Menu
 > レビュワー
 > イニシャルK さんの口コミ一覧。31ページ目
イニシャルKさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1489
性別
ブログのURL https://www.jtnews.jp/blog/22718/

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
616263646566676869707172737475
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
616263646566676869707172737475
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
616263646566676869707172737475
>> カレンダー表示
>> 通常表示
601.  富士ファミリー〈TVM〉 《ネタバレ》 
薬師丸ひろ子と小泉今日子、それに片桐はいりの共演にミムラと高橋克実も出ているというこのキャストだけを見れば「あまちゃん」や「梅ちゃん先生」が浮かんでしまうが、もちろんこの2本の朝ドラとは全く無関係なNHKの正月ドラマ。実は木皿泉脚本ドラマを見るのが初めてだったのだが、素直にとても面白かった。富士山のふもとにある小さなコンビニを舞台に、そこを経営する家族の人間模様を描いた人情喜劇で、笑える中にも人間の弱さや孤独といったものをサラリと描いていて、深みがあるし、生きている、ここに存在していることの素晴らしさを感じさせてくれる。そのメッセージがやや直接的すぎる気もするが、じゅうぶんに胸に刺さり心に残った。登場人物の中ではやはり笑子ばあさん(片桐はいり)が面白く、冒頭の食卓を囲んだ富士ファミリーの面々との会話や、幽霊になったナスミ(小泉今日子)とのやりとりが笑わせてくれるのが楽しい。でも、やっぱり、笑子ばあさんとマツコロイド(元は日テレのバラエティー番組に出てきたアンドロイドらしい。)のやりとりが上記のメッセージも出てきて印象深い。鷹子(薬師丸ひろ子)に20年以上同じ日にプロポーズしている雅男(高橋克実)が、ほかの人と結婚するので新居をコーディネートしてほしいと鷹子に頼むのも見え見えなのだけど、それが逆に安心して見ていられる。さっきも書いたが、本当に面白い、見てよかったと思えるドラマだった。続編もあるようなのでそちらも見てみようと思う。
[DVD(邦画)] 8点(2019-10-06 23:33:01)(良:1票)
602.  未来のミライ 《ネタバレ》 
アカデミー賞ノミネートで話題になった細田守監督の新作。まず、既に指摘されてる方もおられるが、主人公の4歳児の声が不自然で違和感を感じてしまうのが残念で、しゃべり方もなんか子供らしくない。この4歳児 くんちゃんが妹 未来が生まれたことにより、赤ちゃん返りで駄々をこねるシーンが多いのだが、それがちょっと不快に感じる。そんな彼が未来を受け入れるまでが主題のようで、それが主題なら「クレヨンしんちゃん」のひまわり誕生直後のしんのすけが赤ちゃん返りするエピソードのほうが良かったと思えてしまう。(実際、そのエピソードはすごく感動した覚えがある。)また、「未来のミライ」というタイトルでありながら、未来からやってきた未来の存在感が薄く、このタイトルにも違和感を感じずにはおれない。「おおかみこどもの雨と雪」や「バケモノの子」のように話を詰め込みすぎていない分は良かったが、いまいち何が言いたいのかよく分からない映画で、結局今回も面白くなかった。本作は細田監督に子供が生まれたことをきっかけに作った映画だそうだが、ひょっとして細田監督は自分の子供の可愛さを本作を見る人にも分かってもらおうという意図だけで作ったのかもしれない。だとしたら非常に押しつけがましい映画だと感じる。見る前は自分にも4歳と生後4か月の甥っ子がいるので、少しは身近に感じられるかと思ったが、ダメだった。
[DVD(邦画)] 4点(2019-09-30 17:32:24)
603.  ルパン三世 ルパン暗殺指令<TVM> 《ネタバレ》 
ファーストシリーズの初期の監督だったおおすみ正秋監督を迎えたテレビスペシャル第5作。さすがにファーストシリーズのような渋さはないが、いつものテレビスペシャルに比べればある程度はハードボイルドを感じさせる作風で、作画もきっちり丁寧に作り込んでいるあたりにおおすみ監督のこだわりのようなものを感じられるし、テレビスペシャル最終回の予定で企画された作品でのおおすみ監督の起用にも最後に原点回帰を狙おうという製作側の意図が感じられる。しかし、次元とゲストヒロインの過去の因縁が描かれているのだが、その話にもう少し深みが欲しかったところでそこが物足りないし、そもそも「ルパン暗殺指令」というタイトルなのに次元が話の主軸になっているのはなんとなく違和感があるのも本当のところ。敵であるジョン・クローズを演じる野沢那智はこの間見た「生きていた魔術師」では役者の無駄遣いに感じてしまったが、本作ではハマっていてこの人らしい悪役演技が楽しい。(まったく関係ないが本作放送の翌日に劇場公開された「クレヨンしんちゃん」の劇場版第1作「アクション仮面VSハイグレ魔王」の悪役であるハイグレ魔王の声も野沢那智だ。)それにルパンが山田康雄なのでこの二人の共演を見ているとクリント・イーストウッドやマシリトの新旧対決に見えるという少しマニアックな楽しみ方もできる。冒頭のルパン専任捜査を解任された銭形がルパン、次元としんみり酒を飲むシーンは妙な味があって良いし、印象にも残る。ルパンも銭形も声が弱々しく、そのうえ、ルパンと次元が序盤で「老後の計画」とか「年を取った」とか言うので演じる声優たちのことをリアルに考えてしまった。とくに山田康雄に関しては既に最晩年に近く、(この翌年に放送された「燃えよ斬鉄剣」が遺作。)この頃から体調が良くなかったんだろうなと考えるとこの序盤は見ていてつらいものがあった。
[DVD(邦画)] 6点(2019-09-29 19:34:35)
604.  ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―
1話15分ほどの短編3本で構成されたスタジオポノックのオムニバス映画。米林宏昌監督の「カニーニとカニーノ」。行方不明になった父親を捜しに行くカニの兄弟を描いているが、セリフが全編カニ語という本作オリジナルの言語というのがユニークで面白いし、それでいながらもちろんストーリーもきちんと理解できるつくり。「メアリと魔女の花」で感じたようなジブリっぽさも本作ではあまり感じなかったのも良かった。それに映像も美しい。ただ、主な登場人物だけが擬人化されたふうで、その他大勢のカニは普通のカニなのは気にならないでもなかった。でも、「メアリと魔女の花」よりはぜんぜん面白かったと思う。百瀬義行監督の「サムライエッグ」。卵アレルギーの小学生男子と母親を描いているが、三本の中ではいちばん身近に感じられる。アレルギーの怖さがリアルに描かれていて、アレルギーを持つ子供を持つ家庭の日常がよく伝わってくる内容になっているためか、アレルギーとは無縁の自分が見ても胸にくるものはあった。確かに無防備な部分もあるのだが、学校での食物アレルギーの授業などにも使えそうな作品にもなっていると思う。山下明彦監督の「透明人間」。透明人間を題材にした作品だとSFを思い浮べるが、この作品は誰にも相手にされず、周囲から孤立しているような男を透明人間に例えているようで、主人公のデザインもそのまま透明人間に描かれている。そんな男の孤独が描かれているのだが、これまでの2本と違って大人向けな感じで雰囲気も良く、三本の中ではこの話がいちばん良かった。全体的に3本とももう少し長く(30分くらい)しても良かった気はしないでもないが、ポノックはいきなり下手に長編を作るよりも、まずはこういった短編をいくつか作っていって期が熟したあたりでまた長編を出せばいいと思う。「ポノック短編劇場」と銘打っているので、シリーズ化もあり得るかもしれない。
[DVD(邦画)] 6点(2019-09-21 23:32:59)(良:1票)
605.  ルパン三世 トワイライト☆ジェミニの秘密<TVM> 《ネタバレ》 
今回はモロッコを舞台にしているが、ルパンがヒロインであるララと砂漠をラクダに乗って移動するシーンは絵柄もよく、印象的だったし、流砂での二人のやりとりも良かった。女性キャラクターの露出シーンが多いのも、子供に媚びず、あくまで大人向けのアニメを目指しているようで、今回、テレビスペシャルのシリーズの監督では今のところ唯一脚本にも参加している杉井ギサブロー監督はファースト以前のアニメ化企画段階に参加していたとあっていつものテレビスペシャルとは傾向の違う作風も納得。でも、全体的なストーリーとしては物足りない部分も多いのはいつものテレビスペシャルと同じ感じなのである意味安心。五右衛門と同門のオカマの殺し屋である貞千代を野沢那智が演じているが、やっぱり最初にアニメでこの人の名前を見たのがハイグレ魔王だったせいか、洋画の吹き替えではブルース・ウィリスやアル・パチーノのイメージがあるのに対して、アニメだとこういう役がよく似合うイメージで、この役もよくハマっている。ルパンの声がクリカンに代わって間もない頃の作品のためか、ルパンが物まねをするシーンが多いのも、シリーズ的には少し違和感があるものの、まだクリカンもスタッフも試行錯誤の中でクリカンらしいルパン像を作っていこうというのがよく見えて興味深い。昔リアルタイムで見た時はララを演じる久川綾が歌う主題歌をバックにララが踊るエンドロールがものすごく印象に残ったのだが、やはり今見ても今回はこの部分がいちばん印象に残る。(2018年11月8日更新)
[DVD(邦画)] 6点(2019-09-20 23:09:59)
606.  あ、春 《ネタバレ》 
相米慎二監督による松竹のホームドラマ。確かに相米監督の映画としては息抜き的に手がけた感があり、ほかの相米監督の映画で感じられるような力強さや癖の強さといったものがなく、オーソドックスな松竹の人情喜劇的な色合いが強い。ストーリーは死んだと聞かされていた佐藤浩市演じる主人公の父親(山崎努)が突然現れたことによる騒動を中心に、登場人物たちの日常を淡々と描いていて明らかに地味なのだが、それが心地よく、最後まで飽きることなく見ることが出来たし、素直に好きなタイプのいい映画だと思う。しかし、あまり見たというわけではないのだが、相米監督の初期作である「セーラー服と機関銃」、「魚影の群れ」に比べると丸くなりすぎているような気もしてやや物足りなさを感じるのも事実といえば事実。ところで、相米監督のこの映画の前作である「夏の庭」と同じく人間の死をテーマにしていて、偶然かもしれないし、考えすぎだとは思うが、今にして思えば相米監督はこの頃から自らの死というものを意識していたのかもと勘ぐってしまう。キャスティングに目をやると、「夏の庭」に出演していた三國連太郎の息子である佐藤浩市が次作である本作で主役を演じているのは面白いし、富司純子、藤村志保という東映、大映のかつてのスター女優が共演しているのも見どころの一つ。父親を演じる山崎努も良かった。
[DVD(邦画)] 6点(2019-09-18 17:36:45)
607.  木枯し紋次郎 関わりござんせん 《ネタバレ》 
中島貞夫監督による菅原文太主演の映画「木枯し紋次郎」シリーズ第2作。中村敦夫のテレビシリーズで映像化していなかったエピソードを描いていた前作に対し、オリジナル脚本となっているらしい本作では、紋次郎(菅原文太)と生き別れの姉(市原悦子)の再会を軸にしたストーリーとなっている。この市原悦子扮する姉なのだが、これがいかにも市原悦子という感じのキャラクターになっていてすごくハマっていて、とても印象に残るし、また、そんな市原悦子が演じるからこそ、逆にこの姉の悲しみや哀れみが演じる市原悦子の演技から感じ取れるのがよかった。紋次郎と知り合ったもう一人の男(田中邦衛)とのエピソードもうまく絡めてあって、ドラマとして面白く、個人的には前作より良かったと思う。冒頭からなにか虚無的な雰囲気が漂っていて、それだけで紋次郎の孤独さが伝わってくるのだが、最後に紋次郎が斬った敵の一言が、それをさらに強調してそのまま終わるというのがなんともいえない余韻を残していて、良い。文太紋次郎はこれで終わりなのだが、後年、菅原文太がテレビシリーズを手掛けていた市川崑監督の映画に何本か出ているのは偶然かもしれないが興味深く、市川監督の映画で菅原文太と中村敦夫の共演見たかったとつい思ってしまった。それから、実現しなかった菅原文太と市原悦子の「東京家族」も本作を見たらどんな映画になっていただろうとも考えてしまった。
[DVD(邦画)] 7点(2019-09-13 22:42:34)
608.  秘密戦隊ゴレンジャー 爆弾ハリケーン 《ネタバレ》 
「秘密戦隊ゴレンジャー」の劇場版で、テレビシリーズのブローアップではないオリジナル作品。それだけあって舞台である四国・松山でロケをしているなどテレビシリーズと比べて少し豪華な印象。キレンジャーが二代目だったり、火の山仮面マグマン将軍の次の幹部であるゴールデン仮面大将軍が出ていて製作時期も分かりやすいものの、今まで見たテレビシリーズのブローアップ版に比べてそれほど楽しめなかった。登場する怪人に必殺技であるゴレンジャーハリケーンがきかないという設定なんだけど、タイトルの爆弾ハリケーンの繰り出し方も普通で別にタイトルに持ってくる必然性がないように感じた。二代目キレンジャー 熊野大五郎はテレビシリーズでは初代の大岩に比べてあまり印象に残っていないキャラだが、この映画ではメンバー中でいちばん存在感が薄いように思う。好きな人には悪いんだけど、やっぱりキレンジャーは初代の大岩がいい。
[DVD(邦画)] 5点(2019-09-11 21:49:33)
609.  木枯し紋次郎 《ネタバレ》 
「木枯し紋次郎」といえばテレビシリーズをちゃんと見たことがない(「帰って来た木枯し紋次郎」は鑑賞済。)自分でも中村敦夫(それに上條恒彦の主題歌。)というイメージがあるのだが、テレビシリーズがヒットしていた最中に東映で作られた本作は、テレビシリーズとは無関係の作品のようで、菅原文太主演の中島貞夫監督作。このころの東映には珍しい時代劇だが、もうこのころには任侠映画に陰りが見えていろいろ模索してた時期なのかなと思って見たりした。内容はテレビシリーズに配慮して原作の中でテレビシリーズで映像化されていないエピソードを映画化しているとのことだが、スケールの大きな噴火シーンや、カメラワークなどに映画らしさを感じるものの、ストーリーとしてはなんかありがちな時代劇という感じで正直それほどでもない感じで、どこかテレビ時代劇のような感じもしてしまうのが事実。菅原文太演じる紋次郎はニヒルな存在感が漂っていて、それほど悪くはないと思う。でもこれはさっきも書いたように中村敦夫のテレビシリーズをちゃんと見たことがないというのも影響しているのかもしれない。(いつかちゃんと見てみよう。)その紋次郎と盃を交わす男を演じるのが小池朝雄というのがいかにも分かりやすいが、やはりこの人の時代劇における悪役はいつもハマっている。ヒロイン役の江波杏子が二役を演じているが、そのことをオープニングのクレジットで明記しないほうが良かったのでは。文太紋次郎はもう一本あるようなので、そちらも見てみよう。
[DVD(邦画)] 6点(2019-08-31 22:53:00)
610.  地獄門 《ネタバレ》 
カンヌ国際映画祭グランプリやアカデミー賞を受賞した名作とされている映画だが、確かに映像や衣装の美しさなどは大映の中でもとくに気合いが入っており、素晴らしいの一言。でも、いかんせん人妻に惚れた男が今でいうストーカー行為に走るというどこかの昼メロにありそうな展開であまり面白くないし、長谷川一夫と京マチ子のキャラクターが二人とも濃すぎてイマイチ入っていけない。ただ、執拗に袈裟(京マチ子)につきまとう盛遠(長谷川一夫)の姿はどこか滑稽であり、傍から見ているとつい笑えてしまう。今回、この映画を見るのは二度目で、昔見たときには退屈で早く終わらないかと思ったものだが、今回も実際の上映時間よりも長く感じたものの、前回よりも退屈しなかったのはこれをけっこう楽しんでいたからかも知れない。でも、好きな映画かと言われればやっぱりそうではないなあ。(2013年6月6日更新)
[CS・衛星(邦画)] 5点(2019-08-31 17:18:18)
611.  飢餓海峡 《ネタバレ》 
内田吐夢監督の晩年の代表作となるサスペンス映画。昔から見たいと思っていた映画だったがやっと見ることができた。三時間長という大作ではあるが、内田監督らしい重厚な演出も相まって、その長さを感じることなく、すぐに引き込まれたし、見終わった後には映画二本分を一気に見たような満足感となんとも言えない余韻が残る見ごたえのある映画だった。台風の中で起こった強盗放火殺人事件の犯人の一人であった男・犬飼多吉(三國連太郎)と娼婦である杉戸八重(左幸子)が出会うところからドラマが始まっているが、この二人が最初に出会うシーンでのおにぎりを食べている八重を見つめる多吉の表情、そしてその八重から手渡されたおにぎりをむさぼるように食べる多吉の姿が本当にリアルで、これだけで人間の本能というものを感じることができるし、これだけで終戦間もない頃という描かれている時代性も見て取れる。そんな多吉が八重と一夜を共にし、強盗で得た大金の一部を苦しい生活を送っているという八重に渡して去るが、これがのちのち本作のテーマである人間の善意とはなにかということにつながっていく構成がうまい。ここから先は八重の人生を追うというのが見ていて意外に感じたのは事実だが、多吉にいつか再会してお礼が言いたいという思いを抱えて生きていく八重の強さや、彼女の多吉への思いがじゅうぶんに伝わってきて、この部分も見ごたえがあった。そしてそんな思いを10年間抱き続けて生きてきた八重の運命はあまりにも悲しい。そして、そんな八重を演じる左幸子の演技のすごさ。とくに、多吉の爪を体にあてているシーンなどは、本当に気持ちが入っているのが見ていて分かるほどで、役を演じるとはどういうことなのかを考えさせられるし、八重が成功した多吉(樽見京一郎)と再会するシーンの緊迫感は内田監督の演出もそうだが、やはり演じる三國連太郎と左幸子の演技力あってのものだと思うし、なかでもこのシーンでは「やっぱり、犬飼さんだ!」と叫ぶ八重が忘れられない。そしてもう一人、本作でシリアスな役柄に初めて挑んだという強盗放火殺人事件を追う刑事を演じた伴淳は撮影中内田監督からいろいろ厳しく言われたようなのだが、見事にそれに応えて枯れた演技を見せていてこちらも素晴らしかった。八重が殺されて以降も面白く、とくに高倉健演じる刑事に樽見が取り調べを受けるシーンは演じる同じ二人が対決する役柄で共演していた同じ内田監督の「森と湖のまつり」を2か月ほど前に見ていたこともあって、なかなか興味深かった。そして、多吉が船の上から身を投げるラストの衝撃・・・。多吉は何を思いながら海に飛び込んだのかと考えると非常に切なく、そこにかかる冨田勲の独特な音楽が最初に書いたようになんとも言えない余韻を残す。まさに傑作・名作とはこういう映画を言うのだと思う。最後にもう一度、本作の杉戸八重を演じる左幸子は本当に素晴らしかった。本作はやっぱり左幸子の映画でもある。
[DVD(邦画)] 9点(2019-08-18 18:06:39)(良:2票)
612.  うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー
確かコレ、最初見たときは「うる星やつら」自体を全く見たことがなく、内容以前に登場人物たちの関係がよく分からなかったのだが、その後、BSでテレビシリーズの再放送が始まり、それをある程度まで見たあとに見直すと、ちょっと分かりやすくなった。でも、作風はおもいっきり押井守の世界なのでそれでも何回見てもよく分からない部分はある。そんな作品だけど、好きな映画の一つなので9点。(ちょっとよく分からないレビューですいません。この映画って好きなんだけど感想述べにくいんだよなあ。)
[CS・衛星(邦画)] 9点(2019-08-14 11:26:14)(良:1票)
613.  探偵はBARにいる3 《ネタバレ》 
前作から4年後に作られたシリーズ第3作。前2作を手掛けていた橋本一監督が「相棒」のメイン監督になった影響からか、今回の監督はNHKで「あまちゃん」や「サラリーマンNEO」を手掛けていた吉田照幸監督に代わっているが、多少軽さが増したとは思うものの、基本的な雰囲気は前2作と変わらず、今回も安心して楽しめた。相変わらず探偵(大泉洋)と高田(松田龍平)のやりとりは楽しいし、昔の探偵ものドラマのような少し古臭い感じなども監督が代わってもちゃんと出てるのが嬉しい。それでいて、軽さが増したことにより、笑えるシーンも前2作よりも増えているのは良かった。今回のヒロインは北川景子が演じているが、前2作のヒロインが探偵や高田と初対面だったのに対し、以前にも探偵と会っていて、その時、酔った探偵に言われた一言が今回の事件の鍵になるところなどはうまく設定しているし、今回も前作までとはいかないものの、少しウルっとくるものはあった。それに、北川景子ってなんか苦手な女優なのだが、この役は存在感があって、なかなかのはまり役だったと思う。高田を超える強さを持つ波留(志尊淳)はまさにアクション映画での主人公のライバル登場という感じで、高田と波留の対決シーンは本作のアクションシーンの中でいちばんのみどころで、ちょっと子供じみた感想になってしまうかもしれないが、やはり強い敵が出てくると本当に盛り上がるし、それがアクション映画の醍醐味だとあらためて感じる。探偵と高田の別れを匂わす部分もあるのだが、エンドロール後のおまけ映像(これが笑える。)を見て、このシリーズはこれからも続けてもらいたいと思った。同じキャストでドラマ化でもいいのでぜひ続けてほしい。
[DVD(邦画)] 6点(2019-08-10 23:23:33)(良:1票)
614.  探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点 《ネタバレ》 
シリーズ第2作。今回は探偵(大泉洋)の殺された友人であるマサコちゃん(ゴリ)の死の真相を追うストーリーになっているが、やはり今回も探偵と高田(松田龍平)のやりとりが楽しく、雰囲気的にも前作と変わらずまさに安心して見られるプログラムピクチャーという感じで、どこか古めかしい感じなのも前作同様なのだが、やはりこのシリーズはそこがいい。それにストーリー的にもミスリードが利いていて前作よりも面白かった。今回のヒロインは尾野真千子が演じているが、関西弁がどうにいっていて(調べたらこの人奈良出身なんだね。)大げさかもしれないが、極妻のようなヤクザ役もいけるのではと思った。バイオリニストであるヒロインと彼女の大ファンだったという殺されたマサコちゃんの関係が明かされるところはあり得ないと思いながらも思わず少しウルっとさせられた。事件の被害者であるマサコちゃんを演じるゴリが確かに可愛らしく、短い出番ながらもはまり役で印象に残る。ジャンプ場のシーンや路面電車で乗ってきた客たちに襲われるシーンなどはコントを見ているようでつい笑ってしまった。ここらへんもなんか懐かしい感じがする。もちろん、アクションも今回もがんばっていて、なかでもカーチェイスのシーンで追手の男がフロントガラスに張り付いて離れないのは見ていてジャッキー・チェンの映画を思い出してしまった。
[DVD(邦画)] 6点(2019-07-30 23:17:31)
615.  探偵はBARにいる 《ネタバレ》 
大泉洋が主演の北海道が舞台の映画というだけでなにやらご当地映画という感じがするのだが、実際に地域興し映画の側面もあるよう。もちろん、それだけではなく、全体的に70年代の黒澤満プロデュース作品のような雰囲気があり、その古めかしさがなにかいい。松田龍平のキャスティングは「探偵物語」の松田優作を意識した部分もあるのだろう。でも、「探偵物語」の工藤俊作的な役回りを演じているのは大泉洋のほうというのが面白い。ストーリーそのものは2時間ドラマにもありそうな筋書きで、先の読める話ではあるが、探偵(大泉洋)と高田(松田龍平)のやりとりの面白さや、アクションシーンなどもがんばっていて、映画全体としてはそこそこだと思うものの、この部分だけでもじゅうぶんに楽しめた。主人公の探偵が依頼人の女性に惚れる展開は「男はつらいよ」的でもあり、見ていて安心感があるし、シリーズ化されるのも納得。結婚披露宴で新婦が拳銃取り出して撃ち始めるシーンは見ていてさすがにおいおいと思ってしまったが、同時に「仁義なき戦い」1作目のラストシーンを思い出して、ひょっとして対になるように意識してるのかなとつい思った。まあ、それはないと思うけど。
[DVD(邦画)] 6点(2019-07-26 19:33:50)
616.  森と湖のまつり 《ネタバレ》 
かなり久しぶりに見る内田吐夢監督の映画で、しかも現代劇は初めてだったのだが、アイヌ民族の理想と現実、そして運命というものを真っ向から描いた社会派映画の力作になっていて、かなり見ごたえのある映画だった。自分が純血のアイヌであることに誇りを持っている主人公の青年 一太郎(高倉健)と、アイヌであることを隠して生きてきた家の息子 猛(三国連太郎)という二人の男が登場するが、それぞれの立場や考え方もよく分かり、見ていてつらいものがあるし、テーマとしてはやっぱり重みがあるのだが、同時にやはり考えさせられるものがある。東京からやってきた女流画家(香川京子)に一太郎の姉(藤里まゆみ)が過去を打ち明ける回想シーンも、アイヌの人々の宿命や悲しみといったものが丁寧に描かれていて、ここにも内田監督の本作に込めたメッセージ性の高さを感じることができた。純血のアイヌと信じていた一太郎が先生(加藤嘉)から実は混血だと聞かされるのは衝撃的だし、その時の先生がアイヌは滅びゆく運命だと言うのもアイヌの宿命の重さを感じずにはいられなかった。クライマックスは一太郎と猛の対決が描かれているが、祭りの歌と踊りをカットバックに描いたこのクライマックスの対決はアイヌの誇りや葛藤といった本作で描かれたドラマが集約されていると感じると同時にどこかもの悲しく映った。先生に真実を告げられても信じようとしなかった一太郎が猛にも同じことを言われ、すべてを悟ったように舟を漕ぎ出すラストシーンの余韻がものすごく、思わず一太郎はこのあとどうなってしまったのだろうと考えてしまった。一太郎を演じる高倉健はまだデビュー間もない頃で、見ていてすごく若々しく、初々しく見えるのがちょっと新鮮だった。また、高倉健といえば北海道など北国を舞台にした映画に出ているイメージが世間一般にも強いと思うのだが、ひょっとしたら本作が高倉健が出演した最初の北海道が舞台の映画なのかもしれない。
[DVD(邦画)] 7点(2019-07-17 18:43:17)
617.  人生劇場 飛車角と吉良常 《ネタバレ》 
内田吐夢監督が唯一手掛けた任侠映画で、東映任侠映画としては初めてキネマ旬報ベストテンにランクインした作品。内容は「人生劇場 飛車角」をリメイクした感じになっていて、飛車角を鶴田浩二、宮川を高倉健が再び演じている。「人生劇場 飛車角」を二週間ほど前に見たばかりだったので、ちょっと不安な面がなかったといえばウソになるのだが、内田監督の演出はさすがに格調高く、重厚さや美しさといったものもあり、鶴田浩二、高倉健をはじめとしたオールスターものなのだが、登場人物それぞれの義理と人情の人間ドラマもしっかりと描かれ、今まで見た任侠映画の中でもとくに見ごたえのあるものになっていて、そういう不安は一気に消し飛んだ。鶴田浩二の飛車角のなんという男らしさは言うまでもなくカッコいいし、高倉健の宮川は「人生劇場 飛車角」と比べるといかにも高倉健らしいストイックな感じで、やはり高倉健のイメージにはこちらの宮川のほうが合っている。そして、なんといっても辰巳柳太郎の吉良常。月形龍之助の吉良常も良かったのだが、この辰巳柳太郎の吉良常は非常に味わい深く、とくに病に倒れてからの亡くなるまでのシーンでの演技は見ていて思わず涙が出るほど感動してしまった。その後の飛車角が殺された宮川の仇討に向かうシーンで止めに入るおとよ(藤純子)とのやりとりも印象的だ。それにクライマックスの殴り込みのシーンで画面がカラーから白黒に切り替わるのは同じ内田監督の「宮本武蔵 一乗寺の決斗」を思い出すが、やはり本作でも効果的に使われ、凄まじい殺陣シーンの中に美しさを感じることができる。そしていちばん最後のシーン、やってきた泣き崩れるおとよに宮川を託したあと、去っていく飛車角の後ろ姿。背中が飛車角の悲しみを代弁しているようで、なんともやるせなさの残るこのラストシーンが強烈な印象を残していて、この殴り込みシーンからラストシーンまでの演出が本作をさらに格調高い傑作へと押し上げている。これが内田監督にとって最後の東映映画で、かつ遺作の前という映画なのだが、それを全く感じさせずにこんな傑作に仕上げてしまうのは素晴らしいと思うし、それに応えた出演している俳優陣ももちろん素晴らしい。任侠映画に興味はあるけどなかなか手が出せないという人には真っ先に本作と山下耕作監督の「博奕打ち 総長賭博」の二本を薦めたいと思う。そういえばこの二本とも同じ年の鶴田浩二主演作だ。
[DVD(邦画)] 8点(2019-07-14 12:10:13)
618.  ニセものバズがやって来た 《ネタバレ》 
「トイ・ストーリー」シリーズの短編第2作。今回はボニーと一緒に外出していたバズがファーストフード店の展示用のミニバズと入れ替わってしまうストーリーで、「トイ・ストーリー2」のウッディを思い出すが、捨てられたり遊んでもらえないおもちゃの心情が描かれているのも2と同じで、短編とはいえ、そこが丁寧に描きこまれているのはこのシリーズらしい。惜しむらくはこのストーリーならやっぱり短編ではなく、長編で見たかった気もする。でも、面白かった。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2019-07-13 00:14:39)
619.  人生劇場 続・飛車角 《ネタバレ》 
シリーズ第2作。飛車角(鶴田浩二)が刑期を終えて出所するところから始まっていて、前作のラストが素晴らしかっただけに抵抗を感じるものの、決してつまらない続編というわけではなく、前作には及ばないものの、そこそこ面白かった。今回新たに長門裕之が登場しているが、彼が出るだけでマキノ雅弘監督の映画のような感じを受けてしまうのは気のせいか。(前作に続いて沢島忠監督が手掛けているのだが。)今回も前作と同じくメロドラマ色が強く、飛車角がおとよ(佐久間良子)を追って満州へ行く展開などにそれは表れているように思う。しかし、今回は佐久間良子がおとよに加えてもう一人、東野英治郎演じる親分の娘 お澄を演じていて、おとよが病死したあと、飛車角がその親分から縁談を薦められていたお澄と結婚するという展開は分からなくはないものの、見ていてなにか飛車角におとよへの未練がましさを少し感じてしまった。前作で宮川を演じていた高倉健が別の役で再登場とかはなかったのは良かったと思う。飛車角は周囲から「角さん」と呼ばれていて、東野英治郎演じる親分からもそう呼ばれているのだが、やはり、西村晃が出演していた永島敏行版同様につい「水戸黄門」を思い浮べてしまう。飛車角が裏切った仲間に殺されるラストシーンはヤクザ社会の非情さを物語っていてもの悲しかった。でも、面白いのは確かだが、やはり、前作が良すぎたせいか、蛇足とまではいかないものの、物足りなさも残って、前作のほうが良かったという感想をどうしても持ってしまう。
[DVD(邦画)] 6点(2019-07-07 11:00:17)(良:1票)
620.  人生劇場 飛車角 《ネタバレ》 
以前に永島敏行主演の同じ原作の映画は見ているが、やはり飛車角を主人公にしている本作のほうが面白いし、東映がその後、任侠映画で一世を風靡することになるその原点の映画であることにも感慨深さを感じる。沢島忠監督は錦之助や美空ひばり主演の明るい時代劇の印象が強いので、見る前はどうかなと思う部分もあったが、こういう題材でもそつなくこなしていて安心して見ていられる。本作から既にのちのパターンは出来上がっている感じだが、東映最初の任侠映画であることもあってか、まだその色は全面には出ず、どちらかと言えば文芸メロドラマのような感じ(沢島監督もメロドラマのつもりでやっていたと語っている。)で、東映任侠映画を見慣れていると、物足りなさも多少あるかもしれないが、その分、見やすさもあり、また格調の高い作品に仕上がっている。飛車角を演じる鶴田浩二はもちろんカッコイイのだが、月形龍之助演じる吉良常がそれを上回る存在感を放っており、カッコよさも飛車角以上で、この前見た「組織暴力」での悪役も印象的だったが、一線を退いた老客という設定が晩年の月形龍之助本人と被るところもあるのか、この映画の吉良常に月形龍之助というのはピッタリな気がした。宮川(高倉健)がおとよ(佐久間良子)に無理やり抱き着くシーンでは宮川を演じるのが、まだ本格的にブレイクする前の高倉健というので、その後の高倉健のイメージからすると少し違和感を感じてしまうのは仕方のないところ。その宮川が単身殴り込んで殺されるという展開だが、高倉健が任侠映画でこういう役回りなのは逆に新鮮だった。で、この映画の一番の見どころは既に書かれている方もおられる通り、ラストシーン、思わず、ええ、ここで終わり・・・と思ってしまったが、止めるおとよを振り切って宮川の仇討に向かう飛車角をラストシーンにすることで、余韻がすごく残るし、沢島監督の言葉どおりに、ああ、なるほど、これはメロドラマだなと改めて感じることができる。一応、続編も見るつもりだが、あまりに素晴らしいラストだっただけに、果たしてどうか。いずれにせよ本作はこれから始まる東映の新しい時代の到来を告げるのにふさわしい傑作と言える一本だったことは間違いない。
[DVD(邦画)] 7点(2019-06-28 01:05:47)(良:1票)
000.00%
190.60%
230.20%
3463.09%
4493.29%
531921.42%
634122.90%
734723.30%
828118.87%
9563.76%
10382.55%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS