41. 白鯨との闘い
《ネタバレ》 人間が踏み込めない領域が存在し、さらに人間が踏み込んではいけない領域がある。前者はクジラが暮らす大海原であり、後者は遭難した男たちが生きるために取らざるを得なかった行動。それらへ無自覚に踏み込んでゆき、奇跡的に生還した者たちの実話に基づいた物語です。 『白鯨』は映画でしか見ていなかったけれど、本作を見たおかげで原作を読みたくなりました。アメリカ人の文学的素養の元ともいえる小説で映画『ディープ・インパクト』の作中でロバート・デュバルが「最近の若い奴は、『白鯨』は知ってますよっていうけど、映画で見ただけでちゃんと小説を読んでない」ってグチるアノ「白鯨」を。 [映画館(字幕)] 8点(2016-01-19 01:25:21) |
42. アントマン
《ネタバレ》 予告篇以上の予備知識なしで鑑賞。主人公の設定が、根が善良なムショ帰りのダメ父というのがストーリーに活かされていて楽しい。ムショ仲間のダメ男たちも責任感あるし、仲間思いだし、とてもいい感じ。アントマンと聞くと、ドルゲの手下の戦闘員を思い浮かべる世代ですが、大満足のヒーロードラマでした。縮小された世界のビジュアルも迫力満点。トーマスの笑顔ってなんだか気持ち悪いと思ってしまう世代でもあるのでさらに満足度upです。アベンジャーズ物の常として、今後の展開を匂わせるラストのつけ足しっぽいエピソードが、マイク水野のあの傑作のどんでん返し並みにいくつもくっついているのも楽しかったです。 [映画館(字幕)] 8点(2015-10-04 11:15:48) |
43. ラブ&ピース
《ネタバレ》 変な映画なんだけど、結構好き。ウルトラQ「育てよカメ」、バットマンリターンズ、デトロイトメタルシティ、ガ*ラ、サンタクロース、トイストーリー3などなどなど、様々な曲者映像作品にインスパイアされたのかオマージュをささげたのか、とにかく監督の脳内麻薬が出まくってる映画。いかにも「特撮」といった手触りのクライマックスのスぺクタクルも楽しい。続編ではぜひ巨大化した電気ウナギ犬が都市を蹂躙するシーンが見たいぞ!RCサクセションの「スローバラード」が使われるのだけれど、マジなのか冗談なのか?さらに西田敏行の熱演はデビット・ハドルストンよりもサンタクロースらしくて、良い。サンタの悲しみに焦点が当たるのが斬新でした。 [映画館(邦画)] 8点(2015-06-28 09:47:12) |
44. シェフ 三ツ星フードトラック始めました
《ネタバレ》 ツイッター炎上というSNSの負の面と、情報拡散によるメリットをセンス良く、並列して描いているところが素敵です。わざとらしい悪人も、いき過ぎた善人も出てこず、ほっこりした気持ちにさせてくれる物語。ああ、キューバサンドイッチが食べたい!! [映画館(字幕)] 8点(2015-03-09 00:46:15) |
45. フォックスキャッチャー
《ネタバレ》 実話がベースでありながら、サイコホラー映画の手触り。デュポンを演じたスティーブ・カレルの賜物か。 金持ちの変人がコカインとアルコールに溺れるとヤバいってことがよく判る作品だった。 [映画館(字幕)] 8点(2015-02-21 22:33:43) |
46. アメリカン・スナイパー
《ネタバレ》 イラク戦争は、イラクが大量破壊兵器を保有しているというアメリカの言いがかりに端を発したものだというのが大前提の物語である。 父の教え、(自分では読んでいないだろう)聖書の教えを忠実に守った青年が、戦争の中で壊れてゆく。4回に及ぶ戦場への出征。しかも、行く度に戦地の状況は悪化し、作戦は雑なものに…。 祖国と戦友を守ろうとしたヒーローは、女子供を戦闘に使う近代戦の中で心を蝕まれる。主人公は自分と同じく、戦争に傷ついた者たちを救うことで自分も救おうとした。 戦争の非人間性だけでなく、ヒーローという存在の内面の重さにも触れた見事な作品だと感じた。 [映画館(字幕)] 8点(2015-02-21 22:27:51)(良:1票) |
47. UN-GO episode:0 因果論
《ネタバレ》 坂口安吾作品の換骨奪胎であったり、テーマを活かしたアレンジであったり、エピソードごとのストーリーがとても面白かったTVアニメ「UN-GO」の劇場版。シリーズの前日譚でありながら、シリーズ終盤のエピソードに絡んでくるという物語の作りが憎い!主人公を演じる声優が、前髪クネ男やプロミスの勝地諒なのがポイント高いです。 [ブルーレイ(邦画)] 8点(2014-10-05 18:56:06) |
48. LUCY ルーシー
《ネタバレ》 某週刊誌の映画紹介ページで、予告と内容が違う(無国籍アクションが「2001年宇宙の旅」的なラストをむかえる、みたいに書いてあった)と書いてあったので、興味が湧き映画館画へ。あ、友人からは「2001年宇宙の旅」というよりは「ナイトヘッド」ですよと言われたことも、肩を押された一因かな。で、第一印象は「電送人間」とか「マタンゴ」に続く、東宝特撮のお家芸、変身人間シリーズかと(これ、褒めてますから)。スカーレット・ヨハンソンが口から吐く熱線(?)が、ハリウッドからきたアイツよりパワフルだったのも嬉しい。中盤のカーチェイスで、道の向こうから車だけごろごろ転がってくるのは、「ゴジラ2000ミレニアム」みたいだったし(これも褒めてます)。「全脳力解放美女ルーシー」みたいな邦題がよかったなと思うような、とにかく楽しい作品でした! [映画館(字幕)] 8点(2014-09-06 17:01:59) |
49. ウォッチメン
《ネタバレ》 平和を実現するためには、「敵」が必要だという皮肉。ベトナム戦争に従事し、心が荒み麻薬に溺れ、孕ませた女を射殺するヒーロー。一度自分をレイプしかけた男と寝てしまうスーパーヒロイン。作中ですべてを超越したパワーを持つヒーローとして登場したDr.マンハッタンですら、自分を見失う有様。ヒーローも含めて、人間の心の弱さを見事に描いた作品だと感じた。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2014-08-16 04:03:01) |
50. 御用牙 かみそり半蔵地獄責め
《ネタバレ》 1作目を見事にスケールアップした続編。スキンヘッドの女子萌えの方には溜まらない一作です。映画に対してひとかどならぬ思い入れとアイディアを持った勝新太郎作品らしさは、斬新かつカッコいいBGMを生み出しました!作曲はアニメ「ジャングル大帝」や特撮ドラマ「マイティジャック」の冨田勲。時代劇のニューウエイブと言いたくなる逸品です! [ビデオ(邦画)] 8点(2014-06-29 09:09:35) |
51. 御用牙
《ネタバレ》 三隅研次+牧浦地志コンビの映像美が冴える作品。オープニングのマルチスクリーン風画面で江戸の町を往く勝新太郎の映像のイメージ豊かなこと!最近のハリウッド製アメコミヒーロー大作も真っ青です。同様にエンディングもカッコいい!村井邦彦&モップスの音楽もCool!!小池一夫原作なので「子連れ狼」を連想しますが、鑑賞後の印象は『ポルノ時代劇 亡八武士道』!!ナカナカのいちもつ、イヤ失礼、逸品であります。 [ビデオ(邦画)] 8点(2014-06-29 09:02:33) |
52. ゴジラ(1954)
《ネタバレ》 60周年記念デジタルリマスター版を鑑賞。ビデオ、LD、DVDなどでさんざん見ていたけどスクリーンで見るのは十何年ぶり。傷もなく、音声もクリアー。そのおかげで、劇場サイズでの鑑賞にふさわしいクオリティの特撮映画であることを再認識。作り込まれたミニチュアとぬいぐるみで表現されたゴジラの重量感。モノクロ画面だからこそ表現できた、まるで悪夢に出てくる具象化された恐怖のようなゴジラの真っ黒い姿。この先も映画史に残り続ける作品でありましょう。 [映画館(邦画)] 8点(2014-06-15 10:00:55) |
53. HK/変態仮面
《ネタバレ》 ちょうどいい感じの「バカ映画」で好感を持ちました。 低予算でも気にせずに堂々とした作品作り。 どんなに下らない描写もマジに描く潔さ。 まったく期待しないで見たのですが、ナカナカの拾い物でした。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2014-02-22 19:25:56)(良:1票) |
54. フェニックス ~約束の歌~
《ネタバレ》 アイドルっぽいバンドのボーカルが主演だし、ホスピスが舞台で子役も出て来るので、お涙頂戴もの+恋愛を韓流特有のくどい演出で見せられるものだろうと覚悟してました。 それが、見事に裏切られました。 イホンギ演じる人気歌手が、酔っぱらって一般人に暴行。その罪を償うために病院で奉仕活動をする羽目になるのですが、行ってみるとそこは普通の病院ではなく、死を待つ患者だけが入院しているホスピス。しかも経営が苦しくて売却されそうなのです。そこで患者たちの素人バンド「フェニックス」がTVのオーディションに挑戦。なんとかホスピスの売却を避けようとするが…という物語。 わざとらしい泣かせが鼻に着くこともなく、よくできたドラマです。バンドのドラマーで、元ヤクザを演じたマ・ドンソクが素晴らしい! [DVD(字幕)] 8点(2014-02-02 19:36:55) |
55. ズーランダー
みなさんのレビューがまさに賛否両論なので、「賛」に一票。 下らなさ炸裂でしたね! [CS・衛星(字幕)] 8点(2014-01-19 14:52:55) |
56. ウルヴァリン:SAMURAI
《ネタバレ》 アクションはスピード感満点で見ごたえあり。 権力にとりつかれたものが不死を求めるというプロットは、目新しくないものの充分納得。元婚約者とヒロインの関係性や親が決めた政略結婚など、ヤクザもののVシネっぽい設定も、無理が無い。 長崎から東京まで車であっという間、とか風呂のシーンとかは『007は二度死ぬ』へのオマージュかよ!と突っ込みたくなるが、楽しく鑑賞できた。 ところで真田広之のボディガードに小川直也がいたみたいなんだけど、本人? [映画館(字幕)] 8点(2013-09-22 19:49:04) |
57. ウィークエンド(1976)
《ネタバレ》 俗に言う「レイプリベンジもの」の中で多くはない傑作の一つ。 ブレンダ・バッカロがおばさんにしか見えないのが残念だけど 後半の復讐戦の迫力で鑑賞後は満足でした。 [映画館(字幕)] 8点(2013-09-16 19:12:36) |
58. 愛のコリーダ
常識からも社会からも背を向けて情欲の世界に溺れる女と男。行く末に明るい未来などあるはずもない。切なく、グロテスクなまでにエロチックな映像。見事な映画ではある。 本番AVなど無かった時代だからこそ、あえて本番を行った価値がある。が、これは演技の否定と言えなくもない。殺人者を描く映画で撮影のために実際に人殺すなど、あってはならないというか、その必要はないからだ。しかし、70年代の大島渚はチャレンジしてみたかったのだろう。そして、この作品のチャレンジは成功していると思う。 [ブルーレイ(邦画)] 8点(2013-09-16 00:39:44)(良:1票) |
59. 野良犬(1966)
シリーズ7作目。ルガーP08(作中では32口径?)や、ドラムマガジンらしきものを装着したグリースガンなど、66年の作品にしては珍しい銃器も登場。 これまで関西圏で活躍していた鴨井大介が、いよいよ東京進出。 非道な取材をしようとする新聞記者たちを「マスコミちゃうがな、マスゴミや」と一喝するのが楽しい! [CS・衛星(邦画)] 8点(2013-08-31 22:47:50) |
60. LAMB/ラム
《ネタバレ》 アイスランドの大自然があってこそ成立する映画。 行間が多く、淡々とした物語のようでいて、何かイヤが物が詰まっているかのような独特の雰囲気。 アダが何ともいえず可愛く、かつ不気味。 何も悪いことをしていないような者が殺され、 明かに罪を犯した者が生き残るラストがちょっと納得いかない感があるが、 ハリウッド製の良識のあるホラー映画に慣れてしまった自分の感性が悪いのかも。 楽しめた作品でした。 [映画館(字幕)] 7点(2022-09-26 00:04:25) |