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R&Aさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

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61.  ある結婚の風景
演劇という芸術を幅広く見てもらうためにベルイマンはテレビという媒体に興味を持つ。資金的な問題もあったとは思いますが。この作品はベルイマン作品の中でテレビ用に作られた最初の作品です。デンマークではこのドラマを見るために渋滞が起こったほどに社会現象化したそうです(内容からしてもちょっと考えられないのですが)。劇場版はテレビのダイジェスト版です。男と女の関係をこれまでコメディやシリアスな心理劇等いろいろな形体を借りて語ってきたベルイマンはテレビ用だからなのか、実に現実的でより身近でより接しやすいドラマにして見せてくれる。男の気持ち、女の気持ち、結婚というシステムに組み込まれることで生まれる惰性とそれぞれのエゴ、離婚してからの再会に見る複雑にして簡単な男女の関係の意味。夫婦という枠を超えて異性が愛しあい、憎みあい、疑い、喧嘩し、それでも惹かれあい、求め合う不思議。大人のドラマです。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2008-07-25 16:17:38)
62.  叫びとささやき
ベルイマン映画の中で最も表現主義的世界観で見せた作品。死を前にして望むのは孤独からの脱却でしかない。しかし拒む姉妹。病人による目を背けたくなるような叫び。困惑し実際に目を背けてしまう姉妹。叫びによって露とある姉妹の疑心、欺瞞、エゴ。病人を主人として仕えてきたメイドだけが唯一の救いとして存在する。『仮面/ペルソナ』もそうだと思うがこれも「神の沈黙」の発展形で、悲しみは人間によってもたらされ、癒しもまた人間によってもたらされることを強調しているように思う。神そのもののようなメイドの描き方は、神は人の中に存在するということなのだろうかとも思ったのだが。スヴェン・ニクヴィストとの共同作業で生み出される美しい画も強烈な赤を背景にしたことで益々美しさが際立つ。イメージをイメージのまま映画にしたような作品なので、そこだけを評価したっていいのだが、小難しい内容が小難しく語られるのはちょいと難儀。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2008-07-24 16:18:31)
63.  コンドル(1975)
初めて観たときのことをよく覚えている。小学生のときで土曜日の午後。学校から帰るとテレビで吉本新喜劇を見ながら土曜日の昼ご飯定番のお好み焼きかたこ焼きか焼きそばか焼き飯が出来るのを待つ。食べ終わったら即外に遊びにゆく。ただ、この日はグダグダとしてるうちにテレビで映画をやりはじめた。それが『コンドル』。すでに『明日に向かって撃て!』でレッドフォードのファンだったのもあってついつい見始めてしまったのだが、すぐに遊びに行くつもりでテレビの前で座らずに見ていた。遊びに行きたいけどテレビから目が離せないというジレンマ。結局最後まで立ったまま見終えた。サスペンスへの目覚めだったのかも。後々に見直したときに、あぁ、そういうことだったのか!と主人公の狙われる理由に納得したものだったが、はっきり言ってそんなのどうでもいいってくらいにドキドキさせてくれる。サスペンスでそこをないがしろにしたって面白いと思えるのは、たんに私にとっての特別な映画だというだけのことなのだろうか。ちょっとした小物の使い方とか冬の乾いた空気と濡れた路面のコントラストとか事務所襲撃シーンに代表される音の使い方とか魅力的な演出も多いんだけど、この作品の最大の魅力は、いかにも70年代らしいかもしれないけど俳優の魅力を最大限に見せているということだと思う。中でもマックス・フォン・シドーはやばいくらいの当たり役。
[DVD(字幕)] 7点(2008-07-04 14:36:50)
64.  アウトロー(1976) 《ネタバレ》 
いきなりの残酷シーン。そして復讐の鬼と化したイーストウッドが復讐のために南北戦争に参戦。というオープニングシーンもタイトルクレジット後はいきなり北軍に降伏。ここからまたしても残酷な展開とガトリング銃を使ったガンアクション後、今度は傷を負った若者との逃避行。このまま二人組の逃避行と復讐劇が展開されるのかと思ったら、若者あえなく死亡。と思ったら白人に土地を奪われた文明かぶれの老インディアンとのへんてこりんなコンビが誕生。と思ったら雇い主に虐げられていた女インディアンもついてきた。どこぞから野良犬までついてくる。さらに行商に捕まった態度のでかい老婆と可憐な孫娘も同行。『荒野のストレンジャー』かと思わせといて『ブロンコ・ビリー』な映画。レオーネっぽくもありシーゲルっぽくもある。家族を奪われた男がいつのまにか(擬似)家族に囲まれている。イーストウッドが家族を守るために出てゆこうとするように家族たちはイーストウッドを守るために戦う。真っ黒な唾を頭に吐きかけられて唸っていた犬も、「またかよ」ってな諦め顔になってゆく(ように見えるんだけど、笑)。詰め込んだ脚本も散漫さよりもイーストウッドの映画を2本観たようなお得感のほうが強い。よくまとまったなと思う。
[DVD(字幕)] 7点(2008-05-28 16:40:01)
65.  フレンチ・コネクション
ニックネームの由来の説明が無くても、乱暴で型破りな男をポパイと呼んでいることになんの違和感も持たせないどころか、他の呼び名は考えられないくらいにまで馴染ませているのはハックマンの容姿によるところが大きいのだろうが、それでもよりにもよってポパイですよ。ハリー刑事がダーティ・ハリーと呼ばれるのとはワケガ違う。ポパイというニックネームにリアルさがあるし、ポパイというニックネームを耳にしても不自然にならないリアルな世界観が作り上げられている。個人的にはイーストウッドやマックィーンのかっこいい虚構の刑事が好きなのだが、ちょうどそんな虚構のヒーロー刑事が活躍していた時代に突如現れた不健康そうで汗臭そうで胡散臭そうで言葉遣い最悪で、それでいていかにも存在してそうなオッサンってのは衝撃だったと思う。相棒のロイ・シャイダーが目立たないのもまたリアルなんだけど、こちらはもうちょっと活躍してほしかった。そんなリアルな世界でのカーチェイスは言うまでもなくシビレル!この作品の最大の魅力であるリアル感は、実在の刑事と実際の事件をモデルにしているというところからも得ているのだろうが、リアルに描こうとする部分と楽しませる部分が相反しないことを証明しつつ、ちゃっかりと豪快なカーチェイスやスリリング且つコミカルな尾行シーンなどの「見せ場」も用意する。これがまた中途半端にならないのがアメリカ映画のソツの無さでしょうか。
[DVD(字幕)] 7点(2008-05-14 15:59:38)
66.  愛のメモリー
デ・パルマ版『めまい』。『知りすぎていた男』ぽいシーンもあるし『レベッカ』ぽいシーンもある。でもヒッチコックの二番煎じという印象はない。むしろヒッチコック独特の変質的な描写がなくて良い。しかもデ・パルマのお下品さもない。ミステリーは冒頭からジョン・リスゴーの役回りとか察しがつくし、フィレンツェでのそっくりさん登場もなんとなくその後の展開を予想できちゃうし、けっきょく予想の範疇を出ることのないミステリーで、筋は面白いとは思えないんだけど、霞みがかったような画質はミステリーであることよりもメロドラマであろうとしているし、実際まんまとのせられてラストのわざとらしいスローモーション+カメラぐるぐるに思いっきり感動させられてしまった。急転直下なエンディングなような気もするが、物語に占めるフィレンツェでのシーンの無邪気なまでの長さといい、その脱線具合が結果としていちいち意表を突いていて観ているこっちはけっこう楽しめたりする。これがデ・パルマの狙いなのか知らないけどコレは面白いと思う。
[DVD(字幕)] 7点(2008-03-24 19:05:38)(良:1票)
67.  その後の仁義なき戦い
『仁義なき戦い』を頂点とする実録ヤクザものも、この頃には人気も廃れていたと思うのだが、深作とは違った味付けで全く新しい『仁義なき戦い』を作り上げていると思う。後半、終わりそうで終わらない展開にヤキモキさせられるが、例えば根津甚八がラストあたりで白いスーツを着込んでピストルを大量に隠し持ち、その姿を延々と鏡に映しているという、ここにきてえらく無駄に長いなあと思わせられるシーンがあるんだけど、そのシーンが、もうカタストロフィーに溢れまくっててけっこう好きです。ホント、この映画は終盤がいい。前半は松崎しげるが鬱陶しいってのもあるんだけど。あと、原田美枝子がいい。この頃の原田美枝子がただ好きだっただけかもだけど。実際テレビシリーズの「北の国から」は、純の学校の先生役で出てた原田美枝子だけが目当てで見てましたから。
[ビデオ(邦画)] 6点(2008-02-28 15:10:21)
68.  アイガー・サンクション
モニュメント・バレーの訓練シーンは『バーティカル・リミット』のソレを遥かに凌駕するのだが、それはCGじゃないからってことだけじゃなく、その岩山の見せ方や広大なグランドキャニオンの見せ方が素晴らしいからでもある。アイガー北壁にしたって迎えのホテルからの雄大なアイガー全景が見事に、そして残酷に映されるから一層の緊迫感をもって描かれる。もちろん体を張ったイーストウッドが相変わらず痛々しい表情でアクションをこなしているということが面白さの前提にあるが、実に丁寧に映画を作っていることがうかがえ、それゆえの面白さが充満している。屋内シーンが冒頭の仲間の暗殺シーンにしても、あるいは主人公の家の地下、組織のトップの一切光を遮断した部屋も、とにかく暗がりが多く登場するが、もうこのときから監督イーストウッドの暗がりを撮る術は長けており、暗がりが作品を重厚にし、またモニュメント・バレーやアイガーの眩いばかりの開放感を助長している。なんだかんだ言ってもイーストウッドは巧い。
[DVD(字幕)] 7点(2008-01-18 12:13:06)
69.  暗殺の森
ぞくぞくするカメラの動き、美しい構図、翌々年の『ラストタンゴ・イン・パリ』に引けをとらない巧みな照明にため息が出っぱなし。とくに光の使い方は、ただ美しいだけではなく実に刺激的。主人公の婚約者を演じるステファニア・サンドレッリがまたものすごくいい。全てのシーンにこだわりを感じる。こだわりが出過ぎるとあざとくなったりするもんだが、この作品はぎりぎりのところで耐えてる。ベルトルッチの最高傑作と言ってしまおう。
[ビデオ(字幕)] 8点(2007-10-12 14:21:33)(良:1票)
70.  化石の森(1973)
ストーリーが重いわりになんか軽いなあという印象。音楽、武満徹なのに。篠田正浩、石原慎太郎、武満徹といえば、以前『乾いた花』を映画館で観たことがあるが、そういえばコレもなんだかノレなかったなあ。お話は「母は強し」・・いや「女は怖い」。その母を演じた杉村春子が凄い。寂しそうな顔をしながらも決定的な強さをにじませる目。この映画には母が二人出てくるが、どちらも外面的には夫よりも息子を愛する。その実は息子よりも自分を愛する。息子の将来よりも自分が息子と一心同体であることが大事なのである。そして息子は全てに母の影響を受け、永遠に逃れられないでいる。原作は読んでないので知らないが、映画はショーケンではなく杉村春子の映画でした。彼女の底力にプラス1点。
[DVD(邦画)] 5点(2007-10-11 12:49:04)
71.  ダーク・スター
ジョン・カーペンターとダン・オバノンに限らず皆が様々な仕事を兼務している。スタッフのその後の仕事を見ても、オシムもうらやむ(なわけない)ポリヴァレントぶりにはびっくり。『スターウォーズ』の光速移動の原型にはオォォ!となるも、全編で低予算であることを前面に押し出しており、どんなにシリアスな場面でも乾いた笑いを伴っているという脚本との相性もバッチリ。エイリアンの造形のしょぼさは限度を超えているような気もするが(笑)。『2001年宇宙の旅』をパロった妙にやさしいコンピューターと意固地な爆弾が最高。乗組員にもう少しインパクトがあったらもっと良かったんですが。
[ビデオ(字幕)] 6点(2007-09-19 11:28:11)
72.  イレイザーヘッド
リンチが好き勝手やってます。悪夢を映像化するリンチワールドの原点であり、リンチワールド全開の作品。突然の結婚からその悪夢は始まっている。未熟児が怪物にしか見えないというのも一つの悪夢だと思うのだが、このあたりは個人的にいかにもB級ネタに感じられて、グロテスクな赤子の造形も含めてチープ感を拭えないのですが、踊り子登場からはリンチにしか作り得ない独特の意味不明感というか、いや意味は確実にあるのだが、そんなものはどうでもよくなるくらいのイマジネーションの奇抜さ、しかもただ奇抜なだけではないとても惹かれるセンスを擁したイマジネーションの洪水にただひれ伏すのみ。と言うものの、正直、私にとってこの映画は踊り子のシーン以外はどうでもよい。でも、反対にリンチといえばこの踊り子の笑顔が真っ先に思い浮かんでしまうのだ。
[ビデオ(字幕)] 6点(2007-09-12 16:44:20)
73.  彗星に乗って
SFなのに昔話のような感覚。古典的手法なのに今の最新技術よりも新しく感じてしまう。古いけど素朴で味がある、というのではなく、本当に新しい。「センス」の一言で片付けてしまっていいのかわかりませんが、他に言葉が見つからない。物語も斬新であるにもかかわらず、懐古的な心地よさがある。終始、人間同士の醜い争いが描かれているのにどこかメルヘンチックでもある。地球からはなれた突飛な世界観と絵葉書から始まるセピア調の二次元的映像の融合。絵本と映画がゼマンのセンスをツナギにして融合した作品。
[DVD(字幕)] 7点(2007-08-22 10:19:56)
74.  クラバート
『ホンジークとマジェンカ』のレビューで書いたが、ゼマンは晩年の作品に、よりシンプルな切り絵アニメーションを使っているが、これもそう。切り絵アニメといっても様々ありますが、ゼマンの切り絵アニメは奥行きもなく、動きも単調で、ひたすら素朴。なのに引き込まれてしまうこの不思議。物語はけっこう怖い。そして面白い。さらに深い。戦争に奔走する国家を無視する、自由を愛する主人公。それでも働かなくては食べてゆけない。そこに甘い罠。魔法使いの下僕へ。きつい労働と閉鎖された環境。そこには国家がだぶる。でもそれ以上に感情をゆさぶるのは絵で見せる物語。頭にこびりつく魔法使いの造形と声。光と闇の対比。やさしい音楽の力。命懸けの友情。そして自由への渇望と何にも勝る愛。シンプルな絵作りながら色調や音に繊細な気配りがされており、じゅうぶんすぎる絵の力を感じさせてくれ、じゅうぶんすぎる物語の醍醐味を堪能することができる。
[DVD(字幕)] 8点(2007-08-21 11:51:34)
75.  北国の帝王
無賃乗車を絶対許さない車掌と意地でも無賃乗車をする男の戦い、、て書くとコメディですね。でもひたすら熱い男同士のバトルが描かれる。この車掌が容赦ない。無賃乗車した者を殺しちゃうんだから。この二人以外に重要な役回りで一人の調子のいい詐欺師が絡んでくるのだが、結局この3人は最後まで出会ったときの関係のままで何も変わらない。主人公と詐欺師の間に親子、あるいは師弟のような関係が芽生えてきそうな展開はあるが、結局何も生まれない。ストーリーに抑揚がないのだ。主人公と車掌の関係はどうだろう。こちらも男の喧嘩にありがちな敵ながらどこか通じるものを見出したり認め合ったりといったものがありそうな展開を見せるも、やっぱり何も生まれない。ストーリーに抑揚がないのだ。なんで高評価なのか知らないが、ストーリーは全然面白くない。あえてストーリーの抑揚を抑えてひたすら男の意地のぶつかり合いだけが延々と映されるのみ。しかし、だから面白いのかもしれない。いかにもアルドリッチ的男くさい映画。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-08-08 12:06:13)
76.  合衆国最後の日
アメリカ合衆国のため、国民のために国家を相手に最終手段に出る主人公。一人の男が国家を手玉にとるその図式が痛快ではあるものの、その手段に核ミサイルがあることに痛快一辺倒とはいかない暗さを内包させる。ミサイルの着弾予想をソ連のどこかと言っているからなお怖い。素直に楽しめるところと素直に楽しめないところのさじ加減が絶妙で、アルドリッチの一貫した作風に唸らされる。不満点が無いこともない。国が意表を突かれるミッションを冷静沈着に遂行してきた主人公の後半の、頭に血が上りミサイル発射スイッチに手をのばすまでに至る狼狽ぶり、そしてそれをなだめて国家の非情を説く一介の犯罪者というのはけっこうしらけた。それでも手に汗握る展開の持続は消えることもなく、またその持続から一気に訪れるあまりにあっけない終焉がお見事。
[ビデオ(字幕)] 6点(2007-08-07 11:19:10)
77.  新・仁義なき戦い 組長の首
新シリーズ第二段。大ヒットの『仁義なき戦い』とは全く異なるカラーを出そうとしているのはいいのだが、例えばカーアクションはまさに前シリーズにはないアクション映画への変貌がよく表れているわけですが、その挿入が無理やりなんだなあ。そんなバカな罠に誰が引っかかるの?というお粗末な罠に「罠かもしれないぞ」と言っておきながら罠にかかって大騒ぎしてる文太がとにかく頭悪そう。ぶれまくるカメラの躍動感は深作監督の味が出ているけど、バヒュンバヒュンと撃ちまくるだけの車の追いかけっこもなんだか滑稽。策士・成田三樹夫も終盤は怯えまくって滑稽。梶芽衣子が絡むエピソードの中途半端さは深作っぽくていいんだけどファム・ファタールの匂いをプンプンさせて登場するひし美ゆり子の後半の存在の薄さはかなりもったいない。それでも許せてしまうのは、無理やりだけど勢いがある、ということに尽きる。
[映画館(邦画)] 5点(2007-05-23 11:07:28)
78.  ジャバウォッキー 《ネタバレ》 
シュヴァンクマイエルの短編はどれも好きですが、コレと『家での静かな一週間』は別格です。多くの作品にみられる擬人化された無機物の動きと音楽のコラボレーションも、「繰り返し」を軸に展開させ最後にきっちりとオチをつける構成の妙もいつもどうりに完璧で、尚且つ余分なものが無い。内容はあいかわらずの不思議ワールドであるが、鳥篭に行き着くエンディングを見る限り、新作『ルナシー』同様に「抑圧」がひとつのテーマにあると思われる。女の子の人形に課せられる通過儀礼。試行錯誤の迷路は悪意無き黒猫になんども邪魔されながら(このときの「ア~ア~ア~・・」って音楽、最高!笑える!)成長した人形に待ち受けるのは社会の檻。抑圧の時代を生きたシュヴァンクマイエルにとってはこれもまたシュールレアリズム。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2007-04-06 13:25:35)
79.  魔笛(1974)
ベルイマンが「オペラ」で認める2作品のうちの1つがこの「魔笛」なのだそうです。この作品を観た際にオペラを専門とする方のトークショーがあったのですが、第二幕がモーツァルトのスコアよりも構成がうまくわかりやすいと絶賛されていました。難解にとられがちなベルイマンですが、彼は映画はエンターテイメントだと言い切っています。そしてそのエンターテイメントは観客のためにあると。それが顕著に表れているのがこの作品だと思う。上記の第二幕の脚色もそうですが、本来のドイツ語ではなくスウェーデンの子供たちにもわかるように(そもそもテレビ放映用に作られている)スウェーデン語が使われており、さらに歌のシーンで字幕板まで登場します。それでもちゃんとオペラ歌手を使って作ってあります。一部の富裕層だけに楽しまれる「オペラ」を大衆にまだ引き下げ、いやこの場合“引き上げた”と言う方が的確でしょうか、つまり芸術は全ての人が楽しむ権利を持っているということがベルイマン思想の根底にあることがじゅうぶんに伺われます。クローズアップの多用はオペラグラスで観た視点ということかもしれませんが、映画だけが持つ視点でもあり、真上から、あるいは真後ろからの視点という劇中劇でありながらも演劇には不可能で映画では可能な視点の提供は「これは映画である」という主張のような気がしました。とにかく「映画」と「オペラ」を楽しみました。
[映画館(字幕)] 7点(2007-03-12 16:24:48)
80.  モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル
モンティ・パイソンの笑いは個人的にツボにはまらないのですが、それでもこの作品のあまりのバカバカしさにはやられた。正直、ひとつひとつのギャグは笑えないものがほとんどなのですが(殺人うさぎは笑った)、呆れるくらいのアホアホの応酬に参りました。降参です。お手上げです。大量虐殺を笑って見られる唯一の映画。
[ビデオ(字幕)] 6点(2007-02-19 12:00:04)
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