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青観さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 1963
性別 男性

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741.  大地の子守歌 《ネタバレ》 
増村映画に常に付きまとう女の苦しみ、痛み、傷ついても傷ついても、直向きに生きる少女おりん、原田美枝子の演技力、この当時若干16歳にして、この迫力、昨今の女優気取りのタレントなどとは大違いである。これが女優の演技だ。おりんが発する「この馬鹿たれが~」は自分に対する思いと自分をこのような世界、女郎へと引きずり込んだ男、佐吉への恨み(叫び)、また、自分を置いて死んでしまったばばあに対する思い、自分の事を何も解ろうとしない周りの連中への叫び、素直な気持ちの現れだと見ていて感じる。おりんがもう女になどなりとうないという気持ちが何とも痛い。牧師に対し船に乗せてくれというあのおりんの姿に少女としての本当の意味での女としての悲しみが滲み出ていて泣けてくる。眼が見えなくなったおりんが船を漕ぐあの姿にもおりんの悲しさ、切なさが現れてる。それにしても女優に対しとことん演技というものを追及する増村保造監督の演出の凄さ、今、これだけ女優に対し凄まじい演出を追及する監督はいないのではないだろうか!
[ビデオ(邦画)] 8点(2008-09-14 14:04:39)(良:1票)
742.  友だちのうちはどこ? 《ネタバレ》 
「友だちのうちはどこ?」って、おいおい!友だちなんやろ!友だちなのになんで家も知らないんだよ?だのノートに宿題やらなかったぐらいで退学だなんて、そんなアホな?とか色々、疑問もあるけど、そういう疑問以上に良い映画だと素直に感じることの出来る映画であると観終わった後の気持ちの良さ、爽快感、心地の良さを心から味わうことが出来た。この映画は友だちの大切さと子供の心の純粋な気持ちというものをきちんと描く事に成功している。
[ビデオ(字幕)] 8点(2008-09-09 22:03:55)
743.  魚影の群れ 《ネタバレ》 
この映画を一言で表すなら「壮絶」て言葉で表したい。緒形拳と佐藤浩市の二人の男のもたらす一騎打ち、漁師としてのプライドをかけた男とそんな男を慕う男の闘い、愛する女の為になら頭を下げ、どんなことにも耐え、少しぐらいのピンタも耐えて見せる男、そして、二人の男に関係する女、父親への愛と愛する青年への愛、待つ女を見事に演じて見せてる夏目雅子の存在があればこその作品になっていると言っても過言ではないぐらい夏目雅子という一人の本物の映画女優の存在が大きい。緒形拳と佐藤浩市が船に乗ってマグロを釣りに行く。あの釣り糸が間違って佐藤浩市の顔へと行く場面の凄まじいことといったらないぐらい漁師という職業の厳しさ、辛さが物凄くリアリティーを持って伝わってくる。半端じゃないぐらいの映像的な力強さ、それはオープニングのあの長回しからしてこの監督らしい力強いショットとして現れている。夏目雅子が自転車に乗って坂道を下ってくるシーンにおいても映画的な力を感じることが出来る。夏目雅子というこの女優の持っている魅力、男に対する態度、待つ姿、そして、やはりあの日傘、夏目雅子に日傘、森崎東監督の「時代屋の女房」の中でも日傘姿の彼女が映し出されるが日傘がこれほど似合う女優は果たして他にいるだろうか?ただ見た目が可愛いだけでない、きちんとした演技力を持っているこの女優の若くしての死は本当に不幸である。映画史において各年代事に必ずその時代を映し出す本物の女優がかつての日本映画にはいた。少なくともこの映画が撮られた1980年代において最も女優らしい、それでいて、誰でも親しみの沸くことの出来る女優は夏目雅子で決まりである。この映画は男と男の格闘であると共に女も女で男達と共に何かに向って戦いを求めているような感じがしてならない。いずれにせよ、夏目雅子がいる。彼女がいるといないではここまでの作品になったであろうか?僅か27年という短い人生においてまた短かった映画人生において夏目雅子の代表作であると共にこれもまた若くして亡くなった相米慎二監督の代表作の一つであると思います。
[DVD(邦画)] 8点(2008-09-06 14:29:25)(良:2票)
744.  快盗ルビイ 《ネタバレ》 
小泉今日子の大ファンである友達と観に行きました。小泉今日子の可愛さは永遠のものです。今でもあの時の可愛さ、忘れません。勿論、今でもとても41才(バカボンのパパと同じ歳とはとても思えない。)には見えない可愛さを意地しているところが凄い。そんな小泉今日子の前にただただ言いなりになって泥棒を手伝う三枚目を演じている真田広之だが、見た目は二枚目だが、三枚目を演じる時の方が魅力的であり、そういう役を演じる方が断然、良く見える俳優である。少なくとも「たそがれ清兵衛」のようや役よりも三枚目のどこにでもいそうなサラリーマン風な男を演じる方が私は良いと思う。この作品ははっきり言えば一昔前のアイドル映画であり、けして、傑作とは言えないが、作品全体のいかにも昭和60年代風な感じが同じ時代を生きてきた者としては見ていても楽しい気持ちにさられるのと明から雰囲気を楽しむそんな映画である。この映画を観て映画にも雰囲気というものはとても大切であるということを教えてもらった気がします。
[映画館(邦画)] 8点(2008-08-27 21:55:44)(良:2票)
745.  マルクスの二挺拳銃 《ネタバレ》 
世界の映画の歴史において又は喜劇の歴史において、チャップリンとキートンを観たならマルクス兄弟も当然、観なくてはならない。避けては通れまい。初めてのマルクス兄弟作品観賞!チャップリンを初めて観た時のような感動やキートンを初めて観た時のような衝撃はなかったが、それでも十分楽しめた。最近の下品な下ネタばかりのアメリカンコメディとは明らかに違う面白さ、アイデアで笑わせ、三人の兄弟の息の合った身体を張ったアクションによって笑わせる。インディアンを相手にしてもマイペースを崩さないマルコス兄弟の凄さ、そして、やはり圧巻は最後の方の汽車の中、上でのやりとり、ストーリーなんてこの場合、無視して構わないぐらいの何たるバカバカしさに思い切り笑えて気分爽快!マルコス兄弟も何だか癖になりそうです。
[ビデオ(字幕)] 8点(2008-08-24 17:44:32)
746.  女相続人 《ネタバレ》 
いや~怖い女だなあ!父親からも愛されず、愛する男には金が目当てだと裏切られ、男にまるでモテない女の女としての恨みの凄さ、恐ろしさを主演のオリヴィア・デ・バヴィランドが凄まじいほどの怖さを見せる演技でとにかく怖い。自分が愛する男に裏切られたと知った後のドラマが特に凄まじい。女の恐ろしさ、これを観ると男は女には勝てないと思う。ここまで徹底した女の怖さ、執念、嫉妬、恨み、いやはや、本当に怖い。同じ一つの画面の中に前方と後方とに二人の人物を映すことでこれまた生まれる緊張感、この監督の演出の上手さにはいつもながら感心させられる。あのラストもこれまた女の怖さ、恐ろしさを表現している。モンゴメリー・クリフト演じるモーリスが縁りを戻したいと戻ってくるのを無視するかの如く、提灯を手に階段を登って行く時のオリヴィア・デ・ハヴィランドの顔つきがこれまた怖い。ドアの向こうで「キャサリン!キャサリン!」と呼ぶモンゴメリー・クリフトの叫びは自分が犯した過ちに対する女の仕返しを身をもって表しているようで、これはとにかく女の男に対する裏切りへの仕返しのドラマとして見応えたっぷりの本当に怖い映画です。それにしてもウィリアム・ワイラー監督の階段の使い方の巧みなことといったらない。
[ビデオ(字幕)] 8点(2008-08-23 18:11:15)
747.  燃えよドラゴン 《ネタバレ》 
社会人となって三年目の時にこの映画を好きな友達に薦められて観たのが最初で、この映画を観た翌日、会社に行って課長のことを呼ぶ時、「課長」ではなく「アチョー」て言いそうになるぐらい興奮したのを覚えてる。口から発する言葉は「課長」ではあったけど心の中では「アチョー」て気分で、この映画を観てしまって以来、会社にいて他の人が課長のことを「課長」と呼ぶのが全て「アチョー」に聞えてしまうぐらい私は重症です。はっきり言ってストーリーなんかほとんど覚えてない。しかし、ブルース・リーのあの肉体から放たれるキックとパンチの凄さの前にはもう、ストーリーなんてどうでも良く、ただただ凄い!凄い!と興奮せずにはいられない。タイトルにもあるようにこれは男の心に火を付ける(燃える)映画!正しく「燃えよドラゴン」の名に相応しい熱い映画!最後に一言だけ言わせてください。「アチョー」
[ビデオ(字幕)] 8点(2008-08-16 23:05:48)(笑:2票)
748.  夏の夜は三たび微笑む 《ネタバレ》 
えっ?これ、本当にイングマール・ベルイマン監督の映画なの?何とも軽快、こんなコメディタッチのものまで撮ってるとはいやはや、知らなかった。四組のカップルの繰り広げる恋愛模様が交錯するようにして描かれながら進んで行く模様がこれまた微笑ましくて良い。あのメイドと運転手が結ばれるラストもまるで良きハリウッド映画でも見ているような感覚になり、良い気分のまま見終わることが出来るのもこの映画の良いところです。
[ビデオ(字幕)] 8点(2008-08-15 22:25:38)
749.  愛妻記 《ネタバレ》 
フランキー堺と司葉子の二人が夫婦だなんて、あぁぁぁ、良いなあ!もう、それだけで半分以上の点数はやりたくなる。そして、二人のやりとりを見ているだけでも物凄く楽しい。フランキー堺と最初に出逢った司葉子がくしゃみをする場面における司葉子の何と可愛いこと、可愛いこと、あの「くしゅん」てくしゃみの仕方、女としての可愛さにとにかく司葉子、司葉子、本当に司葉子が可愛い。フランキー堺とのやりとりがとにかく微笑ましい。仕事で帰りの遅いフランキー堺を待ちながら寝てしまう司葉子のあの首筋、寝顔を見ているだけであぁぁぁぁ、なんて可愛いんだろうと思ってしまう。そんな司葉子がフランキー堺のことをノートに「バカ、バカ」と書きつづけてるのも良いなあ!私も司葉子になら「バカ、バカ」て言われてみたい。本当にそう思う。フランキー堺が司葉子の鼻にキスした時の司葉子のくすぐったそうな表情も良い。布団に隠れ、顔を出す時の司葉子もこれまた物凄く可愛い。フランキー堺に司葉子、この二人のやりとりだけでも見ていて物凄く楽しい。タイトル通りの愛妻家であるフランキー堺も司葉子の魅力同様、ここでもフランキー堺という俳優の持っている人柄の良さが見られる。ラストの二人で空を見ながら富士山の話をする場面に二人の夫婦が本当に愛し合っているのがよく解る。この二人の共演て言うと「社長」シリーズや「駅前」シリーズがあるけど、あちらは二人共脇役、今作では二人が主役であって、二人揃って主役である作品となるとそうはない。滅多に見れない二人揃って主役のこの作品、とにかく二人の夫婦の絆、愛情のようなものを何ともコミカルに描いているのも良い。二人が出ている作品でこんな良い話の作品がまだあったとは知らなかった。フランキー堺と司葉子ファンにとっては間違いなく楽しめるはずだと自信をもってお奨めしたいが、この作品ってビデオ化されてるのかな?あぁぁぁぁ!それにしても司葉子の何と言う可愛さ、この司葉子を見ても可愛いとも何とも感じない奴は男じゃないと言いたくなるぐらい司葉子の魅力でいっぱいの作品です。食べちゃいたくなるぐらいの司葉子の可愛いさ、これを見たら司葉子ファンは益々、司葉子が好きになること間違いなしです。 
[CS・衛星(邦画)] 8点(2008-08-14 11:04:42)(良:2票)
750.  居酒屋ゆうれい
うわっ!平均点低いなあ!しかし、私はこの作品好きです。日本人に生まれてきて良かったと思えるいかにも日本的な雰囲気、あのセット、そして、何といって主演の二人、萩原健一と山口智子の人情味溢れる夫婦、そのコミカルさの中にある夫婦としての絆のようなものに、また、そこに集まってくる人達のあの楽しそうな顔付き、更に忘れてはならないゆうれい役の室井滋のゆうれいも見ていて楽しい。こういう心温まる人達が集まる居酒屋、その雰囲気などどこをとっても日本映画ならではの人情ものに仕上がっていて私は好きです。こんな居酒屋だったら、こんな気持ちの良い人達の集まる居酒屋だったら、例えゆうれいが出てこようが私は気にしないと思う。この映画はとにかく出ている人達が皆、本当に楽しそうに演じているのが良い。「居酒屋」と「ゆうれい」という組み合わせの妙、どこをどうとっても日本映画らしい映画!こういう人情話、喜劇がもっと見たい今日この頃、見るからにさほどお金はかかってないのは解るけど、金などかけなくても面白い映画は撮れるんだよという監督の気持ちも伝わってきて、そういう所も含めて好きな作品でもある。
[映画館(邦画)] 8点(2008-08-11 20:21:48)(良:2票)
751.  さくら隊散る 《ネタバレ》 
本日8月の6日に合わせるようにして借りてきた。我々日本人にとってけして忘れることは出来ない。忘れてはならない日、それが今日という日である。今から遡ること六十三年前の今日、8月6日、アメリカ軍によるB29三機が広島を襲った日である。広島に落とされた原爆の被害者の数は十四万人を超えると聞いた。その中に忘れられない名前がいる。第二次世界大戦中に全国を巡演し、移動演劇隊として活躍していたさくら隊のメンバー達、九人の中に園井恵子という一人の女優がいた。阪妻主演の「無法松の一生」で見せたあの気品溢れる燐とした美しさ、優しさに満ちた吉岡夫人、私は絶対に忘れることは出来ない。被爆から十五日後の二十一日、僅か三十二歳という若さで亡くなった園井恵子というこの女優、誕生日が8月6日というのも何とも皮肉な運命、宿命を感じる。この作品は事実であるからこそ伝わる重み、悲しみ、苦しさ、生前の仲間、同じさくら隊の人達を知る俳優仲間の証言と再現ドラマをリアルに描いている。被爆者達のもがき苦しむ姿の何と痛々しいこと。眼をそむけたくなるシーンばかりで見ていて本当に辛いし、怖い。事実だからこそのこの重苦しさ、これほどまでに恐ろしさを感じる戦争映画、原爆をテーマにした作品を見たことは今までなかったぐらい、本当に怖かった。本日8月6日、あの原爆投下から六十三年目の本日、観るに辺り、ここに犠牲となった大勢の方々に心よりご冥福をお祈りすると共に今もあの原爆の被害によって苦しんでいる被爆者の方々の為にも二度とこのようなことは起きてはならない。絶対にあってはならないと心より平和への願いを込め、手を合わせたいと思います。
[DVD(邦画)] 8点(2008-08-06 22:29:53)(良:1票)
752.  カリガリ博士 《ネタバレ》 
「カリガリ博士」今までずっと「ガリガリ博士」だとばかり思ってました。「ガリガリ博士」でもある意味、怖いけど、これは本当に怖い。まず何よりもあのセット、歪んだセットと白黒の画面、美しい映像美、それに常に何かに対して怯えさせるような情緒不安定な空間、建物、光と影のコントラストのバランスの素晴らしさ、役者達の表情も怖い。寝ている男の向こう、シルエットに突如として現れる男、殺人鬼の大きな影、同じく寝ている女の所に足音すら立てずにそっうと忍び込んでくる殺人鬼のその姿の怖いこと!女を抱いて屋根裏へと逃げて行こうとする場面も何ともスリリングです。屋根、窓、その他とにかくあらゆるものを駆使して、恐怖に怯える人達の不安定な心理というものを捉えているのも素晴らしい。映像とは何か?表現方法に対する一つの答えのようなものをこの映画から感じることも出来る。けして、CGでは表現出来ない画面構成の美しさとセット、美術による映像表現、この映画は映像の持つ凄さというものを観るだけでも十分に値する作品だ!またしてもはるか遠く、昔のドイツ映画のレベルの高さというものを教えてもらった気がする。
[DVD(字幕)] 8点(2008-07-27 10:39:27)(良:1票)
753.  灰とダイヤモンド 《ネタバレ》 
戦時中、レジスタンスの一員として精一杯生き抜き、テロリストとしての使命を全うし、国の為に亡くなった(暗殺された)一人の若者の切なくも悲しい物語です。時代背景から浮かび上がってくる何とも惨酷な世界、人間として生まれた以上は一度や二度は人を好きになり、恋もする。そんな若者の苦悩、悲しみが見ていても辛い。好きな人が出来ても国の命令に従わなければならないという惨酷さと解放を祝い打ち上げられる花火の美しさを対比するかのような主人公のやりきれない思い、あの洗濯場で暗殺される主人公の場面においても美しい。人が殺される場面をこうも美しく描き、それでいて人間の惨酷さ、やりきれない気持ちをここまで美しく描く作品はなかなかないと思うぐらいどの場面も本当に美しい。けして楽しい映画でもないし、何度も観たい映画でもない。しかし、国を愛する者、それは例えどんな国の人間であろうともけして、変わらない。気持ちは同じであるはず!この映画は単なる政治向きのお堅い映画ではない、青春映画としても見応え十分の作品です。
[ビデオ(字幕)] 8点(2008-07-21 22:25:06)
754.  妻として女として 《ネタバレ》 
凄いねえ!女の恐ろしさと男の駄目さ加減がここまで徹底して描かれているのがまずは何よりも凄い。そして、その凄さを表現して見せているのは二人の女優、高峰秀子と淡島千景、更にそんな二人の間でただただウロウロしているだけの駄目亭主ぶりの森雅之、妾である高峰秀子と正妻淡島千景の女同士の凄まじいバトルの間で何一つとして出来ずにいる森雅之の駄目ぷりが素晴らしい。こういう駄目男、そして、常に何かに対してイライラしている男のだらしなさを演技させるとより凄さを発揮するその名演技ぶり、成瀬監督らしい女の強さと弱さ、男のだらしなさを描く中で高峰秀子と飯田蝶子のやりとりの可笑しさが単なるドロドロした作品でない面白さを見せてくれている。この映画、高峰秀子の友達が皆、誰かしら男がいて愛人であるというのも面白い。また、水野久美の女スパイもこれまた似合いすぎだし、キャスティングの妙とでも言っていい面白さというものがある。星由里子の可愛さも印象に残るし、そんな星由里子が二人の女、高峰秀子と淡島千景に向って吐く捨て台詞における強烈なまでのパンチ、家を出た二人、弟と最後、映画でも観に行こうかと去っていく終わり方も成瀬監督ぽい。あの二人が観に行った?本当は観に行かなかったのかもしれない?が何の映画を観に行ったのか気になる。観る者に対し想像させる力をここで教えてくれているような感じがするのもこの映画の良いところではないだろうか!それにしても浮気は金がかかるけど本気は金がかからないなんて台詞が出てくるのを聞いたりすると、そういうものかな?と考えたくもなるし、これを観たら恐ろしくて私など浮気なんて絶対に出来なくなる。そういう色んなことも真剣に考えさせる力の持った作品だと思いました。現在、きちんとした奥さんがいるにも関わらず別の女と浮気中のあなた!若しくはこれから浮気しようなどと本気で思っているあなた!そういう方にこそ見せて女の恐ろしさを教えてやりたいと監督がまるで言っているようでもあり、いやはや、本当に怖い。怖い。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2008-07-21 14:38:10)
755.  盲獣 《ネタバレ》 
ヤバイです。もう最初からとにかくヤバイです。緑魔子演じるモデルの彫刻を撫で回す船越英二、物凄い変態ぶりです。増村保造監督、もう、あなたの創る世界は本当にどれもがヤバイです。本当に変態です。変態映画を撮らせたらこの監督の上を行く者はいなでしょう!船越英二のあの変態ぶりに加えて緑魔子の変態女ぶりも凄まじい。生まれた時からずっと眼が見えなくて不自由な生活をしてきた船越英二、この二人と船越英二を一人で育ててきた母親との壮絶なバトル、息子への嫉妬、息子を逆に誘惑する女への嫉妬、女と女の女にしか解らないであろう嫉妬、監督の増村保造て人は男なのにどうしてここまで女の気持ちを描けるのか本当に不思議だし、頭が下がる。謝って母親を自分の手で殺してしまった息子、船越英二と悪魔のような女、緑魔子の二人の演技が本当に怖いぐらいで間違っても夜には見れません。あの女の人の裸ばかりの蝋人形のセットも本当に不気味!人間の感覚をまるで人間ではなく昆虫のようにして描くと同時に人間の愛の怖さ、深さまで同時に描き切る。正しくこの監督の本領発揮の凄い映画!あまりの怖さにもう一度、観たいとは思えないが、ここまで人間が壊れていく様子を描いた作品はそうはないと思うぐらいこれは観ていて本当に怖かった。正しくタイトル通りの映画だと感じるとにかく怖い、怖い、そして、何もかも本当にヤバイ映画です。
[DVD(邦画)] 8点(2008-07-13 11:33:28)(良:3票)
756.  痴人の愛(1967) 《ネタバレ》 
増村保造、この監督はやはり変態だ!しかし、単なる変態では済まされないような何か男と女の本質、本当の愛の形というものを徹底して見せつけられたようで怖い。とにかく怖かった。小沢昭一演じる工場で働くどこにでもいそうなごく普通の男が安田道代演じる肉体を武器に色んな男を相手にする下品でどこまでも自由気ままな性格のこの一人の女、ナオミを自分の部屋でペットとして飼う。その凄まじいことといったらない。この凄まじい描写、例えば女が男に跨り、馬乗りになって命令する。男はそれにただ従うだけ!愛する者同士、しかも、この二人は共に不器用で相手に対して、本当の愛というもの、気持ちというものを上手く言えないのである。そんな不器用な男と女、これこそこの増村監督らしいいかにも変態ぽさを醸し出す演出、ナオミ(安田道代)を信用出来なくなった譲治(小沢昭一)の追い出した後のあの寂しそうな表情に男の本当のだらしなさ、刹那さが観ていても痛いほど解りすぎて本当に切なくなってくる。ナオミの譲治への仕返しもこれまた女の怖さ、執念の凄さを感じることが出来る。ナオミにもう、あなたとは友達であって、それ以上ではないわと言われ、それまではナオミの肉体を好きなように見たり、さわったりしていた譲治が気がおかしくなって「ナオミーーーー!じらさないでくれーーー!」と絶叫する場面など正しく男の弱さとだらしなさ、気持ちをストレートに表していて、思わず爆笑してしまったものの、増村映画の特徴とも言える弱い男の気持ちを見事に表した素晴らしい場面だと感じることが出来る。増村映画に出てくる男と女はいつも他人には解らない、本人同士しか解らない痛み、辛さというものが描かれている。お互いが相手を本当に愛して病まないからこそ伝わる痛み、それがあの馬乗りのシーンの痛さと殴られる痛み、殴る痛み、心の痛み、この映画は男と女の心の痛みを不器用な二人の男女の眼を通して描いている。ラストの馬乗りでの小沢昭一の譲治と安田道代のナオミの互いの気持ちを確かめ合う台詞はお互いの不器用さが見ていてとても辛くて泣けてきそうでした。この二人を主役に選んだ監督のセンスの良さも評価したい。
[DVD(邦画)] 8点(2008-07-12 11:01:58)(良:1票)
757.  濡れた二人 《ネタバレ》 
にじばぶ様!遅くなりました。失礼致します。夫と上手くいってない妻と別の男との恋愛映画、メロドラマです。しかし、しかし、そこは監督が増村保造で主演は若尾文子ですから、普通のメロドラマになどなるわけないです。冒頭の風呂についての会話、やりとりからして凄まじいドロドロぶり、火花散る攻防にこの先の展開がどうなって行くのか?という興味が掻き立てられる。夫と喧嘩してばかりで不機嫌そうな若尾文子、折角の約束の旅行も夫の都合で駄目になり、一人で旅に出た若尾文子に待っていたのは何と言うアホで野獣の如く、まるで獣、飢えた狼、ライオンのような男、北大路欣也、こんな危険な男と合わせるなんて増村監督はやはりここでも変態ぶりを発揮している。婚約者であるもう一人の女にバイクを蹴飛ばされ、頭に来て婚約者をレイプする北大路欣也の壊れぷりも凄いが、それ以上に会ったばかりの人妻でもある若尾文子に結婚を申し込むという大馬鹿ぶり、若尾文子に「何を言ってるの」て軽く流された上に船の上で夫よりも好きかもしれない」て言われ頭の中はパニックに、そりゃ北大路欣也でなくてもあんな美しい若尾文子にそこまで言われりゃおかしくなるのも解る。更にこの後の若尾文子も若尾文子で凄い。何を言うかと思ったらあんな風に変になっている北大路欣也に向って「さあ、いらっしゃい」てあぁぁぁぁ~駄目だ!見ていて私も北大路欣也同様、変になってしまいそうでした。てより既に変になってます。良いな!良いな!いくら映画だからって、お話だからって、あんなことまで言われる北大路欣也が羨ましい。それにしても北大路欣也の馬鹿正直ぶりには笑えてしまいます。「俺、奥さんの裸が見たかったんです」て何て正直な奴だ!私も見たいぞ!またそれに対する若尾文子の答えも凄い。「いいえ、お見せするほどのものじゃないわ」て、もう、駄目!こうして感想書いてるだけで鼻血出そうです。しかし、増村監督は男の気持ちというものをよくぞここまで徹底して描きながらも同時に女の気持ちもきちんと描く辺り、毎度のことながら感心させられる。
[ビデオ(邦画)] 8点(2008-07-06 21:53:32)(良:1票)
758.  若者のすべて 《ネタバレ》 
凄まじい!その凄まじさときたら半端じゃないぐらいの恐ろしさです。この監督の映画では「ベニスに死す」が世間的には最も有名で評価も高い気がするが、あの映画はそれまでヨーロッパ映画を一度も観たことのない人には薦められないし、まず最初に観ても解らないだろうが、これは最初に観てもよく解る。とにかくこの映画における描写、心理的描写がとにかく凄い。ある家族の物語で一人の女を好きになった二人の兄弟の全く性格の違う部分を見せながら家族がどんどん破滅していく様子が物凄いリアルに描かれている。アラン・ドロン演じる優しき三男ロッコが眼の前で一つ上の兄のシモーネが自分に対する嫉妬からナディアをレイプするシーンの恐ろしさ、シモーネがどんどん崩れていくのに何もしてあげられないロッコ、ナディアに対しても何もしてあげられず、助けることも出来なかったロッコのあの悲痛、悲しみ、苦しみをアラン・ドロンは見事に演じている。また他の兄弟、特に一番上の兄もシモーネとロッコの仲を元のようにしてあげらず苦しむ姿が描かれている。ナディアを殺してしまったシモーネを最も好きでいた長男の苦しみ、またナディアのことを何も解っていないし、それ以上にシモーネの犯したこともロッコの苦しさも何一つとして解っていないバカな母親、全てがこれだけの悲劇を生むというその痛くて重たいドラマの中にあって、私が思ったのは一番悲しい、哀れなのはナディアではないかと思う。ナディアは確かに二人の兄弟を引き裂く一番の原因ではあるが、母親がもっとまともな人間であって二人の兄弟のことを理解していればこんなことにはならなかったと思うとナディアの「死にたくない」と絶叫したのちにシモーネに殺されてしまう運命に人間の悲しさと惨酷さのようなものを感じてならない。この映画は人間の惨酷さ、醜さをある家族の眼を通して、描いた作品で、そのあまりの凄まじさにとにかく痛い。心が痛む。あまりの痛さに繰り返し観ることは出来ないが、人間が崩れていくこととはこういうものなのかと考えさせられる作品です。
[ビデオ(字幕)] 8点(2008-07-06 13:20:58)(良:1票)
759.  我が家は楽し(1951) 《ネタバレ》 
笠智衆と山田五十鈴が夫婦でその娘に高峰秀子と岸恵子ってどんな家庭や?何だかそれだけで凄いドラマが待っていると期待せずにはいられない。期待通りの出来栄えです。勤続二十五年の祝いをしてもらうこととなった笠智衆が山田五十鈴の前で表彰状を受け取る時の練習風景が何とも笑える。まるでチャップリンのようなコミカルな動きと表情、そんな楽しい前半が電車の中でスリの被害に会ってお金を全て盗まれてしまってから不幸の連続へと進んで行く中で、妹二人と弟がそんなこととは知らずにいる中で、偶然にもそのことを聞いてしまった高峰秀子が自分の書いた絵を売ろうとする姿に何だか泣けてきて仕方ない。毎度ながら高峰秀子という女優さんは見る者に対し感情移入させるのが本当に上手い。ただ上手いだけでなくつい、応援したくなるそんな魅力を持った数少ない女優、それが高峰秀子だと思う。山田五十鈴の果せなかった夢を二人で語るシーンの母と娘の会話、やれとりもこれまた良い。このまま不幸で終わるかと思ったら最後は再び幸せが待っている。一度は家族全員、家を追い出されなくなったものの山田五十鈴の母の一言で再び絵を書くことにし、その絵が認められ、更にその一枚の絵が原因で家を出なくてすむようになった家族達、そこで元気いっぱいに歌う岸恵子、それに釣られるようにして歌う笠智衆と山田五十鈴の二人の表情の素晴らしさ、お金よりも大切な何かを得ることの出来た人達、見ている私にもお金よりも家族の愛、絆の方が大切であることを改めて教えてくれたこの家族達の名演技ぶり、言葉に出さなくても背中で演技する笠智衆と家族を支える山田五十鈴の名演技ぶりに高峰秀子という女優の凄さ、美しさに見入ってしまうこと間違いなしのこれまた見応え十分のホームドラマを見せてもらった思いでいっぱいになりました。
[ビデオ(邦画)] 8点(2008-06-22 11:20:08)(良:1票)
760.  姉妹(1955) 《ネタバレ》 
野添ひとみと中原ひとみの二人のひとみコンビによる姉妹の物語で、これがまた何とも素朴な感じが二人の演技とその周りの人達の温かさから感じる良い映画です。この話の中では姉が野添ひとみで妹が中原ひとみですが、実際のところ、二人の年齢を見ると野添ひとみより中原ひとみの方が姉ではある。そんな二人がとにかく本当に良い。しっかり者の姉と天真爛漫で思ってることは何でもぽんぽん口にする活発な妹、性格の違うこの二人が色んな悩みな苦しみを超えて、最後は結婚する姉とそんな姉を見送る妹、姉と妹の喧嘩もするけど本当に心の通っている姉妹である様子が観ていても解る。妹が姉に対して言う台詞「私も私なりに幸せになるから、お姉ちゃんはお姉ちゃんらしく幸せにね」「お姉ちゃん、本当の主婦みたいだったもの、あはははは」て笑いながら泣くあの顔は忘れられなくなりそうなぐらい本当に良い妹ぶりを発揮している。そして、花嫁姿でバスに乗り去っていく姉を一人、丘の上から「お姉ちゃん~~~」と叫ぶ妹の姿に姉と妹、妹が姉を心から応援しているという妹から姉に対する励まし、応援とも取れるラストシーン、これは間違いなく妹から姉への応援メッセージと共に姉の妹への私は結婚して嫁いで行くけど、けして、妹のことは忘れないという正しく「姉」と「妹」タイトル通りの「姉妹」の絆を美しく描いた作品だ!
[ビデオ(邦画)] 8点(2008-06-20 22:01:23)
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