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かっぱ堰さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1248
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

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501.  杉沢村都市伝説 劇場版 《ネタバレ》 
乃木坂46のメンバーが主演するホラー映画シリーズ3作の3つ目で、主演は伊藤寧々という人である。「劇場版」とあるが、ほかにOV版とかTV版とか小説版があるわけでもないらしいのは、同シリーズの「死の実況中継 劇場版」「デスブログ 劇場版」と同じである。 シリーズ3作はみな都市伝説を扱っているが、この映画の「杉沢村伝説」は本当にあった都市伝説であり、看板とか鳥居とか岩など結構忠実に見せている。もとの話では青森県にあったとされているが、それをこの映画では「噂で終わった」ことにしていたので別の場所ということになる。ちなみに登場人物が村へ行く途中で見えた看板の「高山・市民の森」は静岡市葵区の山間部にあり、山の斜面に茶畑らしきものが見える場面もあった。近年いわれるオクシズ(奥静岡)での撮影だったかも知れない。  内容的には、ホラーとしての密度はあまり高くない。主人公が村に行くまで全体の半分くらいが経過し、その間に怖さの演出もあるが雰囲気だけである。 村に行ってからの出来事は、もとの都市伝説に「津山事件」(1938)のイメージが含まれているので似た感じになるのは仕方ないとしても、殺人鬼の扮装まで「八つ墓村」(1977)や「丑三つの村」(1983)だったのはどうかと思う。同じく昭和初期の事件が廃村の原因だったという意味かも知れないが、しかし昭和初期にしては民家の柱にエアコンか室内照明のリモコンが取り付けてあったりして、撮影に使ったお宅の様子がそのままなところが見えたりする。屋外でも道がタイル張りだったりカーブミラーがあったりして、この世のものでないはずの村も時代に合わせて変化しているのかと思わせた。基本的に真面目に作ったようではあるが、何かと突っ込みどころの多い映画だった。  なお少しよかったのは女性2人が村へ行く途中の雰囲気で、道の近くに少し険しい山がそびえる風景は異界に踏み込む緊張感を少し出している(送電線は邪魔)。と思ったら交通量の多い道路に行きついたりして、現実との境界が入り組んだ様子を見せていた。 登場人物としては、主演の人は149cmとのことだが、同行した兄の彼女(演・美紀乃)もそれに合わせたのか小柄な人で、この可愛らしい女性2人が馬鹿な男連中のせいで危険に晒されるのが痛々しく見えた。兄がいなくなれば妹の自立が促されるはずとの発言もあったが、優しいお姉さんが一緒にいてくれれば全てうまく行ったのではと思うと少し悲しい。
[インターネット(邦画)] 4点(2022-09-24 09:44:53)
502.  死の実況中継 劇場版 《ネタバレ》 
乃木坂46のメンバーが主演するホラー映画シリーズ3作の1つ目で、主演は能條愛未という人である。「劇場版」とあるが、ほかにOV版とかTV版とか小説版があるわけでもないらしいのは、同シリーズの「デスブログ 劇場版」「杉沢村都市伝説 劇場版」と同じである。 劇中の都市伝説は架空のもののようで、映画の冒頭から主人公(が演じる劇中ホラーの登場人物)が殺されるまでの一連の部分がそうだとすると、①まず人が死ぬ映像を見たことで呪われ、②その後に来たメールのアドレスを開くと「メリーさんの電話」風の展開になる、という順序になる。うち②で本人が普段使う道を何かが走って来る動画付きなのは悪くない。また“あなたの後にいるの”的な演出は少し怖かった。 ただ①②がスムーズに融合しておらず、題名の「死の実況中継」と、別の“赤い服の女”とでもいうべき話を無理に接合したように見える。またラストでこれが別の形で再現され、観客のところにも“赤い服の女”が来るという感じにしたかったようでもあるが、途中のメール受信が省かれていたのが半端な印象だった。動画チャンネルに貼られたリンクをそのままクリックする形ならよかったか。  当方としては気楽に見られる安手のアイドルホラーを期待していたわけだが、ストーリーは意外に面倒くさく作られている。理屈がよくわからないので適当にまとめると、主人公は進学後の新しい友人と先輩のおかげで高校時代の記憶の呪縛から逃れられるかと思ったが、旧友のせいで先輩と友人を失ってしまい(多分)、改めて自分の意志で立ち向かおうとしたにもかかわらず、結局は旧友との「共依存」関係に引き戻されて終わったように見える。呪縛はかえって強まってしまい、主人公が憎んでいた「理不尽」が続いたまま今生も来世も生き続けなければならなくなった、ということか。かなり真面目に作ったようで、同監督の「デスブログ 劇場版」よりはいいかと思ったが、褒めるには微妙な印象の映画だった。 キャストとしては、主人公役のアイドルは悪くない。序盤で錯乱する場面などはいきなり経験不足にも見えたが、登場人物の息を荒くして変な印象になるのはこの監督の特徴のようでもある(前記「デスブログ 劇場版」と「黒蝶の秘密」(2018))。なお劇中の映像サークルの人物像を結構作り込んでいたようだが、申し訳ないが見る側にとっては関心ない(全員まとめてバカ)。
[インターネット(邦画)] 4点(2022-09-24 09:44:46)
503.  吸血怪獣 チュパカブラ 《ネタバレ》 
配給会社によればグロテスク・ホラーだそうだ。チュパカブラとは南米で有名なUMAらしい。 原題は「チュパカブラの夜に」であって、午後に始まり翌日の朝で終わるが、その間の一晩に壮絶な殺し合いがあって登場キャラクターがほとんど死滅する。動物の死骸とか緑色の吐瀉物とかシチュー状の血液とか人体損壊とか内臓を焼いて食う(肝臓か)とか汚い・グロい場面が多いので、苦手な人は見ない方がいい。 話としては人間同士が延々と殺し合うだけで怪物は脇役のようでもあり、そこに貧相な殺人鬼まで絡んで来るのでまとまりなく見える。しかし本筋に見える家族間抗争と怪物が全く関係ないわけでもなく、さらに例えば今回帰省した男が、怪物の出現を含めた全ての発端に関わっていたと思うべきではないかという気もしたが、考えるための材料が揃っているかいないかわからないので面倒臭い。実際それほど暇でないので未解明で放棄する。 なおチュパカブラは最初の目撃例が90年代でわりと新しいものらしいが、この映画の時代設定は現代というより近代のように見える。あえて昔の話にした意図もわからないが、昔はこの程度のことはよくあった、という雰囲気は出ていたかも知れない。今はないともいえないだろうが。  その他の事項について、 ・エスニック調のテーマ曲が特徴的だが、軽薄なBGMがうるさいところがある。 ・チュパカブラは昭和の仮面ライダーに出た怪人のようで、着ぐるみの人間が中腰になってケモノらしく見せようとするのが間抜けくさい。 ・唐突に出た殺人鬼は役名が「Velho do Saco」(袋の老人)になっている。これはもともと悪い子を袋に入れてさらって行く怪人のことで、英語でいうブギーマンと同様に、聞き分けのない子を親が脅す際に使う言葉のようだが、それをこの映画では下世話な感じでリアル化してみせたらしい。本筋と関係あったのかはわからない。 ・動物の死骸が目立つ映画だが、エンドロールでは“撮影中に動物を虐待したり怪我をさせたりすることはありませんでした”(Nenhum animal foi maltratado ou ferido durante as filmagens)と書いてあり、本当はどうだったか別として一応気を使ったようには見せている。カエルは殺されなかったので無事かも知れない。
[インターネット(字幕)] 4点(2022-08-27 10:07:07)
504.  オーガストウォーズ 《ネタバレ》 
2008年の南オセチア紛争(ロシア・グルジア戦争)を扱っている。 2022年のウクライナ侵攻と似たところもあるようで、この映画には出ていないが、当時のグルジアがNATO加盟を目指していたということはあったらしい。ただロシアとグルジアの間に別民族の「オセット人」がいるのは事情が違っており、このオセット人とグルジア国家との間で、ソビエト連邦解体時から続いていた紛争の延長であることは台詞でも表現されていた。劇中ではオセット人がどこにいたのか明瞭でないが、少なくとも主人公が北オセチアの空港に着いてから乗ったバスで歌っていた乗客はみなそうだったのかも知れない。 ロシアが関係する紛争ではロシアが悪者扱いされるのが普通だが、だからといってこの紛争でグルジア国家が善ということにもならない。ロシア・南オセチア側だけでなく、グルジア側も民間人を攻撃していたことは国際人権擁護団体の報告にも出ており、それが劇中の無差別なロケット弾攻撃や、地下室の避難民に危険が迫った場面に反映されていたと思われる。ほか直接関係ないが、劇中出た「ベスラン」という地名が2004年の「ベスラン学校占拠事件」を思い出させたのは、周辺の難しい地域情勢の表現になっていたかも知れない。  映画としては戦争映画のようで戦闘場面は結構な迫力があるが、妙なファンタジー映像を売りにするのが軽薄な印象を出している。またドラマの面では、母の愛は何より強いことを表現するために、それ以外の美点が主人公に皆無になっていて全く共感できない。主人公の息子は、この戦争で真のヒーローとは何かを知り、将来は立派なロシア軍人として死ぬのだと思われる。 基本的にロシアの立場で作られているのは当然としても、見た結果としてロシアの味方をしたくなるわけでもない。このほかにグルジアの立場で作ったアメリカ映画もあったようだがわざわざ見る気にならない。  ちなみにクレムリンの場面では、大統領のほかに首相もいたように見える(似ている)。ここでこの戦争に関するロシアの立場が説明されていたようだが、それ自体の意味はわかるとしても、日本人の立場でロシアを擁護する義理は特にない。一方で、このままではロシアが侵略者として非難され、国際的に孤立して新冷戦に至ると警告するスタッフがいたのは悪くなかった。この男が黙らされたのはストーリー的に当然として、こういう異論をあえて劇中に入れた意図はわからなかったが、ここはかなり興味深かった。
[インターネット(字幕)] 4点(2022-05-14 09:46:06)
505.  七子の妖気 《ネタバレ》 
10年前に岐阜県の下呂温泉で撮った妖怪映画(違うか)である。 撮影のあった旅館「望川館」(ぼうせんかん)は当然いまも営業しており、現時点では「まん延防止等重点措置」(1/21~3/21)の期間中のため制約も多いが、宿泊に関してはガイドラインを守りながら通常営業をしているとのことである。ちなみに映画と関係ないが下呂温泉には「温泉むすめ」の下呂美月(げろみつき)というキャラクターがいるようで、「日本の各温泉地に宿る下級の神さま」であるから妖怪ではないらしいが、下級といってしまうとほとんど妖怪だ。  映画としては、面白いかというとそれほどでもなく個人的には笑えるところもない。やたらに男連中の裸体を見せられるのが煩わしく、その点「お湯かけ婆」には一瞬期待したが可愛く見せようという気もないらしかった。最後の打開策もかなり適当だったがそういうのにいちいち突っ込んでも仕方ない。 物語的には、異質に思われたものをただ排除するのでなく、共通点を認め合って理解し合い共感し合い、互いに尊重しながら共存できる関係を作ることが大事であって、その中で個人の自己変革も促されるという話か。そのためにも温泉という場が役に立つという意味だったかも知れないが、そうだとしてもそんなことにまでこの映画で思い至る人間がどこにいるかということではある。 一応は温泉PRという目的を果たしながらまとまった形で作ってあり、それほど悪くもなかったが、どこを褒めればいいかわからない映画だった。  出演者としては、最初に出た全裸の男が監督だったかも知れないがそれはどうでもいいとして(見なくていい)、男湯を占拠していた妖怪サビナシ役のユウコという人は「チャンベビ」という女性音楽ユニット(3人女子バンド)のメンバーである。このバンドは現在も活動中のようだが、YouTubeを見るとこの映画の前後らしい動画がいろいろ上がっていて、「新潟県粟島のテーマソング」「帯広の豚丼ソング」その他いろいろ聞ける。岐阜市の柳ヶ瀬の商店街でユウコさんがこの映画のPRをしている動画に和まされたので、他の人々には申し訳ないが、今回の出演者の中ではこの人が一番好きになった。その点では見てよかったと思った。
[インターネット(邦画)] 4点(2022-03-12 10:26:08)
506.  それも恋 《ネタバレ》 
主演の仁後亜由美という人は他の映画でも見たことがある。別に好きでもないが、素っ頓狂な声を出す役者ということで憶えていた。 短い映画だが、何か社会派的な性格を持たせたかったようではある。制作が2016年とのことで、近年見られた爆買いの雰囲気を映すとか、常習的な偽造といった行動様式を見せておいてから「ウソばっかだね」などとあからさまに言わせたりしている。一方で、日本で稼いで国に帰れば金持ちだとかいうのは大昔の話のようで、相手の男の人物像もそういう時代のイメージになっている。 個人的には現在の池袋北口とか西川口といった場所の実態を知らないので何ともいえないが、どうも微妙な違和感と今更感のある映画という気はした。しかし相手の男にもそれなりの事情があったことは説明されていたので、それぞれの事情で理解と共感を寄せる人がいてもいいのではと思った。  それよりも、題名に示された主人公のドラマとしては思うところもなくはない。何もしないで終わるよりなら何かした方がいい、という意味だとすればその通りだが(確かにそうだが)、それでどこまで妥協できるのか、その結果を納得して受け入れられるかの問題だということか。できれば後悔しなくて済むといいわけだが。 なお相手の男の台詞が聞き取りにくいのは困った。「デイエル」とは何のことかと思ったが、英語字幕のsexual serviceで何とか察せられた。
[インターネット(邦画)] 4点(2021-09-04 10:29:44)
507.  きばいやんせ!私 《ネタバレ》 
九州最南端の南大隅町にある「御崎祭り」を題材にして、祭りの再興と、主人公である不倫女子アナの再出発を重ねた映画である。 冒頭の「大怪獣ガメラ」は笑った(「小さき勇者たち ~ガメラ~」(2006))が、あとは笑わせたいのか何したいのかわからない地味な雰囲気で進行する。抑制的に見えるのはいいとして、かなりの時間にわたってどの登場人物にも共感できない状態が続くのはつらい。中盤の展開もいい加減な印象だったが、そもそも女子アナの心情など思いやる気にもならず、最後の心機一転も当該個人の問題なので自分として喜ばしいとも思えなかった。  地元振興という面からいえば、劇中の安いTV番組など大した役にも立たないだろうと思っていたが、実は地元民もその程度の認識だったようで、結果的には和牛日本一の方が重く扱われていた。また自称映画プロデューサーの顛末を見れば、TVだけでなく映画なども当てにはできず、さらにいえばこの映画自体に関しても、一応まともに完成はしたが本質は同じと取れる。要は、TV番組や映画など何かのきっかけくらいにはなるかも知れないが、本当に大事なのは人間の底力だ、と言いたかったのなら確かにそうだと納得できる(主人公のドラマとしても同様)。よくある地域おこし映画のようでいながら、上辺を飾らず本音を通した点ではいい映画だった。 個別の場面では「責める価値もない」という突き放した言葉が出たところが好きだ。豚舎が臭いという正直な台詞も綺麗事排除でいいことだが、しかしそもそも外部の人間をやたらに入れるなとは言いたくなった。  出演者としては夏帆が出ているから見たわけだが、劇中人物としては最後まで嫌な奴だったので見た意味がない。一方で太賀という役者は、最初の場面ではこんな男だったか?と思ったが、最終的には外見的にも性格的にも人が違ったように見えたのが面白い。要は序盤の軽薄で上滑りする感じの態度は彼なりの防御姿勢の表現だったようで、個人的にはここが人物描写での見所だった。 なお南大隅町は食堂経営者役の愛華みれという人の出身地だそうである。自分も昔、佐多岬まで行こうとしたが遠いので途中で断念した覚えがあるが、映画の時点でもまだ現地にはコンビニもないとの話が出ていた。ただ少なくとも2021年現在では大手チェーンの店舗もあるようなので、東九州自動車道のおかげか何かで交通の便はよくなっているのかも知れない。
[インターネット(邦画)] 4点(2021-08-21 08:48:27)(良:1票)
508.  The Room 《ネタバレ》 
あまりにも平凡な題名なので検索すると同名映画が複数出てしまう。 恋人同士の2つの部屋をSkypeでつないだ会話が中心になるが、この頃はまだそういうのが珍しかったのかと思ったらそうでもないようで、独創性の面で特に評価できるわけでもないらしい。最初にいわゆるファウンド・フッテージである旨の説明が入るので、映画で見えているのは就寝中を含め、全て誰かが撮っていた/見ていた映像ということになる。  ドラマの面では、男女4人の愛憎関係でいろいろあったようだがあまり突っ込んで考える気にならない。途中までは映画紹介に書かれた通り単なるサイコホラーかとも思ったが、明らかに異常な出来事も起きるのでただでは済まない雰囲気もある。最後はそれなりのオチが付くので肩透かしに終わることはないが、結果的にはよくあるオムニバスホラーの一編のようでもあった。 個別の場面では、心霊ホラー的な怖がらせもあったがそれほど怖くもなく、あからさまなドッキリの場面があったのは趣味が悪い(笑った)。なお部屋に鏡(姿見)があって部屋の一部がずっと映っていたが、何らかの演出に使われていたかはわからなかった。  キャストに関しては、宣伝写真の通り伊藤歩さんが大映しになる場面が多い(全身像もある)。劇中人物としては面倒くさい感じで、こんなのと親密になりたいとも思わなかったが、見た目としては甘えた表情も嫉妬も激情も憤怒も戦慄も全部含めて可愛く見えるのはさすがである。とにかく圧倒的な伊藤歩映画だったというのが個人的には最大の効用であって、それだけ書けば他は何も書かなくてよかった。
[DVD(邦画)] 4点(2021-07-10 08:42:48)
509.  グラディウス 希望への奪還 《ネタバレ》 
現在でいうウクライナの13世紀の話である。原題と英題は、主人公が当時のローマ教皇から王冠(ルーシ王)を授かったことを意味しているが、ただし主人公は「公国」の君主であるから、実際の称号は王ではなく「公」である。 物語としては細切れの場面を並べていく形だが、何がどうなっているのかよくわからない。若い兵士2人や暗殺未遂の荒くれ者など、登場人物として半端なのが多いのは短縮版か何かだからか。またひたすら鳴り続ける背景音楽がやかましいのはTVドラマのようでもある。全体として面白味のある話ではなかったが、陰謀の真相が最後に明かされたのは若干の意外性を出していた。 なお戦いのアクション場面はそれなりにあり、個人的には攻城戦の場面で、屋根の上が戦いの場になっていたのは少し面白かった。城郭建築が木造なのはこの辺では普通と思われる。  ところで一応粗筋を書くと、この時代のこの辺では、西から迫るドイツ騎士団と東から侵攻するモンゴルが脅威になっており、また各地の貴族勢力が安定を妨げていた。主人公の公国は、先代の死後に混乱状態に陥っていたが、主人公がまずドイツ騎士団に掣肘を加え、次に貴族勢力を討伐して公国を平定し、その上でモンゴルとは妥協して地位を保全した、という筋書きに見える。なおポーランド・ハンガリーといった周辺諸国は捨象されていたが、劇中で主人公の拠点とされていた都市は、現在はポーランド領になっている。 困ったのは、何を物語の柱にしようとしたのかわからないことである。いにしえのキエフ・ルーシの正統な後継者はロシアではなくウクライナだ、と主張したいのかと勝手に思っていたら、そのように見えなくもないという程度でしかない。ロシアでのモスクワ公国と違って、主人公の公国が現在のウクライナにまっすぐつながるわけでもないので、この地域に関わる歴史上の一つのエピソードというだけにとどまっている。またモンゴルの勢力下で、地元領主が貢納する代わりに統治を認められるのは、実際はロシアでもウクライナでも普通のことだったろうと思うが、この主人公の場合は何が特別だったのかもわからなかった。 そのほかドイツ騎士団の思惑がらみで王冠をもらえたのは喜んでいいことなのか不明だが、要は東よりも西につながるべきだと言いたかったのか。なるべく製作側の本意をくみ取ってやろうとはしたが難しい。外国の歴史映画は疲れる。  [雑記]映画と直接関係ないが、ウクライナ語のиをカタカナで表記する際、単独で「ウィ」ならまだいいとして、例えばДанило Галицькийを「ダヌィーロ・ハールィツィクィイ」と書くのでは日本人が読めない。「ダニーロ・ハーリツィキー」(またはハーリツキー)では駄目なのか。何のせいでこうなっているのか知らないが、これでは一般人には面倒くさい国と印象づけられてしまって親しみが持てなくなる。ウクライナ映画はもう見ない。
[インターネット(字幕)] 4点(2020-06-20 10:26:11)
510.  東京喰種 トーキョーグール【S】 《ネタバレ》 
基本設定が間違っているというのは前回書いたのでいいとして、また変に被害者ぶるのが気に食わないが聞かなかったことにするとして、今回は変態男の変な生態や変な欲望の描写が長いのでダレる。それぞれ持っているはずの武器のようなものもほとんど一瞬出るだけで、基本はただのアクション映画になってしまっていないか。あらかじめ原作段階から馴染んでいる人々が見て、ここは違うとか突っ込みを入れるための映画という印象だった。 出演者に関しては、いたいけな少女(今回少し大人っぽく見えた)は序盤で顔を見せただけで退場してしまい、また前回は古畑星夏さんがやっていた役も別人になってしまっている。呆れたのは、今回は佐々木希が少し活躍する場面があるのかと思っていたら出てもいなかったことで、それなら前回の顔見せは何だったのかと思ったが、考えてみれば当時もプライベートでいろいろ忙しかったからか。 なお山本舞香という人は、本人がけっこう硬派なタイプとのことでこういう役も向いているということらしいが、顔を見ればやはり可愛いのはいいことだ。またその友人役の森七菜(もりななな?)という人も、フレンドリーでちょっと煩わしい普通の女子になっていて好印象だった。やはり友達は大事にしよう。  ちなみに雑談として、偏見かも知れないが個人的感覚では、12星座のうちで最も格好悪いのはカニ座だと思っていた。カニ自体に罪はないわけだが、多くの人がカニといえば食い物としか見ていないような気がして(自分の周囲だけか?)、例えば自分は獅子座だ、というほど誇らしげに言えない。食い物というより先に、生き物には生き物としての敬意を持つことが必要だ。
[インターネット(邦画)] 4点(2020-06-13 08:57:02)
511.  アンダー・ザ・ウォーター 《ネタバレ》 
製作国として国名が3つ出ているが、映画の舞台はコペンハーゲンなのでデンマークの印象が強い。監督・脚本と主演俳優はデンマーク人、ほかにスウェーデン人やスウェーデン語話者のフィンランド人(エステルボッテン出身)も出ていたようである。 邦題はともかく原題の”QEDA”は一般に通用しない劇中用語のようで、「量子もつれ quantum entanglement」という科学用語を理解できる/しようとする人間も少数だろうから、これは製作側の独りよがりである。とても商業映画のタイトルとは思われないので、英題くらいにしておくのが妥当である。 全体的には北欧らしい作りということなのか、地味で不愛想な外見のためたまらなく眠くなり、字幕を見落として少し戻るということを何度も繰り返した。ただ同じ顔の人物(二役)が自然な感じで一緒に映っている場面があり、これが結構不思議ではあった。  映画のテーマとしては、一つは地球温暖化の問題と思われる。海水面の上昇でコペンハーゲンの街路がベネチアのようになっていたのは古典的な温暖化イメージだが、そのほか気候変動の表現として突然の嵐の場面もあった。塩分のために真水が失われて多くの生物種が絶滅し、人の健康も損なわれるというのは世界共通の一般論か不明だが(低地限定ではないか?)、2095年の男が2017年に来て、かつての世界がこれほど豊かで人の心も満たされていたと実感する場面は確かに現代人への警告になっている。ここは一般受けしやすい。 一方で時間ということに関しては、簡単に過去を変えてはならない、といったことを教訓めかして言っていた感じだが、そもそも人間というのは過去を変えられないので現実世界に向けたメッセージにはなっておらず、単に意外で悲惨な結末を面白がるだけのショートムービー的なもので終わった気がする。あるいは過去にこだわらず、未来を変えることを考えろという意味とも解釈できるが、それにしても回りくどい話である。  そのようなことで、学生のSF研とかなら内輪受けしそうなアイデアに、地球温暖化の話を加えてかろうじて長編映画にしたような印象だった。ほか劇中設定(地球温暖化と時間旅行)に関する疑問点もいろいろあるが長くなるので書かない。地球温暖化について何か言いたい人は見てもいい(ただし眠い)。 ちなみに「ひいひいばあちゃん」は確かに魅力的な女性だった(知的で賢明)。妻の先祖であるからには惚れて当然か。
[DVD(字幕)] 4点(2020-04-29 11:51:29)
512.  デスフォレスト 恐怖の森4 《ネタバレ》 
一般的な低予算ホラー水準で推移しているように見える。 前回まだしも見えていた人間ドラマ要素はほとんどなく、代わりにフリー記者を中心にしたミステリー調の展開になっている。これまで秘められていた各種事実が小出しになってはいたが、それで最後に何らかの到達点があるわけでもなく、結局予想も期待も裏切られた形で終わる。一方でホラー色は薄まっており、特に今回は映像効果が貧弱で昭和特撮並みに見える(もとからこの程度だったか?)。これで次回に向けて観客の関心をつなぐことができたのかと心配になるが、とりあえずここまで来たからには次回で完璧に真実を明らかにし、完璧に納得のいく結末を作ってもらわなければ困るという気にはさせられた。ちなみにフリー記者役の熱演がやたらに印象付けられる映画ではあった。 ほか細かい点として、「ご家族のところに…」「縁起でもない…」のやり取りは少し面白かった。また年長の看護師が絶体絶命になった場面の挙動がユーモラスだったが、ここは少し早回しにしていたかも知れない。もう一つ、題名のデスフォレストがどこにあるのか劇中では明らかにされていないが、今回「篠森病院」という名前が出ていたことからすると、本当に篠森(しのもり)という地名だったのかと思った。  なお今回はDVDにメイキングが付いていたので一応見た。名前からして異色のサイボーグかおりという人は、劇中では意外に普通の女子だったが(終盤の顔が見せ場か)メイキングでは本来の個性が丸出しのようで、理屈っぽく熱く語るのにためらいのない人だった。 また安手の邦画ホラーにアイドルは付き物だが、今回特に若い看護師(介護職?)役の藤田あかりという人の出番を見て、さすがにこれはもう笑うしかないと思わされた。その後にメイキングを見ると劇中そのままの雰囲気でしゃべっていて、どうも完全に地のままだったらしいのでまた笑わされた。この人は2018年に芸能界を引退したそうだが、この映画の出演はいい思い出になったのではないか。 そのほか謎の老婆役の下東久美子という人もレギュラー出演だが、メイキングには顔を出しておらず、またネット上で調べても他の低予算ホラーへの出演のほかコミュニティ演劇のようなものに出ていた(多分)程度の情報しかない。この人の存在が最もミステリアスだ。
[DVD(邦画)] 4点(2020-01-25 10:29:32)
513.  デスフォレスト 恐怖の森3 《ネタバレ》 
冒頭、前回出演の下垣真香という人が実年齢なりの大人っぽい姿で出たので一瞬期待したが、いきなり前回の感動物語をぶち壊しにする展開になっていたのは怒った。監督・脚本が代わったので、まずは前回スタッフの仕事をチャラにしてみせたのかも知れないが、その割に今回分のドラマがまともにできているわけでもない。 まず率直な疑問として、女子高生が性的暴行をされないで済んでいるのはなぜかと思うわけだが、実はされていたのを観客への配慮から映像化せず、曖昧にほのめかすだけにしたのかと後で思った(小学生が見る映画だったのか)。本当にそうなら黙認していた母親も相当の鬼畜ということになるわけだが、その段階から始めて最後の和解に至ったのであれば、今回なりに達成感のある人間ドラマができたとはいえそうである。 しかし実際には、よくわからない状態から始まって大した展開もなく、死ぬべき者は都合よく死んで愚かな者は愚かなままで終わったように見える。また大顔キャラがDV加害者を狙うのはいいとして、被害者(の支援者)まで襲うのは行動原理が不明瞭でストーリーに寄与していたようでもない。加えて特に今回は都合のいい展開が多すぎで(路傍にスマホ他)目に余るものがあったが、そういうことを含めて一般的な低予算ホラー並みとはいえる。 ちなみにレギュラー化しているフリー記者が今回は主役に昇格した感じで、物語の構造に変化が出ていたかも知れない。  映像面では、平野部の水田で野焼き(燻炭づくり?)をしていたのが目についた。また解説文では今回いよいよ東京進出というようなことが書いてあったが、事件の後は素直に田舎へ帰ったようで(秩父市か飯能市か)、ラストの映像からすると暗い森に棲んで変な声で啼く鳥のようなもの、というイメージかと思った。ほか終盤の娘と母親の再会場面は、一瞬のミスリードを狙ったのかも知れないが、あるいは回り道だったがやっとわかり合えた、ということの映像的表現かとも思った。そんなことまで読み取ろうとする真面目な観客は多くない。 ちなみに今回はアンクレットankletという言葉を習った。右足につけるのは特定の相手がいないという意味だそうだ。  追記: 娘がいわば“生贄”だったとすれば、そこから次回の老人につながっていくとも取れるが、それで最終的にまとまった話ができていたようでもない。どうも話がつながりそうでいて断片化した印象がある。
[DVD(邦画)] 4点(2020-01-25 10:29:30)
514.  デスフォレスト 恐怖の森 《ネタバレ》 
ゲーム原作ホラーとのことで、安手ながらそれなりに映画として見られるものになっている。一見正隆監督は、前に「いばらのばら」(オムニバス映画「恋につきもの」(2013)より)を見たことがあって全く期待していなかったが、まともに作ればそれなりだということが今回わかった。  全体としては簡素な作りで1時間に収めている。前半ではかえって時間が余っているようにも見えたが、中盤に至って林の中で「あれ」と指差した先に何かいて、浮足立ったように逃げ出した場面はいい感じだった。ガキの人間関係は煩わしいが、全部を他人のせいにするクレーマー気質の連中が先にいなくなり、残った人物で終盤の危機を乗り切るのはオーソドックスな展開で悪くない。 夜の場面は周囲が真っ暗で、光が当たった所だけ見えるのはいわばドキュメンタリーホラーの投稿映像の感覚ではないか(普段見ないがホラーDVDの「新作案内」に入っているようなもの)。もとからそうなのだろうが大顔キャラクターは出方が特徴的で、またフラッシュで一瞬白くはっきり見えるのはこのバケモノにふさわしい映像化と思われる。白塗り男も年齢不詳の独特な顔(笹野高史的)でけっこう不気味だ。濃厚なホラーというよりは、ゲーム原作らしい?ドライな印象でそれなりに面白い映画だった。  全部で5作あるとわかって見れば、今回はまず導入部として基本型を作ったようでもある。バケモノキャラクターのほか記者や謎の老婆はシリーズ共通の登場人物らしいので、次回以降の展開にも一応期待しておく。 ちなみに大顔キャラ役は奥咲姫(おく さき)という女優らしいが、事務所のプロフィールを見ると可愛い顔の写真が載っていて和まされた。そのうちちゃんと顔を見せてもらいたい(最後の写真がそうだったのか)。
[DVD(邦画)] 4点(2020-01-25 10:29:25)
515.  テール しっぽのある美女 《ネタバレ》 
ノルウェーの民間伝承に出る森の精霊「フルドラ」(定形単数huldra、不定形単数hulderフルデル)を扱った映画で、尻尾のある美女が男を惑わすという点を基本にして、ほかに歌とか再生といった関連要素を加えている。「トロール・ハンター」(2010)に続くノルウェー発の未確認生物映画のようだが、素っ裸の女性に男2人というのは「ジェーン・ドウの解剖」(2016)に先んじた感じもする。身長が160cm台というのはわりと小柄な方ではないか。 ちなみに原題のThaleの意味はわからなかったが、単に美女の個体名(ターレ)だったと思えばいいのか。少なくとも邦題にあるテールtailのことではないらしい。  ジャンルはホラーとのことだが特に怖くはなく、低レベルのドッキリがあるだけである。若干グロい・汚いところもあるが自分的にはそれほど大したものではない。映画紹介に書かれた通り、特殊清掃の現場で発見された謎の美女の正体が何なのかを明らかにしていく話だが、設定とか展開はわりと適当な感じなので、あまり突っ込まないようにして見た方がいい。 途中段階ではロリコンジジイの話かと思ったが、最後は一応の物悲しい雰囲気を出しており、例えばネコを愛玩しながら生きていた老人が死んで、その後にネコが外の世界に出て行った感じと思えば身につまされるものはある。ただし終盤で娘との再会場面があり、また最後に「(母方の)祖父と母に捧ぐ」という言葉が出ていたことからすれば、ロリコンでもネコでもなく父と娘の関係がテーマだったらしい。ラストのナレーションで語られたことが劇中でも表現できていれば感動的だったろうが、そうでもなかったのでもっとちゃんと作ってもらいたい。  全体的に低予算映画のようではあるが、映像面では(CGの造形を除き)悪い感じはしなかった。ノルウェーっぽい風景も少し出ており、湖?(入江?)の向こうにある羊蹄山のような山はどこなのかが気になった。「ターレ」は美女といっても野性味が出ているが(女優は20代末)、少女時代は可憐で可愛らしい。外見だけ見て野生動物を欲しがるな。
[インターネット(字幕)] 4点(2019-11-30 14:29:14)
516.  呪われた都市伝説 紫鏡<OV> 《ネタバレ》 
有名な都市伝説をもとにしたホラーである。本来は題名の言葉を20歳まで憶えていると死ぬというだけの話だが、この映画では“鏡の中の世界に連れて行かれる”という派生要素をもとにして別世界の話を作ったように見える。 ホラーといっても特に怖くもなく、死に直面した人間模様を延々と見せられるだけで、感情表現がくどく叫び声がやかましいのが気に障る。映像面では、彩度を落としてほとんどモノクロに見えるのは別にいいとも思わないが、建物の外部を迷路のように見せていたのは少し面白かった。  ストーリー的には、わざとわかりにくくして観客が考えるよう仕向けていたようだが、そういうのは煩わしいのでやめてもらいたい。 制作側の思惑はともかく勝手に解釈すると、まず「死斑の女」の本当の目的は友達を作ることだったらしい。20歳の時点で友達もおらず人生に前向きになれない者は適任ということになるが、ただし友達にする前に、自分の醜い顔を認識されないよう相手の頭を変にしていたと思われる。割れていない鏡はお友達のしるしかも知れない。 主人公には友達がいたので不要として処分される見通しだったところ、唯一助かる道を当の大事な友達が閉ざした形になった(同じ看護学校?)のは皮肉ともいえる。しかし主人公の仮説に従えば本当に助かったのかも実は不明であり、廃墟で「死斑の女」の仲間にされないよう、人として生命を終わらせてくれたとも取れる。本人も、友達への警告と引き換えに20歳で一生を終わるなら本望と思ったかも知れない。 なお単純に20歳で死ぬだけの話に、その時点で生きる気概を失っている状態を関連付けたとすれば一定の工夫かも知れない。20歳までしか生きないというのは本来、大人になるのが怖いという思春期っぽい不安の表現だったのではと思うが、そんなことを多くの人間は20歳までに忘れているのに対し、別の理由で20歳の誕生日を迎えたくない連中が狙われるということなら悪くない。  ほか出演者は個性的な美形女子(みな20歳の想定)が多いので目を引くが、騒ぐのがやかましいので好きになれない。ただ主演の岩佐えみりという人は、あまり派手な顔ではないが見ているうちに愛着がわいて好きになった(名古屋の出身らしい)。ちなみにどうでもいいことだが、最初に出たガラの悪い男の「きゃ」「じゃ」「すけ」などの言葉は青森県あたりの方言ではないかと思うが意図不明だった。
[DVD(邦画)] 4点(2019-10-23 23:20:44)
517.  スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号 《ネタバレ》 
最初が1973年に始まっているが、40年も遡るというのは中高年向けのサービスなのか、あるいは現代のファンを含めて仮面ライダー世界の幅を広げようという考え方か。それにしても顔出しの主要人物で、時代の違うライダー(※)をばらばらに出すのはよほど年季の入ったマニア向けのようで、その間の経過を追って来たわけでもない自分としては誰が誰だか区別がつかず、かろうじて役者として竹内涼真の顔を知っていたくらいである(内田理央という人も見たことがある)。 1973年当時のことをいえば、個人的には仮面ライダーというもの自体が低学年向けと思っていたので真面目に見ていた覚えはないが、それでもアマゾン、ストロンガーといった一応名のある人々を小物のように扱うのは、当時のファンにはどう見えるのかと思う。また、たまたま最近見て嫌いでないと思っていたフォーゼ・ウィザードの扱いが適当なのはかなり気に入らない。過去のライダーを粗略に扱うのはこの映画に限ったことではないようだが、初めて実際に気分が悪くなる事例を見た。 ※仮面ライダーBLACK(1987-88)、BLACK RX(1988-89)、ファイズ(2003-04)、ブレイド(2004-05)、電王(2007-08)  また、最初に世界を改変して異世界設定にするのは劇場版だとよくあることかも知れないが、そのことで一応ディストピア風の話を作っておきながら、ラスト近くでスーパー戦隊が突然現れるのはさすがに場違いに見える。もともと「仮面ライダードライブ」(2014~15)と「手裏剣戦隊ニンニンジャー」(2015~16)のクロスオーバーという前提だったようで、個人的にもニンニンジャーは嫌いでない(かすみ姉のファン)ので出ること自体は結構だが、逆に出番が短すぎて人の顔がよく見えないのは非常に不満だ(山谷花純・矢野優花の2人、男は見なくていい)。そういう面では、霧子という人の出番以外に見どころがなかったようでもある…ただしレースクイーンは格好よかったかも知れない。 個人的には仮面ライダーシリーズ自体に特に思い入れはなく、部外者的な立場で見ても面白いものを作ってもらえればそれでいいわけだが、今回は残念ながらそのようにはなっていなかった。
[インターネット(邦画)] 4点(2019-09-15 16:56:44)
518.  たいむすりっぷメガネ 《ネタバレ》 
2011年から2014年まで活動していたアイドルユニット「AeLL.」(エール)が所属していた芸能プロダクションが製作し、メンバー4人が出演したアイドル映画である。主演の篠崎愛という人は巨乳だそうだがこの映画では隠している(脚は見せている)。撮影場所の山梨県南アルプス市というのは、このグループが地元と協力した農業体験イベント「AeLL.村プロジェクト」をやっていた場所らしい。  内容としては、地元眼鏡店(時計店)で作られた眼鏡をかけると一回だけ過去に戻れるという他愛ない設定をもとに、現代→高校時代(8年前)→また現代、という三部構成を作っており、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の矮小化版のようでもある。宣伝上は「ハートフルコメディ」とのことだが実際そう簡単ではなく、まず最初の現代を殺伐とした世界に見せておき、タイムスリップ後の高校時代ではその殺伐感を引き継いだようでいて微妙に笑わせる要素を取り入れながら、最後は映像効果付きのドタバタコメディにまで発展する。最後の現代はまた真面目な展開になり、普通にハートフルな内容にして最後を締めている。タイムスリップの効果としては、主人公の周囲の状況が著しく改善された一方、一番大事なことは結局何も変わっていなかったように見えたが、しかし外面的に変わらなくても本人の気づきがあった、というのが物語の落ちらしい。 導入部からコメディへの移行があまりスムーズでなかった気はするが、主人公が机の引き出しに片足を入れた場面など、真面目な顔で笑わせるような感覚は嫌いでない。コメディだと思えば、主人公が同級生に「老けた」と言われるとか、古典的スケ番の扮装が突っ込みどころというのもわかる。途中で何となく間が悪いようなところもあったが、結果的にはそれほど悪くないと思わされる映画だった。  ちなみに個人的にはこの映画で南アルプス市のイメージが向上するということは全くなかった。当初段階で地元に残っていたのがろくでもない連中ばかりに見えたのはともかく、市役所ぐるみで悪徳業者に騙されるなど全くいいところがなく、景観面でもそれほど美的なところはなかったが、地元の人々がこれで満足だったのであれば結構だ。
[インターネット(邦画)] 4点(2019-08-24 15:07:32)
519.  スマホ拾っただけなのに 《ネタバレ》 
題名は見た通り「スマホを落としただけなのに」(2018)のパロディだが、中身は意外にも「カメラを止めるな!」(2017)に近い。登場人物の男3人が映画研究会なのも映画愛の表現といえなくはないが、要は洋物ホラーオタクなだけというのがレベルのほどを感じさせる。ちなみにオマージュ的な場面もあったようで、自分としても「シャイニング」(1980)はさすがに気がついた。  本家(カメ止めの方)がA-B-A'の構成とするとこの映画はA-A'-Bになっているが、問題なのは本家と同じく最初のAで見るのをやめたくなることである。どれほど低級映画に見えても一応ここは乗り越えなければならないが、さらにこの映画ではBを挟まないA-A'のため、すぐまた同じことを繰り返している印象があるのと、種明かしの面でもなるほどと思わせるものがなく、こういうところはやはり本家がうまく作ってあったということになる。なお一か所だけ、賞味期限の件は笑った。 最後のBはスプラッターになっており、これも大して面白くはないが、本家(スマホの方)にもあった遠隔操作を別の方法でやっていたのが目についたほか、序盤から予告されていたしつこい妄想展開が特徴だったとはいえる。少し和まされたのは素朴な恋物語をからめていたことで、これは基本的には悪くないと思ったが、終盤の悲惨な展開のあとに最後だけ暢気なのは呆れた(人が死んでいる)。 キャストとしてはヒロイン役(冨手麻妙)の胸と脚を目立たせているのが見どころだが、この女優が出るからには素直で可愛いヒロインで済むはずがない、と最初から思わせるのが重大なネタバレ要因になっている。また孫娘役の神田美優という人(熟女系AV女優とは別人、モデルの神田みゆとも違う人)は地元の群馬県桐生市出身とのことで、役者としての今後の活躍を期待したい。  以下余談として、この映画は劇場公開ではなく2019/4/17にDVDレンタル&配信開始だそうだが、劇中で「最近の老人は運転危ねえからな」という台詞があったのは、リリース2日後に発生した池袋の悲惨な事故を思わせる。ただこの映画では運転者側に落ち度はなく、また当時も言われていたように自家用車がないと生活が困難な地域の事例であるから、一概に運転をやめろと言って済む話ではない。東京都板橋区などは問題外として、地方での免許返納を促進するための支援や仕組みづくりが望まれる。
[インターネット(邦画)] 4点(2019-08-17 09:56:53)
520.  時時巡りエブリデイ 《ネタバレ》 
カワイイ系女子が出ていないので事前の期待が高まらなかったが、主演の鳥居みゆきという人は独特な雰囲気で悪くない。また仁後亜由美という人が「かしこい狗は、吠えずに笑う」(2013)に出ていたのは最近見たので覚えていたが、覚えていたというだけで親しみがわくわけでもなく冷ややかに見ていた。それでも結果的には「なんだとー」という台詞が心に残った。 タイムリープの濫用で問題が起こるのは「時をかける少女」(2006)でも見られたが、今回はやっているのが女子高生でもなく可愛気もないため気分が乗らない。時間遡行に関する基本設定はよくわからなかったが、こういうのは真面目に考えるだけ損をする予感があるのでこだわらないことにする。主にタイミングの関係で突発的に笑わされる場面はあったにしても、基礎的なところでそれほど面白いと思わなかったので、平均点を落として大変申し訳ないがそれなりの点数にしておく。要は個人的に合わない映画だったということだ。 なお主人公の居住地は都市部だか農村部だかわからない微妙な生活環境で、映像的にもしょっぱい感じの印象を出している。撮影場所はよくわからないが、少なくとも主人公の家があったのは埼玉県草加市(東京都足立区に隣接)である。また登場人物同士が衝突した自販機のある場所は東京都板橋区だったようで、大体そういうところで撮影していたものらしい。
[DVD(邦画)] 4点(2019-08-17 09:56:51)
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