Menu
 > レビュワー
 > にじばぶ さんの口コミ一覧。38ページ目
にじばぶさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3227
性別 男性
自己紹介 監督別鑑賞作品数

成瀨巳喜男 69
溝口健二 34
川島雄三 40
小津安二郎 37
石井輝男 24
豊田四郎 19
石井岳龍 18
矢崎仁司 12
西川美和 8
山下敦弘 15
今泉力哉 21
フェデリコ・フェリーニ 24
ミケランジェロ・アントニオーニ 14
ピエル・パオロ・パゾリーニ 16
ルキノ・ヴィスコンティ 17
ジャン=リュック・ゴダール 34
フランソワ・トリュフォー 24
ルイ・マル 17
ジャン・ルノワール 15
ジャック・ベッケル 13
ジャン=ピエール・メルヴィル 11
ロベール・ブレッソン 12
イングマール・ベルイマン 27
アルフレッド・ヒッチコック 53
ジム・ジャームッシュ 15
ホウ・シャオシェン 19
ウォン・カーウァイ 14
ジャ・ジャンクー 9

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101102103104105106107108109110111112113114115116117118119120
121122123124125126127128129130131132133134135136137138139140
141142143144145146147148149150151152153154155156157158159160
161162
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101102103104105106107108109110111112113114115116117118119120
121122123124125126127128129130131132133134135136137138139140
141142143144145146147148149150151152153154155156157158159160
161162
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101102103104105106107108109110111112113114115116117118119120
121122123124125126127128129130131132133134135136137138139140
141142143144145146147148149150151152153154155156157158159160
161162
>> カレンダー表示
>> 通常表示
741.  さすらい(1957) 《ネタバレ》 
1957年の作品で、しかも特別メジャーな作品というわけでもないので、画像の状態は良いとは言えなかった。  でも最近は1950年代~60年代のモノクロ作品を見慣れてきたせいか、大して苦にならなかった。 むしろ、アントニオーニ地獄にぐいぐいと引き込まれてしまった。  スティーヴ・コクラン演じる主人公の男はかなり横暴なキャラで、(内縁の)妻に暴力ばかり振るっている。 とてもじゃないが、共感できるような主人公ではない。  しかしただ単に乱暴な亭主かと言えばそうでもない。 一人娘をかわいがったり、妻に捨てられ弱いところを見せたりするのだ。 主人公の見せるこの「ギャップ」がとてもよかった。  妻に捨てられ、小さい娘を連れて「さすらい」の旅に出る辺りから、“ロードムービー”的な色を帯びてくる。  旅先で仕事を見つけるのだが、娘のことを考えて仕事をするのをやめてしまう。 なんて娘想いの父親なんだ・・・と思いきや、今度は唐突に娘を母親の元へ送ってしまったりと相変わらずハチャメチャな主人公。  そして最後は悲劇的な結末を迎えてしまう。 結局、最後まで優しい人なんだか何なんだか分からないキャラで、最後まで主人公に対して共感することができなかった。  しかし、何故だか主人公に対して愛着を感じた。 時折見せる「弱さ」みたいなものが、日頃横暴なキャラだけに際立ち、そこから人間味を感じ取ることができたからではなかろうか。  なんか最後まで救いようのない話で終始するんだけど、単純なハッピーエンドではないだけに、かえって心に残る一本となったようだ。
[地上波(字幕)] 8点(2021-05-28 00:18:58)
742.  夜霧の恋人たち 《ネタバレ》 
ジャン・ピエール・レオ扮する主人公は、監督であるフランソワ・トリュフォーの分身であり、監督の自伝的作品である。 『大人は判ってくれない』『アントワーヌとコレット』に続く“自伝シリーズ”の三作目でもある。  相変わらずダメダメな主人公。 だけど、『大人は判ってくれない』の時の少年時代よりもかなりたくましくなってはいる。 まあ、大人になったわけだから当たり前だけど。  軍隊に志願して入隊するも、すぐに除隊。 その後、知り合いの紹介でホテルの宿直の仕事に就くが問題を起こして即クビ。  そして辿り着いたのが「探偵」の仕事だった。 探偵の仕事も決して順調にはいかず、失敗続き。  しかしそんな主人公にも「友達以上恋人未満」的な女性がいた。 これがなかなか可愛いのだ。 ダメダメな主人公にはもったいないくらいの女のコ。  しかし、主人公はここでもダメダメで、どうにも男女の仲が発展していかない。 デートで女のコの方から手を握られても、なんのきっかけも得られずじまいなのだ。 こんなところが私に似ていて、とても共感をおぼえたりした。  そんな時、主人公は探偵の仕事の一環として、ある会社に従業員として潜伏するよう命ぜられる。 そして、その会社の社長婦人に恋をしてしまうのだ。 主人公に気のあるかわいい女友達がいるというのにだ。  そしてこの社長婦人がとてもエレガントで綺麗なのだ。 私は主人公と同じ様に惚れこんでしまった。 ここでも共感をおぼえた。  この社長婦人役の女優さんを調べてみたところ・・・ デルフィーヌ・セイリグというらしい。  この映画に出演した時は36歳くらい。 こんな30代中盤の女性が身近にいたら確かになぁ。。 っていうか、いいなー主人公・・・  ・・・とまあ、とても魅力的なデルフィーヌ・セイリグ。 姿勢も綺麗だし、足がとっても綺麗。 控えめな雰囲気ながら、確かな魅力を放っているのが凄い。  この作品、おはなし自体も十分楽しめるし素晴らしい作品なんだけど、なんといってもこの女優さんの印象の方が強く残っている。   皆さんも、「映画の中身より女優(俳優)」っていうお気に入り映画があるんじゃないでしょうか? 私にとってこの作品は、そういう意味でのお気に入り映画となったわけなんです。
[ビデオ(字幕)] 7点(2021-05-28 00:18:08)
743.  乱歩地獄
「火星の運河」「鏡地獄」「芋虫」「蟲」の4話からなるオムニバス。 全てが江戸川乱歩原作の作品だ。  4話全てに浅野忠信が出演しており、浅野忠信ファンには贅沢な一本であった。 しかし、「蟲」以外の作品は、浅野忠信の魅力が十分に発揮されていたとは言えず残念だった。 もっと言えば、浅野忠信じゃなくても問題なかったというレベルのものだった。  しかし、最終作品の「蟲」はかなり浅野忠信の個性と魅力が発揮されていた。 私の苦手な“ヒル”も登場しまくりだったし。  満足とまではいかなかったが、“及第点”と言えるレベルの作品であった。  ただ欲を言えば、もっと過激な描写があっても良かったと思う。 なんか中途半端な過激さだった。  そこが残念と言えば、残念である。
[映画館(邦画)] 6点(2021-05-28 00:17:04)
744.  獅子座
エリック・ロメールというフランス人監督の、1950年代の作品。  ロメール作品を観たことがなかったので、一つくらい観てみようと決意。 ロメール作品の中で、ツタヤに置いてあるものがこれしかなかったので、この作品を選択した。   プータローで腹の出た40男の主人公が、ひょんなことからホームレスへと堕ちていく。 その過程を描いた、ストーリー的にはいたって単純明快なものだ。  かっこいい主人公でもないし、別に感動できるストーリーというわけでもない。  だけど、ホームレスに堕落していく過程の描かれ方は、なかなかのもの。 徐々に迫り来る飢えに対する恐怖などが、リアルに描かれているのだ。  最初はこ綺麗なスーツを着ている主人公。 さまよい歩くうち、まずは靴の底が剥がれる。 そして、ズボンが汚れ、上着も汚れ・・・  少しずつ、それっぽい“身だしなみ”に近づいていくのだ。 これは細かい演出だが、観ていて笑いが出るくらい楽しめた。  しかし、終わり方が良くない。 でもとにかく終わり方が・・・ もう少しヒネリがあればなぁ。 まあ、この終わり方もこれはこれで良いのかもしれないが。  それにしてもこの主人公を演じたジェス・ハーン、あまりにノーテンキなボンボンが板につきすぎ。  腹はダボダボ、おまけに歩き方もチンタラチンタラしている。 しかも、“自称作曲家”っていう設定も更に笑える。  こんなに笑うべき作品じゃないのかもしれないが、こういう見方もアリかと。
[ビデオ(字幕)] 6点(2021-05-28 00:16:30)
745.  ボッカチオ'70
デ・シーカ、ヴィスコンティ、フェリーニという豪華な監督陣によるオムニバス映画。 なんと、上映時間はあわせて“204分”という超豪華版。 しかも長いだけでなく、個々の監督の個性が十二分に発揮されており、かなり「濃い」内容となっている。 私はビデオをレンタルしたのだが、上巻・下巻を二日に分けてやっと観終えることができた。  この4作品の中で、巷で一番評判がいいのが、第1話のモニチェリによる作品だ。 私も“面白さ”という基準だけで選べば、この作品が一番。 主人公夫婦の働く工場での「人、人、人」の混雑ぶりも圧巻だし、新婚夫婦の奮闘ぶりや、貧乏だけどひたむきな暮らしぶりなどは共感が持てるし、観ていて楽しい。 この作品だけでも観る価値はおおいにあるだろう。 しかし、このオムニバス作品の凄いところは、そこに更に巨匠3人の作品が加わることである。 1話目のモニチェリのライトな良作を楽しんだ後、二話目にはフェリーニの渾身の一撃を食らうことになる。 フェリーニのは55分なのだが、彼のその他の長編と比較しても勝るとも劣らない、凄まじいエネルギーを放っている。 はっきり言って見終えた後は、“グッタリ”だ。 開始早々から「フェリーニ節」全開で、飛ばしまくる。 そしてアニータ・エクバーグの不気味なボディと笑い声。 そんでもって、相変わらずの“乱痴気騒ぎ”。 たった55分でも、ものの見事に観てる者を「フェリーニ・ワールド」へと誘ってくれる。  そして、その後の3話目にくるのが、ヴィスコンティの短編。 これもまた容赦はしてくれない。 短編なのに、相変わらず“豪華絢爛”だ。 そして「貴族的退廃ムード」も全開である。 フェリーニ作品みたいに疲労はしないが、これはこれでお腹いっぱいにさせてくれる。  最後の4話目は、デ・シーカの短編。 フェリーニやヴィスコンティに比べれば、まだ“薄い”ものの、そこは巨匠。 ラストに到るまで、ぬかりは無し。  フェリーニやヴィスコンティの作品を既に何個も観たことがあり、それぞれの監督の個性とアクを知っている人にオススメしたいオムニバス映画だ。 そういった人ならば、この作品のボリュームと豪華さに、必ずや大満足できるであろう。
[ビデオ(字幕)] 6点(2021-05-28 00:15:24)
746.  アイデン&ティティ
この作品、浅野忠信はいわゆる“カメオ出演”だ。 つまりは、チョイ役。 その作品が自分に合った作品ならば、別にチョイ役でも全然構わない。 純粋にその作品を楽しめばいいからだ。 だけど、チョイ役であるにも関わらず、その作品が自分に合わなかった時は、ちとキビシイ。  最後まで観るのが苦痛になる。 この作品はと言えば、“微妙”なところ。 やや、ハズレかもしれない。  かなり昔に、『イカ天』という深夜番組があった。 “バンドブームの火付け役”と言われた深夜番組だ。 この作品は、その“バンドブーム”を題材に扱っている。  私は年代的に『イカ天』はもちろん知っているし、深夜番組を当時見まくっていたので、この番組も見ていた。(ちなみに、その後にやってた『エビ天』の方が好きだった。) しかし、個人的に音楽をテーマに扱った映画というのが苦手なので、いまいちハマれなかった。 あと、みうらじゅんとか好きじゃないし。 よく知らないけど、主人公の男も好きになれなかった。(目つきが特に)
[DVD(邦画)] 2点(2021-05-28 00:14:49)
747.  御法度
“衆道”というものを題材に撮られた異色の時代劇。 前知識無しでいきなり観て、単なる時代劇だと思っていたところで、このテーマだった為、正直驚いた。 そして、この作品を観て、初めて『ヤオイ』という言葉を正確に理解した。(それまで聞いたことはあったが。)  さて、主人公は松田龍平。 あの松田優作の長男だ。 しかし、どうもこの役者が苦手だ。 大体、新撰組の野郎どもに狙われるほど、魅力があるとも思えない。 その辺のリアリティが欠けてるので、いきなり入り込めなかった。 “ヤオイ”モノを観るのは初めてだったが、そんなに抵抗感はなかった。 それよりこの役者のミスマッチぶりの方に抵抗を感じた。
[DVD(邦画)] 4点(2021-05-28 00:14:14)
748.  直撃!地獄拳
日本映画史に名を残す“鬼才”監督、石井輝男初のアクション作品。 石井輝男作品は、今まで沢山観てきたが、どの作品も熱かった。 しかししかし・・・ この作品の熱さはハンパじゃない!! 千葉真一の「コォォォォォーーーーオオオ」の気合いの入れ方が熱い熱い!(関根勤が千葉真一のマネをする時にやる、アレそのままです。笑) 笑いころげる程の熱さ。 そして千葉真一の顔も濃くて暑い。 こんなに熱くて笑えるアクション映画を観たのは初めてだ。 日本が世界に誇れるアクション映画である! ハァーーーーーアアアアアーーーーアチョーーー!! 劇中の千葉真一は、“甲賀忍法”の使い手なのだが、何故か「ヌンチャク」が登場する。 このヌンチャクさばきが凄い!! 凄すぎる! 速い! とにかく速いのだ。 速すぎて笑えてしまう程に。 何故、速いだけで笑えてしまうのか?? それは石井輝男作品に共通する不可思議な面白さによるものだ。 バカらしいことを、凄い技術と真剣さと真顔で演じることの面白さ。 それが石井輝男作品に共通する独特の面白さであり、その独特の面白さは、本作において特に強く発揮されている。 しかし速ぇなー、あのヌンチャクさばき!  さて本作は豪華キャストでもあったりする。 津川雅彦、安岡力也、倉田保昭、室田日出男、真田広之などなど。 若い頃の安岡力也が出演していたが、これがやたらに弱い役で最高。 千葉真一に一方的にやられっぱなし。 あのガタイであんなに弱いとは思えないが・・・ そして“日本のドラゴン”こと倉田保昭。 凄い身のこなしと筋肉。 本場のカンフー映画で活躍したその実力を、まざまざと見せ付けられた。 本作は、石井輝男作品に共通する“シリアスさと笑いの不思議な融合”を分かりやすく堪能できる貴重な作品である。 とにかく熱いこの作品。 DVDも発売されていない模様で、鑑賞することがやや困難な状況なのが惜しい。 埋もれさせておくには惜し過ぎるアクション・ムービーの傑作だ。  追記:2007年にDVDが発売されたようですね!嬉しい!
[ビデオ(邦画)] 8点(2021-05-28 00:12:55)(良:1票)
749.  波影 《ネタバレ》 
物語は少女のあどけなさが残る大空真弓演じる女性が、雨の中でお墓参りをする場面から入っていく。 恐ろしく沈鬱なムード。 岡崎宏三のカメラが、その沈鬱なムードを際立たせている。 陰影の効いた、少し暗い感じのするモノクロ映像だったが、悲哀たっぷりに海を臨む墓地を映し出しており、文学的なムードと相まってとても美しい。  画面は一転して、明るめの雰囲気に。 そこで若尾文子が登場。 いやー、美しい。 艶かしい。 実に着物が似合っている。 お尻の線が色っぽ過ぎる。 今まで私が観てきた若尾文子出演作の中で、最も美しい若尾文子がそこにいた。 白状すれば、今までは若尾文子がそんなに好きではなかったし、大して美しいとも感じていなかった。 それが、本作で簡単に覆ってしまった。 本作では、若尾文子の美しさが見事なまでに映し出されている。 “ベスト オブ 若尾文子”な作品。 本作の魅力を一言で表現すればこんな感じだろうか。  若尾文子演じる雛千代は、悲しい過去を持ちながらも、とても明るく、誰に対しても優しい。 どんなに辛くて困難な状況でも、悪態をつかず、常ににこやか。 まるで、自分の幸せを全て分け与えてしまっているかのようだ。 雛千代は、娼館(置屋)で女郎をしているのだが、そこの女将さんの娘と懇意になる。 その娘を演じたのが、上に書いた大空真弓である。 娼館で勤める身なので、年下の娘に対して敬語を使う雛千代。 それに対して、娘はタメ口。 だけど、二人の雰囲気は悪くない。 悪いどころか、とても仲むつまじいのだ。 冒頭で雛千代が亡くなるという悲劇的結末を先入観として観ているこちらとしては、明るすぎるこの二人のやり取りが、むしろとても哀しいものに見えてくる。 この哀しき二人のやりとりを「美しい」とみるか、「陰鬱で辛い」とみるかは人それぞれであろう。 しかし、少なくとも私は、あまりにも哀れに感じてしまい、観ていて辛さばかりが先にたってしまった。 もしかすると、私と同じ様に感じていた人もいたのではないだろうか。 ここにDVD化されていない理由の一端があるんじゃなかろうか。 そんな気がした、あまりに哀しすぎる二人の仲むつまじきシーンであった。
[映画館(邦画)] 5点(2021-05-28 00:11:45)
750.  幕末太陽傳
満を持して、川島雄三監督の代表作にして、日本映画を代表する傑作『幕末太陽傳』を鑑賞することができた。 川島監督の作品はいくつか観てきたが、やはり本作のパワーとスピード感は別格だった。 日本映画史に名を残し、「日本映画ベスト10」といった企画等で常連である本作。 その実力を目の当たりにすることができた。  川島監督にハマりつつあるが、それと同時にフランキー堺にもハマりつつある。 フランキー堺の丸っこい体に似つかわしくない、その軽やかな動きに脱帽。 あの動きは確かに“芸術”の域にまで達している。 そして、とぼけた表情に、スピーディな軽い語り口。 外見的には決して二枚目ではないのに、劇中の女性に惚れられる役回りが多いが、確かにそれを納得させる人間的魅力を感じる。 ちなみに本作には、石原裕次郎も出演している。 主演はあくまでフランキー堺だが、石原裕次郎もさすがの存在感。  その他のキャストも実に豪華。 南田洋子、金子信雄、山岡久乃、岡田真澄、菅井きん、西村晃、二谷英明、小林旭・・・などなど。 特に岡田真澄のインパクトが大。 「若い頃は痩せていて、晩年とは全く違う感じだった」と誰かに聞かされた記憶があるが、確かにその通りであった。  本作は、幕末の品川遊郭を舞台にしているので、沢山の女性が登場する。 その中でも中心的役割を演じた女性が南田洋子。 ご存知、長門裕之の奥さん。 これがとても美しくてビックリ! 南田陽子って、こんなに綺麗だったんだぁ・・・と感心してしまった。 これなら長門裕之も惚れるハズ。  フランキー堺の魅力あふれる演技と、豪華な脇役陣、美しい女性たち、そして「古典落語」を題材にした数々の面白いエピソードなど、見所を挙げればキリがない。 劇中の騒々しさとラストの静けさとの対比や、味わいのあるラストシーンも素晴らしく、“日本映画を代表する1本”という肩書きに偽りはなかった。
[DVD(邦画)] 9点(2021-05-28 00:10:32)
751.  ハモンハモン
ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞(準グランプリ)を受賞した作品。 ペネロペ・クルス主演の熱い熱いスペイン映画。 そして衝撃のラスト。 ただ単にビックリするという意味での衝撃のラストではなくて、“映画の始まりの時点では絶対に予想できないであろう”という意味での、衝撃のラストである。  ペネロペ・クルスは、本作で映画初出演にして初主演を演じた。 そして、その過激な役回りが話題を呼んだ本作。 終始、“吸わせ過ぎ”である。 私は、こんなに吸わせ過ぎの映画を観たことがない。 あと、屋外で駅弁を食べるのも凄い。 駅弁ってのは、普通、電車の中で食べるものではないのか?? でも、屋外だと解放感があっていいのかな?  本作は、全体的な作りとしてはやや緩慢な印象を受ける。 とにかくゆるい。 だが、そこは「スペイン映画」。 日本人的感覚で単純に評価するのは違うような気もする。 ただ、これが「スペイン映画」と断定するのも危ない気がする。 でもとにかく熱い本作。 「スペイン=熱い国」のイメージにピッタリくる作品ではある。 本作を楽しむには、理屈を唱えてはならない。 ただただ、目の前で起こる事象を真っ直ぐに受け止めるべし。 そうすれば最後には、“ニヤり”とさせられるであろう。 そして、本作の“熱さ”に心焦がされるに違いない。
[ビデオ(字幕)] 5点(2021-05-28 00:09:43)
752.  宗方姉妹
まず“宗方姉妹”の妹の方を演じた高峰秀子。 高峰秀子の出演作は『浮雲』をはじめ、意外と沢山観てきているが、本作での高峰秀子は最強のインパクトであった。 「本作における彼女は、彼女らしくない」と、批判の声も聞こえるようだが、いやいやかなり良かった。 特に、「~であった。」と、寅さんばりの独り語りをみせるところが秀逸。 ここに、彼女の特異な才能を見出すことができた。  次に姉の方を演じた田中絹代。 溝口作品で沢山観てきた女優だが、今まではどうも魅力を感じなかった。 特に、“女性として”の魅力を。 ところが、本作では不思議と、その“女性として”の魅力を感じることができたのだ。 あの慎ましやかな女性像。 現代の男にとっては憧れですね。  そして、その姉妹二人から想いを寄せられる色男役に上原謙。 終始、ニヤついた演技を見せている。 ずっと、いつでもニヤついているのだ。 ニヤつき頻度は、私が今まで観てきた映画の中でもナンバー1。 しかも、そのニヤつきが板についているから凄い。 さすがは上原謙。 ニヤつき上原謙。  上にも書いたように、高峰秀子が独り語りで、様々な魅力あふれる小話を披露する。 その中でも、最も私が心奪われた小話を、ここに引用してみよう。  ある寒い日、二人は皇居のお堀端を歩いていた。 男は手をつなぎたかった。 だけどつなげなかった。 二人は若かったのだ。 いつまでも歩いていたい二人であった。 しばらくして男は女に訊いた。 男「ねぇ、寒くないかい?」 女「いいえ。」 そして女はショールを肩に上げながら言った。 女「あなたは寒くないですか?」  最近、これに似た淡い経験をしたばかりなので、妙に心に沁みた。 人は自己の経験とオーバーラップするシーンを、映画の中に見出したりすると、妙に感動するもんですね。 誰もが経験する自分の中の青春の1ページ。 それと似たようなシーンが、映像として刻まれている作品。 そんな作品を観た時、自分ならではのオリジナルな感動を味わえるのだ。 そして、それが映画の持つ固有の魅力なのだろうと思う。
[DVD(邦画)] 8点(2021-05-28 00:09:09)
753.  (ハル)(1996)
森田芳光の監督作品を観るのはこれで3本目。 『家族ゲーム』は最高に面白かったが、『の・ようなもの』はそれほどでもなかった。 果てして、本作『(ハル)』はいかがなものか?! 本作の評価によって、私の森田芳光に対する評価が固まる気がする・・・ そんな予感あり。  主演は深津絵里と内野聖陽。 深津絵里は今とそれほど変わらない感じ。 それとも、ファンでないからその違いに気付かないだけなのか?! それに対し、内野聖陽は若い!の一言。 内野聖陽と言えば、フジテレビのいわゆる“月9”ドラマ『不機嫌なジーン』が印象的。 竹内結子と共演し、独特でいて不自然な演技をみせた、あの内野聖陽だ。 本作『(ハル)』における内野聖陽は、髪も短く、セリフ回しもごく自然。 自然すぎて、面白味に欠けてしまったほどだ。  でも、待てよ? そもそも彼に面白味を要求するのは間違っているのかな? 彼は一応、二枚目俳優なんだし。 だけど、『不機嫌なジーン』の彼の印象が強過ぎるので、それはある意味仕方ないのかも。 ということで、内野ファンの方、どうかお許し下さい。  深津絵里の妹役で登場した戸田菜穂。 深津絵里の方が若く見え、彼女の妹役というのが何とも不自然に感じた。 というか違和感ありまくり。 というか姉妹にしては似てない。 でも、この頃の戸田菜穂より、今の戸田菜穂の方が綺麗だな。  本作は、いわゆる“ネット恋愛モノ”のハシリで、当時の時代背景を考えれば、その独創性は高く評価すべき。 しかし、時代背景そのものを、決して洗練されているとは言い難い映像と音楽で見せるばかりに、今観るとあまりに古臭くなってしまっている。 “1980年代から90年代にかけての邦画の古臭さ”が異常に臭うのだ。  だが白眉なシーンもあるにはある。 それはラストシーン。 カラーからセピア色に変わるあのシーン。 あれは意外と好き。
[ビデオ(邦画)] 6点(2021-05-28 00:08:25)
754.  スパイシー・ラブスープ 《ネタバレ》 
5話からなるオムニバス・ラブストーリーなんですが、映像センス、音楽センス、女優の美しさなどなど、全てが高いレベルで仕上がっています。 ストーリーこそ、日常的な部分を描いているせいか、平凡と感じてしまう部分もあるかもしれませんが、観た後にしみじみと心に残り続けるであろう、素晴らしい短篇ばかりでした。  5話とも素晴らしい作品でしたが、その中でも「少年と少女の恋」を描いたパート、「離婚夫婦とその子供」を描いたパート、「すれ違いの若い男女」を描いたパートの3つが、特に気に入りました。  「少年と少女の恋」のおはなしですが、これが純粋に面白かったんです! 少年は白いワンピースを着たクラスメイトの彼女に恋をします。 いつも後ろの席から、彼女を下から上へなめまわすように見ています。 そして彼は常に“ボイスレコーダー”を持ち歩く音フェチでもあります。 そこで少年は思いつきました。 「大好きな彼女の声を盗み録りしよう」 と(おいおい)。  そして、その少女を演じたカオ・ユアンユアンという女優。 白いミニのワンピースがとても似合っていて、かわいいのです。 少年はそのテープの中で、「また、あの白いワンピースを着てきて」と、一方的にお願いしたりもしているんですが、その気持ちは分かりました。 だけど、“告白テープ”の中で、そんな変態じみたことを言っていいんでしょうか?? そういった意味での、興味の尽きない短篇でした。  そして、「すれ違いの若い男女」を描いたおはなしについて。 このパートで主演を演じた徐静蕾(シュー・ジンレイ)という女優。 チャン・ツィイーらと並ぶ、中国の有名女優らしいのですが、これがとてもかわいい! 劇中では、「AUのキャンペーンガールの様な格好でアルバイトをする」役を演じていたりするんですが、この格好がとてもいいのです。 この監督、服装フェチなんでしょうか? まあ、私にとっては嬉しい限りですが。  他の2作品も、なかなかの出来と味わいで、全体的によくまとまった感のある素晴らしいラブストーリー・オムニバスでした。
[ビデオ(字幕)] 6点(2021-05-28 00:07:26)(良:1票)
755.  貸間あり
“初川島雄三”を「フィルムセンター」で体験してきました。 川島作品といえば、『幕末太陽傳』『洲崎パラダイス 赤信号』『しとやかな獣』辺りから入っていくのが無難なんでしょうが、貴重な本作がちょうどフィルムセンターで上映されるということで、行ってきました。 フランキー堺が主演の1950年代喜劇ということで、自分にとってはやや敷居が高かったですが、意外と楽しめました。 主演のフランキー堺、ジャズ・ドラマー出身ということですが、演技うまいですねー。 びっくりしました。 そして変に体格も良いです。  そして脇役で強い個性を発揮していた桂小金治。 こちらも落語家ですが、自然な演技で素晴らしいです。 若い頃も同じ様な顔してたんですね。  ヒロインの淡島千景ですが、個人的には好みに合わなかったです。 なので、男性出演陣に共感できず。 あのパーマは、現代的センスで見てしまうと、ひいてしまいます。 完全におばはんパーマです。  ところで本作、冒頭から凄いハイテンションです。 よほど集中していないと流れについていけないくらいのスピード感。 その後も、ドタバタ喜劇的な色合いのジョークが連打されていき、観ているこっちはノックアウト気味です。 これを「息もつかせぬ笑いの連続」と取るか、「テンション高すぎ、スピード早過ぎで疲れる」と取るかは、ほんと好み次第。 私は両方でした。  笑いのセンスとしては、正直合わない部分が多かったです。 しかし、登場人物が全てクセ者ぞろいで、各キャラクターが実によく作りこまれています。 その為、後半はいつの間にか“川島ワールド”に引き込まれたのも事実。 特にフランキー堺の演ずる主人公が、実に人間味があってよかったですね。  “サヨナラだけが人生だ” 何度となく本作で繰り返される“川島監督の座右の銘”といわれる名文句。 実に奥深い言葉でした。
[映画館(邦画)] 7点(2021-05-28 00:06:16)
756.  ワイルド・アット・ハート
“鬼才”デヴィッド・リンチの比較的初期の頃の作品。 リンチ作品の中では『マルホランド・ドライブ』や『エレファント・マン』と並び、非常に評判の良い本作。  しかし、映像的には特別みるべきものはなく、リンチ後年の美しい作品群と比較すると、かなり雑な印象を受けた。 また、リンチ独特の緊迫感もなし。 そしてエログロさも弱い。 しかし、だからといって本作がダメというわけではない。 というより、後年の作品群と比較するという考え方自体が間違っている。  なぜなら、本作は後年の作品群の基礎となった作品であるといえるからだ。 つまり本作には、リンチ風味のエッセンスが凝縮されているのだ。 荒削りだが、その輝く原石のまばゆさに、きっと目を奪われるであろう。  主演はニコラス・ケイジ。 この頃のニコラス・ケイジには、まだ頭髪がタップリあった。 そして、この頃から既に“ダサカッコいい”。 蛇皮のジャケットが奇妙にハマっている。  そしてその相手女優に若き日のローラ・ダーン。 身長180cmでスレンダー、そして出るところは出ていて、抜群のプロポーション。 個人的には理想の体型だ。 劇中のセリフを拝借すれば、 「やせていて、おっぱいがコンニチハしている女のコ」(訳:戸田奈津子) である。 本作では常に露出も高く、セクシー極まりない。 そしてラブ・シーンもてんこ盛り。 ローラ・ダーン好きの私としては、これだけでも十二分に楽しめた作品であった。  ラストの展開には唖然。 あの“天使”は一体・・・  リンチという監督は、映画を撮り重ねることで洗練されていったんだなぁ、と実感。 全体的にダメダメ感が漂う本作ではあるけれど、決してつまらないというわけではなく、むしろ面白い。 このセンスのイマイチ感と面白さの不思議な融合が、評判の良さの理由ではないだろうか。  リンチ作品の中では、個人的に、『マルホランド・ドライブ』に次いでオススメの作品である。 そしてローラ・ダーン好きの人には絶対に外すことのできない作品だ。
[ビデオ(字幕)] 7点(2021-05-28 00:05:04)
757.  茶の味
いやぁ~~~、この映画はサイコーだった!! 現代日本映画ココにありき!の傑作movie!! ちょーオススメしたい映画だ。  かつて、この予告篇を映画館で見た時、その特殊効果(CGの演出)シーンばかりが強調されていたので、全編にわたってCGばっかりなのかなぁ、、、という印象を持った。  しかし、実際の内容は、予告篇で感じたイメージとは全く異なっており、とても幸せになれる、気持ちのいい映画だった。やはり予告篇だけじゃ、映画は分からない。  大好きな浅野忠信も、その魅力を発揮しまくっているが、その他の出演陣もいい味を出している。特に、映画、『鮫肌男と桃尻女』に続く、“怪演”をしてみせた我修院達也(旧俳優名、若人あきら)は素晴らしかった!ソロアカペラ『三角定規』は奇妙奇天烈!! 「すごい!」の一言だ。  あと、“リトルテンポ”のテーマ曲も最高! この映画の、ほのぼの感も最高! おっしゃる通り、とっても「ピースフルな物語」だった。  理屈じゃなく、こういう「雰囲気」で楽しむ映画は、最高に好きだ。
[DVD(邦画)] 8点(2021-05-28 00:03:44)
758.  タイフーン・シェルター
いやぁ、評判通り、ストーリー的にはなんてことのない作品。 また、同時に、期待していた通りの素晴らしい映像美だった。  舞台は、返還前の香港。1997年。 ちょうどその頃、私も卒業旅行で香港を訪れていた。  啓徳空港から飛行機が離着陸し、ビルすれすれに飛行機が飛ぶ。 そういった光景が映画の中に出てくるが、これも実際に見たことのある風景だ。  ちなみに、啓徳空港はその後、取り壊され、現在は存在しない。 返還前の香港の、「古き良き風景」の一つだ。   香港が中国へ返還されていく際の、人々の不安と期待が、クリストファー・ドイルの映像と共に、たんたんと描かれている。 映画レビューサイトで誰かが記していたが、「プロモーションビデオを長編にした様な映画」だった。  又、「シアターブルック」というバンドの曲が、かなりの頻度で流れるので、「シアターブルック」ファンには楽しめる映画だと思われる。  ストーリー性が薄いのもあるし、「返還前の香港」に特別な思い入れの無い人にとっては退屈な映画だろう。  しかし、主演の浅野忠信はもちろんだが、その相手役を演じた、緒川たまきという女優さんがなかなか良かった。 クリストファー・ドイルの撮り方が上手かったのもあると思うが、とても魅力的に映っていた。 手足が長く、スレンダーで抜群なプロポーションが印象的だった。
[ビデオ(邦画)] 5点(2021-05-28 00:02:43)
759.  ベティ・ブルー/インテグラル<完全版>
『ベティ・ブルー インテグラル完全版』を観た。 なんと185分に及ぶ作品。(ちなみにこれはノーカット完全版)  とにかく重い。 でも、根強い人気を持ってる作品だけあって、訴えてくるものが半端じゃない。 個人的には、女性なら共感できる人も多いのでは?と思った。 男性だとダメージが出るかもしれない・・・(あくまで個人的意見)  それだけ「凄い」映画だと思う。 ベティを演じるベアトリス・ダルという女優さんの魅力と怖さを十二分に体感できる作品だ。  決して、気分が上向くような映画ではない。 しかし、観ても損はない1本だと思う。
[ビデオ(字幕)] 6点(2021-05-28 00:02:07)
760.  水の女
歌手であるUA主演の邦画。 あんまり期待していなかった。  そして前半部分。 そこそこの雰囲気。 UAって、こういう感じの人なんだぁ、、、って感じ。  1時間経過。 うーん、つまらない! 銭湯のシーンとか、雨降る雰囲気とか、色々演出されてはいるものの、なんとなくわざとらしい。 それに退屈感を感じるし、映像世界の中へ引き込まれない。  この監督は、映画なんか撮っちゃいかんのでは?と、疑問符をつけたくなった。 海外ではそこそこ評価されたらしいが・・・ とにかく「つまらない」のが致命的だ。 (ただ、UAに関して「だけ」言えば、個性が発揮されており、予想より良かったが。)  一昔前なら許せるが、2002年公開って、結構、最近なのね・・・ 海外で半端に評価を受けてしまっているだけに、これが最近の邦画の代表にはなってほしくない・・・
[DVD(邦画)] 0点(2021-05-28 00:01:33)
0431.33%
1762.36%
21334.12%
32497.72%
42888.92%
563719.74%
684826.28%
769621.57%
82006.20%
9471.46%
10100.31%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS