41. ブラックホーク・ダウン
《ネタバレ》 現代戦争モノの中では『ジャーヘッド』と並び群を抜いて素晴らしかった。 良く戦争映画で描かれる『人の尊厳』やら『人を殺すことへの葛藤』『敵兵士を悪者に仕立て上げるための過激演出』等が前に出る事は無い。 とにかく『民兵とアメリカ軍兵士による市街地戦』と言う『状況』をただただ描くのみ。そしてその演出がとにかく素晴らしい。 最新装備と一流の訓練等、個体戦闘能力では圧倒的有利なアメリカ軍が、訓練も装備も劣りただただ『物量』で押し寄せてくる民兵に苦戦を強いられる様はヒッチコックの『鳥』の様な恐怖感があった。 各登場人物の描写もされているがあくまでメインとなる戦闘シーンの合間に挿入される程度で、メインはとにかく戦争戦争戦争。大げさかもしれないが、本当透明人間にでもなってその場にいると感じてしまう程凄い臨場感だった。おかげで中盤の『止血』シーンは本気で気分が悪くなった。 メッセージ性も無くは無いが、ベタな戦争映画の様に『見せつける』のではなく、戦闘中の兵士の仕草や会話から『感じ取る』様に描いているのも面白く、ラストの帰還シーンはジェットコースターから降りた後の様な清々しさがありました。 後になってリドリー・スコットが監督だと言うの知り、本当彼の多才さに驚愕。 [DVD(吹替)] 8点(2011-05-14 18:43:42)(良:1票) |
42. パンドラム
《ネタバレ》 たまたま最近プレイしたからかもしれませんが、『映像版デッドスペース』と言う印象を受けました。 実際イベントの発生具合や流れもゲームのイベントっぽかった気がしますし、睡眠装置の窓枠なんてアイザックさんのバイザーそっくり・・・・・気のせいかな? 『新天地である惑星を目指す移民船』『突然冷凍睡眠から目覚める主人公』『記憶が錯乱し、何も思い出せない』『機能停止してる船に得体の知らないエイリアンが』『ラストのオチ』等、正直どれも見たことある感があり、所々突っ込まずにはいられない箇所もあった。 またタイトルにもなっている『パンドラム』ですが、簡単に言うと宇宙に出た人間が掛かる精神障害なのですが、物語の根底に掛かる割には実際のストーリーとの絡みが少なく、後半のネタバレも込みでもう少し伏線の張り方を工夫して上手く演出して欲しかった。 だが演出やアクションの緩急など全体的な出来は良く、またこう言ったSFホラー的作品自体少ないのでパッケージやあらすじを見て気に入れば十分満足できる内容でしょう。 最後に主人公ですが、あんた武器落とし過ぎ。 [ブルーレイ(吹替)] 6点(2011-04-03 21:38:08)(良:1票) |
43. クロッシング(2009)
《ネタバレ》 『うだつの上がらない警官が最後に見せた勇気』『病弱な妻と子供のため、最後の最後で大金の魅力に負け罪を犯した麻薬捜査官』『麻薬バイヤーとの友情と出世(犯罪撲滅的なモノではない)の板挟みになる潜入捜査官』。この三人の人生を描く。確かに『雰囲気』は凄く良く、発砲シーンも迫力があった(単純な音量ではなく演出的意味)。 だが、邦題やパッケージ裏に書かれているような『交差』は一切無く、本当に一瞬だけ三人が道を交わっただけで関わる事件も何もかも違っていた。 たぶんこの監督さんは上述した三人が持つ『正義』の部分に焦点を当てた言わば『三本のショートフィルム作品を一本にした』ものを目指しており、交わる部分はほんの香辛料的な演出程度に考えていたと思う。 確かに一本一本では弱いがそれを同時進行で見せたりすることで魅力は上がっているし、リチャードギアの『結末』があるからこそラストも僅かながら救いを感じることもできる。 だが残念がら日本スタッフのお馬鹿さん達はそこを微塵も理解しておらず、だからこんなアホ丸出しなタイトルとあらすじで全然的外れな広報をしたんでしょう。 そのせいでどうしても見たかったものと違ってしまった『落胆』が生まれてしまい、点数を下げざるを得ない。 なので、変に三人の絡みを気にせずに見れば+1点の面白みはあります。 [DVD(吹替)] 5点(2011-04-03 16:27:22)(良:1票) |
44. TO(トゥー)-楕円軌道-<OVA>
《ネタバレ》 ベクシルに懲りずにまたCGアニメ作りやがって、しかも全然進歩してない。 元ネタがあるかどうかは知りませんが『冷凍睡眠を繰り返した結果母親が年下に』と言う演出は悪くなかった。 ただ相変わらずスピード感がゼロ。ステーション外での撃ち合いなんて目も当てられない出来。 脚本もや設定も昔のSFやらアクション映画やらの一部を切ったり張ったりしたような内容なので相変わらずのパッチワーク仕様。 宇宙ステーションを乗っ取ったテロリストが全員『何で?』と思うような行動や『どうして?』と考えてしまう考えばっかりする。要はお馬鹿さん。 しかも登場人物全員が自分の役に『酔いしれている』ような台詞を吐きまくるから本当喜劇。 全2巻らしいがもういいや。 次回作はやっと自分の居場所を思い出して実写監督に戻るみたいですし楽しみです。 [DVD(邦画)] 1点(2011-02-09 12:18:57) |
45. 機動戦士ZガンダムIII 星の鼓動は愛
《ネタバレ》 TV版は再放送で視聴しましたが、重要部分以外は忘れていました。 パッと見た感じまとまってるように見えるが、キリマンジェロはもちろん、本作の中でも個人的にかなりの魅せ場であるダカールの演説を丸々カットしたのは残念すぎる。 作画の新旧入り混じり具合も悪く、ラスト部分くらいは全部新規にして欲しかった。 そして何より、無印ガンダムやグレンラガンの劇場版みたく多少のズレはあっても結果がほぼ同じであったり、憶測ですが某新劇場版や某男の世界劇場みたく時間軸が一緒で非パラレルワールド的な設定なら構わないが、既に世に出ているその後の物語(ZZ)を『無かったことにする』的演出が個人的に大嫌い。 いかに本人がその作品に嫌悪感を抱こうが、既に世に出ており、それを見てガンダムを好きになり育った人もいると言うのに、それを平気で塗りつぶそうとするなんて大人の考える事かよ。 もし今自分自身が伝えたいことがあるんなら新作出せば良いだけの話だし、大人の事情でそれが出来ないなら頑張るべきで、今回の様な手段を取るべきではないと考える。 仲間や敵も含め大勢の人間が死に、それを悲しむことも無く事態の中心にいる、そんな過酷な状況に置かれた人間の末路を、『ニュータイプ』と『少年』と言う設定で描いた。だからこそTV版のラストは感動に近い悲壮感を覚えると同時に、殺し合いの醜さを感じることができ、また今回は悪い方向には垂らしてしまったが、逆説的に『他人を理解できるからこそ優しくすることもできるはず』と言うニュータイプの可能性も感じれた。 つくづく思うが、作品に込めていあるメッセージ性的なものは、視聴者がその作品を見て、考えて初めて心に残るのであって、最近の、特に日本の作品(実写アニメ問わず)に多い、誇張され過ぎた『メッセージの押し付け』演出はよろしくないと感じる。 残念ながら本作の結末の場合も、TV版にあったそれらのメッセージ性がストレートに伝わり過ぎてしまい視聴者に『考えさせる』と言う行動を放棄させてしまってる。さらに改変された結末では、『結局主人公は何やっても無敵(ハッピーエンド)』と言う洋画程度の出来に落ちてしまっている。 [DVD(邦画)] 2点(2011-01-21 23:57:33) |
46. 機動戦士ZガンダムII 恋人たち
《ネタバレ》 TV版は再放送で視聴しましたが、重要部分以外は結構忘れてる。 時系列的に分かんない部分はⅢ部の感想に書きます。 正直三部作の中では一番分かりにくく、総集編と割り切って見てもちょっと辛い。なので一見さんはお断り状態。 フォウに関してはカミーユとの関係もしっかり描かれており、旧作に比べると地味ながらしっかり結末まで描いてくれていた。 しかし、ロザミアに関しては原作の1割程度しか消化できていない上、ギャプランから脱出した時点でフェードアウト。第三部でMk-Ⅱ話やるかと思ったらいつの間にか死んでいたりとかなり可哀そう。 サラとベルトーチカに関してはまぁ可もなく不可も無く。 作画のギャップに関してはⅠ部より酷い。アッシマー戦みたいな完全新規は無、フォウとのやり取り部分なんて新旧作画が入り乱れ二人とも別人レベル、新規なら新規、旧版なら旧版しっかり分けてほしい。 また、フォウとあれだけガッツリ分かり合おうとしたのに、宇宙に上がった途端(少なくても劇場版ではそう見えた)ファとキスしようとするカミーユに軽薄感を感じた。 折角初登場のZガンダムも、カミーユ初搭乗&初出撃でいきなり大苦戦、その後もヤザンブラビにやられたりとMk-Ⅱ乗ってた時より弱く感じた。なのでZ一番の見せ場はアポリーが乗ってた時と寂しすぎ。 [DVD(邦画)] 4点(2011-01-16 10:36:26) |
47. 機動戦士Zガンダム 星を継ぐ者
《ネタバレ》 TV版は再放送で視聴しましたが、重要なポイント以外は結構忘れちゃいました。 この一作だけ見れば最低限重要な所はしっかり押さえている、てか三部作の中で一番面白い。 それでもZを全く知らない人には辛いかも。それと作画を完全新規にしなかった理由をどこかで監督が述べていましたが、その意見に賛同するかは別としても、やはり視覚的キャラクター描写に関しては相当違和感を覚えた(新規部分が綺麗過ぎる)。それなら新規部分はMS戦闘や宇宙空間でのやり取りだけと区別してもらえると嬉しかった。 噂の完全新規アッシマー戦に関しては一見の価値あり、毎回思うが富野さんは戦闘シーン描くのが凄く上手いです。 [DVD(邦画)] 6点(2011-01-16 10:35:10) |
48. デイブレイカー
《ネタバレ》 全く期待しないで観に行きましたが予想に反して面白かったです。 雰囲気的には『ブレイドの世界で吸血鬼が世界征服した後の物語(地球上で吸血鬼が栄え人類は血液採取用の家畜)』と言った感じを受けた、実際人類の扱いや日光を受けて消滅する時の演出等似てるものが多いですし。 ただ主人公の性格はブレイドの様な『好戦的』ではなく『インテリ』であったり、行動目的が『吸血鬼への復讐』ではなく『人類(吸血鬼含め)を救う』であったり差別化はきっちりしてあります。 尺的にも丁度良い長さで、盛り上げ方や話の繋ぎ方も十分及第点越え。ご都合主義的な展開も無くは無いが少ないし全然許容範囲でした。 吸血鬼に対する『解決法』に関しても、『過度に摂取した場合は毒だが適量なら薬になる』や『灰から蘇ると言う意味も不死鳥伝説や某RPGの復活方法を考えればそこまで無理矢理感はしない』を踏まえて面白く、それを活かしたエンディングへの持っていき方も良く出来ていた。 難点を言うのであれば、吸血鬼が一定の条件を満たすと怪物化してしまう設定が本編に余り絡まず『時間稼ぎ』的な使われ方しかされていなかったり、主役キャラ達に比べ脇役達に割いている尺が短く、それなのに重要な役割を担わせているせいか『いきなり話に割り込んできた』感が強かったりと、若干バランスの悪さを感じた。 あと『吸血鬼は鏡に映らない』と言う演出はいらない。本編に全然関係ないし、あれのせいで無駄にファンタジー色が入ってしまっている。そこまでやるなら霧に変化できるようにもした方が良かった。 粗が無いわけではないが、それ以上に話が良くまとまっている。『傑作』とまではいかないが十分『良作』の域。若干のグロ演出とお化け屋敷的ビックリが苦手で無い方であれば、暇な時に見に行けば十分満足できる内容。点数的には6.7ぐらいだが、監督2作目でこの出来なら大したものなので繰り上げて7点。 評価に関係しなかったが、ヒロインの捕まる回数がめっちゃ多いのがちょっとおかしかった。 [映画館(字幕)] 7点(2011-01-01 21:25:35)(良:1票) |
49. べクシル 2077 日本鎖国
《ネタバレ》 日本が鎖国状態に入り、輸出品や不法に外国にやってくる『日本人』からも内部事情が一切分からない。そしてついに主人公の所属するチームは情報が一切不明な日本への潜入を試みる。 ・・・・・・・と、ざっと書いたあらすじだけ見るとそこそこ面白そうだが、残念ながら本編が全くその期待に応えられる出来ではなかった噛ませ犬作品。 CGに関しては確かに綺麗だが、スピード感が皆無。個人的にフルCGは、実写やアニメ以上に躍動感や迫力を表現するのが難しいジャンルと考えており、そしてその壁を見事に超えられずにいる。そう考えるとピクサー作品って本当に凄いと思う。 ストーリーも侵入→発見される→レジスタンスと共闘→危険な作戦を決行→成功→ボスと色々→終了と教科書に載ってるようなテンプレ。 レジスタンスの子供が死んだり、ヒロインの葛藤とか所々シリアス(笑)なシーンもあるが、スタッフが『ここできっと客は感動するだろう!!』と言う思惑が画面からにじみ出てきて気持ち悪かった。百歩譲って出来が良ければ気にならないが、これまたパッチワークのように挿入した感がバリバリ&お粗末脚本のためNG。 設定も『新薬を打たれ、しばらくすると敵の意思に忠実に動く人形になる』『変なお巨大芋虫形ロボットがいる』『東京(?)以外の土地は資源取り尽くされ砂漠化(山すらない)』等、キラリと光りそうなものもあるが、使い方が下手だったりそもそも面白くない物だったりと残念な出来。特に最後のやつに関しては松本零士氏の『ワダチ』ともろカブりな上あっちの方が面白い。 正直金だけ無駄に掛けた素人映画と言っても過言ではない。確かこの監督『俺の才能が世界に認められるには、海外で浸透しているアニメの方が相応しい』とか言っていたが・・・・・・実写に戻りな。 [映画館(邦画)] 2点(2010-12-29 13:27:16) |
50. ONE PIECE FILM STRONG WORLD
《ネタバレ》 原作は誌上でのみ購読中、でもそこまで面白いとは思わない。アニメは見ておらず、劇場版も半分以上は見ているがコンプはしていない。と言う者の感想です。 製作総指揮に原作者がいるせいか、コレまでの劇場版に比べて作画はかなり綺麗でした。 ただそれだけで、内容的には『無難』以上にはなれなかった。 面倒なので箇条書き。 『冒頭に『冒険』要素を入れたのは良いが、多すぎる仲間を全員描写しようとしたことも相まって尺取りすぎ』 『そのせいでクライマックスの見せ場がルフィのみ、サンジやゾロにも敵はいたがシリーズ屈指のかませ、てか金獅子って伝説の海賊(20年準備してた)のクセに仲間の層が薄すぎ』 『殴り込みやウソッチョの活躍シーンにヤクザや戦国っぽい要素を取り入れたのは良いが、フランキー&ロビンに至ってはここが最大の見せ場で敵すらいない』 『金獅子に最初負けるシーンも無理矢理負けてる気がする。奇襲だったとはいえあんなにあっさり負けるかねぇ』 『なにより金獅子に魅力ゼロ。ワンピの敵って変に頭使うから『姑息』に見えちゃうんですよね。ビジュアルや技のショボさもあり、どうしても同じ系列ボスのクウラやブロリーに比べると印象薄い』等々 まぁ話が破たんしてるわけでもなく、後半のバトルは確かに格好良かった。だが、いかんせん『大人も見て楽しめる』レベルには達せず、『大人の視聴にも耐えられる』止まりな印象。良くも悪くも『原作』を本当に動画にしただけで『動画ならではの演出』や『コレまでのワンピースとは毛色の違った』的な『冒険』はなかった。 原作好きには楽しめると思うが、そうでない映画好きにとってはコレと言った残るもののない作品でした。 伏線みたいのもあったみたいだが、良く分かんないし興味も無いので評価への影響はゼロ。 ただポニー(で良いのかな?)+眼鏡着用のロビンの可愛さが『凶器』だったため+1点。 [地上波(邦画)] 5点(2010-12-27 17:35:43) |
51. ルパン三世 1$マネーウォーズ<TVM>
《ネタバレ》 ゲストヒロインが敵側のラスボスと言う珍しい設定、しかも結構魅力的。 極悪冷血かつ優秀な守銭奴、そんな孤高の彼女の前に現れた初めて『対等』の存在になりうる可能性を秘めたルパンはさぞかし魅力的だったのでしょう。そう言う意味では後半の軽率な行動も、正に『悪い男に騙された』典型ながら納得できるしそのギャップがまた可愛い。 彼女以外に敵側に『小物』しか配置しなかったのも、彼女がいかに孤独な存在であるかを引き立たせる効果になっているので結果オーライ。 そして同時に、ここまで女性に対して無慈悲に徹底的に突き落とす(まぁ戦争で儲けようとしてる女ですから自業自得)ルパンもハードボイルド全開で非常に格好良し(シリーズの前か後で女性を殺してしまう回もあったが、ルパンの心情(アニメ設定ですが)である『女性不殺』を理解してない馬鹿作品なので無効)。ラストの、無一文になった彼女に最後のチャンスを与えながら容赦無く負かすあたりまたシビれる。 ちょっとだけ出るゲストヒロイン2の存在も、『あの女もこうだったらルパンに惚れてもらえたのに』的な比較対象として十分役割は果たしてると思います。 あとキャラデザ(目の描き方)も気に入りました。電話で必死に抗議するとっつぁん可愛い。 [地上波(邦画)] 7点(2010-12-24 00:04:11) |
52. ルパン三世 お宝返却大作戦!!<TVM>
《ネタバレ》 ゲストキャラである少女の中盤からの登場具合は若干強引過ぎる気もしなくはないが、それでも出来としては良いと思う。 ルパンが世界中(しかも結構有名な観光スポット)を飛び回ってお宝を返す過程もテンポや緩急のつけ方も良く、所々入るアクションも結構頑張っていました。 何気に次元や五右衛門が敵に捕まったり深手を負わされる話も珍しくて○。 特にラストの『お宝』は今まで見たルパンの中でも特に『良かったなぁ』と思いちょっと感動。ここでもアクションも中々良質。 21世紀ルパンの中ではオススメ出来る分類に入ると思います。 [地上波(邦画)] 6点(2010-12-23 22:03:26) |
53. 名探偵コナン 漆黒の追跡者
《ネタバレ》 個人的コナン映画ランキングで上位にいる『天国へのカウントダウン』に近いと聞いていたが、ただ黒の組織が出てるだけで内容や雰囲気は全然違いました。 謎解きも視聴者へのヒントの出し方が適当で、トリックがわかっても『なるほど!』と素直に感心できなかった。少年探偵団や服部の出番が少ない(尺的な意味で、活躍はするんですがね・・・)のもちょっと残念。 ただクライマックス部分のアクションは凄かった。もはや探偵映画ではないが、こういった魔法やSF的演出の無い(コナングッズはまぁギリギリセーフ)アクションは結構新鮮だった。 特に我らが蘭ねぇちゃん。コレまでも『ナイフを持った犯人に臆することなく襲いかかる』『高層ビルの窓ガラスを蹴破る』『空中に放り投げたタオルを手刀で切り裂く』等、冷静に考えるととてつもないスペックを魅せつけているが、今回は遂に『数m先から撃たれた弾丸を避ける』『バリッバリの暗殺のプロと素手で互角の戦いを繰り広げる』ともはや『県大会優勝』では説明できない域にまで到達してしまいました。コナン君もその後頑張るが、彼女の美しき雄姿を見た後はどうしても薄れちゃいました。 そんなワケで『探偵映画』でなく『アクション映画』と見ればそこそこ面白かったから [DVD(邦画)] 6点(2010-12-11 08:24:08) |
54. クレイジー・ハート
《ネタバレ》 話に起伏は皆無だが、のんびり丁寧に60才手前の男を描いた作品。 悪くは無いが、この内容で2時間弱は長過ぎ、序盤のどさ周りをもうチョイ短めに描いて100分位で終わらせてくれれば良かったという印象。それか息子とのシーンをもっと増やせば2時間でもアリかな(最後も結局オチ付きませんでしたし)。 ただ主演のジェフ・ブリッジスさんは良いはまり役。酒とたばこと音楽と女に生きる60才手前の落ちぶれミュージシャンを熱演。ラスト、コレまでの自分の行いを悔いて断酒した後体格もしっかり痩せていた所からもプロ意識を感じました。 休日の午後にまったりしたい時に見ると良いかもしれません。 ああ言う『老後』は男としては憧れるなぁ(もちろん禁酒後の方ですが)。 [DVD(吹替)] 6点(2010-12-05 23:12:27) |
55. 秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE3 ~http://鷹の爪.jp は永遠に~
《ネタバレ》 初めて鷹の爪を劇場で観賞。相変わらず最高であんだけ劇場内に笑い声が聞こえたのは初めてでした。 コレまでに比べると、世界情勢パロはありながら全体的にアクションやアドベンチャー的展開多が多く、ある意味一番エンタメっぽかったです。 でも最高、2では触れなかったフィリップの幽霊ネタをここでブチ込んでくるとは。 ただ新キャラのジュリエットを演じた声優さんの演技がイマイチ。それとちょくちょく出てくる芸人はいらなかったな、面白くも無いし。 内容としては前2作と変わらないクォリティーでしたが、もう中学生が生理的に大嫌いなので毎回そのシーンに不快感を感じてしまうので-1点。 どこの馬鹿が命令したかは知りませんが、鷹の爪はそんな最近のブーム(芸人やアイドル起用)に乗らず我が道を突き進んでください、何処までもついてきますから!! 一日でも早くの『5』公開を楽しみにしています。 [映画館(邦画)] 9点(2010-12-04 18:45:55) |
56. 宇宙戦艦ヤマト 復活篇
《ネタバレ》 一応私の情報を、すでにブームは去っていましたが、親の影響で物心付いたときはヤマトのファン(ライトですが)でした。そんな私からすると残念ながら今回評価できる点は『ヤマト人気再燃の可能性を作ってくれた』と言うただ一点のみ。『なぜ今更17年前に沈んだヤマトを復活させるのか理由がない』『敵の大将が自分の作戦を大々的に古代たちにバラして作戦失敗』『被弾確率の高い(演出ではなく純粋な確率で)第3艦橋に電算室を作るというぶっ飛びぷり、で壊れます』等、穴のない部分がないと言ってもいい演出やストーリーも『ヤマトイズム』と言えば聞こえがいいが、ただの手抜き構成(昔はそれが面白かった、と言うかそんなの気にならないくらい勢いがあったが今作はそれすら無い)。作画やCGは及第点かもしれないが、個人的にはTV放映したマクロスFの方が上、それどころか被弾したのに傷はおろか汚れすら付かないヤマトに極萎え。昔、敵の猛攻を受け、ボロボロになりながらも果敢に戦い続けたあの雄姿に感動した私としてはこの手抜きは誠に遺憾だ!てかラストバトル時、砲塔内が吹き飛ぶシーンあったのに次のシーンでは砲身が折れてすらいない、いい加減にしろ。昔と今では、アニメに関わる人間や作品自体の質も量も全く違う。言っちゃあ悪いが現場を長期離れた80歳超えのジジイにもはや出る幕はない。おとなしく版権整理で老後を過ごして、続編は別のアニメ制作会社に担当してほしい(監修もダメ)。スタッフロールでいきなり監督:西崎義展ととんでもないでかさで表示されドン引き。こういうことする奴にロクな奴はいない。ちなみにデスラー出ません。。 [映画館(邦画)] 0点(2010-11-29 16:40:22) |
57. デビルマン
《ネタバレ》 これを見た後に原作を見ました。いやはや、原作未読でも酷いと思いましたが、原作を見ると更に酷いと感じました。なぜアレだけの傑作を原作にしながらこれ程の駄作を作れるのか。いや、むしろ『原作クラッシャー』として製作者達は類稀な才能を持っていたのだろう(もちろん映像作家としての才能は皆無)。 映画の見せ場を予告編で余すところなく公開するって馬鹿だろ? 原作の名場面を所々挿入しているが、『作品内に絡める』と言う目的ではなく『作品中に挿入する』が目的でもうツギハギだらけ。貴方達にあの原作を実写化できる才能はございません。 他にも言いたいが書くのも面倒。とにかく『全てが駄作』。スタッフは全員永井先生のところに行き土下座しなきゃダメです、そして二度と映像作品の製作に関わる仕事をしないで頂きたい。 『人生を無駄にする感覚』を体験するにはうってつけの作品。 [DVD(邦画)] 0点(2010-11-18 11:10:47)(良:2票) |
58. ジャーヘッド
《ネタバレ》 恐らく『戦争映画』を作る上で99%の監督が描くであろう戦闘シーンを描かなかった異作。 『ここで戦闘があるだろう』と言うシーンでも何も起こらない、次こそ何かあるかと思えばやはり何も起こらない。視聴者からすればストレスにすら感じるが、これって作中の兵士との心境をシンクロさせる見事な演出だと思う。 必死に訓練して、砂漠のど真ん中に放り出され、命の危険を感じる、それでも敵と戦い生き残ることで快感と開放感がそう言ったストレスを紛らわしてくれる。だがもしそれすら無ければ・・・・。 不謹慎な表現かもしれないが、例えばあなたがゲームをしていて、何時間もレベル上げを行い、難しいクエストをこなして装備やアイテムを集め、準備完了で魔王の城に乗り込む。一歩進むごとに様々な演出が気分を盛り上げ、コントローラーを握る手にも力が入る。だが結局敵は現れず、魔王も戦わず降参してしまった。激怒するでしょう? それがリアルの戦場で起こった場合人間がどうなるか、と言う今までにない切り口で『戦場に赴いた兵士たちの精神』を描いた作品。 うーん説明が難しい、とにかく『斬新な戦争映画』を見たければご視聴あれ。 演出も終盤の油田のシーンは非常に神秘的で面白かった。 上記の内容とは別に『スタンドバイミーの大人&戦場バージョン』みたいな響きに興味が湧いた人にもお勧めです。 [DVD(吹替)] 9点(2010-10-30 16:49:08) |
59. キャスト・アウェイ
《ネタバレ》 無人島でのサバイバル描写は非常に見ていて楽しかった。ただのボールに顔を描き、名前を付けて話しかけているシーンは最初彼の心情を汲んでも痛々しかったが、脱出の際波にさらわれ泣く泣く彼を見捨てたシーンは気付けば一緒に泣いていた。 そして生還後はさらっと終わってくれれば良かったが、無駄に長く暗いのでヘコんだ。 ただこの映画を見て『絶対虫歯はすぐ治そう!!』と心に決意しました。 [DVD(吹替)] 6点(2010-10-28 20:39:17) |
60. ボーダー(2008)
《ネタバレ》 アメリカの『ビッグスター共演』的な作品て大抵演者にストーリーや演出が喰われてしまいがちだが、本作に至っては喰われる以前に単純にストーリーが陳腐。 捜査に関しても何も手掛かりをつかめずただあっちへフラフラこっちへフラフラ。冒頭の『犯人の証言』も胡散臭さバリバリ、で事件の真相もカビが生えたような平凡オチ。脚本的にヒントも入れたつもりだろうが『俺はあいつが犯人で無いと思います(だって犯人俺だもん)』とかただのとんち、『推理』の『す』の字も無い素人以下な出来。 確かに二人の熱演は良かったが他の要素が完全におんぶに抱っこで見れたもんじゃない。あのさぁ『映画』って『プロモーション映像』とは違うんだよ? 後で評価者さんが紹介していたヒートを見てみたがあっちの方がまだ良かった。 [DVD(吹替)] 3点(2010-10-12 21:20:25) |