。終盤のカーアクションの臨場感は本当に凄かったです。DVDではなく映画館で体験したい作品ですね。 ストーリーとか細かいことは気にしない方が楽しめる作品です。まあ、「交通ルール無視しまくってるな」とか「もう終わった話なのに、自分の記憶を取り戻すためにどんだけの人を犠牲にするつもりだ」とか「マリーもジェイソンを車に乗っけてしまったがために・・・」とかいろいろ突っ込みながら見るのもありだとは思いますけど。 [DVD(字幕)] 7点(2007-12-04 12:40:09) |
491. ラスト・プレゼント
《ネタバレ》 この作品の粗捜しはいくらでもできます。感動の押し売りのような感傷的なストーリーと音楽、良くわからない難病、全く笑えないお笑い、自分の妻が同じ小学校に所属していたこともわからないあまりにもマヌケ過ぎる夫(卒業アルバムや自分が写っている写真をみても気づかないとは!)等々・・・・。 でも、いいんですよね、この映画。イ・ヨンエの健気さや美しさ、人の良い詐欺師コンビの軽妙な演技、ノスタルジーを誘う映像なんかを観ているだけで爽やかな風に吹かれているような心地よさを感じてしまいます。 [地上波(字幕)] 7点(2007-11-28 18:57:42) |
492. ボーン・アイデンティティー
《ネタバレ》 パリの街を滅茶苦茶に走りまくるカーチェイスは迫力があって凄かったですね。周囲に迷惑かけまくってますし(まあウルトラマンが怪獣を投げて街を破壊するようなもんでしょうか)。 ストーリーも謎めいていて面白かったんですが、任務失敗の場面がちょっと、「えっ?それで」という感じだったのがちょっと残念。 しかし、フランカ・ポテンテ も身元や過去を調べられたり(あんな一瞬で人物データがわかるというのも怖いですね・・・)、命を狙われたり散々な目に会ってますね。まあ、上手い話には気をつけろということですかね。ちょっと、この作品の恋愛シーンは無理があるような気がしました。 [DVD(字幕)] 7点(2007-11-21 18:21:15) |
493. ラストキング・オブ・スコットランド
《ネタバレ》 フォレスト・ウィティカーが、強烈なカリスマ性を持つ独裁者アミンを見事に演じきっています。ただ、彼のインパクトが強すぎて、その他の部分については印象が薄れてしまった感じです。 それと、主人公ニコラスの軽率さが腹立たしかったですね、何というか根底に流れる白人のアフリカ人に対する優越感みたいなものが感じられました。彼の軽率な行動で他人(それも複数)を死に追いやっておいて、最後は無責任に逃亡ですからね・・・・。若気の至りでは済まない話です。まあ、ヨーロッパ人たちのアフリカ政策を皮肉ってる面もあるんですかね。 しかし、幻に終わったアミン大統領VSアントニオ猪木の異種格闘技戦(?)が実現してたらどうなってたんでしょうかね? [DVD(吹替)] 7点(2007-11-16 20:25:34) |
494. 再会の街で
《ネタバレ》 原題の「Reign Over Me」は、私の大好きなTHE WHOの超名作「QUADROPHENIA」の最後の曲である「Love, Reign O'er Me」(Pearl Jamバージョンも格好良いです!)からとられているんですよね。まあ、ロックファンじゃないと知らない人も多いでしょうから、「再会の街で」という邦題を付けるのも致し方ないと思いますけど。 「9.11」が強調されているきらいもありますが、テーマ自体は「喪失感からの再生」という極めて普遍的なものです。そして、そのテーマをアダム・サンドラーとドン・チードルがシリアスになり過ぎず、時にはユーモラスに演じきっています。とにかく、どんなに辛いことがあっても決して心を閉ざしちゃ駄目だというメッセージが伝わってくる作品でした。 [映画館(字幕)] 7点(2007-11-14 18:02:17) |
495. カンダハール
冒頭からパラシュートで空から降ってくる義足とそれを追いかける地雷で足を失った人々というショッキングな映像が映し出されます。その後も、アフガニスタンの「北斗の拳」を思わせるような荒廃した社会の姿が、まるでドキュメンタリーのように描かれています。北斗の拳はマンガですが、アフガンは現実ですからね・・・・。 いま、テロ対策特別措置法問題が世間を賑わせている中で、非常に興味深い作品でした。 [DVD(吹替)] 7点(2007-11-11 22:31:14) |
496. となり町戦争
《ネタバレ》 非常に地味な作品ではありますが、その事が逆に議会制民主主義の限界や、戦争というものの実態を浮き上がらせていて恐ろしさを感じさせましたね。 隣町との戦争という題材にしているので「こんなのあり得ない」と感じてしまいますが、良く考えると実際起こっている戦争にしてもそう大差がないことに気づかされるはずです・・・・。 しかし、岩松了の胡散臭さ全開のキャラクターは素晴らしかったですね(いろんな意味で)。 [DVD(邦画)] 7点(2007-11-09 18:17:12) |
497. サンキュー・スモーキング
《ネタバレ》 金と口にものを言わせた情報操作をユーモアを交えて描いている、なかなか風刺が効いていて面白い作品でした(Mod特捜隊は中々笑えます。)。 まあ、アメリカは自由競争の国ですから、自分たちの収益の為なら何でもありなのかなという印象を受けましたね。何というか、すべてが「金」のために動いているように見えて嫌な感じですね(まあ、日本も段々そうなってきていますけど・・・・・)。 [DVD(字幕)] 7点(2007-11-04 20:04:32) |
498. 松ヶ根乱射事件
「昭和の日本映画」平成脱力バーションという感じですね。田舎の閉塞感をゆるーく描いていて、可笑しくもちょっと恐ろしい映画に仕上がっています。ストーリーを追うというよりも、山下監督の秀逸な人間描写を味わいながら鑑賞しました。 まあ、非常に地味な作品ではありますが、じんわりと良さが沁みこんでくる・・・・そんな映画です。 [DVD(邦画)] 7点(2007-10-14 18:39:30) |
499. ダスト
《ネタバレ》 神話や伝説というものがどのように作られていくのかを映像化した作品ですね。中々斬新で面白い視点で作られた映画だと思いました。 まあ、過去のシーンは昔話をしている者の脳内イメージを映像化したような感じなので、兵隊の人数が200人から20人へと急に減ったり、現代の音楽が流れたり、飛行機が飛んだりとまるで劇中劇のようになっています。 「ビフォア・ザ・レイン」といい、この作品といいミルチョ・マンチェフスキー監督の映像感覚は素晴らしいですね。 [DVD(吹替)] 7点(2007-10-14 18:07:22) |
500. エンパイア・オブ・ザ・ウルフ
《ネタバレ》 「ヨーロッパ最大のタブーに挑む! 」という謳い文句に釣られて鑑賞しました。トルコの極右テロ組織「灰色の狼」がそのタブーであるようなんですが、まだ題材として名前を出すのが精一杯という感じを受けましたね。 「移民大国」フランスのトルコ人社会の裏側(どこまで真実かは知りませんが)を描いているのは非常に興味深かったです。 まあ、ジャン・レノの良くわからない立ち位置、なぜかトドメを刺さない敵達、非常に無理やり感が強いラストのアクションシーン等々突っ込みどころは多かったですが、最後まで飽きずに見ることはできました。 [DVD(吹替)] 7点(2007-10-08 20:13:16) |