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タコ太(ぺいぺい)さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1395
性別 男性
自己紹介 投稿にあたっては
①製作者の映画愛を信じて基本的に0点は付けていません。
②レビュー作品の「あらすじ」は率先して書いています。

※「ぽこた」からニックネームを変えました。サブネームの「(ぺいぺい)」は継続です。(2024.2.28)

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【製作年 : 2020年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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61.  ラン・ラビット・ラン 《ネタバレ》 
これはサラの幻影か、妄想か?それともアリスの亡霊のなせる業か?そのどちらとも受け取れると同時に、どう見るのかによって大いに評価が変わりそうな作品ですね。個人的には、全体通じてサラ目線で描かれていることもあり、語られているのはあくまでもサラの世界だと思いました。  幼き日に妹を散々苛め、挙句の果てには殺してしまった。それは紛れもなく狂気のなせるものであり、彼女自身に反省や自戒の念はないのだと思います。ただ、そうは言っても、サラにとって妹の死はどうにも振り払うことの出来ない悪夢となって脳裏に染み付いており、歯止めとなっていた父親の死に加え、愛娘が妹と同年齢になったことを契機に再びその狂気が頭をもたげて来たのでしょう。最早ミアはアリス。ミアが自らをアリスと呼ぶのは、ミアにアリスを求めるサラの幻影と思われます。  ラスト、元夫さえも殺してしまったサラは窓辺からアリスがミアを死に誘う場面を目撃しますが、勿論それも幻影でしょう。既にミアを殺してしまっているのか、それとも逃げ惑うミアへの殺害衝動が幻影となっているのか。明確に語られないので判断は難しいところですが、そこに至る以前の様々なシーンから、サラに僅かに宿る母性が殺すことは押し留めたのではないかとも思えますが、それは希望的観測に過ぎないかも知れません。  冒頭のサラの夢はトラウマそのもの。妹を殺してしまったことへの後悔の念なのか、それとも自らも死のうとしたものの助かったのだという弁明的な念なのか。観終わった後、いろいろと反芻する楽しさの味わえる作品に対し、そして、一見ジョディ・フォスター似、サラ役のサラ・スヌークさんの鬼気迫る演技に対し、8点献上します。  ちなみに、サラに対して心を閉ざすミアが被る手作りのウサギのお面。庭に迷い込んだウサギ同様、かつ、妹の名前がアリスなのですから、登場するウサギには「不思議の国のアリス」のイメージが重なります。それに限らず、「ドニーダーコ」や「インランド・エンパイア」など、ウサギが象徴的に登場する作品がありますが、欧米ではウサギそのものに何か特別の意味があるのでしょうか?日本では飛躍とか子沢山とか+イメージが多いような気がしますが…。
[インターネット(字幕)] 8点(2023-10-22 15:02:05)
62.  毒(2023) 《ネタバレ》 
コメディタッチで語られるエピソードではありますが、毒蛇が実際に居たのか居なかったのか分らない中で主人公も医師も必死になって男を助けようとする姿と、居るはずの蛇が居ないことを確かめた後の二人の反応の描き方から、人間の思い込みやそれに基づく行動などをシニカルに描いている作品と受け止めました。  勿論ハリーは、ウッズや医師を騙そうとしていたわけではなく本当に毒蛇の恐怖に震えていたのでしょうし、二人もそれは理解していたことでしょう。それだけに、帰って行く医師とそれを見送るウッズの態度や言動が尚更可笑しく感じられます。怒るに怒れず、さりとて笑い飛ばすことも出来ず。  単純に面白可笑しいショートコントと観ても良いのかも知れませんが、いろいろと考えさせてくれる人間観察ドラマの佳作として7点献上します。
[インターネット(字幕)] 7点(2023-10-22 14:14:44)
63.  Smile スマイル(2022) 《ネタバレ》 
邦画「リング」を思わせる死の連鎖。怨霊?悪霊?それとも死神?その姿は邦画「デスノート」風のようでいて動きは「伽揶子」っぽさがあったり。更には、肝心要の死に際の笑顔は「喪黒福造」のそれに見えないこともない。この監督さん、きっとジャパニーズホラーとか日本文化が好きで堪らないのかなぁ、と思ったりして…。  さて、「ホラーですが決して恐くはないです。」といったテイスト。可愛いお姉さんに目の前で満面の笑みを湛えられたら最早笑い返すしかないです。これってホラー的には結構ハードル高めですね。つまり、「笑顔」の連投で今ひとつ緊張感に欠けてしまい、折角演出している恐さが半減しているように思えます。確かに不気味な貼り付いたような笑顔ではあるのですが…。  そもそも何で「笑顔」なの?何で自殺目撃で連鎖?何で自殺しないで殺人しても生き残る?いろいろと疑問は残りますが、思いっきりの「笑顔」を犠牲者に重ね合わせるという一発もののアイディアに免じて甘めの6点献上です。
[インターネット(字幕)] 6点(2023-10-15 23:32:54)
64.  ティル・デス 《ネタバレ》 
外界から孤立し暖房もなく、夫の死体と繋がれ自由に行動することもままならない状況にある一人の女性。夫が自殺に使ったリボルバーには弾は残っておらず、電話もスマホも壊され、室内には刃物も工具も何もない。クルマのガソリンまで抜かれている。この絶望的な状況にあって、更に逆恨みの末に彼女の命を奪いに来る残忍な凶悪犯が迫る。  シチュエーションスリラーとしてのお膳立ては徹底しています。絶望の演出に新しさを感じました。そして、その後の展開も二転三転して目が離せない。ラストまで一気に見せてくれる良質なスリラー作品だと思います。  決定的な危機の場面にあって、思いのほかヒロインが自由に行動していたり、殺人者に見つかりそうで見つからなかったり、相手が仲間割れして命拾いしたりと、結構ご都合主義的な展開もありますが、ヒロインありきのフィクションなのですから許容可能レベルの予定調和として受け入れられます。  それにしても、湖畔の豪華な別荘で徹底的に妻を絶望に追いやった上で死を与えるという状況を用意するとは。夫は一体どれだけ妻を憎んでいたのか?極めて偏執的。逆恨みの凶悪犯より凶悪のようにも思えます。悪事が露見しキャリアも何も全てを失うことが決定的になったからと言って、妻が部下と不倫していたからと言って、単純に無理心中を図るのではなくここまで苦しめようとするには何かしらもうひと味必要かも知れません。新進気鋭の監督さんということで、更なる緻密さを次作に期待したいと思います。  ちなみに、個人的にはこのヒロインはもう少しか弱さや優しさを感じさせる雰囲気の女優さんの方が良かったかなと思ったりして。ミーガン・フォックスさんだと最初っから強そうに思え、悪党との真向勝負が自然に思えてしまうので。
[インターネット(字幕)] 7点(2023-10-14 23:19:04)
65.  イコライザー THE FINAL 《ネタバレ》 
第一弾は衝撃的に面白かった。第二弾は前作を踏まえたがために少々トーンダウンした。では、邦題では副題に「THE FINAL」と冠する本作は如何に?期待感十分に公開初日の1回目にて鑑賞しました。  舞台はイタリア。冒頭から容赦ないイコライザーぶりを発揮するも、その優しさがアダとなって重傷を負ってしまうマッコール。絶対的無敵ぶりを発揮し、戦闘不能になることなどなかった過去作とは大いに異なる展開。そして、傷が癒えるまでの戦えない時間が彼の生き方を変えて行く。今までも安らかな時間に充たされることはあったものの、それは決して長く続くものではなかったが、イタリアのその小さな町は、彼に永遠とも思えるような平穏な時間と場所、そして何よりそこに住む人々との心の交流を与えてくれる。そして、やがて始まるその町とそこに暮らす善良な人々を守るための最後の戦い。その勝利が彼に本当の平穏な日々を与えてくれる。  目の前の悪は滅ぼせても、摘んでも摘んでも悪の芽が絶えることはなく(実際「4」に繋がるような布石はないことはないです)、再び彼が戦いの場に戻らなければならない時が来るかも知れませんが、3部作完結編として見応えのある1本でした。  それにしてもダコタさん、あなたあの人たちの娘さんだったのですね。うん、だったら中途半端な登場のような?4作目を期待してやみません。  究極のお節介にして究極のお人好し。賛否両論は当然ですし、必ずしも賛同出来ない点も多々ありますが、個人的にはこのぐらいの勧善懲悪が大好きなので7点献上します。
[映画館(字幕)] 7点(2023-10-14 22:36:17)
66.  キャッシュトラック 《ネタバレ》 
無敵!死なない!ファンのお望みどおりのジェイソンが見られる本作。只管スカッとしたい人にはある意味お薦め。多少のあるある感は無視して、ただただ集中あるのみ。  ストーリー的にはクライム・サスペンスの王道を行くようなシンプルな構成。意外性はほぼありません。思ったとおりの展開というか実に想定内です。強いて言うなら、ジェイソンの正体がギャングのボスだったこと。この際、元特殊部隊員だろうがCIAエージェントだろうが武道の達人だろうがあまり関係ないのですが、被害者も悪党だったとは。そこは意外、というか残念でした。  それでも惹きつけられる。やはりその理由はひとえにジェイソン様々。カッコいいですよ、ホントに。いつかは衰える時期が来るかも知れませんが、脂の乗り切ったアクション俳優である今こそ、より多くの作品にチャレンジし続けていただきたいと願うばかりです。  ちなみに元ネタは未見です。ジェイソンが出ないこのストーリー。しかも仏映画。少なからず興味津々。しかも、元ネタの英題が「CASH TRUCK」なのですね。
[インターネット(字幕)] 8点(2023-10-08 22:48:21)
67.  アンチャーテッド 《ネタバレ》 
シンプルに楽しめる荒唐無稽なアドベンチャー作品。それもそのはず、ゲームが原作なんですね?とうの昔にゲームは引退した身なので、途中までそんな大切なことも知らずに鑑賞していました。でも、元ネタの詳細を知ることなくても十分に楽しめます。  ストーリー的には極めてオーソドックス。オリジナリティ豊かというのとは少々異なり、既視感溢れる中にあっても、適度にスリリング、適度にコミカル、飽きることなく楽しめました。  娯楽作品としての要素を十二分に備えた本作。何も考えず楽しむのが一番。夢のような世界を楽しみましょう。  ちなみに、そうは言ってもアントニオ・バンデラスさんの使い方はどうなんでしょう?勿体なっ!
[インターネット(字幕)] 7点(2023-10-04 23:13:48)
68.  白鳥(2023) 《ネタバレ》 
原作は未読。人間の心に潜む狂気に対し、強く正しく生きることを説いた作品でありながら、決して説教臭くならずファンタジックな味わいに仕上げられていて好感が持てます。  今の時代背景においては反戦的な作品と理解しても良いのではないかと思います。許されざる攻撃に対し決して無益な反撃を試みることなく自らのあるべき姿を求め続けるべき、というような。ある意味、理想論に過ぎないのかも知れませんが。  ラスト、母のもとに還り着いたのは、肉体は滅んでも決して滅びることのなかった魂だったのでしょうか?それとも奇跡が起きたのでしょうか?  本作を含め、ネットフリックスからロアルド・ダール作品が4作配信されるということです。あとの3作も楽しみです。 
[インターネット(字幕)] 7点(2023-10-04 22:21:01)
69.  禁じられた遊び(2023)
正直、微妙でした。中田秀夫監督最新作、原作は清水カルマ氏による話題のホラー小説ということで少しだけ期待していたのですが、自分的には残念ながら恐さは感じられませんでした。  公開中の作品なのでネタバレなしで取り敢えずレビューしますが、そもそも原作と同タイトルの「禁じられた遊び」からして疑問でした。名作中の名作と同名なだけに余計にそう感じてしまったのかも知れませんが、何か作品内容にそぐわない様に思えてなりません。  そのあたりは観ていただくしかないのですが、個人的には恐くない上に意外性の感じられない展開でしたし、特殊効果等の演出面ではジャパニーズホラーより欧米ホラー的に感じた場面も多々あり、もっと日本的な恐さを前面に出していただければと思ってしまった次第です。もっとも、今や何が欧米オリジナルで何がジャパンオリジナルかなどという境界はないのかも知れませんが。  鑑賞後、いや鑑賞中から最も印象的だったのはファーストサマーウイカさんの熱演。素晴らしかったです。今後の御活躍に期待です。  それにしても、鑑賞当日の観客数は少な過ぎました。公開直後なのに。ジャパニーズホラー、頑張って欲しいです!  (追記) 「エロイムエッサイム」少年の唱える呪文。何とも懐かしく思えてしまう我が世代。「悪魔くん」実写版も不気味だったけれど、原作漫画は恐かったなぁ…。その後の他作でも登場しているらしいですが、どうして本作にこのヘブライ語(諸説あり)を採用したのか?謎過ぎます。懐かしさのあまり甘くなってしまいました。再考の結果4点献上に変更します。(うち1点はウイカさんに献上)
[映画館(邦画)] 4点(2023-09-26 14:45:50)(良:1票)
70.  X エックス(2022) 《ネタバレ》 
世に出回っている本作のあらすじは一言多いような気がします。殆どに「農場の老夫婦は殺人鬼だった」みたいなことが書かれてしまっています。  もし、そのことが予備知識として入っていなかったら、サービスカットの連続で尺の半分程度まで進んでいく本作は、状況が急変するエロティックサスペンスとして、もう少しハラハラドキドキ出来ていたような気がします。ところが、予め老夫婦が殺人鬼ということがインプットされているため、まだかまだかとの思いが重ねられ、本当にホラーなの?とさえ感じてしまうのが残念でなりません。  70年代の雰囲気がしっかりと表現され、意外な程に真面目にポルノ(当時風に言えば「ブルーフィルム」でしょうか)を撮影するヒロインたちのキャラクターには少なからず好感さえ持てます。(単なる言い訳ましくは詭弁とも取れますが)  特段捻りもなく意外な展開もない本作ですが、ヒロインのミア・ゴスさんの二役熱演を始め、純粋に一昔前のスプラッターホラー(の再現)としての見応えはあります。それだけに、事前情報の出し方に疑問を感じずにいられない1本でした。  ちなみに、ラストに保安官が呟く製作者の自虐的な一言にちょっと笑。  (追記) もし本作が「高齢者の性」をメインテーマに据えているのだとしたら(殺人に至る動機という枠を超えた意味で)、捉え方が短絡的過ぎて問題ありと思います。そうじゃないのだろうなという視点での6点献上です。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2023-09-17 23:18:12)
71.  ドント・ブリーズ2 《ネタバレ》 
あの「ドント・ブリーズ」の続編。主役は前作と同じく盲目の退役軍人。という予備知識のみで観始めたので正直混乱しました。フェニックスって誰?8歳ぐらい?もしかして前作で生き延びたロッキーの娘?一緒に街を出た妹じゃないし。あれ?逃げた時にはロッキー妊娠してた?この時点で頭の中は想像と妄想で一杯に。  更に、え?薬物密造所の火災から逃げ出した少女?本当の母親と父親?もしかして、これって「ドント・ブリーズ3」で「2」は見逃してる?話が進んでも混乱は収まらず、かえって錯乱してしまいました。  そして、改めてじっくりと考えて漸く理解。続編と言いつつもノーマン以外は全く別モノだったのですね。ん?彼の愛犬シャドー?前作では犬の名前は出なかったと思いますので犬種が同じだったとしても定かではありません。前作とは殆ど関係ない。けれども明らかに続編として成立。主人公のみが共通するシリーズものとも解し難い。異色の続編ですね。前作で大金掴んで逃げおおせたロッキーを、ノーマンが追いかけて行って復讐しようとするストーリーだと勝手に思い込んでた訳です。  で、肝心のレビューはと言うと、一言で言えば面白かったです。主人公が実は極悪人ということを忘れさせてくれる爽快感さえありました。敵側がいきなり罪のない女性を殺害する所からとんでもない極悪人ぶり発揮で、少女を取り返す目的に至っては前代未聞のクソ野郎ぶりを見せてくれたから尚更ですね。それを皆殺しにするノーマンは最早ヒーローです。過去のあるヒーロー。ダークヒーローですね。無敵じゃないところもいいです。そこそこ酷く負傷してますし。  ただ、前作はノーマン(作中では名前は出てなかったような?)が盲目であるが故の仕掛けが様々あり、ある程度彼の超人ぶりにも説得力がありました。が、本作では観ている者に予め彼の超人的な能力が刷り込まれていると言うか前提になってしまっている感があって、前作未見の方には視覚障害故の弱みみたいなものが感じにくかったと思います。  そんなこともあって、あくまでも前作を観てから鑑賞という条件付で7点献上します。個人的には、前作程ではないにしても大いに楽しめました。
[インターネット(字幕)] 7点(2023-09-12 22:23:23)
72.  グッド・ナース 《ネタバレ》 
実話ベースの作品は、悲惨な話程、実話であることの恐ろしさが先んじてしまい映画としての素晴らしさが隠れてしまうことが多いように感じていますが、本作に関しては一切そんなことは感じませんでした。  まず、エディ・レッドメインとジェシカ・チャステインの演技が素晴らしい。鬼気迫る不気味さを時折り見せるエディが心底恐い。エディへの感情と正義心の間で揺れ動くジェシカが演じる儚くも力強い母親もまた素晴らしい。脇を固める俳優陣もそれぞれに味わい深いのですが、主演の二人が突出していると感じました。  そして物語そのもの。これが実話?被害者数の多さの異常さもさることながら、そこまで被害が拡大したことの背景にある病院の裏の顔 が恐ろしい。決して大昔の話ではなく、しかも世界をリードする先進国家での事件。実に恐ろしいことです。  更には、結局は明らかに出来なかった犯人の動機。作品では「誰も僕を止めなかったから」と呟きますが、それは作り手の病院批判であって、チャーリーの本質はそこにはないように思えます。類似の事件は我が国でも起きていますが、共通するものがあるのだとすれば、より一層身近な恐怖を感じざるを得ないところです。  比較的淡々と進む物語。2時間という尺は長過ぎるとも感じますが、ある意味未解決の実話を描くにはまだ足りないとも思えてしまう深い闇の物語でした。
[インターネット(字幕)] 8点(2023-09-09 15:00:23)
73.  隔たる世界の2人 《ネタバレ》 
タイムループで理不尽な死を繰り返すというアイディア自体は決して珍しいものではありませんが、未だ様々な事件を通じて明らかになっている人種差別という社会問題を、ショートフィルムという形態の中でストレートに纏め上げた製作者の手腕は素晴らしいと思います。  物語の中心となっている二人の登場人物のキャラは明確に解り易く描かれています。「黒人=善、白人=悪」ですね。ただし、キャラ設定は解り易いのですが、白人警官の立ち位置が少々わかりにくいです。この警官は状況を理解しているのか?タイムループに嵌ってしまったのは主人公だけなのか?  そうではないようですね。二人とも自らの状況を理解しているようです。しかも、白人警官の方が先んじている。或いは制御している、何も知らずに嵌ってしまったのは黒人青年だけのように見えます。  タイムループは手段であってテーマではないのでしょうからそこに拘っても意味がないようにも思えますが、基本的にSF作品ということを考えるに、尺の不足があるにせよもう少し整理した方が良いのではないかと思えました。  とは言え、スリリングに楽しめた佳作に7点献上します。
[インターネット(字幕)] 7点(2023-09-07 21:16:03)
74.  トロール 《ネタバレ》 
ノルウェー発、お子様向け怪獣映画とでも言うべき作品ですね。  怪物の登場は人間の自然に対する不敬に起因するもので、ゴジラを始めとする怪獣映画の王道的着想。怪獣は無闇矢鱈と暴虐の限りを尽くす訳ではなく優しさの一面も持ち合わせているというキングコングを始めとしたコレまた善玉的怪獣の王道的キャラ。  軍隊が登場して小型核爆弾的ミサイル発射にあたって首相は自国民の多大な死亡フラグに興味示さずあっさり意思決定しちゃうとか、無駄に狂暴な政府高官が首相を飛び越えてミサイル発射しようとした挙句、女性職員にぶん殴られて降参だとか、古生物学者が自らの役割立場乗り越えて活躍しちゃうとか、首相補佐官が小ネタ連発してスベリまくってるとか、早い話が主役の怪獣以上に全てが荒唐無稽。  つまりは、(ノルウェーの)子どもたちにとって、もしも童話でお馴染みの妖精が巨大化して怪獣になったら的なスゴさを良く出来たVFXで楽しめ、よくよく考えるとかなり悲しい物語なのに痛みや悲しさは殆ど表現されてなくてトラウマになったりすることもなく、親たちも殺し合いの惨さや戦争の悲惨さを感じ取ることもないだろうと子どもたちに安心して見せることが出来て等々、お子様向けとしては良いんじゃないですか?といった作品だと思いました。  そんな視点から、そりゃ―ないだろの連発の相当粗のある脚本と演出ではあるものの、それは脇に置いての5点献上とします。
[インターネット(字幕)] 5点(2023-09-02 23:57:16)
75.  さがす 《ネタバレ》 
「岬の兄妹」は未見なので先入観ゼロでの片山慎三監督作品鑑賞でした。  父子の愛情と連続殺人の異常心理を巧みに組み合わせ、ミステリ―風味のサスペンスに仕上げた本作、見事です。  智の行動や言動は終始リアルで、佐藤二朗氏の不安定に揺れ動きつつも次第に確信的に行動するようになっていく演技は、恰もドキュメンタリーの如く感じさせられてしまう様な真に迫る名演ですね。  娘役の伊東蒼さんもまたしかり。父の姿を追う行動や言動は些か芝居じみた部分も感じられなくはないのですが、それは脚本や演出の問題であって、演じ切っている彼女自身は見事としか言いようがないところです。特にラストの卓球シーンは、一人の薄幸の中学生が地に足の着いた一人の人間に成長していく姿を感じさせてくれます。  山内役の清水尋也さんも存在感が強烈です。序盤のシーンで作業員のひとりが彼の眼から受ける危険なイメージについて話していますが、まさにその通りに感情の消え失せたガラス玉のような眼をした演技に、思わず本作のモチーフであろう座間市の事件の犯人を想起してしまいました。  脇を固める俳優さん一人ひとりの演技も含め、鬼気迫る優れた演技が本作のテーマを観る者に叩きつけて来るような緊迫した2時間でした。  ただ、父子の愛に関しては十分に語ってくれているものの、モチーフとなっているであろう事件と同様、主犯者の(非)人間性については特に深く掘り下げられることはなく、メインテーマではないのかも知れませんが、この狂気とは一体何であったのかをもう少し語って欲しかった、というのが正直なところです。  そのあたりに不完全燃焼感が残り、1点減点させていただきました。
[インターネット(邦画)] 9点(2023-08-27 22:30:41)(良:1票)
76.  ブレット・トレイン 《ネタバレ》 
原作は未読なのでシンプルに本作のみの感想です。  ひさびさに大いに笑えたアクションコメディ。と言っても大笑いではなく、全編通じてクスリとさせてくれるお洒落なコメディ。コテコテのアメリカン・コメディではないところがいいですね。  伏線回収だらけというのもまた愉快。なるほどと思わせてくれる過去の出来事とのリンクがあるかと思えば、小物を使って見え見えの無理やり感ある回収もあったり、矢鱈と多い回収ぶりですが回収の仕方も逐一工夫されてて飽きない。  一昔前の外国人目線による日本人のキャラや街の風景とかも、今更そりゃないだろというレベルで確信犯的に持ち込んでるところが楽しいです。挿入曲もまたしかり。  監督の日本愛なのか?それともブラピの日本愛なのか?ちょっと歪と言うか歪んだ愛かも知れませんが愛されるということは嬉しいものです。ラストの大事故を筆頭に只管荒唐無稽で非現実的な作品ですが、だからこそ手放しで楽しむべき作品でしょう。  作り手からの愛されてる感とラストを締める真田広之の存在感に+1点の8点献上します。  (蛇足)どう考えても「ブレット」じゃないでしょ「バレット」でしょ。映画とは関係ありませんがGibsonの「DOVE」を昔は「ドブ」と呼んでましたけれど、今では「ダブ」か「ダヴ」が普通だなぁということを思い出したりしました。邦題を命名した方が作品内の日本観を反映して懐古的にローマ字読みにしたのであれば、それはそれで深くて有りかも。
[インターネット(字幕)] 8点(2023-08-25 00:11:34)
77.  ファーザー 《ネタバレ》 
認知症という疾病を身近に感じているか否かによって受け止め方が大きく異なる作品だとは思います。  確かに、認知症を発症していながら奇跡的に寛解した人でもない限り、本作に表現されている世界が認知症患者の見ている世界、感じている世界そのものであるとは確信も明言も出来ないでしょう。否、仮に寛解した人であっても罹患当時の記憶はないかも知れないですね。これは、あくまでも第三者が感じている認知症の世界を視覚化した作品だと思います。  しかし、その表現力が素晴らしいと思います。私自身、認知症患者が身近に居る経験をしていたし、現在進行形でもあります。患者と言っても一括りに出来ないことは言うまでもありませんが、まさに本作に表現されている世界が、主観的な推測に過ぎないにせよ現実にも感じ取れます。  また、アンソニーの一人称視点だけで構成せず絶妙に他の登場人物の一人称視点か絡み合うところも素晴らしい。原作の戯曲は未見なので、作品そのものの素晴らしさなのか、それを咀嚼し昇華させた本作のスタッフが素晴らしいのか判断できませんが、作品全体の構成に隙がなく、1時間半余りの作品にも関わらず重厚な大作を観終わった後のような充実感がありました。  自らの問題、家族の問題、友人の問題として観るのも良し、全く縁のない世界として観るもよし、優れた映像作品と思いました。とりわけアンソニー・ホプキンスさんのこの名演をもってすれば、満点献上は当然と思えた次第です。
[インターネット(字幕)] 10点(2023-08-23 13:40:23)(良:1票)
78.  ビースト 《ネタバレ》 
狂暴な野生動物と人間との闘いを描いたアクション系エンタメ作品として観れば、優れたCG、スリルとサスペンス、そして家族愛を描いた良作のように思えます。実際、ほぼノンストップで楽しめはしました。  けれども個人的には何とも後味の悪さが残りました。群れを非道な密猟者に殺され生き残った雄ライオンを「悪の意志を持った存在」のように描き過ぎのように思えてなりません。  確かに、トバッチリを食っていきなり皆殺しにされてしまった集落の人たちは気の毒としか言いようがありませんが、(現実問題としてライオンの思考に人間的な悲しみの感情があるかどうかは判りませんが)ライオンの方にも悲しみや悲壮感を込めて欲しかったところです。  集落での惨状を目撃した直後の混乱した状況だとしても、一丁のライフルのみ携えて単独でライオンを追う姿は、冷静なプロの保護官もしくは動物学者とは思えません。単に殺すためにライオンを追うハンターとしてしか映らないです。  全体を通じて危機管理の薄さが目立つ演出。主人公の父娘たちは素人だから仕方ないにしても、それでも常識的にその行動は違うだろ?みたいな場面が多過ぎました。思えば、父娘の会話にも今一つな台詞が多く、家族愛をテーマとしたドラマとしてもスッキリはしないところです。脚本の問題なのでしょうか?  一見お子様向け、ファミリー向けの1本のようでいて、実は違うなと思えてしまう1本でした。  (追記) 今日、数多くの放牧中の牛を襲い指名手配犯のように追われていた北海道の1頭のヒグマが、ついに殺処分されたことをニュースで知りました。密猟者に襲われたライオンとは全く違う状況であるにしても、人間と野生動物の共存・共生は難し過ぎるとつくづく思いました。そんな観点で観るべき作品ではないのかなぁ?
[インターネット(字幕)] 5点(2023-08-22 10:44:08)
79.  アンチ・ライフ 《ネタバレ》 
公開当時の「アルマゲドンから22年、ブルース・ウィリス再び宇宙へ」なんつうコピーが頭に残っていて、え?あのハリーが主役なの?などという疑問と混乱が脳内を巡ってしまいました。んな訳ないですよね?私が浅はかでした。  「地球」と「人類滅亡の危機」そしてブルースさん以外、「アルマゲドン」とは縁もユカリもない本作。何とも既視感に満ち溢れた作品でした。  未知のウィルスによる人類滅亡の危機、別天地となる惑星への選ばれし人々の移住計画、船内で乗員が冬眠中に起きる異常事態、謎の寄生生物による人体と精神の乗っ取り、寄生された人間は狂暴で死なない、そして英雄的殉職者によって主人公と恋人が脱出、辿り着いた安住の地には新たなる脅威と恐怖。などなど。  それぞれにコレはあの作品、アレはあの作品と、既視感の原因がアッサリ判明。つまり、オリジナリティが感じられないのです。  元ネタ的な類似作を知らなければ、否、知っていても、決して面白くない駄作とは断じられないと思います。結構楽しませていただきました。されど高評価していいものかどうか?やはりもう少しオリジナリティが欲しかった。金属さえも溶かしてしまう超強力洗剤とそれを原料とした密造酒だけでは何とも淋しい限りです。  如何にも続編ありみたいなエンディングですけれど、今のところ予定は聞きません。でも、あのエンディングで続編を作ったら、またしてもアノ作品みたくなりそうなのでシリーズ化は望みません。そんな感じの微妙な5点献上です。
[インターネット(字幕)] 5点(2023-08-21 10:50:00)
80.  シン・仮面ライダー 《ネタバレ》 
1971年にTV放映された「仮面ライダー」をリアルタイムで夢中になって観ていた身としては、いきなりショッカーの戦闘員たちを返り血を浴びながら殺害していくライダーに一瞬引いてしまいました。この作品は、元祖TVシリーズにはなかった暴力的リアリティを追求していくのか?と。  しかし、観続けて行くと、特にリアリティの追求ということでもなく、カット割りや演出、登場人物の台詞回し等々、寧ろ元祖版を丁寧にトレースしているように思えて来て、当時を知る世代にとっては懐かしき昭和の時代を髣髴とさせてくれる作品でした。  併せて、子供向けとして制作された元祖版では少々抑え気味だった、ヒーローの背負った悲しみ・苦しみといった物語の重要な背景部分にも光を当て、今や中年を越え老齢の域に一歩踏み入ったリアルタイム世代にとっては、別の意味でも堪らなくノスタルジックな作品です。  それだけに、ショッカー戦闘員殺害シーンでの流血や、ラスボスとの最終決戦シーンでのライダー流血シーンが必要だったのかどうかは微妙に思えます。  また、次々に怪人が登場する前半~中盤は、スピード感はあるものの今ひとつ綺麗に流れていないように思え、一話完結モノを繋ぎ合わせたようなイメージでした。原作に忠実にするためには尺の都合もあって仕方なかったのかも知れませんが、ルリ子の遺言以降の流れが一気に加速し厚みを増すのに対して、何かもたつきのようなものを感じてしまいました。  仮面ライダー1号・2号はリアルタイムで観たものの、その後はすっかりご無沙汰してしまい、次に観たのは「仮面ノリダー」だったという浜辺美波ちゃんファンの自分にとっては大いに楽しめる作品でしたが、平成以降のファンを始め1号・2号の時代に何かしらの思い入れがない人にとっては全く楽しめない作品でしょう。観る人を選びますね。なので5点献上に留めます。
[インターネット(邦画)] 5点(2023-08-17 00:31:59)(良:1票)
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