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FSSさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 854
性別 男性
自己紹介 <レビュアー引退について>

他の方にとってはどうでもいい事ですが(笑)、
こちらでのレビュアーを引退させて頂きます。
理由はあまり映画自体を見なくなった事と、
結局、映画以外にもレビューを書けるAmazonが
レビュー投稿の中心になってしまった事ですね。

長い間、お世話になりました。 2021/11/27
   
<ジャンルの好みについて>

・好きなジャンルは「ホラー」「サスペンス」「ミステリー」。
・嫌いなジャンルは「ミュージカル」「恋愛」「韓国映画」「感動押し付け系」。
・どちらでもないのは「アクション」「SF」「コメディ」「時代劇」。

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61.  五条霊戦記//GOJOE 《ネタバレ》 
これまた中途半端。「義経と弁慶の関係に対する新解釈」という設定はいいけど、肝心の解釈に特筆すべきものが無く、ストーリー展開に盛り上がりが無く退屈。  アクション面での演出も中途半端で「カッコ良さ」の演出にセンスが感じられない。ザコ敵は刀を振りかぶって「わーっ」と突っ込んで来ては、流れ作業のようにズバズバ切られていくだけという古臭いチャンバラパターンで、リアリティもカッコ良さも皆無。義経も弁慶もあれだけ強い理由が作中で描かれていないため、その強さに説得力が無い。  あと、やたら映像が安っぽく見えるのは、ひとつには照明の使い方に問題があるように思う。本来は暗い森や夜のシーンでも、不必要なほど煌々と照明をたいているためか、人物が妙に明るく浮き上がっていて、外での撮影のはずなのに、まるでスタジオ内でのセット撮影のような狭苦しさや違和感を感じる。  ラストも結局は別人を立てて、本人たちは歴史の闇に消えたってこと?何か中途半端な終わり方だな~。   DVDの監督のインタビュー記事で、「これまでにないアクション(殺陣)」と自画自賛しているところを見て、失礼ながら失笑を禁じ得なかった。年齢的な事もあるだろうけど、恐らく監督は現代の漫画をろくに読んだ事がないのだろう。本気でこんな退屈な殺陣が凄いと思っているなら、はっきり言ってセンスが無さ過ぎる。  時代劇とは言えアクションを売りにする娯楽映画を撮るなら、クリエイターとして日本の漫画やアニメを見ておく事は「基本」と言っても過言ではない。それほど現代の漫画のアクション演出のセンスは高く、こんな旧態依然とした邦画のチャンバラアクションなどとは最早レベルが違う。今やハリウッドやディズニーのアニメスタッフに、日本の漫画やアニメの影響を受けていない者がいないと言われるのも、ある意味当然。  「ハンター×ハンター」「ナルト」「ブリーチ」「ワンピース」「クレイモア」「るろうに剣心」「ベルセルク」といった少年向けアクション漫画はいまだに軽く見られがちだけど、キャラクターの個性、アクションシーンの演出センス、戦闘時の心理的な駆け引き、展開の意外性などは、もはやこんなチャンバラをやっているだけのアクション映画など足元にも及ばないほどの高いレベルで完成されている事が、いまだに一般人どころか、映画監督をやるような人間にも理解されていないのがよく分かる。
[ビデオ(邦画)] 0点(2007-06-06 12:32:37)
62.  ナインスゲート 《ネタバレ》 
「中途半端」。この一語に尽きる。  ホラーとしてもサスペンスとしてもどっちつかずだし、悪魔の書を巡る「オカルト風味の謎」も、「金田一少年の事件簿」や「名探偵コナン」にでも出てきそうな程度もので、ミステリーの謎解きとしてもありがちで低レベルなもの。  怪しげな「組織」や「陰謀」がらみと言うほど大げさでもなく、結局は金持ちの個人収集家同士の本の奪い合いでしかない。  それでいて「悪魔の書」に魅入られていく「人間の愚かしさや恐ろしさ」にも焦点が当たっていない。とにかく、その辺の突っ込みが甘い。  また、他の人の指摘にもあるように、単に調査するだけの立場だったコルソが、自分の命の危険も顧みずに、調査を続行しても利益が無い「悪魔の書」の謎解きに懸命になっていくプロセスに、納得できる動機が感じられなかった。  すべてが嘘ではなく、真実も隠されているという終わり方や、謎の女の正体をはっきりさせないのも、「見ている者に解釈を任せる」と言うと聞こえは良いが、結局、きちんと結末を描かないで済ませようという安易さが見える。  おまけに、お粗末なワイヤーアクションのおかげで、せっかくの作品の重厚な雰囲気も非常に安っぽいものになってしまっている。  ミステリーとして悪魔の書を巡る「人間の思惑が絡んだ謎解き」に特化するか、それが出来ないなら、ホラーとして「不可知的な存在が絡んだ恐怖演出」を徹底するべき。
[ビデオ(字幕)] 4点(2007-06-03 05:42:08)
63.  イヤー・オブ・ザ・ドラゴン 《ネタバレ》 
個人的にこの手のジャンルがあまり好きではない理由は、マフィア同士の縄張り争いや、国家権力との軋轢、身内の裏切りによる内部分裂、と言ったようなお決まりの展開にしかならない事と、その戦いも結局はヤクザ者としての非合法な行為の結果でしかない訳で、その生き方や死に様をあまり美化したくないという気持ちが少なからず働いてしまうから(もちろん、その過程における人間ドラマにも、なかなか胸を打つものはあるけど)。  今作も上記のパターンを踏襲したオーソドックスな作品で、まさに「マフィアもの」としての見本のような作り。  ただ、抗争に関わってくるミッキー・ローク演じる刑事の人間像や背景描写が中途半端なため、「何故あそこまで徹底してマフィアを潰そうとするのか」という部分に説得力がなく、ひたすら無謀な人間としか思えなかった。その場で殺されてもおかしくないほど挑発的な行為を繰り返しているのに、身内に対する気配りがまるっきり無いし、普段の行動も一人で街を平気で出歩いたりと、あまりにも考えが無さ過ぎ。その結果、妻を殺されたり、女性記者が乱暴されてしまうが、あんな無茶な事をやってたら当たり前。  刑事の精神的葛藤を描きたかったと思うけど、彼自身の過去を含む人間描写がほとんど無いため、彼の行動原理がさっぱり分からず、結果、その自暴自棄としか思えない無謀さだけが目についてしまい、共感は出来なかった。  
[ビデオ(字幕)] 4点(2007-06-03 05:32:47)(良:1票)
64.  デューン/砂の惑星(1984) 《ネタバレ》 
<原作未読・映画版のみの評価>  「ナウシカ」のネタ元と言われている事から、興味本位で鑑賞。  ストーリーの基本はオーソドックスだが、映像には独特な世界観を確立しているオリジナリティがあり、色々な方面に影響を与えたというのもよく分かる。ただ、説明不足だったり、ご都合主義で未消化な設定が多く、初見では話が分かりにくい。また、リンチ監督特有の感性が前面に押し出されたビジュアルにも好き嫌いが分かれるだろう。  その説明不足な部分やマニアックな演出など、B級ファンやSFマニアには好まれるだろうが、娯楽作品として見れば不完全で、一般人に奨められる作品とは言い難い。  一方、「ナウシカ」はキャラにしてもストーリーにしても、この「砂の惑星」から受けたインスピレーションを単なるパクりではなく、自分のものとして昇華させている。主人公キャラには必要以上の設定を付加させず、腐海を蟲に守らせる必然性を環境問題というテーマに結びつけたりと、ストーリーも分かりやすく、娯楽作品として完成されている。  しかし「砂の惑星」の場合、砂虫が単に貴重なスパイスを生成する存在でしかないようで、宇宙を支配する力があるという設定や水の惑星に変えるというラストに飛躍がある。蟲も色々な種類が出てくるのかと思いきや、砂虫以外の蟲は出てこないので拍子抜け。確かに巨大な姿に迫力はあるが、「ナウシカ」の大地を覆い尽くす王蟲の大海嘯の凄まじさには及ばないだろう。  また、王家やギルドという支配階級ばかりがクローズアップされていて、スパイスを巡る戦争が自然環境や一般人にどう影響を齎しているかの描写も少ない。結局は単なる「権力争い」というありがちな見せ方に終始してしまっている。  メインキャラにも魅力を感じる登場人物がいなかった。特に主人公。相手を操る超能力とか、簡単に砂漠の先住民に受け入れられたり、あっさり砂虫を手なずけたり、女しか生き残れないはずの「生命の水」の儀式をクリアしたり、未来を透視する能力が備わったりと、「ナウシカ」以上のご都合主義的なキャラ設定のせいでストーリー展開に説得力が無く、主人公にも魅力が出ていない。あの「鼻栓」や声を破壊エネルギーに変える兵器もカッコ悪すぎ。  原作のSFファンタジーとしてのオリジナリティは高いものの、娯楽作品としてはB級止まりと言わざるを得ない。
[DVD(字幕)] 5点(2007-06-03 05:20:03)
65.  LOFT ロフト(2005) 《ネタバレ》 
う~ん、私もこの監督さんは「CURE」以降、注目してきたし、事実、ホラーやサスペンスのようなジャンルを撮らせたら、今のところ日本では一番上手いと思うけど、残念ながら今作は期待ハズレ。  他の方も仰っているように、相変わらず「日常の中に潜む非日常」とか、「自然な行動の中の不自然さ」みたいな場面演出は巧みだけど、今作は肝心のストーリーや登場人物の描き方が曖昧すぎる。この監督特有の「想像させよう」という狙いが裏目に出ている。  ミイラの存在が顕著だけど、「不可解な謎」の提示と「現実的解釈」のバランスが取れていない。どういう素性のミイラなのかの説明が無いのはともかく、「怨霊として甦っているのか、それとも妄想なのか」の描き方が中途半端なのが問題。それでいて編集者と考古学教授による「事件」の概要は説明過多なほどで、ミイラとの関係性が有りそうで無い、無さそうで有る、という微妙な扱い方。  他にも、泥を吐く冒頭やミイラの記録映画など、雰囲気だけとしか思えない伏線も多い。  その曖昧さが狙いなのかも知れないけど、やはり好意的に解釈するほど練られた脚本構成とは言い難い。何よりそれで「ホラーとして怖くなっていない」のが最大のネック。安達祐実も演技自体は悪くないけど、ホラー女優として出るにはメジャーすぎる。  吉岡の「動けるんだったら最初から動け!」というセリフや、死体に驚いて池に落ちる、お約束のような「落ちオチ」、しかも吉岡が落ちたままの終わり方など(中谷美紀がカメラの方を向いて「ダメだこりゃ」と言いそうw)、コントみたいなシーンもあり、より今作の微妙さを増している。
[DVD(邦画)] 5点(2007-06-01 01:18:35)(笑:1票) (良:2票)
66.  光の旅人 K-PAX 《ネタバレ》 
妄想と宇宙人、どちらに決着をつけても疑問が残ったであろうから、見ている人に解釈を任せるという終わり方にしたのは妥当。その見せ方も絶妙で、「ひょっとしたら…」と思わせる引きの上手さがラストにある。  ただ、「現実を見ろ」という単純なメッセージを込めた作品ではなく、病院の患者達に及ぶ影響が「宗教」や「自己開発セミナー」のそれに近く、彼らの変化は必ずしも患者達の能動的かつ自立的な思考から生じたものではないと言う点には留意すべきだと思う。  つまり、人間にとって大切な事は、「客観的な真実」よりも、「主観としての真実」なのだろう。そこに自己欺瞞があるとしても、その弱さを持つのが人間というものなのかも知れない。問題は、それで前向きになった事をどう考えるかという事と、それを本人が自覚しているかどうか。   また、作品としては全体的にちょっと展開がスローテンポなのがマイナス。謎に関しても、「彼が宇宙人かどうか」という点の検証をもっと徹底して欲しかった。無駄なシーンを編集し直して、時間を短め(90分前後)にしてくれれば飽きずに最後まで見られたはず。  そういう意味で、傑作と言うには、今一歩、何かが足りてない。惜しい。
[ビデオ(字幕)] 6点(2007-06-01 00:00:17)(良:2票)
67.  ビロウ 《ネタバレ》 
「ゴーストシップ」みたいな駄作に比べたら数段マシ。  ただ、サスペンスやホラーとして見ると、あまりにも展開や演出に工夫が無く凡庸。驚かせ方も、一端ほっとさせておいて、次の瞬間「バーン!」と大きな音を立てるという安易なパターンが多い。「潜水艦」という舞台のおかげで、何もしなくても閉塞感はあるが、その分、展開の予想もついてしまう(空気が無くなる、浮上できない、電気が切れる、乗員の心理的疲弊や暴走など)。  また、「亡霊による精神的な恐怖」と「敵艦の攻撃という物理的な恐怖」が混在してしまっていて、どっちつかずで中途半端。艦長の過去に纏わる秘密という謎解き要素もあって無いようなもの。この中途半端さが最大の難点。舞台が潜水艦じゃなかったら脚本の稚拙さが目立っただろう。  ラストに至るまでの展開も平凡で、特にこれと言って見所も無いまま終了といった感じ。起承転結の持って行き方が型にはまり過ぎていてつまらない。もう少し作品としての工夫や冒険が見たいところ。
[ビデオ(字幕)] 5点(2007-05-31 00:09:16)
68.  陰陽師Ⅱ
<前作未見>  怪しい色気のある野村萬斎はイイ。安倍清明のキャラクターイメージとも相俟ってカリスマ性すら感じる。このシリーズは、ほとんど彼の魅力だけで持っているようなもの。  しかし見所は彼のみ。日本神話を題材にしたやたら大仰なストーリー展開にまったく見合わない、悲しくなるくらいチープな特撮とセンスの無い演出にはシラけるばかり。潤沢に資金を使えないのなら、始めから金のかかる事が分かりきっている作品を選択しちゃいかんよ。  また、野村萬斎以外の登場人物がほとんどミスキャスト。中井貴一の緊張感の無い顔立ちはまるで悪役が似合わないし、はっきり言って演技も上手いとは思えない。伊武雅刀の一辺倒なテンションも癇に障るし、何よりあの「声」は聞き飽きた。  そんな中、深田恭子と市原隼人の演技は群を抜いて見るに堪えない。学芸会レベルと言うと学芸会にすら失礼なほど。映画に出られるような実力も経験も無い人間を話題性優先で採用してしまう悪習をどうにかしてもらいたい。
[ビデオ(字幕)] 1点(2007-05-31 00:06:40)
69.  CUBE ZERO<OV> 《ネタバレ》 
もともと一発ネタに過ぎないアイデアに、国家機密とか、軍事利用みたいな陳腐な理由付けをしてしまった前作の地点でこの作品の命脈は絶たれていたが、今作も懲りもせず必要以上に裏方の仕事内容を暴露してくれるため、一作目にあった得体の知れない不条理な恐怖感は完全に雲散霧消している。この手の作品は視聴者に客観的な視点を預けてはいけないのだ。  不条理な状況下での視聴者をも含めたサスペンスドラマこそが「CUBE」=「密室劇」の魅力である事を忘れている。  そのくせ、組織の目的の詳細は曖昧なままで適当にお茶を濁しているし、施設の大仰さと被験者にやらせている事があまりにも乖離しているのも相変わらず。  シリーズ共通の疑問として、部屋の座標番号以外に脱出の手掛かり(情報)が無い施設に人間を閉じ込めたところで、何か有益なことが分かるのか不明。おまけに不条理な即死トラップまみれときたら、自暴自棄になったりパニックになったりするだけに決まっている。非合法な心理実験にしても兵器の人体実験にしても、ここまで大金を投じてこんな珍妙な建物を建てる合理的な理由がさっぱり分からない。国家プロジェクトと言うなら、もう少し人間の心理や知性、体力を測るそれなりの仕掛けが無いとこんな事やってもまったく無意味でしょ。中途半端な理由付けは、こういう「したくもない突っ込み」を生むだけ。  また、いつの間にか少女が助かっているというラストも意味不明。いつどこで助けたの?主人公の妄想?どっちにしてもオチとして中途半端すぎ。  売りであるトラップの数々もアイデア枯渇でつまんないものばっか。グロさを強調してあるだけで、罠として面白くも怖くも何ともない。頭を使わせたりする心理的な駆け引きがまったく無いので、単に殺すためのトラップになってるだけ。   もともと合理的な説明が出来ない作品だから、ZEROと称してわざわざ一作目と繋げる必然性も感じなかった。
[DVD(字幕)] 3点(2007-05-31 00:03:23)(良:1票)
70.  タイムライン 《ネタバレ》 
<原作未読・映画版のみの評価>  タイムトラベルもの特有の「歴史を変えてはいけない」というタイムパラドックスに対する考察が適当で突っ込み所が満載。その整合性の無さからくるストーリー上の矛盾点、ご都合主義的な展開があまりに多く、娯楽作品として見ようにも作りが粗雑すぎて楽しめない。タイムパラドックスの矛盾を出来る限り調律する気が無いのなら、始めからこの手の題材を扱うべきじゃない。  とにかく露骨な「設定のための設定」が多く(すぐに戻らせないために、持ち込み禁止の爆発物を現代に戻った途端に爆発させて、タイムマシンを破壊したりとか)、始めに「オチありき」の出来レースのような脚本に興醒め。序盤の発掘現場の石棺や壁画のシーンで、その後の展開の見当もついてしまう。  SFアドベンチャーとしてもワクワクするものが無いし、恋愛ドラマとしても中途半端。恋愛要素もお互いが心を通わすようなイベントも無いし、過去に残る際の葛藤もまるで無し。そこまでふたりが惹かれる必然性に欠けるので、感動の押し付けが白々しいだけ。  その他の登場人物も無駄に多く、ただ過去に行ってあたふた逃げ回っているだけで、ストーリー上の存在意義が薄い。  「娯楽作品として楽しませる」ということは「お手軽に作ればいい」という意味ではない。 
[ビデオ(字幕)] 3点(2007-05-27 21:13:59)
71.  クライモリ(2003) 《ネタバレ》 
期待はしていなかったが、まさに予想通りのありがちな殺人鬼ホラー。  他の方のレビューにもあるように、プロットの大枠は、「13金」や「悪魔のいけにえ」辺りの焼き直しであるにも関わらず、始祖を超える要素、超えようとする意欲が何も見られない。  確かに基本的に丁寧な作りではあるが、はっきり言わせてもらえば、ホラーやミステリーといったジャンルにおいて、雰囲気作りや小道具の作り込みなどは、「やって当然」のことでしょ?もし、それすらも出来ていないとしたら、もはや評価に値しないものになっていたろう。  そして、最も致命的なのは、肝心の殺人鬼にジェイソンやレザーフェイスのような「魅力」がまるで無いこと。早い段階でさっさと正体をバラしてしまうのもマイナス。  また、最初から最後まで、あまりにもこの手のホラー映画のお約束と予定調和のパターンにハマり過ぎていて、見ていて苦笑してしまう。  せめて何かひとつでいいから、新しいアイデアや演出を入れて欲しい。こんなマニュアル通りの作り方をしている殺人鬼ホラー映画に価値は無い。
[DVD(字幕)] 3点(2007-05-27 21:09:53)
72.  コールド・クリーク 過去を持つ家 《ネタバレ》 
閉鎖的な社会という舞台や、友好的な人物がだんだん常軌を逸していくというパターンなど、サスペンスとして真面目に作っているのは分かるけど、あまりにもストーリー展開にオリジナリティや意外性が無い。やり尽くされている設定を拝借しているだけで、より面白く昇華させようという気概が感じられない。  一番怪しい人物がそのまま犯人というのも、ここまでストレートな作品は最近では珍しいほど。誰でも「お前かよっ」って突っ込んでしまうはず。これでは目の肥えた現代の観客が満足するわけない。二転、三転が当たり前になってしまった昨今のミステリーやサスペンスに対するアンチテーゼという高尚な裏テーマがあるようにも見えない。  てっきり序盤の上司と奥さんのやり取りが伏線で、その奥さんが都会に戻りたくて画策したものだと思っていた。という事は、結局、家の中にヘビを入れたのも、馬を殺したのも、あの男って事なんだろうけど、それじゃあ、あまりにも「そのまんま」じゃないっすかw。
[ビデオ(字幕)] 2点(2007-05-27 20:52:19)
73.  4人の食卓 《ネタバレ》 
最近の邦画ホラーをパクりまくっているだけの他の韓国ホラーに比べたら多少はマシ。  とは言うものの、この作品も特に目新しい設定や斬新な演出などは見当たらず、オリジナリティはさっぱり。  建築士の主人公、霊が見える女性、二人の子供の霊など、メインとなる登場人物同士を繋ぐストーリー上の関連性が弱いので、全体の流れにまとまりが無く散漫。なぜ主人公の部屋の食卓に子供が現れるのかといった部分から、後半、突如として出てくる主人公の「過去の謎」との関係に至るまで、何をメインとするべきかの視点が定まっていない。  全体的にテンポが悪い事もマイナス要素。ラストの転落シーンも目が合わないと意味ないでしょ。あそこが肝じゃないか?死の境界にいる人間の「最期の視線」が、まるで呪いの様に生きている者の心に食い込んでいくと言う終わり方にしないと。  部分部分ではドキッとさせられるシーンなどもあり、恐怖演出のセンス自体は悪くないので、もう少しストーリー展開上のメインテーマをしっかりと描ければ面白くなっていた可能性はある。
[DVD(吹替)] 4点(2007-05-27 20:42:36)
74.  ジーパーズ・クリーパーズ 《ネタバレ》 
要するにまともなホラー映画ではなく、意図的にB級を狙ったバカ映画。  都市伝説を元にした導入は不気味で期待させるが、あのアメコミ調の悪魔(?)みたいなのが出てきてからは、姉妹とのモンスターコントのような様相を呈していく。当然、ホラーとして真面目に見られるようなものではない。  作中で姉が弟に「ホラー映画でバカな行動して殺されるヤツがいるけど、あんたがそうよ!」みたいな事を言うが、そのセリフも含め、姉弟の明らかに確信犯的なバカっぷりに、怒りを通り越して呆れて、さらに一周して腹が立ってくる。  とにかくあんな安っぽいモンスターをまともに出してしまうところが監督の感性によるものか分からないが、個人的にこういう中途半端にフザけているようなB級ホラーは好きになれない。
[ビデオ(字幕)] 1点(2007-05-27 18:47:03)
75.  ワイズマンとのピクニック 《ネタバレ》 
これまた色々な解釈が出来そうな作品。  生きている人間が誰もいない世界でありながら、家具や衣類といった「物」だけがピクニックを楽しんでいる様は不気味。季節は冬にさしかかろうとする時期なのか、周囲の木々も枯れ始めている。物寂しげな世界には常に死の匂いが付き纏っている。  ただ、基本的に展開が単調すぎるのが難点。シュヴァンクマイエルの作品には同じようなシーンの繰り返しが延々と続く表現パターンが多いが、この作品もそんな感じで、見ていて非常に退屈。  すぐ横で墓穴を掘っているスコップや、あっという間に落ち葉で埋め尽くされる家具類など、非常に思わせぶりな演出ではあるが、シュヴァンクマイエルにしてはストレート過ぎてイマイチ。もう少し何かしら展開があれば良いんだけど。
[DVD(字幕)] 5点(2007-05-25 23:20:53)
76.  金田一少年の事件簿 雪夜叉伝説殺人事件<TVM>
たいていアニメや漫画の実写化は失敗するのが邦画のお約束だけど、このシリーズは意外とレベルが高い。無理に原作のイメージに固執することなく、それでいて原作をおざなりにすることもなく、実写化する際のバランス感覚が取れている。もともと初期の作品である原作が、ミステリーとしてかなり高いレベルで完成されているのも勝因のひとつ。  見慣れていくと堂本剛のはじめも、ともさかりえの美雪も悪く無い。  
[ビデオ(邦画)] 8点(2007-05-24 22:56:16)
77.  ザ・フォッグ(2005) 《ネタバレ》 
つまらない作品に共通している原因は、やはり脚本構成や演出が大雑把という点。せっかくの面白そうな設定も、映画としての作りそのものがいい加減では、その設定を昇華出来なくて当然。  特に今作は、ストーリー展開上、「観客に対して伏線として開示すべき情報と、そうでない情報の取捨選択」といった脚本管理が杜撰。  かつて町を救ったとされている四人組みが「過去に何か悪事を働いた」という序盤からすでにネタバラシになっているように、謎が謎として機能していない場面が多く、飽きずに見続けさせる求心力に欠けている。ミステリーのような謎解きが中心ではないにせよ、観客の興味を持続させ、物語に没入させるためには「謎の提示の仕方」や「タイミング」と言うものにもっと気を使わなければならないはず。  こうした脚本管理に対する考えの甘さは、演出面にもセンスの無さとして表れている。例えば船で女をナンパしていた友人が怨霊に襲われるシーンでも、観客に対して襲われるところを見せてしまっているので、翌日、主人公が誰もいない船を発見して「何があったんだ」と不安に駆られても、すでに何があったかを「知らされている」観客にとっては謎やサスペンスとして機能しないばかりか、このシーン自体が時間の無駄ですらある。  しかも前述したように、この町での事件が「怨霊というオカルト絡み」であることが確定しているので、「誰かの陰謀かも知れない」というミステリー的疑念すら持つ余地も無く、最初から最後まで退屈なモンスターパニック映画として見るしかないのである。  また、襲ってくる怨霊たちも、その能力(殺し方)に統一感が無く、中途半端に何でもアリになっていて、わざわざ霧という形をとっている意味が無い。そのため襲われる側も対処の仕様が無いので、逃げるばかりで、かえって恐怖感が薄くなっている。この辺の恐怖演出にもセンスが無い。  エリザベスが前世の姿に戻るというラストも、彼女の過去や主人公との関係をきちんと描いていないから、現世の肉体を捨ててまで前世の旦那と共に逝くというオチが唐突に感じる。
[DVD(字幕)] 2点(2007-05-24 22:37:06)(良:1票)
78.  魔女の宅急便(1989) 《ネタバレ》 
この頃の宮崎アニメには「世界」がある。空気感と言うか、広がりと言うか、単に画が綺麗なだけじゃなく、「こんな世界があったら良いなあ」と思わせる力があった最後の作品。良くも悪くも作品としての緊張感は薄いが、不思議と作品世界に没入してしまう。ユーミンの音楽との相性もバッチリ。  ただ、この作品をして「少女の自立の物語だ」などと評価して欲しくはない。出てくる人たちが余りにも善人だらけで、展開がご都合主義のオンパレード。意図的なものだと思うが、現実世界の厳しさや醜さはほとんど描かれていない。本当の意味でのキキの成長物語はエンディング以降のはずだが、作品として中途半端なところで終わっているのが残念。
[映画館(字幕)] 9点(2007-05-22 23:01:42)
79.  ルパン三世 EPISODE:0 ファーストコンタクト<TVM> 《ネタバレ》 
非常に評価が難しい特殊な作品。  確かに初期設定と違うので、ラストを見ると、「すべてがルパンのハッタリだった」という事のようだけど、そうすると、長々と話されていた過去話と、そしてそれを聞かされていた我々はいったい何だったのかという事になってしまう。いくらルパンファンでも、まったくのウソなら、そんな架空の作り話には何の価値も見出せないのでは?それとも作中作として女性記者のようにルパンに騙された事を楽しめと言うのだろうか?  ただ、私個人の考えとしては、もう「ルパン」の世界は、細かい設定に縛られてこじんまりとしてしまうよりは、既に命を持ってひとり立ちしてしまっているキャラクター達のパワーによって、パラレルワールドや外伝のように幾つもの物語が作られていって良い作品だと思う。  そういう意味では、今作は確かに初期設定とは違うし、ましてハッタリですらあるかも知れないものの、ルパンキャラの魅力を十二分に引き出し、巧く動かしていた佳作だと思う(特に次元、銭形がカッコいい。彼らのキャラクター性でもあるポリシーのベクトルをしっかり保ったままストーリーに有機的に絡ませる作りは、キャラの魅力を十分理解していなくては出来ない)。  個人的には「ルパンのハッタリじゃん」とか、「初期設定と違うからダメ」と簡単に片付けるより、いつくもあるであろうルパン一味のエピソードにルパンがちょっと味付けして語った真実の物語と思った方が楽しめる。 
[ビデオ(邦画)] 7点(2007-05-22 22:55:38)
80.  11人いる! 《ネタバレ》 
やはり原作が古いだけに、「何故11人いるのか」、という点でのストーリー展開やオチはありがち。「閉鎖空間でのテスト」となれば、突発的なトラブルに対する柔軟性や、他人との協調性を見るための「仕込み」であることなんて、あれだけ優秀な人間の集団なら誰かしら気付くと思うけどなあ(笑)。そこら辺での意外性に欠けていたのが残念。  原作自体は未読なので、キャラに対する違和感は特に無かったが、問題は肝心の人間描写がかなり大雑把なところ。特に王様やその腰巾着などが典型で、「人間関係や状況を悪化させるためだけ」の存在にしかなっておらず、あまりにもキャラ設定として安易過ぎる。  また、他のキャラもちょっとした事ですぐタダを疑ったり、王様のアジテーションに簡単に惑わされてパニックになったりと、これまた「煽動されるだけのバカ」にしかなっていない。あまりにバカ過ぎて見ていてイライラさせられる。いくら何でもフロルも日和見過ぎるだろ。温度調節バー(?)の件も、状況を見ていたんだから、ワザとか偶然かなんて分かるだろ。と言うか、信じてやれよ!  ラストにしても、あれだけタダの事を疑って、罵詈雑言、誹謗中傷してた連中が、合格したとたんに長年の親友のように振舞うところもシラける。   ただ、最近のアニメには無い個性的なキャラデザ自体は魅力的だし、あまり他に見ないアニメによる「SFサスペンス」をやってくれた事自体は評価したい。もう少しひとり一人のキャラ描写や心理描写、謎の提示などがしっかりしていたら傑作になった可能性があっただけに残念。 
[ビデオ(邦画)] 4点(2007-05-22 21:59:25)
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