601. 嘆きのテレーズ
登場人物特に主人公二人に共感できぬままだらだらと見ていたが、列車のシーンあたりからだんだんおもしろくなった。それにしても大の男たちが双六とはなあ。 [DVD(字幕)] 7点(2013-08-16 09:12:10) |
602. 大統領の陰謀
ウォーターゲート事件によって、時の米国大統領ニクソンが辞任に追い込まれたことくらいは知っていたが、映画を見た当時はほとんど無知の状態。事件内容や人物構成、政治背景などわからずじまいで本当に退屈な2時間だった。後年DVDが出た折、ネットなどでいろいろ調べてようやくどうにかという状態になった。謎の人物ディープ・スロートも政府高官の内部密告らしいということも・・・。この映画が公開された頃、日本ではロッキード事件に関する証人喚問が新聞やテレビを賑わしていたが、そっちの方がよほど興味深かった。 [映画館(字幕)] 5点(2013-08-13 21:48:16) |
603. タクシードライバー(1976)
孤独感や焦燥感など根底にあるのだろうが、私には変人としか見えないし、完全に狂っていると思う。銃をぶっ放してヒーローになるなどいかにも米国的。ジョディ・フォスターには期待したのだが・・・。 [DVD(字幕)] 2点(2013-08-12 19:36:57) |
604. 祇園囃子
新憲法が交付され基本的人権が尊重されるような時代になってもなお残る古くからのしきたり、そして悲しくも切ないさだめ。旦那というスポンサーを持つ持たないなど、一間華やかに見える芸妓の表と裏の世界が垣間見える。この手の女性を描かせたら溝口の右に出る者はない。若尾文子の若さに驚くと共に、理不尽なさだめを強く生きる木暮実千代にうたれる。 [DVD(邦画)] 7点(2013-08-11 06:03:33) |
605. 耳をすませば(1995)
オリビア・ニュートン=ジョンが歌う“Take Me Home Country Roads”は私と同年代の青春の歌、大変なつかしい。映画の方もメルヘンの世界は良いが、少女漫画すぎるのは私の好みじゃない。 [ビデオ(邦画)] 5点(2013-08-10 15:45:28) |
606. どん底(1957)
間仕切りもなく、ただ寝床にムシロを敷いただけのルンペン宿、暗く薄汚れた雰囲気はまさしくゴーリキーの戯曲、よくぞロシア文学を日本に置き換えたと感心。それぞれ癖のある人物描写が良い。台詞に舞台劇のおもしろさがあるのだが、やや聞き取りにくい。主人公のこそ泥が侍っぽく見えるのはやはり三船だからだろうか。 [DVD(邦画)] 5点(2013-08-09 02:04:47) |
607. どん底(1936)
暗くて重い這い上がることができないどん底かと思っていたが、最低の暮らしをしている宿泊者たちは意外と楽観的。這いだそうという気持ちはあっても半ばあきらめ気味、切実さは感じられない。それでも自分の命を絶つ者もいて・・・。ロシア文学とはちょっと違うような気もするが、私はかえってこの方が好き。先の見通しは立たないけど、一応のハッピーエンドだし・・・。 [DVD(字幕)] 6点(2013-08-07 05:38:24) |
608. 十誡(1923)
《ネタバレ》 サイレントの十誡だからさぞや古典劇と思いきや、モーゼらの歴史上の人物が出てくるのは第一部のみ、しかもそれは母親が二人の息子に語る十誡の物語の中だけである。だからこの映画は歴史劇と言うより現代劇というべきで、背景になっているのがモーゼの十誡ということだろう。神を信じ十誡の教えに従おうとする母と兄、それに対して弟は無神論者で十誡なんて古くさいという現代青年。しかし掟に背いたために・・・というようなストーリーだ。サイレントにしては長大な物語になっていておもしろい。 [DVD(字幕)] 6点(2013-08-06 12:06:57)(良:1票) |
609. ハピネス(2007)
あれだけ幸せだったのに、せつない。男という動物は馬鹿か意志薄弱なのか、私もそうなのだが・・・。 [DVD(字幕)] 7点(2013-08-06 04:15:29) |
610. 嘆きのピエタ
さすがヴェネチア国際映画祭で金獅子賞に輝いた作品だけに、すごくインパクトがある。暴力的な場面など荒っぽいシーンが苦手な私だが、それでも映画に引き込まれてしまった。私の評価は低いかもしれないが、映画通の方が見ればきっと高得点になると思われる。なおピエタとは死んで十字架からおろされたキリストを抱く聖母マリアのこと。 [映画館(字幕)] 7点(2013-08-05 15:26:18) |
611. 告発
暗い独房生活は昔見た「パピヨン」を思い出したが、それ以上である。弁護士スタンフィルの不屈な闘志がすばらしく、頑なな囚人ヤングと友情で結ばれていく過程もすごく良い。映画ではケヴィン・ベーコンの演技が高く評価されているけど、物語としてはこんなすばらしい弁護士はいないと思った。 [DVD(字幕)] 8点(2013-08-03 22:06:35) |
612. 噂の女
他の溝口作品に比べ地味というか少々物足りない。特に前半は退屈で、後半若い医者をめぐって田中絹代と久我美子が対立するあたりからおもしろくなった。ところであの的場という医者、木村功かなとちょっとまちがえたのだけど、何だったんだろう。ラストの明るく再生した 久我美子に安堵。 [DVD(邦画)] 6点(2013-08-03 06:14:55) |
613. 96時間
未成年の一人娘をパリに行かせること自体、自由と無謀の取り違え。父親は慎重で冷静な判断の持ち主かと思いきや、娘のためならエッフェル塔だってぶっ壊すと発言するほどの異常さ、この強引さが映画の途中から目立つようになりだんだん嫌になってくる。娯楽映画とみればそれでよいのかもしれないが、私は好きでない。「24」のスリリングな展開がおもしろかったので期待したのだがまずかった。 [DVD(字幕)] 2点(2013-08-02 05:30:26) |
614. 終戦のエンペラー
この映画を日本映画として見ると多少物足りないかもしれない。しかし米国映画として見たら、おつりが出るほどの良い映画だと思う。外国人監督が日本を舞台にした映画を描くと多少なりとも違和感を覚えることが多い。日本の文化や伝統、因習、生活空間といったものが欧米とはすごくかけ離れているからだ。ところがこの映画は、私が見たそういったものの中で一番違和感がない。それどころか、日本人監督以上に戦争直後の日本を描いていると思う。またその時代において、天皇とは何か、戦争責任はあったのかを追求していった実在の人物フェラーズ准将には頭が下がる。我々日本人にとっても天皇がどういう存在だったか知ることができるし、大詰めの天皇とマッカーサーの面談は見もの。この映画は日本人だけでなく、広く外国の方にも見てほしい映画だ。 [映画館(字幕)] 9点(2013-08-01 05:41:13)(良:1票) |
615. 裸足の伯爵夫人
何と言っても伯爵夫人のエヴァ・ガードナーがすばらしい。大柄で彫りの深いエキゾチックな容姿は美しく、この映画ではトップダンサー、ハリウッド女優、そして伯爵夫人と観衆を引きつける。物怖じせず威厳に満ちた振る舞いは、周囲の男性陣、ロッサノ・ブラッツィにしてもハンフリー・ボガートにしてもかすんでしまうほど。回想形式で語られる物語もすばらしく、映画と現実の世界を錯綜させ情熱を感じる。 [DVD(字幕)] 8点(2013-07-31 08:06:47) |
616. 風立ちぬ(1976)
不治の病結核に学徒動員、友和百恵云々をさておき、戦時中を色濃く映し出したラブストーリーだ。調べてみると原作の小説とはどうも時代設定が違うようだが、戦争を知らない我々にとってはなかなかの感動のストーリーなのだが、映画はどうだろうか。アイドル山口百恵が女優の道を進み始めたとしてもいまいち物足りない。他の方も指摘されているとおり、結核患者にはどうしても見えないのが難。 [DVD(邦画)] 5点(2013-07-30 13:22:49) |
617. ゴーストバスターズ(1984)
前半はコメディの要素が強くとてもおもしろい。ビル・マーレイのとぼけた感じも良いし、これがホラー?という感じだったが、ゴーザとかいう破壊の神が出現してからは馬鹿げたくだらない映画になってしまったみたいだ。 [地上波(吹替)] 4点(2013-07-29 18:59:44) |
618. リトル・チルドレン
屈折した性意識などかなり見応えがあり力作だと思うが、終盤のラリーの変身やブラッドのスケポーには安易というか疑問に感じた。だが素っ裸でセックスする主人公二人はもちろんのこと、元警官の異常なまでの執着ぶりや、性犯罪経験者ロニー、外見まともなリチャードの変態など、出演陣の熱演はすごい。ケイト・ウィンスレットの主演女優賞逃しは残念だが、ジャッキー・アール・ヘイリーは十分助演男優賞に値するほど際だっていると思うのだが・・・。 [DVD(字幕)] 7点(2013-07-28 02:13:26) |
619. めまい(1958)
スローな展開で途中までは眠かったが、教会を駆け上るシーンから急展開。後半は巧みな心理サスペンスとなり、よくできた映画だと感心した。今まで見たヒッチコック映画とは異なり、映像と音楽(効果音)で勝負。幾何学的な模様は今はやりのコンピュータ・グラフィックのようで斬新。 [DVD(字幕)] 6点(2013-07-26 22:14:50)(良:1票) |
620. 悪魔が来りて笛を吹く(1979)
横溝正史といえば、古くからの因習やおどろおどろしい人間関係を扱ったものが圧倒的に多いが、なかでもこの映画のどろどろした要素は際だっている。ただ原作に比べ省略された部分や説明不足に思えるシーンがあってややわかりにくい。西田敏行の金田一や夏八木勲の等々力警部には最初違和感があったが、見直してみるとまずまず。斉藤とも子の美禰子がかわいい。 [映画館(邦画)] 6点(2013-07-26 09:23:41) |