481. 都会のアリス
《ネタバレ》 未見の方には「ペーパームーン」の亜流と思われがちだが、中年男(31)と少女、モノクロ映像以外、共通点はあまりありません。 それにしても能書きばかり並べて、気に入らない事の全てを社会や周りのせいにするこの主人公、会社の上司、挙句の果てには元カノの家に押し入って愚痴を吐き散らし迷惑がられ…こんなジメジメした男、日本にもいますよね?(笑)女に絶対モテないナンバー1ではないでしょうか? そんな男でもさすがに小さな子供相手にはおとぎ話しかさせてもらえない。 映画の主観はライターもどきの男側ですが、そんな情けない男相手に小生意気な少女アリスがどう対応していくのか見方を考えると面白さも変わってきます。 画面いっぱいに映るアリス、たまに鼻なんか弄ったりしながら。おばあちゃんの家を探す気なんか毛頭ないといった表情がたまらなく可愛い。このアリスに魅力を感じないと映画自体失敗作と判断されてしまうでしょう。 結局二人は自分たちの力ではおばあちゃんの家にたどり着くことが出来ず、警察が加わるのですが、そう考えるとこの旅はいったい何だったのか?…でも間違いなく二人に変化があって…なんだか可笑しくてしかたありません。 アリス役の女の子は今頃は40代半ばでしょうか、どんな成長を遂げたのか気になるのは私だけではないと思います。 ヴィム・ヴェンダースは映画とロックが大好きなんですね。 ラストシーンは「夜の大捜査線」のオマージュに見えました。反対に証明写真のシーンはヴィンセント・ギャロが「バッファロー66」でオマージュしているように感じました。 それとチャック・ベリーの演奏ですが、あれはDVD「スウィート・トロント」からの抜粋です。 [DVD(字幕)] 7点(2009-02-11 08:35:58)(良:1票) |
482. イースタン・プロミス
《ネタバレ》 評価が高いので期待したが、それほど傑作というほどのものではない。 フレンチ・フィルムノワール、香港ノワールに加え、タランティーノが好きそうな日本の任侠映画が混ざったかのようだ。悪く言えば全てハリボテである。 それらを観たことがない者にとっては斬新かもしれないが、中盤で裏切る床屋のオヤジなんかは、どう見ても「仁義なき戦い」の金子信夫だ。 物語は始めにナオミ・ワッツに感情移入させている。しかし川から上がった死体と運転手が娼婦に金を工面するシーンで、運転手が組織に潜入しているという複線だとわかってしまい、サスペンスの焦点が彼の方にズレてしまう。だからそれから先のナオミ・ワッツに全く危機感がなくなっている。 勢いあるファーストシーンの割には終盤さほど盛り上がらず、情だけに押されてしまう展開に物足りなさを感じる。 鑑賞後に、このクローネンバーグっていう人、どっかで聞いたことあるなぁ…と思ったら、「スキャナーズ」「ヴィデオドローム」「フライ」の監督じゃないですか? この人の映画久しぶりに鑑賞した。編集が上手く、観客を惹き込む独特の雰囲気は過去の作品と全く変わっていない。 これがスコセッシみたいに2時間半くらいだと減点だが、1時間40分で終わるので疲れなくていい。 本作を満足された方に「ギャングスター・ナンバー1」という映画をお勧めしたい。 [DVD(吹替)] 7点(2009-02-10 14:23:15) |
483. 暗戦/デッドエンド
「男たちの挽歌」以上、「インファナル・アフェア」以下に位置していると思う。 どちらか一方でも満足された方は必見の娯楽作品。 いかにも「香港!」という感じのコミカルな要素もあるが、小道具や伏線がかっこよく、スピード感あふれる展開に観る者を退屈させない。 アンディ・ラウが香港の映画祭の金賞を取っただけあって、やはり見どころは彼の存在と言っていい。 それから90分でまとめた監督の実力を付け加えたい。 [DVD(吹替)] 7点(2009-02-09 15:02:50) |
484. ナイロビの蜂
《ネタバレ》 トップシーンで弱々しい主人公とずる賢い妻を描くことで、観客を騙していくやり方は上手いなぁと思いました。 吹き替えが特に上手いです。英語がわからないならオリジナル音声より感情移入出来ます。 主人公が動き回る間、終始ハラハラドキドキさせられ、後半、飛行機から手紙を残し、着陸をお願いするところで、この男の最期を予告させられます。 ただ、事件発生から主人公が動き出すのが中盤過ぎてからなので、展開の早さと登場人物の名前の多さに眉間に皺をよせてしまいました。 「少しくらいわからなくてもいいや」って感じで、思い切った編集がされています。観ていてダルさを感じません。 これが製薬会社のアフリカに対する現状なんですか?日本では永遠に作られないでしょうね。スポンサーなんか絶対つかない。 でも私たちの世界は、今、目の前に存在するものだけ…この映画を観せられて何も出来ないでいる自分に憤りを感じてしまいます。 [DVD(吹替)] 7点(2009-02-07 07:16:24) |
485. ククーシュカ ラップランドの妖精
ジャケットとタイトルから、ファンタジー映画と誤解されそうだが、どちらかというと戦争の嫌な部分を映し出した部分が目立つ。 同じような設定で「ノーマンズ・ランド」があるが、「ノーマンズ~」が男二人だけに対し、本作は女性が入るので、さらにドラマが膨らんでいる。(テーマは全く違うので比べるのもおかしいけど…) 言葉の通じない三人の心が一つになっていく過程が素晴らしいので、音声設定で、それぞれ一ヶ国語しか字幕スーパーが表示されないシステムも入れてくれたら、さらに違う鑑賞方法ができただろう。 エンターテイメント作品ばかり観続けた後の方が、本作の新鮮さは一層増すかと思う。 [DVD(字幕)] 7点(2009-01-27 19:27:24) |
486. ギルダ
《ネタバレ》 説明が少ないので、イマイチ何に追い詰められているのかピンと来ないのですが、観る側に感情移入させる、男と女の会話のやりとりは絶品です。それに加えて、まるで裸で踊っているようなリタ・ヘイワーズのカメラアングルは、リアルタイムで観た人たちにとっては一生に残る衝撃が走ったのではないでしょうか? 「ショーシャンク」で扱われた効果もよく出てますしね。 字幕での鑑賞後に気がついたのですが、DVDには吹き替えが入っていて、比べると吹き替えの方が理解しやすいです。 後半、時間経過が作り手側の都合だけで進んでしまっているのが、つまらないと言われる原因だと思います。 でも一見の価値あり。 [DVD(字幕)] 7点(2009-01-19 01:32:30) |
487. 山のあなた 徳市の恋
いい脚本はいつの時代に作っても、いい作品が出来る! それが証明されたような作品。人物をただ描いているだけで、メッセージがしっかりと伝わってくる。私はそんな作品が好きだ。 しんみりと、ほのぼのした感じ……というよりは、コメディ的要素が強く感じられ、笑えるシーンが思った以上に沢山ある。 草薙剛さんはSMAPの中で一番演技力があり、魅力ある役者だと思う。 そして目立たないところでは脇役たちが、しっかりと華を添えている。 新人の女優、マイコさんはハーフとのことだが、女の冷たい面と優しい面がバランスよく表れていて、作品の雰囲気にすごく合っている。準主役(ヒロイン)なのに、上記の出演者の欄に名前がないのは何故? 因みに、この作品には、字幕スーパーに加えて、目が見えない人のための、音声ガイドのシステムがついている。 一回観て、面白くないと思った人は、音声ガイドを流しながら、もう一度鑑賞してみると、この映画のディテール(細部)がよく伝わってくると思う。 [DVD(邦画)] 7点(2008-12-24 04:38:01) |
488. 市民ケーン
鑑賞後の満足度は世代に反映されると思う。 現在、この手法を発展させて、様々なサスペンス映画が製作されているので、若い人ほど、さほど驚かないだろうが、年齢が高い人間ほど、その斬新さを感じ、記憶はいつまでも残ると思う。 因みに現在、様々なメーカーからDVDが発売されているが、個人的には吹き替えが収録されているマックスターをお勧めする。 吹き替えは、ただ字幕を棒読みしたものではなく、無名かもしれないが、ちゃんとした声優が字幕とは違う「日本語」を話してくれる。 字幕を追ってストーリーを追求するのとは解釈が違ってくるはずだ。 英語を理解できない日本人にとって、字幕とは記号でしかないのだ。だから私は吹き替えをお勧めする。 最悪なのは、淀川長治の解説を収録したアイ・ヴィー・シー。絶対にお勧めしない。あの爺さんは、ラストまで全て語ってしまっていて、早送りしない限り、冒頭から自動的に再生されてしまう。 オーソン・ウェルズだったら「第三の男」のほうが絶対お勧め!! [DVD(吹替)] 7点(2008-12-22 01:27:47) |
489. アフタースクール
まず予備知識なしで鑑賞することを勧める。コメディタッチのサスペンスで完全娯楽として観るべし。どんな一流のサスペンスにも欠点は存在する。作品のアラ探しをすることでしか満足できない人間にはお勧めできない。 監督は前作から何年もの歳月と苦労をかけて製作させたようだが、もし直接お会いすることができたら「あの映画(本作)、すごく面白かったですよ!」って声を掛けたい。 肩肘張らずに観ることができるが、台詞の一つ一つに深い意味があるので、二度鑑賞する時間を作っておいたほうがいいかも。 役者は最高の演技をしてくれているが、音声解説の大泉洋は少々うるさい。 [DVD(邦画)] 7点(2008-12-10 00:13:31) |
490. 健さん
《ネタバレ》 CMでマーティンスコセッシがコメントしている映像が流れたので興味を持ったのですが、冒頭、過去に健さんと共演したという中国人の俳優が超演技下手クソで、10分で見るの止めようかと思いました。 演技が下手というより演出が下手なんでしょうか。 その役者が健さんとの思い出を語りながら大阪の映画館に入り、健さんの映画を見ていると、健さんの登場シーンで、周りに座っていた観客が「よっ健さん!」って叫ぶんです。昭和初期のテレビドラマじゃあるまいし、あれには参りました。 で、退屈な老人関係者たちの思い入れのインタビューが続くのですが、このままヘタレで終わるのかと思ったら、中盤から盛り返してくるんです。 江利チエミさんとの結婚あたりから、自宅の火事、アメリカ進出のエピソードが面白くなっていき、「ブラックレイン」で共演したマイケルダグラスなんかが登場するんです。 で、健さんについて語るのですが、どのコメントも「健さんの存在感がそれだけで演技」みたいな、同じようなものばかりで少々飽きてきます。 健さんの肉声も随所にあり、前半3点、後半7点、おおまけで平均6点といったところでしょうか。 まあ、健さん大好きな人でも暇つぶしに見る程度の作品です。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2021-05-27 22:06:23) |
491. ランボー/ラスト・ブラッド
《ネタバレ》 11年前に前作を見たとき、私はスタローンをジジイとしか見れませんでした。 あれから何が変わったのでしょう。 私はアラフィフになって腰が悪くなり今はジョギングすら出来ません。 それに比べ70歳を過ぎたスタローンの何と若々しいことか! 馬を乗りこなす彼の勇姿は素晴らしいの一言に尽きます。 もうそれだけで満足です。 後味悪い結末でしたがスタローンにはいつまでも頑張ってもらいたいです。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2021-05-09 13:08:07) |
492. イブの三つの顔
《ネタバレ》 お正月に「テキサスの五人の仲間」に出演していたジョアン・ウッドワードがとても魅力的だったので、ネット検索して、この作品を見つけました。 結論、たいした映画ではなかったけど、ソフトを購入しなければ見る機会には巡り会えないのが残念ではあります。 多重人格者役のジョアン・ウッドワードは、この作品でオスカー獲ってるだけあって、迫真の演技を見ることができます。 エロティックなダンスを披露したり、綺麗な生足を披露したり、とてもチャーミングな女性です。 実話というモノローグから始まるオープニングですが、制作当時、ヘイズコードの規制があっただろうと思います。 で、多重人格になったきっかけがハイライトになるんですが、今だったらきっと、大人から受けた少女へのイタズラ行為が原因となるだろうというところを、本作では、少女は亡くなったお婆ちゃんにキスするのが嫌だったのが多重人格者になった原因だという、ちょっと無理がある捉え方に時代を感じさせます。 ブルーレイを購入するには値を貼りましたが(2500円)、テレビ放送されることがあったら、是非チェックしてもらいたい作品です。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2021-04-09 00:15:10) |
493. イーグル・アイ
この映画を見ているとき、酒に酔っ払っていてベロンベロンでした。 だからツッコミ入れるところが全くありませんでした。 でも開始90分経っても主人公がどこへ向かうのか全くわからないのは、いただけなかったです。 酔っ払っていたので、5分後には正直それまで何があったのか全く記憶に残らなかったのですが、 下手な007の映画や駄作のミッション・イン・ポッシブルを見るより、全然楽しめました。 見終わって、何も残らなかったのですが、酒に酔いつぶれた時に鑑賞するには十分楽しめる作品かと思えます。 [CS・衛星(吹替)] 6点(2020-12-26 09:24:41) |
494. 傷だらけの栄光
《ネタバレ》 今見るとちょっと古いですね。 自分を嫌っていた父親が息子にチャンピオンになってくれと言われ、真の目標を誓うロッキーに心打たれました。 30年前に見たかったなぁ。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-12-06 19:43:37) |
495. パラサイト 半地下の家族
《ネタバレ》 退屈はしなかった。 まあまあ面白い。 韓国映画に疎いアメリカ人が本作を評価するのも頷ける。 でもねえ…。 今までの全ての映画鑑賞人生で、これが普通以上に面白い映画かと聞かれれば、ノーというしかない。 ラストのパーティーでの惨劇も、如何にも韓国映画らしいし、目新しさはなかった。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-11-19 19:29:21) |
496. ブラッド・ワーク
およそ20年前の作品なんですね。 探してみたらDVDも持っていました。 内容をすっかり忘れてしまっていたけど、当時は面白いと思ったから購入までしたんですね。 途中で犯人がわかってしまうあたりから詰め込んだ展開になったけど、よくよく考えてみると、ありきたりなストーリー。 でもイーストウッドが連続殺人犯人を追うというネタは、やっぱりそれはそれで面白いと思いました。 でも、1回見たら、もう二度と見ることはないかな。 DVD持ってるくらいだから何度か鑑賞したんでしょうね。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-10-20 02:02:58) |
497. 刑事コロンボ/野望の果て<TVM>
《ネタバレ》 つまらないとは思わなかったけど、75分を無理矢理90分に延ばしたような尺で、ちょっと退屈でした。 間違いなく選挙には勝つとわかっているのに、犯行の動機が愛人関係という、あまりにバカバカしい理由なのが残念でした。 歯医者、検問、ガソリンスタンドでの小切手のやりとりとか、私にとっては退屈で間延びしたように感じました。 犯人も拳銃を二丁持っていて、最初の殺人とラストの狙撃の銃が違っていれば、逮捕されることはなかったろうにと思いました。 [CS・衛星(吹替)] 6点(2020-08-30 00:50:48) |
498. ふるえて眠れ
「何がジェーンに起こったか?」を期待すると総スカン食います。 一番気になったのは、オリビア・デ・ハビランドが全然悪人に見えないところです。 ここは、ジョーン・クロフォードでやってもらいたかったですね。 シナリオも「何がジェーンに起こったか?」の二番煎じみたいで、もうちょっと捻りが欲しかったです。 [DVD(字幕)] 6点(2020-08-06 21:32:55) |
499. オールド・ボーイ(2013)
そんなに面白くなかったけど、何とか最後まで見られました。 ジョシュ・ブローリンの演技がよかったです。 主人公とヒロインのつながり方とか、腑に落ちない点が沢山ありました。 韓国版のほうが面白いです。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-07-09 10:54:41) |
500. スピーシーズ/種の起源
かなりハードル低くして見たせいか、それなりに楽しめました。 超B級作品ですね。 でも出演している俳優さんは知っている人ばかり。 冒頭の少女のエイリアン、可愛い子だと思ったら、なんとミシェル・ウィリアムズ。12歳の設定みたいですが実際は15歳。 その他、CSI科学捜査班のキャサリン役の女優さん、他にはフォレスト・ウィテカーなんかも登場していました。 お菓子食べながら何となく見ていたので、あまり深く考えなかったせいか、特につまらないと思うこともなく最後まで鑑賞。 お約束通りの展開。 でもCGがいかにも90年代っぽくってチープ。 正直5点でもよかったけど、何とか大甘に見て6点を献上。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-06-27 03:57:13) |