761. 四十九日のレシピ
《ネタバレ》 惜しい。途中まで面白くなりそうだったのに、終盤で台無し。 余計な干渉ばかりしていた無神経な伯母(淡路恵子)が、突然ダンス衣装で現れたのには口あんぐり。 頑固で聞く耳を持たなかったのに、唐突に物分り良く協力的になったのは何故? 言い過ぎたのを反省したってことなんだろうけど、伯母の心境に変化があるならその流れが不自然にならないように描かないと違和感を感じてしまう。 無理やり大団円に持っていこうとしたように見える。 夫が亡き妻を偲ぶ夫婦愛にはホロッときたが、主人公と継母のエピソードがほとんどなくて母子愛への感動につながらない。 主人公の子供を産まなかった女の哀しみと、継母の子育てへの思いがもっとリンクされていれば、母子の心情も更に浮かび上がったような気もする。 映画を観てから原作を読んでみたが、小説は人物の心境が細かに書いているので把握しやすかった。 [DVD(邦画)] 5点(2014-09-26 21:01:57) |
762. モニカ・ベルッチ ジュリア
意味不明の内容で、最後まで見るのは修行僧クラスの忍耐が必要。 スプラッタ・ブラックコメディのようだが、全然笑えない。 まったく見る価値のない作品で、ヘアヌードになったモニカ・ベルッチの無駄遣い。 [DVD(字幕)] 0点(2014-09-25 20:53:52) |
763. 太陽を盗んだ男
《ネタバレ》 突っ込みどころが満載で、荒唐無稽な漫画のよう。 一人でプルトニウムを盗み出し、設備もろくにないちゃちな自室で原爆を作る。 製作の過程で爆発のアクシデントが起こってガイガーカウンターが跳ね上がっても、鎮火すればなぜかすぐに収まってしまう。 放射能漏れなんぞ知ったことかとばかりの破天荒なトンデモ系ストーリー。 警察の警備網を一人で破って原爆を取り戻すという、ジャック・バウアーでも困難なことを一介の教師がやってのける。 菅原文太が何発弾をぶち込まれてもゾンビのように迫ってきて、挙句に沢田研二が屋上から落とされて奇跡的に無傷で着地したときは、思わず吹き出してしまった。 サスペンスというより計算されずに偶発的にできたコメディのようで、当時の制作サイドにはそんなつもりはなかっただろうけど、今の時代に観るならばどうせならはっきりブラックコメディとして狙って撮ってくれたほうが面白かった。 あの時代の中で犯人の持っていた孤独感、無力感、閉塞感や、絶対的な力を持った時の高揚感は伝わってくるものの、全般的にハチャメチャすぎて肩肘ついてニヤけてしまう。 勢いだけで乗っていくほど前のめりにはなれなかった。 [DVD(邦画)] 4点(2014-09-25 20:51:59) |
764. ルディ/涙のウイニング・ラン
《ネタバレ》 ルディの執着は身の程知らずで諦めが悪く危うくも見える。 自分に都合良く解釈するようなところもあり、対象が女性だとしたらストーカーになりそうなタイプ。 その言動が途中まではうっとうしく感じられる。 ところが、あまりにもひたむきで恥も外聞も関係ない情熱に、周りの人間の見る目が変わっていく。 ヘッドコーチにルディの出場を直訴するメンバーは感動もの。 でも、ラストチャンスに出場して、敵の司令塔にタックルを決めるのは、あまりにもできすぎと感じてしまう。 スポーツには感動の実話も多く、事実は小説よりも奇なりというような奇跡もあるのだけれど、映画にしてしまうとなんだか嘘っぽく見えてしまうのが残念。 実際の試合映像も見たが、映画ではルディが一人でQBを倒したように描かれているが、リアルでは二人がかりのタックルで倒している。 実話ベースとはいえ、そうした類の映画的演出はあるのだろう。 それでもルディのあくなき情熱と不屈の魂、果敢な行動力は観る者の心を揺さぶらずにはいられない。 諦めなければ夢は叶うというエネルギーを与えてくれる。 ただ一点、ルディがヘッドコーチ室を訪れて、家族や友人に証明したいからと出場を陳情したのは冷める。 アメリカではプロでも選手が監督に出場を直訴するのはよくあることだが、日本では見苦しく出しゃばりすぎの印象を与えかねない。 結局、そのヘッドコーチが辞任して約束が反故にされたため、最後は自分の力で(仲間の後押しがあったとはいえ)出場できたとも言える。 それでもこれは悪い言い方をするならお情け出場。 そこに賛否両論あるだろうけど、プロの世界ならそんなのありえないものの、大学スポーツを教育の一部と考えるならこういうのもアリかもしれない。 余談だが、ルディ・ルティガーは後年、株価を上げるために虚偽の情報を流したとしてアメリカで話題になった。 目的のためには手段を選ばない。 それが純粋にフットボールの夢だけなら良かったが、金銭が絡んでくると途端に胡散臭い話になってしまう。 光と影。夢のある話が一転せちがらい現実を見せられたようだが、ルディのキャラクターなら十分ありえることに思えてしまう。 [DVD(吹替)] 9点(2014-09-24 19:27:20)(良:1票) |
765. ベティ・ブルー/インテグラル<完全版>
《ネタバレ》 以前見たのは2時間版だったか、女がおかしくなって片目を自傷したことだけは覚えていた。 今回、完全版を見てみたが、3時間は長かった。 男に共感するか、女に共感するかで印象が変わってきそう。 男に共感するとしんどい。 女性にとっては女の言動や男からの愛され方に共鳴する人が多そう。 そういう意味ではどちらかというと女性向きの映画に見えるし、実際女性に特に人気があるようだ。 生きていれば自分の思い通りにいかないこともよくある。 ある程度の我慢は社会に適応するためにもどうしても必要になる。 この女はその我慢がまったくできず、激情のままに行動してしまう。 願望と現実のギャップに苦しみ、精神を病んでコントロール不能に陥ったかのよう。 そうした女に振り回されるのは考えただけでたまらない。 ただ、この男も女に依存していた。 二人の愛情は共依存で成り立っているため、現状を客観的に認めてその関係を変えることができなかった。 途中で病院に診せるなどの方法を取らなかったために、取り返しのつかないところまでいってしまった。 最後に男が女を殺してしまったのは理解できる。 許されないことではあるが、心から愛する者が廃人となって生きるのは忍びないことだろう。 男が銀行強盗に女装で行ったのは、場違いなギャグかと感じるほどの失笑もの。 病院に女装で忍び込む前フリだろうが、それにしても違和感がありすぎ。 [DVD(字幕)] 5点(2014-09-23 23:23:09) |
766. ばかもの
《ネタバレ》 やりまくりバカップルのライトなラブストーリーかと思いきや、アルコール依存症や片腕切断事故など重い話になっていってちょっとビックリ。 シリアスな恋愛ドラマだったが、男がアル中になってしまうほどに掻き乱す女を内田有紀が演じているのに少し違和感。 文句なしの美形なんだけど不思議とエロさは感じないし、成宮との別れたりくっついたりに思わず感情移入してしまうってほどの話にはならなかった。 [DVD(邦画)] 5点(2014-09-22 19:30:52) |
767. オーロラの彼方へ
《ネタバレ》 時を超えた父と子のファンタジーな会話が、これほどサスペンス色の強いものになっていくとは思わなかった。 過去に干渉する度に現代が塗り替えられてしまうタイムスリップもの。 周りは塗り替えられる前の記憶は持っていないが、主人公だけ両方持っているというのはいかにも都合の良い設定。 それを好意的に受け入れれば、この物語もシンプルに楽しめる。 [DVD(吹替)] 7点(2014-09-22 19:29:13)(良:1票) |
768. くそガキの告白
《ネタバレ》 主演のブサイク顔は個性派俳優の資質として必殺のアイテムなのだが、いかんせん役者ではないのでしゃべり方がコントの時のようでわざとらしく耳障り。 カッコいい決め台詞も、ナルシストの痛い奴の香りがして寒々しく聞こえる。 桃子に演技指導しながらキスする手口は職権乱用したセクハラのようで、キャスティング・カウチとさほど変わらない嫌悪感。 女優として最高の顔を引き出したということで正当化している部分があるが、自分の下心を満たすのに利用している。 主人公の言動が不快で好きになれないのが厳しい。 ブ男の上にプライドが高く傲慢で僻みっぽく可愛げもないとなれば、もうどうしようもない。 そんなクソ野郎でも好きな女性への一途で純粋な思いが感動的…となれば映画的にも良かったのだが、その告白もセクハラまがいでは心を動かされる要素がない。 ヒロインの田代さやかがグラドル離れした演技力で意外と良かったのが救い。 同じ事務所でグラドル出身の優香より遥かに上手いが、もともと女優志望だったようだ。 [DVD(邦画)] 3点(2014-09-21 20:59:38)(良:2票) |
769. ザ・ペーパー
スクープをめぐって戦場のような紙面づくりの現場。 新聞社の舞台裏が興味深い。 ロン・ハワード監督の職人技で計算しつくした構成と演出。 登場人物が多いのに無駄なくすべてを収集させる緻密な脚本は三谷幸喜を思わせるが、それよりもスピード感がある。 ただ、そのことが長所でもあり短所でもあるような。 息もつかせぬ展開で実に良くできていると感心するけれど、全体的にゴチャゴチャと密度が濃すぎて忙しない印象。 [DVD(吹替)] 6点(2014-09-21 20:57:14) |
770. ラッシュ/プライドと友情
モデルとなった実在のF1レーサーを二人とも知らなかった。 トップドライバー同士の確執は他にもいろいろあるのだろう。 実物のニキ・ラウダが本当にネズミ男みたいだったのに思わずニンマリ。 何もかも対照的な二人だが、反発しながらも認め合っているのがわかる。 実績では論理的でストイックなニキのほうが格上だけど、イケメンで奔放なハントのほうが人生楽しそう。 [DVD(吹替)] 6点(2014-09-21 20:55:33) |
771. プリシラ(1994)
《ネタバレ》 ドラッグクイーン3人のロードムービーだが、最初から最後まで引いた感じのまま見ることに。 小さな店でドラッグクイーンの女装した口パクショーを見たことがあるが、素人の宴会芸レベルで何が面白いんだかさっぱりわからなかった。 この作品でのステージショーもまったく同じで、あまりにもしょぼすぎる。 あれでラストの大盛り上がりのステージになるのがわからない。 下品な下ネタも多くて笑える箇所がどこにもなく、感動的なシーンも感情移入できないからホロッともできない。 マイノリティの自分探し的物語自体は嫌いではないのだが、そのストーリーに没頭できず。 生理的にダメなのかも。 [DVD(吹替)] 3点(2014-09-20 21:50:59) |
772. ファム・ファタール(2002)
《ネタバレ》 都合よく自分と瓜二つの女が現れて、さらに都合よくその女が自殺してその女に成り替わる。 あまりに都合が良すぎるし、だいたい両親にも成り代わりがバレないなんてありえない。 それにどんでん返しが夢オチというほとんど禁じ手のようなことを堂々とやってのける。 魔性の女を描いたデ・パルマも魔性の監督のよう。 そのマジックにハマりはしなかったけど、なんとも食えないヤツだ。 [DVD(吹替)] 5点(2014-09-20 21:48:58) |
773. 草原の輝き(1961)
《ネタバレ》 時代を感じてしまう青春映画。 現代の性に奔放なアメリカからすると、今や化石になった感さえある貞操観念。 親は良かれと思って我が子のために余計なことをしてくれる。 子供を自分の思い描くレールに乗せようとして、子供の気持ちを見失ってしまう。 その中でもがき傷ついていく若い二人の姿が痛ましい。 ワーズワースの詩がとても印象的でラストを締めるのにふさわしく、主人公を後押しする力を与えてくれるようだ。 [DVD(字幕)] 6点(2014-09-20 21:46:36)(良:1票) |
774. 9時から5時まで
《ネタバレ》 ろくでもない上司をやりこめるOL3人組。 会社で同じような不満を抱える女性なら拍手喝采ものだろうが、笑いとしては少し温い。 部長が一ヶ月も監禁されてバレないなんて会議もあるだろうにありえないけど、そこはたわいないコメディということで。 [ビデオ(字幕)] 4点(2014-09-19 21:25:32) |
775. Sad movie/サッド・ムービー
《ネタバレ》 4つの別離が並行して描かれている作品。 癌の母と息子、消防士と手話通訳士、着ぐるみの聾唖少女(手話士の妹)と画家志望、別れさせ屋を始めたプータローとレジ打ちのパート店員。 一番自然で良い雰囲気だったのが、火傷を負った着ぐるみ少女の話だった。 それ以外は韓国作品にありがちなあざとさが気になる場面がちらほら。 息子が死にゆく母への思いを別れさせ屋に託す展開は無理がある。 消防士がビデオレターのような真似をする時間があれば、必死で逃げようとするだろうに。 いくらフィクションとはいえ現実味がなさすぎると感情移入も難しい。 [DVD(吹替)] 5点(2014-09-19 21:23:43) |
776. ロード・オブ・ザ・リング
神話世界で暗黒サイドと指輪をめぐる攻防戦。 キャラクターが多くて把握するのに一苦労。 3時間もあるのに途中で終わったような感があって拍子抜け。 [地上波(吹替)] 4点(2014-09-18 21:02:00) |
777. 最高のともだち
《ネタバレ》 思春期の少年と中年の知的障碍者との友情物語というわけではなく、内容と邦題がマッチしていない。 少年に起きた悲劇はパパスの自転車盗難をかばったからだが、パパスを恨んだり怒ったりしないのはあまりに人間ができすぎていて不自然。 トムが妻に悲惨な過去を話した経緯もとってつけたようでピンとこない。 感動物のはずだが、感動できず。 [DVD(字幕)] 3点(2014-09-18 21:00:41) |
778. レイダース/失われたアーク《聖櫃》
《ネタバレ》 これは見ておくべきと人に薦められて鑑賞。 よくできた遊園地のアトラクションのようだった。 巧妙な仕掛けが次から次へと続き、アドベンチャーゲームを追体験しているような感覚。 ただ、アトラクションは結局アトラクション。 どれだけの仕掛けがあっても終わって「あー、おもしろかった」ってなるんでしょっていうのが頭にあって、主人公がヒロインと共に聖櫃を取り戻す展開が見えてしまう。 安心感の上でのジェットコースターストーリー。 ハラハラさせるのが肝の映画だが、その安心感のため本当の意味でのハラハラ感がないのは仕方ないか。 [ビデオ(吹替)] 6点(2014-09-17 21:47:47) |
779. スター・ウォーズ
シリーズ第一作である本作がエピソード4にあたるというのは今になって知った。 世界中に熱狂的なファンを持つシリーズではあるが、スターウォーズの世界観にハマらず、以降の作品にも関心が持てず。 [地上波(吹替)] 5点(2014-09-17 21:41:44) |
780. マッドマックス2
「北斗の拳」に設定がよく似ていると思ったら、本作の方が先で影響を与えた側のようだ。 前作よりも近未来での世界観がはっきりとしていて、シリーズだけれど別物のようになっている。 カーアクション好きにはたまらないだろうが、ストーリーがシンプルすぎて少し物足りない。 [DVD(字幕)] 5点(2014-09-16 21:06:17) |