501. 危険な遊び(1993)
人気子役の競演作品で、よくぞここまでダークな「R指定」作品を作ったなあ。マコーレー・カルキン君は、これでキャリアに幅を持たせようとしたんだろうけど、これじゃ逆効果だったかも(事実、これ以降の彼は急速に忘れさられていく…)。まあ、監督に陰湿なスリラーを得意とするジョセフ・ルーベンをもってきたことが、この作品の魅力であり、問題点でもあったかな。見終わった跡のイヤ~な感じは、まさにこの監督の真骨頂なんだけど。 7点(2003-09-18 11:44:27) |
502. ワールド・アパートメント・ホラー
壮大なSFものとは別の、初期の大友克弘が描いていた奇妙な味のファンタジーとして、これはこれで見事に大友ワールドですねえ。しかも、実写映画をかくも達者にこなして、自己のヴィジョンを実現した彼の才能とセンスに感心。アニメもいいけど、またぜひ劇映画にチャレンジしていただきたい…そう思わせる出来映えです。笑えて、ヘンテコで、オチまでしっかり! 7点(2003-09-16 16:53:22) |
503. リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い
試写会でひと足お先に拝見。一見すると『Xメン』の亜流めいた”超人大集合”ものなれど、19世紀を代表する面々が、「大量破壊と殺戮」の20世紀を象徴する悪と対決する図式にまず感心。なかなかにインテリジェントじゃないですか。それぞれのキャラも、きちんと読者を納得させてくれるデティールが配され、満足満足(特にネモ船長はナミダものです!)。これで監督に、もうちっと19世紀的エレガンスに長けていたなら、もっと良かったんだけどね。まあ、文句なしに楽しめますから文句なし!(…って、同語反復でした) 7点(2003-09-16 15:22:07)(良:1票) |
504. あひるのうたがきこえてくるよ。
ええっと、とりたてて椎名氏のファンというわけじゃないのですが、この映画に関しては、そんなに悪くないんじゃないか…と思いますですよ。何より、シネマスコープで撮られた風景が正しく日本の田舎していて、登場人物たちの奇妙なズレ加減も、氏の小説よりもエッセイに通じるものがあるし。次の『白い馬』は意あまって力足らずという結果だったけど、この、等身大の気軽さで撮った本作は、良質のプログラムピクチャーという感じで、実はちょっと気に入ってます。 7点(2003-09-16 14:21:29) |
505. レイダース/失われたアーク《聖櫃》
個人的にこういった冒険活劇ものは大好きで、シリーズ第1作のこれが中でも一番この手のジャンルに忠実かな…とは思うのですが…なんか、展開が目まぐるし過ぎ、見せ場盛り込み過ぎだなあ。もちろん、スピルバーグとルーカスが往年の連続活劇を現代のノリでリメイクしたというのは分かるんだけど。アドレナリンの量だけが目的化した、こういう刺激の押し売りは、たぶん「映画的」じゃないと思うのですよ。ハリソン・フォードのインディアナ・ジョーンズは、もう完璧。できればこのヒトで、ハガードの『ソロモン王の洞窟』を映画化してほしかったなあ。 7点(2003-09-13 13:58:02) |
506. ザ・チェイス
アダム・リフキンという御仁、監督以上に脚本で意外なコメディセンスを発揮するんだよね。本作も、自分で監督しなけりゃ相当な快作になったろうにな。とは思うけど、それでもやっぱり楽しい映画。皆さんおっしゃる通り、車の中での会話や、マスコミの狂躁ぶりが、現代風スクリューボール・コメディしててイケてます。それにしてもクリスティ・スワンソン、何でもっとブレークしなかったんだろ? 7点(2003-09-06 19:05:43) |
507. 10日間で男を上手にフル方法
うん、悪くないんじゃないでしょうか。ありきたりなラブ・コメの定石も、ひとひねりすれば十分面白くなることを実証してみせた、脚本がまずお手柄。これまたありがちな音楽の使い方も、例えばマービン・ハムリッシュ御大を引っぱり出しておきながらコテンパンな目に遭わせるときの「カーリー・サイモン(!)」なんざ、抱腹絶倒だったし。けれど、最高の見どころは、やはりケイト・ハドソン嬢ですね。このノンシャランな、演技とも、地ともつかない存在感は、新しい時代のコメディエンヌ像を確立したと思いますぞ。彼女を見るためだけでも、カネを払う価値あり! 7点(2003-08-26 18:30:58) |
508. リスボン特急
か、かっちょいい~! とシビレまくった初見参時。でもその後、『サムライ』や『ギャング』を見るにつけ、これが必ずしもメルヴィルの代表作といえるものじゃないことを確認…。けれど、冒頭の雨と風に揺れる木々の中を男たちが車に乗り込むシーンの素晴らしさだとか、カトリーヌ・ドヌーブの超絶的美しさだとか、見どころはいっぱいだし、やっぱりかっちょいいよなあ、この映画。 7点(2003-08-25 18:26:41) |
509. ムーラン(1998)
ぼくも最近のディズニーアニメの中では、『アラジン』と並んで好きな1本。例によって、ディズニー調(ということは、アメリカ的にデフォルメされた)アジア像が鼻につくものの、『ポカホンタス』みたいな偽善臭はそんなに強くない。ヒロインの木蘭も、実に好感の持てるキャラクターになっているし。それに、皆さんもご指摘の通り、雪山のシークエンスはまさに圧巻。だのに、いかにも安直なクライマックスが、実に、実に惜しいなあ。 7点(2003-07-24 12:56:41) |
510. 隣人は静かに笑う
何となく『ソード・フィッシュ』に似たテイストだけど、こちらのほうがより怪しくいかわがわしい臭いがプンプン。こういうストーリーを考えて、映画にしちまう監督は、よほどのパラノイアじゃないかしらん? そんな、’電波系”人間ならではの無気味さを、楽しめるヒトにはオススメかも。個人的には、ジェフ・ブリッジスがああなるラストって、いくら何でもあんまりだと、つい良識派ぶってしまいたくなるのですが。…あ、これってネタばれ? 7点(2003-07-23 13:59:03) |
511. リトル・ダンサー
素直に良い映画。なんだけど、主人公の少年の夢をかなえてやろうとオヤジがあえてスト破りしようとするところの過剰な泣かせ場面がクサイ、クサすぎる、他の場面が自然に流れていたんで、余計に目立ち過ぎる…。どなたかも比較しておられたけど、『遠い空の向こうに』と展開がよく似て、こっちの方が圧倒的に高評価ですよね。だけど、ぼくには『遠い…』こそを愛したい。少なくとも、あっちのオヤジの方への共感の分。すみませんね、『リトルダンサー』ファンの皆さん…。 7点(2003-07-23 13:27:27) |
512. チャーリーズ・エンジェル フルスロットル
CGまみれのムチャクチャご都合主義な展開は、ほとんど往年のギャグ・アニメみたい。作品的にはお世辞にも完成度が高いとは言えないけれど、いやー、3人の”エンジェル”を演じぇる(…ハハ、親父だねえ)女優たちの何と楽しそうなこと! 彼女たちを悪役のデミ・ムーアと闘わせるというアイデアだけで、もうカネ払ってもオツリがくるってもんだ。それに、いろんな映画のおバカなパロディが次々と登場するものの、そこには作り手のピュアな愛情が感じられるし。このMcGって監督、ほんと映画狂なのね。特に『雨に唄えば』がお気に入りのご様子。うん、いい趣味してんじゃん。少なくとも『マトリックス』のウォシャウスキー兄弟みたいな単なるオタクじゃない分、好感度大! 7点(2003-07-15 14:29:51)(良:1票) |
513. 白痴(1999)
坂口安吾の原作をパラレルワールドもののSFのごとく大胆に(しかし物語はあくまで忠実に!)映像化した手塚真の野心が、すべてに成功しているとは言い難いけれど、見る者をその熱気で引っ張っていく。若い監督が小手先の才気を弄するばかりの作品に自閉するなか、彼の壮大な「ひとりよがり」は、一種爽快ですらある。ぼくは断固支持するぞ! とにかく、オープニングのぶっ飛び方にどうぞ驚いてくだされ。好き・嫌いは別にして、こんな映画、今までなかったから。 7点(2003-07-14 18:04:12) |
514. 悪の花園
西部劇というより、冒険ロマンてな感じ。スケールの大きな画づくりだし、物語なんだけど、今見ると(たぶん当時としても)展開ノロノロしすぎで退屈なんじゃないかな。もっとも、↓の方もおっしゃってますが役者たち、特にリチャード・ウィドマークの魅力全開で、かっちょいいキザな台詞の数々も実に決まってます。バーバード・ハーマンの、ヒッチコック作品の時には絶対ありえないような正調ハリウッド大作風音楽も面白いし。 7点(2003-06-30 14:17:17) |
515. 逢いたくてヴェニス
ヒロインがとにかく魅力的! ちょっと歌手の岡本真夜ににているヒラメ顔なんだけど、子連れで浮気旅行のダンナを探して復讐(!?)の旅に出る、その珍道中ぶりが、実にファニーでチャーミングに描かれているのがいい。ただ、あの子どもが、何だか大人たちの身勝手さの犠牲になってるのに、映画はそのことにまるで無頓着ってのが…。でも、拾い物的オススメ作品です。 7点(2003-06-30 11:48:54) |
516. ダークシティ
監督は「子どもの頃の妄想を映像化した」みたいなコメントを残しているけど、確かにこれは真性のパラノイアですな。ほら、電波が俺をあやつっている! とか、あの家の表札が少し歪んでいるのはスパイの暗号に違いない! とか言うのと同じレベル。この街は宇宙人によって***てる! なんて具合ね。しかし、そういうアブナイ雰囲気を濃厚に漂わせつつ、しかしビジュアルセンスは相当なもの。フイルムノワールなタッチと、センス・オブ・ワンダーのミスマッチぶりに結構ハマってしまいました。 7点(2003-06-27 19:03:09) |
517. ロリータ(1997)
エイドリアン・ライン監督っていうんで、作品的興味とは別の期待(笑)をもって見たものの、意外にもかなり上出来じゃん。原作の持つ内省的なエロスがきっちり表現されており、やはりただのスケベ野郎じゃなかったんだ、と見直す。ドミニク・スウェインのロリータは健闘しているものの、どうもただのイヤなズベ公にしか見えず、こんなガキに振り回されるジェレミー・アイアンズのハンバート・ハンバートの哀れさと愚かさが際立つってのも、怪我の功名っていんでしょうか。中でも、フランク・ランジェラの怪演に、思わず「ブラボー!」と心の中で叫んじまったです。 7点(2003-06-11 16:11:32) |
518. レプリカント
ヴァン・ダム愛好者としては、皆さんの意外(?)な好評価にウルウル。正直、脚本はヒドイものだと思いますが、2役大好きなヴァン・ダムは、ここでも正反対な善悪ヒーローを楽し気に演じております。それに、何と言っても、現代最高の役者のひとりと信じて疑わないマイケル・ルーカーが、本気でヴァン・ダムと演技でタメはっているのにも感動! 確かにB級作品ではあるけど、いいね、いいね!! 7点(2003-06-11 15:25:42) |
519. ミート・ザ・フィーブルズ/怒りのヒポポタマス
グロいよねえ。こんな悪趣味極まりないキワモノ映画を作ってた野郎が『ロード・オブ・ザ・リング』を撮るにいたるってのも、人類の”進化”の証明(?)と言えるんでしょうか…。もっとも、作品は実に面白い。十分に愛らしいパペットを使って、スプラッターな狂騒的ドタバタ残酷喜劇を展開するっていう、発想そのものがなかなかです。つまり、趣味の良い悪趣味ってやつですな。 7点(2003-06-06 15:04:21) |
520. ホーム・アローン3
シリ-ズ1・2作がちっとも面白くない(どころか、あの主人公のガキに、言い知れぬ”反感”を抱いてしまった…)者としては、正直言ってこの3作目が最も楽しかった。あのマコーレー・某なるこまっしゃくれた子役に替わって主演に選ばれた男の子が、いかにも愛嬌たっぷりで、それだけでも高得点。そして、間抜けなテロリスト一味も、あくどいコミック調ドジっっぷりじゃなく、たんじゅんに”悪いやつら”ってのがいい感じです。なかでも、紅一点のあの女優、実にイロッぽくてカワユイかったし…。てなワケで、「必見!」とは決して申しませんが、結構見どころのある拾い物ではありますヨ。 7点(2003-06-03 10:49:33) |